欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2016年12月14日 の記事

カテゴリー: 国内革事情

先日もお知らせしました、革と皮革関連資材のトレードショー「第95回東京レザーフェア2017-18 A/W Collection」が、東京・浅草 都立産業貿易センター台東館で12月8日(木)~9日(金)に開催されました。

tlf1612 10.jpg

そのスペシャルコンテンツとして、"次世代を代表する日本のデザイナー"と評価が高い<ミキオサカベ>の坂部三樹郎さんと、出展企業とのコラボレーションプロジェクトが実現。前回の「東京レザーフェア」で行われた公開コンペティションで<株式会社ニッピ・フジタ>、<墨田革漉工業株式会社>、<株式会社コロンブス>の3社が選出。10月22日に披露された<ミキオサカベ> 2017年春夏コレクションに続き、オリジナルレザーファッションショーとしてお披露目されました。

ms161201.jpg

このプロジェクトが進行するなかで、タンナーやファクトリーを見学したという坂部さん。食肉の副産物として生命のバトンをつなぐようにして利活用される皮革。その製造現場を知ることで湧きあがった生命への感謝や畏怖のような想い、真摯な姿勢が作品から伝わります。


コレクションのコンセプトは「ホラー」。クール且つポップに表現しています。死を迎えた後に蘇り、生き生きと踊る、マイケル・ジャクソンの「スリラー」ミュージックビデオに登場するゾンビたちの躍動感を表現したかのような、ユニークなクリエイションですね。

●IMG_0357.JPG

金箔加工を施したレザーにプリーツ加工を施したシャツ、ワンピースほか、多様なデザインを展開。

ms161202.jpgのサムネイル画像

ルーズさを強調したボトムの腰履き、ゴールドのミニスカートとメンズライクなシャツとの着合わせ、装着部から剣先までの長さを通常よりも極端に伸ばし、ひざ下まで垂らしたベルトなど、スタイリングのバランス感が楽しい。

ms161205.jpg

ms161203.jpg

コレクションの一部には和牛のレザーを使用。「和牛は柔らかくて着やすいし、海外の革よりも和牛の方が安い。(食用の)和牛は世界的にも有名だし革もブランドとして価値があるのではないか」と坂部さん(「Fashionsnap.com」12月8日更新分より)。既成概念を打ち砕く発想とアプローチがとても新鮮でした。


tlf1612 14.jpg

東都製靴工業協同組合が出展するブース<ニッポンバリュー>ではデコレーター細貝泉さんとコラボレーション。

tlf1612 11.jpg

細貝さんが手がけるリメイクフラワー<パコス>による、アート的なインスタレーションが素敵でした。

tlf1612 12.jpg

<パコス>は結婚式で使用されたり、役目を終えた花を回収してアップサイクル。生命を吹き込み、蘇らせています。<ニッポンバリュー>出展メーカーが生産過程において生じてしまう端革やパーツを大胆にコーディネート。

tlf1612 15.jpg

これまでにないアプローチにより、ジャパンレザーの新たな風が吹き込み、皮革業界の活性化のきっかけになりそうです。レポートは次回に続きます。



■ 参考URL ■


 東京レザーフェア
 <http://tlf.jp>

1

プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

最近のブログ記事

カテゴリー

月間アーカイブ

rss
facebook witter

このページの一番上へ