欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2015年5月 6日 の記事

カテゴリー: 国内革事情






老舗シューズブランド リーガルから生まれたプレステージブランドのポップアップストア REGAL TOKYOが
銀座 革のショールーム TIME & EFFORT(タイム・アンド・エフォート)で行われています。



使い手、ひとりひとりの<らしさ>を大切にする上質なシューズ、小物がラインナップ。






ディスプレイでは、リーガルコーポレーションが誇るパターンオーダーシステム Built to Order System や、
靴づくりの九割を職人の手仕事で仕立てたセミオーダーシューズ 工房九分仕立てを映像でご紹介。






プロセスは12ステップ。サンプル、木型や職人の工具なども含めて展示しています。



ステップ:1 足の採寸(デザイン、素材、仕様の打ち合わせ)

まず最初にオーダーをしたかたとの綿密な打ち合わせからスタート。要望、希望をより具体的にデザインや作りに反映することはもちろん、靴づくりで最も重要な木型をつくり上げるために足の採寸のみならず、足裏の形状まで細かく採寸します。





ステップ:2 木型製作


採寸したデータ、フットプリントをもとに、最も合うサイズに調整しながら、木型を削っていくそう。好みのフィッティングや、歩き方、スタイルなど、総合的に盛り込みながらパーソナルな木型をつくり込んでいきます。






ステップ:3 デザイン(型紙)製作


起こした木型に具体的なデザイン(型紙)を起こしていきます。実際に足が入った状態(踵や歩行の先の曲り位置など)を想定しながら、デザインが木型にバランスよくのるように考慮されて。








ステップ:4 中底製作

つくり上げた木型をベースに、フィッティングのキモとなる中底を製作。水に浸した牛ショルダー素材(約5ミリの厚さ)を木型底面形状に沿わせるために、針止めしたうえで、一昼夜寝かし、より木型に馴染むよう、<クセづけ>を行います。足裏の形状に合わせてつくった中底は、別次元の履き心地を実現。





ステップ:5 仮縫い靴製作


つくり上げたデザイン、中底をベースに、フィット感を試していただく<仮縫い靴>がつくられます。本番さながらのアッパー材、ライニング材を使用し、フィット感とデザイン・バランスを確認するため、ていねいにつくり込まれます。





ステップ:6 仮縫い靴合わせ


本番靴を製作するまえに、もっとも重要となる<フィッティング>を確認するため、仮縫い靴を実際に試していただき、靴にした際に、足のあさまり具合や当たるところがないかどうかなど、意見を聞き、煮詰めていくそう。木型が足の形状に合っているかの確認をするため、触診や問診をはじめ、仮縫い靴をカットすることも!
それらにより、靴内の足が入っている向きの確認ほか、さまざまなチェックを行い、修正を加え、オーダーしたかたの足にフィットする木型をつくり上げます。


ステップ:7 最終デザイン(型紙)決定~裁断~製甲


仮縫い時のチェック項目を修正した本番用木型をベースに、本番の革、裏側を使用し、本番用のデザインを製作、
裁断、製甲を行います。木型の特徴を把握し、正確な型紙作成と、縫製技術が問われる作業です。








ステップ:8 本アッパー釣込み


つくり上げられた、製甲(アッパー)を中底がつけられた木型にハンドラスティング(手釣り)していきます。革に余分な負荷がかからないように、アッパーを調整しながら、釣り込んで、木型に密着される作業は、パーソナルフィッティングを実現するうえで、とても重要だそう。




ステップ:9 すくい縫い(ウェルトステッティング)


ハンドソーンウェルテッドの要ともいえる、アッパーと中底と、ウェルト(細革)をつなぐ重要な工程。中底裏に、職人が縫い込むミゾを掘り起し、そのミゾに麻糸(チャンを浸透)を一定の間隔ですくうように手縫いしてしていきます。そのピッチや締め具合で履き心地が変わるため、職人の腕の見せどころです。





ステップ:10 出し縫い


すくい縫いに続いて、ウェルト(細革)と本底をつなぐ<出し縫い>。縫い込むピッチや締め具合を部位によって調整。適正な高さのヒールをつけ、コバを仕上げます。





ステップ:11 フィニッシング(仕上げ)

セレクトされたアッパーの風合いを最大限にいかし、着用されるシーンを想定しポリッシング。ソールステインや指定の保護パーツなど、最終の仕上げで丁寧につけ、完成して仕上げます。


ステップ:12 お客さま渡し

できあがった完成品を実際に試着していただく、満足していただいたうえで、初めて、商品を渡します。




実物での解説は説得力が違いますね!





大型連休中ということで、国内外からシューズファンがご来館。こちらはタイからのお客さま。ホワイト×ブルー コンビのウィングチップをお求めに。




「(この日の)コーディネートにぴったり! 履いて帰りたい!!」と、履いていた靴とその場でチェンジ。またひとつ、メードインジャパンの魅力が伝わりました。






なお、期間中にお求めのかたにノベルティ(数量限定)をプレゼントしています。どうぞ、お見逃しなく。









「REGAL TOKYO ポップアップストア」



5月10日(日)まで開催
12:00~20:00(土日は11:00~19:00)営業
月曜定休
東京都中央区銀座8-5-4 銀座マジソンビル1・2F
銀座 革のショールーム TIME & EFFORT


http://bit.ly/1A5E2eF












1

プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

最近のブログ記事

カテゴリー

月間アーカイブ

rss
facebook witter

このページの一番上へ