欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2010年3月 の記事

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前回に続きまして、社団法人 日本皮革産業連合会 大澤会長に
現在、注目を集める東トーキョー エリアについてお聞きしました。

 

 

 

 

 

―――――“メイドイントーキョー”がブランドに!―――――

 

「みなさんご存じのように
現在建設中の東京スカイツリーが、完成前から話題となり
観光客が多数訪れています。


地下鉄大江戸線、つくばエキスプレス新御徒町駅近くの
台東デザイナーズビレッジでは、数々人気のクリエーターを輩出。
2009年秋には入居ブランドにより、
東京コレクションの会場となりました。
新しい発想のレザーアイテムで
2010年“TASKものづくりプロジェクト”
優秀賞を獲得したブランドも。また、卒業生のクリエーターが
JR御徒町駅近くの商業施設に入居が決定するなど、
ファッションの発信地としての役割を取り戻しつつあります。


“メイドインジャパン”、“メイドイントーキョー”が
ブランドとなる日も近いのです。


“たしかなもの”を求めるユーザーの期待に応えるため、
常に1歩2歩先を考え、
日本皮革産業連合会ができることに取り組んでいます」

 

 

 


2010年“TASKものづくりプロジェクト”
優秀賞を獲得したデザインティールームス「革ワッフル ステーショナリー」

 

革ワッフル.JPG

 


「台東デザイナーズビレッジ 卒業報告会」では、多数の参加者に交じり、
メディアの取材も。終了後もクリエーターとのコミューケーションが続いていました。
 

 

卒業報告会.JPG

 


そんな流れとともにメディアにも取り上げられ、テレビ、雑誌はもちろん、
2009年発売された「東京の手仕事」(京阪神エルマガジン社)がヒット。

 

tokyonoteshigoto01.jpg

 

 

今年は続編として「東トーキョーの本(仮)」が初夏に発売予定。

エリアとしてだけでなく、ものづくりにも注目が集まり、

ますます盛り上がりそうです!


次回のエントリでも、盛り上がるジャパンレザーについて、リポートします。


どうぞ、お楽しみに。

 

 

 


 

カテゴリー: 国内革事情

     


マンガ、アニメなどのカルチャーだけでなく
日本独自のファッションも世界中で注目されています。
他国にはない、「らしさ」とは?
社団法人 日本皮革産業連合会 大澤会長にお聞きしました。

 

 

―――――日本人の“繊細”な感性にフィットするものづくり―――――

 

 

「日本のものづくりは、他国よりも“繊細さ”が
際立っていると自負しています。
以前はガラパゴス状態といわれた携帯電話。
機能の先進性が認められるようになってきました。
シューズ、バッグについても、
使い勝手のよさ、バランス感などが重要視されます。
特に若い世代では、
“サイジング”へのニーズが高まっているようです。
日本人の体型も変化しているなか、
足にも変化が。
その傾向を見逃さず、データ収集、調査研究して
よりよいものづくりに生かしています」

 

 

 

日本で暮らしていると、なかなか気がつかないものですが、機能性やデザインが
外国製品とくらべて“繊細”ですよね。
例えば、バッグならポケットやファスナーが多くて使いやすさを実感します。
シューズも履き心地を重視すると、自然と日本製を選ぶことも

多いのではないでしょうか。

 

 

おすすめのアイテムを手にとっていただきました。

 

シューズ.JPG

 

最新コレクションには大澤会長の想いがぎっしりと詰め込まれて。

 

会長2.JPG

 

 


見てください、この“かえり”。足の動きに対応するから、歩きやすく、
低反発のインソールが配されて、疲れにくいんです。

 

 

 

 

 

 

 

 


―――――日本のものづくり、レザーについての理解を深めて欲しい―――――

 

 

「その“繊細さ”は、品質に対する厳しさにもつながっています。
しかし、それはレザーの特性を
ユーザーのみなさんにお伝えしきれていないことも一因。
合成皮革と違い、
リアルレザーは、生きもの一部だったので、
キズがあるのも仕方がないこと。

また、製法によっては色落ちなどもしてしまうものなのです。
このたびリニューアルしたホームページでは
Q&Aやマンガなどで、わかりやすく解説しました。
そんな知識や使い方を
ぜひみなさんに理解していただきたいですね」

 

 

 

高等学校では平成6年度から、家庭科は男女必履修になりましたが、

授業に「被服」があっても、皮革について学ぶ機会は少ないもの。
現在、注目される「食育」同様、「飾育」も必要ですよね。
「エコ」への意識が高まっているなかで、いいものを暮らしに取り入れて

長く愛着する、ということ、適切なお手入れをすることで皮革製品は

使い続けることができる、ということを
もっとたくさんのひとに知っていただきたいです。
 

 

