欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2013年12月18日 の記事

カテゴリー: 国内革事情

 

 


レザーファッションの総合展示会
「第89回東京レザーフェア
(Tokyo Leather Fair)」が12月5日~6日に
東京・浅草で開催されました。

 

 131218 レザーフェア 1F.JPG

 
日本最大規模といわれる同展には国内外から
150以上のメーカーが参加し、
最新素材の提案とトレンドを発信。
2日間で5,901名もの来場者数が訪れています。

 

 131218 トレンドラボ.JPG

 


今回のテーマは、「美素材、響き合う」。

 
「2014‐15年秋冬の資材トレンド」として、
提示されたレザーの傾向は、発色がきれいな起毛と
多様な光沢感。


起毛革が、2014‐15年秋冬の有力素材。
毛足がきれいで発色も美しいシープシルキー、
ソフトベロア、ピッグスエードなどが有望視されています。

 

131218 光沢.JPG


一方、光沢感で見せる表現も。
エナメル、ガラス、アドバンなどの加工や、
2次加工、3次加工によるレザー、
濡れたようなツヤ感ほか、
輝きを抑制した光沢感を訴求した素材に注目が。


(写真はトレンドラボラトリーコーナーより)

 

 

 131218  レッド.JPG


カラーは大きな変化はなく、レッド、イエロー、ブルーが中心。
マットで深みのある色調が特徴です。

 

 
(写真はトレンドラボラトリーコーナーより)

 

 

 

 


素材だけでなく、加工、製品に合うよう、仕上げ材や
お手入れ用品も進化。

 

131218 コロンブスさん ケア.JPG

 

靴磨きや革製品などのケアグッズ トップメーカー 
コロンブスでは、スエードケア
(補色・栄養)用品のコーナーを設置。

 

131218 コロンブスさん サンプル.JPG

 


起毛革の高光沢仕上げほか、流行を反映した
同社製品技術をアピールしました。

 

 

 

 

参加型プログラムもますます増加。
近年、ユーザーの入場も可能(登録制)となり、
今回もセミナー、ファッションショー、トークショー、
スタンプラリー(参加者にはプレゼント)が実施されました。

 

 

 ショー 文化スタ科.png


「レザーマテリアル・産学連携」ステージでは
次世代を担う文化服装学院の学生たちとコラボレート。
ジャパンレザーを用い、
同校スタイリスト科選抜メンバー 15名が
ファッションショーを実施。
モデルとして同じくモデルコースの学生が一部出演。
フレッシュな感性に観客たちはくぎづけ!

 

 131218 亜子さんコラボ.JPG

 

さまざまな雑誌の表紙を手がけ、活躍している
人気スタイリスト・近藤亜子さんによるレザーコーディネートも話題に。
「こんなレザースタイルあったらいいな」という想いを込め、
ありそうでなかった新鮮なコレクションを発表。


著名なファッションディレクター・干場義雅さんのトークショーも。
「レオン」、「オーシャンズ」ほか、
雑誌の編集業務のなかで培った知識、審美眼を生かし、
レザーブランド(日本製)を
ご自身で立ち上げたそう。そのアイテムを携えた旅先で
さまざまな国籍のかたに賞賛され、
日本の職人技の素晴らしさを再認識なさったそうですよ。

 

 

 

 

メーカーはもちろん、団体出展も多いなか、
ひときわ目を引いたのが、一般社団法人 日本タンナーズ協会のブース。

 

131218 タン協さん ロゴ.JPG

 

新プロジェクト「JAPAN LEATHER PRIDE」を始動。

 

 131218 タン協さん アイテム.JPG


ジャパンレザーの魅力を「季。」、「水。」、「技。」、「美。」、
「魂。」、「証。」と、6つのキーワードで紹介。
春夏秋冬、気温も湿度も複雑に変化する
日本で、均一な品質の革づくりは容易ではない。
そこには清らかな「水」と、
ひと手間ひと手間を丁寧に創りあげる「職人の魂」、
長い間引き継がれてきた「技術」が必要...。
タンナーの技術と魂を育む環境を写真とテキストで解説。

 

日本のタンナーたちがさまざまな動物の革、
鞣し(なめし)方、仕上げを駆使して 
つくりあげた革を象徴する 革の「日の丸」。
いろいろなレザーの画像を組合せ、構成されています。
ブランディングDVDも製作され、会場内のモニターで視聴可能。

 

タン協さん ヒキ.png

 

 

洗練された演出がとても好評。今後の展開が楽しみですね。

 

「JAPAN LEATHER PRIDE」
http://www.japan-leather-pride.com/

 

 

 

 


「日本のレザー業界は今、変わろうとしています。
海外の安い素材も増える中で、
日本のオリジナルな何なのか、少し高くなっても
日本のメーカーの良さは何か、
その付加価値を生み出さないといけない時代だからです。
そんな新しいデザインを見せる場が
東京レザーフェアです。
レザー業界では世代交代が進んで、40代くらいの若手経営者が
企業を舵取りするようになっています。
彼らは、意欲を持って新しいレザー、海外にも負けない
日本独自の物作りに取り組んで、
厳しい時代でも未来を切り開いています」と
協同組合 資材連理事長 西谷秀機さん。
<「SENKEN h 」vol.138(繊研新聞社)より>

 

 

トレンドとともに、さまざまな試みが発表され、
ジャパンレザーの力強さ、
素晴らしい魅力がいっぱいの「東京レザーフェア」でした。

 

次回開催は6月19日(木)~20日(金)。
東京・浜松町 都立産業貿易センター 浜松町館へと
会場が変更されます。ご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 


 
■ 参考URL ■

 


「東京レザーフェア」
http://tlf.jp/

 

「JAPAN LEATHER PRIDE」
http://www.japan-leather-pride.com/

 

コロンブス
http://www.columbus.co.jp/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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