欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2013年11月13日 の記事

カテゴリー: 国内革事情

 


前回に続きまして、
「Japan Leather Award 2013」審査会レポートをお届け。

 

IMG_2837.JPG


総作品エントリー数 320点から、独断で応募作品の傾向をご紹介します。




会場の展示、警備の関係上、ごく一部ですが...
(ほんとうは、すべてお見せしたかった !)
進化する日本の革、ものづくり、ぜひ、ごらんください。




伝統的な藍染めを最新トレンドに

 

 

このところ、藍染めの皮革製品が続々と登場しています。

流行色としてブルーが人気ということもあり、
時代の気分ともリンクし、新たなトレンドアイテムへ昇華。

 

審査会 伝統技法をトレンドのネイビーで.JPG


日本古式の技法である和牛の白なめし革に本藍染と漆を施した革を使用。

雨に打たれるたびに日々美しく成長し、雨と共生するブーツ。
(婦人靴部門  二本 真さんの作品)


愛知県に伝わる「有松・鳴海絞り」の技術を取り入れたレザーをフィーチャー。
「絞り染革」の模様を楽しめるシンプルなデザインのトートバッグ。
(レディースバッグ部門  渡辺 賢智さんの作品)




自然・生物との調和を目指すプロダクト


エコを意識したプロダクトはさまざまなジャンルで広がっていますが
環境配慮型パッケージや、農林業被害を軽減のため
頭数調整される動物の有効活用など、ジャパンレザーにも増加傾向です。

 

審査会 環境配慮.JPG

 

「履き捨てる靴を減らしたい」という想いが込められた手づくりシューズキット。

フラットパッケージは輸送時の負担、CO2排出量軽減につながります。
(婦人靴部門  大河 なぎささんの作品)

 

 

農林業被害を軽減のため頭数調整された野生のニホンジカの皮をなめし、
生命の証をムダにすることなく、デイリーなバッグを開発。
(メンズバッグ部門  小野 俊男さんの作品)




ハレの場にふさわしい靴


クールビズ、ウォームビスの影響でオフィスでのドレスコードが
カジュアル化している昨今、ハレの場では、ドレスアップしたい、というユーザーへ向け
潜在的なマーケットを掘り起こす商品開発に注目したいですね。

 

審査会 ハレの日の靴.JPG

 

サムシングブルーの裏地、中敷きを配したウェディングシューズ。

「縁が結ばれた」という意味を込め、リボンのモチーフをさり気なく配して。
(婦人靴部門  藤井 弥生さんの作品)


正装としての紳士靴 + 紳士服のスタンダードを考え、
内羽根ストレートチップに蝶ネクタイをプラスした個性的なデザイン。
(紳士靴部門  瀧本 武さんの作品)




祝祭のときを彩るケース


食肉の副産物を大切につかい、生命のバトンをつなぐレザーは
ライフスタイルや人生の門出を彩るアイテムに最適。

やさしい素材感、豊かな表情により、贈るひとの想いを伝えます。 

 

審査会 祝祭 ケース.JPG

 

子どもの成長とともにエイジングする母子手帳(東京都サイズ)ケース。

年を重ねるごとに増える診察券や問診票、自治体、病院からの書類などを収納。
(生活雑貨部門 齋藤 宏幸さんの作品)


日本エコレザーを使用したポチ袋。アクセサリーなどのギフトケースにも。

贈られたかたは、カードケースとして活用できるのもうれしい。
(日本エコレザー部門  松澤 邦幸さんの作品)




シンプルな「袋」

 

 

レザーの魅力・味わいをシンプルに訴求するアプローチとして
「袋」を意識したデザインが目立ちました。

可塑性が高いピッグスキンは、そんな表現にぴったり。

 

審査会 シンプルな袋.JPG

 
熟練の職人によって均一な厚みに漉かれた豚革を使用し、
PCやタブレットなどを包む機能に特化。ぬくもりが伝わるカバーです。
(生活雑貨部門  佐藤 元治さんの作品)


「紙袋」のようなクラッチバッグがあったら...という発想でつくられました。

程よく"きちんと感"のある仕上がりは、レザーならではの持ち味。
(レディースバッグ部門  中村 真弓さんの作品)




注目の革文具・雑貨

 

 

近年、注目されているステーショナリー。専門誌も刊行され、話題です。

文具のセレクトショップ、イベントも増え、
紙もの雑貨だけでなく、上質な革製アイテムのニーズも高まっています。 

 

審査会 革文具・雑貨.JPG

 

"マステ"と略称で呼ばれ、人気のマスキングテープをカバー。

雑貨的な要素がさらに強調され、女性ユーザーの支持を集めそう。
(生活雑貨部門  坂本 麻利さんの作品)


携帯音楽プレーヤーをはじめ、さまざまな機器や充電器のコードなどを
くわえて束ねてくれるコード犬。デスクやバッグのなかをすっきり整理。
(生活雑貨部門  ますだ じゃりさんの作品)


ナチュラルなヌメ革でつくられたペンシルキャップ。

鋭利に尖らせた芯もカバーできて安心。
(生活雑貨部門  内藤 めぐみさんの作品)




ほかにも、アート的なオブジェやユニークなモチーフ、

パーツをつなぎ合わせた構造のアイテムなども気になりました。

ジャパンレザーは進化していますね。

公式サイトでは、
すべてのエントリー作品が閲覧可能ですよ。


受賞作品を発表・表彰は、
12月11日(水)、同じく阪急阪神百貨店
阪急うめだ本店 9F「祝祭広場」で行われます。

 

トロフィー ヨリ.JPG

 

300点以上もの皮革製品の頂点に立つのは ?

どうぞ、お楽しみに。






くわしくは こちらから

 

Japan Leather Award 2013
http://award.jlia.or.jp/2013/


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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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