 

 


当サイトには、わかりやすく学べる「皮革マンガ辞典」や皮革に関しての

Q&Aなども盛りだくさん。“皮革を学ぶ・楽しむ”コーナーから、ごらんください。
 

 

 

変化の激しい時代、新しい流れに対応していくことが求められるなか
ジャパンレザーも未来を見据えた取り組みが進んでいます。
次回、お知らせします。お楽しみに。


 

 

 

カテゴリー: 国内革事情

 


エコは、ブームから、定着へ。ライフスタイルにしっかりと根付いてきています。
そんななか、日本独自のエコレザー認定制度がスタートしました。

地球にやさしく、人にやさしい。

製造、廃棄、リサイクルなどのサイクルで環境負荷が環境や

人体に悪影響がないよう配慮された製品がユーザーにとってわかりやすく、

手にとりやすいような仕組みづくりとは?
このプロジェクトについて、大澤会長にお聞きました。

 

 

 

―――――エコレザーをわかりやすく、買いやすく ―――――

 


「エコが注目され、人々の意識が高まる今、
皮革産業でも時代に合わせた、
そして、一歩先を行くレザーが求められています。

エコレザーというとタンニン鞣しだけなのか?
クロム革でも溶出量が少なければ、エコレザーとして
認定されるのですが、

その詳細を生産者が認知し、
エコレザー製品を求めるユーザーが
見つけやすく買いやすい状況をつくらなければならない。


だからこそ、社団法人日本皮革産業連合では
いち早く進めたのです」

 

 

日本エコレザー基準(JES と略す)の条件は・・・

●天然皮革であること
●排水、廃棄物処理が適正に管理された工場で製造された革であること
●臭気、化学物質(ホルムアルデヒド・重金属・PCP・
  禁止アゾ染料、発がん性染料の使用制限)および染色摩擦堅ろう度に関する
  一定の基準を満足していること
以上の項目について、厳密な含有物質の検査が行われ、認定されます。

 

 

 

マーク.jpg

 

 

 

 

青く美しい地球のようなマークです。

 

 

 

 

――――― メーカーには誇らしく、
ユーザーにとって、安心なシンボルマークに ―――――

 

 

 

「エコレザー認定制度は、素材に対して行い、
素材を製品に使うことを許可します。
その場合は約60%以上
エコレザーを使うことを義務付けています。
スタートしたばかりですが、
利用するメーカーには誇らしく、

ユーザーにとって安心な

シンボルマーク的な存在になるでしょう。


エコレザーを広めるためには
ユーザーのみなさんに注目していただき、

ビジネスにつながることが
PRになり、

さらに普及することにつながります。


今後、ご期待いただき、多くの人の
ライフスタイルに取り入れてほしいものです」

 

 

 

 

昨年、第1回の申請時「エコレザー認定制度」についての説明会でも申し込み多数で

受講できないかたも数多くいらっしゃったそうです。
そして今年1月には東京都・東京製革業産地振興協議会(東京レザーPIGSKIN)による

エコビジネス セミナーが、台東デザイナーズビレッジで開催されました。

 

 

エコセミナー.JPG

 

 

 

たくさんのかたが受講し、質疑応答も盛んで、スゴイ熱気でしたよ。


 


海外では、エコレザーは広く知られてますが、日本では皮革製品に対するエコ意識は、
まだまだこれからの状態。だからこそ、きちんとしたルールづくりをして
世界標準を目指していこう、という高い志が感じられました。

次回は、そんなジャパンレザーの海外での評価や展開についてレポートします。

どうぞ、お楽しみに。
 

 

 

カテゴリー: 国内革事情

  


前回お知らせしましたが、
社団法人日本皮革産業連合会の大澤会長にお話を伺うため、

吉原大門に近く、下町情緒が色濃く残る東京・東浅草 シャミオールへお邪魔しました。

 

 

会長.jpg 


「ジャパンレザーアワード2009」の受賞式にて。

 

 

 

 

 


―――――革の知識、匠の技を
次の世代へと受け継ぎ、現状を打破したい―――――

 

 

「利益・効率を優先さざるを得ない このごろ、
かつてのように いいものをつくりたい、
社会に貢献したい、という志を持ち続けることは、
たやすいことではありません。


しかし、価格重視するだけでは皮革製品の持ち味が
失われてしまいます。
不況を言い訳にせず、日本の皮革産業を取り巻く
環境を整えることが急務です。


原点に立ち戻り、
メイドインジャパンのレザーと、
そのすばらしさを再認識し、いいものづくりで
現状を変えていきたいのです。
いい革とその製品をつくるには、
高い技術が求められます。
革の知識、匠の技を
次の世代へと受け継がなくてはなりません。」

