欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2011年4月20日 の記事

カテゴリー: 国内革事情

 

 

 

 

 

 

 

 

前回に続きまして
社団法人日本皮革産業連合会 調査・情報提供委員長
矢代裕夫さんからお聴きした
ジャパンレザーの今と未来についてお届けします。

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カットワークやメッシュなどをフィーチャーした
夏らしいアイテムや
履きやすく、歩きやすいスポーティなシューズなど、
たくさんのコレクションが展示された
銀座ヨシノヤ本社ショールームでお話を伺いました。

 

 

 

 

 


―――――――― ジャパンレザーの魅力は高付加価値性 ――――――――

 

 


――――― 日本の皮革製品の今後についていかがお考えですか?

 

矢代さん  「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の
       協議が続いていますが
       加盟国間で取引される全品目について関税を
       原則的に100%撤廃する、という 
       この経済的な枠組みが数年後に実施されれば、
       輸入品が増加するでしょう。
       その対策を考えなければなりませんね」

 

―――――  例えば、どんなことでしょうか?

 

矢代さん  「ジャパンレザーの長所を伸ばし、
       品質が高く、競争力のある商品を開発することです。
       わが国の技術は優れています。
       いい革づくり、ものづくりを守っていきたい」

 

―――――  どんな商品の開発をなさっていますか?

 

矢代さん   「弊社では、晴雨兼用
       [天然皮革]シリーズを発売し
       ご好評いただいています。
       欧米には防水レザーという発想がなく、
       日本らしい商品です」

 

―――――  レインブーツより歩きやすく、ファッショナブルですね。

 

矢代さん   「皮革本来の良さと新たな機能が融合した
       “天然皮革”を使用しました。
        コーティングなどとはまったく異なり、
        通気性はそのままで、
        強力な撥水性と撥油性が持続。
        防汚性にも優れています。
        色落ちしにくく柔らかな風合いも変わりません。
               しかもムレにくく快適。
、       ソールは防滑性に優れ、屈曲性、クッション性も抜群の
        銀座ヨシノヤオリジナル。
        “機能性とファッション性の両立”を実現しています」

 

―――――  顧客サービス面はいかがでしょうか?

 

矢代さん   「1986年より社内の認定制度として
        独自の[銀座ヨシノヤ・フィッター制度]を設けています。
         販売スタッフに対し、
        人間工学、足型計測、靴の知識、フィッティング、
        靴の調整法等の足と靴に関する教育を実施。
        [銀座ヨシノヤ・フィッター]の資格を与えています。
        現在、認定者は127名にのぼります
        (2010年12月現在)。
        そのほか、FHAのシューフィッター23名、
        日本靴小売商連盟のシューフィッター77名が
        全国の店舗に配置されています
        (2010年12月現在)」
        


―――――   人材育成に注力なさっているのですね。

 

矢代さん   「いいものをつくることはもちろん、
        お客さまにしっかりとお届けすることが大事。
        そのためには、人が欠かせません。
        革が好きな方、
        革を使ってくださる方に満足していただきたい。
        そのために商品説明だけでなく、
        お手入れ、保管方法などについても
        きちんとご提案しています。

        皮革製品は使っていただいてこそ、
        その素材感、味わいなどの魅力を実感できます。
        ユーザー視点と人材育成を心がけることで、
        ますます成長・発展ができるのではないでしょうか」

 

 


―――――――― 雇用を守ることもジャパンレザーの役割 ――――――――

 

 


――――   新年度となりましたが、新入社員はいらっしゃいますか?

 

矢代さん    「今年度は10人新規採用しました。
         靴やレザーを好きなひとが多いですね。
         それぞれ熱心でうれしく思います」

 

―――――  足で悩んでいる女性も大勢いらっしゃるそうですね

 

矢代さん    「そうなんです。お母さまからの
         おすすめをきっかけに
         銀座ヨシノヤの靴に出会い、ファンとなり、弊社へ。
        [こんなにすばらしい商品を
         靴選びで困っているたくさんにひとたちに
         届ける仕事がしたい]と
         高い志でがんばってくれています。
         ほかには、医療福祉系大学卒業生などもおります。
         企業スローガン
        [履き良さは美しさ。]に共感し、
         これからの時代に相応しい
         靴の提案に尽力してくれると思います」

 


―――――  うれしいですね。

 

矢代さん     「また、千葉県野田の流通センターに
         リペアセンターを併設。
         取引があったメーカーが廃業されたので
         そのスタッフを迎え入れました。
         景気の悪化、震災の影響など、社会の転換点とも
         いえるいま、ワークシェアリングに
         つながる雇用スタイルを探り、
         日本の皮革産業発展のお役に立てればと思います」

 


創業時から掲げる銀座ヨシノヤの企業理念、
「三徳主義」
(1)お客様に喜ばれるものを売る
(2)取引先を大切にする
(3)そうすることによって自然に徳が戻ってくる

の通り、お客様第一主義、
靴作りに妥協しないというポリシーに加え、
雇用の安定と人材も
非常に大切になさっていました。

企業姿勢と、付加価値性が高い皮革製品に共感し、
[つながり]が広がって。
次なるステージを目指し、ジャパンレザーのプロダクトは
ますますレベルアップしていきそうです。

 

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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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