 

 

 


"時代が悪い"なんて、うつむいていたらダメですよね。お話を聞いているうち、
なんだか元気になってきました。
また、ご存じのように"デコ"や"手作り市"がブームから定着へ。
"つくる"ことが注目され、手の温もりが感じられるものが欲しい、というだけでなく、
何かをつくってみたい、という人が増えています。
そんな風も吹き始めた今、
できるだけ多くの人々に理解していただけるよう日々考えていらっしゃるそうです。

 

 

受賞者.jpg 

 
『ジャパンレザーアワード2009』受賞者たち。

 

 

 

 

 

 


―――――競い合うのではなく、自分自身を磨いてもらいたい―――――

 


「昨年に続き、開催する『ジャパンレザーアワード』は
その1つ。
夢と誇りが持てるような業界にするため、
競い合うのではなく、
自分自身を磨いてもらえる場をつくりたかった。
デザイン性のみの机上の空論や
ユーザーを無視した独りよがりのものづくりでは
多くに人の心に届きません。
欲しい、買いたい、という気持ちがあってこそ
使うひとの愛着する気持ちが深まります。


世界を飛び回り、
日本のマーケットを支える、第一線級のバイヤーに
審査を依頼したのはそのためです。
さらに"国産の天然皮革を使用すること"
という条件もプラスして
"メイドインジャパン"であることにこだわりました。
レザーに関するすべてが
レベルアップしていかなくては。


奇をてらわず、まずはできることから、しっかりと。
真摯にいいものをつくり、
皮革製品の味わい、よさを伝えていく。
匠の技、時代をとらえたデザイン、
意欲の高い人材が発信する
新しい"ジャパンレザー"によって、
世界中の共感を得たい」

 

 

未来を見据えた広がりから、皮革産業に関心をもつ次の世代が育ち、
世界からも注目される
ジャパンレザー"の新しい時代! もう足音は聞こえていますね!!
 

 

会場.jpg

 


前回の受賞作品は表参道ヒルズで発表されました。

 

 

 


新しい時代にぴったりのレザーについて、お聞きしました。
次回もお楽しみに!
 

 

 

 

March 1, 2010

はじめまして。

カテゴリー: 日々つれづれ

 

はじめまして。
コミュニケーションプランナーの鈴木清之と申します。


PR&コミュニケーション分野でファッションからプロダクトまで
いろいろなブランドのお手伝いをさせていただいています。

 

 

ジェイピー バナー.png

 

 


このほか、雑誌「装苑」webサイト「fashionjp.net」内「クリエーターズブログ」などで
ブロガーといいますか、ブログライターとして活動中です。
ご縁があって、このブログも担当させていただくことになりました。

 

 

クリエーターズブログ

 

 


大手メーカーをはじめ、
多くのシューズ&バッグメーカー、ファクトリーが立ち並ぶ
東京の下町エリア、北千住に生まれ、
職人さんがいいものをつくる姿を間近で見て育ったので、
「欧米ブランドには負けていないぞ!」という
タイトル通りの想いがありますが、

知ってるつもり?で、意外と知らないレザーについて、
ユーザーと同じ目の高さで
皮革産業を支え、牽引する方々にお聞きしながら、いろいろと発信していきます。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

さて、先日クリエーターズブログでご紹介したコンテスト、
「ジャパンレザーアワード」はご存じですよね?

 

 

アワード バナー.jpg

 

 


詳しくはこちらをごらんください。

「ジャパンレザーアワード2010」スペシャルサイト

 

 

 

デザイナーを目指す人、
すでにレザー関連の仕事をしている人を対象にしていて
伊勢丹 リ:スタイルの須藤さん、バーニーズニューヨークの鈴木さん、
ビームス 南馬越さんなど
現在、ご活躍中のバイヤーが審査をご担当。スゴイ!

グランプリ受賞者には賞金と共に
国内、海外合同展示会への出展資格も得られます。
自分のデザインが商品として、どんな評価を受けるのか? 
海外に発信できるものなのか?
国内外の展示会で膨大な数のブランド、アイテムをご覧になり、
日本のマーケットで売れるものは何かを
知り尽くしたプロフェッショナルの認められる貴重なチャンス。
そして、ビジネスのきっかけも掴める・・・
いい企画ですよね。


どうして、こんなプロジェクトがスタートしたのか
詳しいことが知りたくて、
「ジャパンレザーアワード」を主催している
社団法人日本皮革産業連合会の大澤会長にお話を聞いてきました。

 

次のエントリからご紹介しますので、
どうぞお楽しみに!
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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