欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2018年9月 の記事

カテゴリー: 村木るいさんの「人に話したくなる革の話」

月1回のスペシャルコンテンツ、村木るいさんの「人に話したくなる革の話」。今回は、「Japan Leather Award(ジャパンレザーアワード)」に作品を応募したほうがいいし、イベントを見たほうがいいよ、とすすめる理由をズバリ提言!

日本製革製品のコンペティションとして国内最大規模を誇り、すっかりお馴染みとなった同アワード。
昨年度と今年度の変更点、比較を関西エリアはもちろん、全国各地のつくり手の皆さんからのヒアリングを交え、独自の視点で徹底解説。

ご自身が製造、皮革・素材の販売、イベント運営に携わっているからこそ、のリアルな内容です。ぜひ、ご覧ください。

通常、皮革産業のさまざまなトピック、イベントのレポートなどをお届けしておりますが、この春から人気イベント「本日は革日和♪」を主宰する村木るいさんが加わりました。
イベント、セミナーなど精力的に活動する村木さん。皮革に関する確かな見識を有し、幅広い情報発信に支持が寄せられています。
当ブログでは、レザーに関心をもちはじめた若い世代のかたや女性ユーザーにお伝えすべく、わかりやすい解説とともに西日本の皮革産業の現状をご紹介しています。

なお、「本日は革日和♪」は東京・新宿で10月6日(土)~8日(月・祝)に開催。ワークショップ&セミナーは日程が異なり、9月29日(土)~30日(日)となっています。詳細につきましては、下記リンク先をチェックしてください。



*  *  *


毎度です! 大阪の歌って踊れる革職人がモットーのムラキです。

毎年恒例の「Japan Leather Award」の審査会。これまでは大阪でしたが、今年は9月28日(金)~29(土)、東京・二子玉川 iTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズにて開催されます。


Japan Leather Award 2018 | ジャパン レザー アワード 2018


今回は、「このイベントはなぜ行っているのか」「作り手ならば出して損ないよ」というような話をしてみましょう。
「ムラキさん、好きに書いていいよ!」と言われているので、遠慮なく書いてみましょう。



ジャパンレザーアワードってなに?

ジャパンレザーアワードは、一般社団法人 日本皮革産業連合会(JLIA)により行われている「国内最大規模のレザープロダクトコンペティション」、です。

JLIAは、「皮革および皮革製品の生産・流通・貿易に関する各種施策の総合調整・技術開発・普及啓発などを実施することにより、皮革産業の総合的な振興・発展および連帯強化を図り、もって我が国産業の発展および国民生活文化の向上に寄与することを目的に、1986年に設立された総合団体」(JLIAホームページより)。革をより知ってもらうためにもさまざまな試みを行っており、このジャパンレザーアワードはその一環ですね。



出しているのはプロばっかり?

千差万別です。
プロの人もいるし、趣味の人もいるし、アマチュアの人もいるし。

個人的にはプロだからと言って良いものができるとも限りません。
私が教わった先生なんかは「素人や趣味の人のほうがいいもの作るぞ。時間や投下資本、嫁さん子供を養う、という計算ないほうが贅沢なモノ作れるんだよ」と言っていたくらいですから。



どんな作品が並ぶの?

革を使っているならばなんでも。
靴、鞄、財布などから、ウェアやおもちゃ、美術作品まで出展されました。



参加費用は?

無料です。作品を送る送料はかかりますが、返送料はかかりません。
また、審査会・展示会で行われる作品応募者限定の「交流会」は無料で参加可能です。



生々しい話、どうせ審査員の身内とかが受かるんでしょ?

過去において受賞した方には革メーカーや職人ではなく、彫金の人が受かったこともあります。


2014年 受賞作品 | Japan Leather Award 2014 | ジャパン レザー アワード 2014


こちらの作品は革の職人ではなく、彫金の方でしたね。
受賞された本人自身が「革の職人じゃないけどいいの!?」と驚いていたのが印象的でした。

ファッション雑貨部門 吉野真由(ギャラリークレハ)


また、審査員も「皮革業界の偉い人」ではなく、アパレルなり、ブランドデザイナーなどが多いです。


今年のレザーアワードについて | Japan Leather Award 2018 | ジャパン レザー アワード 2018


そのため身内贔屓もできません。



受賞したらなにか得があるの?

・賞金が出ます。
・グランプリを受賞したら
「PR動画を作ってもらえる」「 ルミネ新宿2での2週間限定の販売サポート」「人気雑誌1誌に掲載」のどれか1つが副賞として贈呈。

これらは表に出ているメリットです。あまり表に出ていないメリットとしては下記があげられます。


・受賞後、皮革産業連合会のイベントに参加しやすくなったり、ジャパンレザーアワードのtwitterfacebookJLIA 日本皮革産業連合会のfacebookなどで告知してもらえる


このメリットですが、担当の人に「以前受賞した~~ですが、今度こういうイベントするんです。これが告知ページです。宣伝してください」といえば上記で告知してくれます。

で、上記までは受賞しないと得られないメリット。


私が常々「受賞できなくてもいいから、出しておいたほうが良いよ。こういうメリットあるから」と伝えるのが下記3点。


・作品応募すると、受賞しなくてもプロが3枚写真を撮ってくれて、ネット上で全作品紹介してくれて、しかもそれをちゃんと残してくれている。


この際に、facebook/twitter/Instagrmなどの各種SNSのアカウントも載せてもらえます。
試しに今年の応募作品一覧を見てみてください。


応募作品 | Japan Leather Award 2018 | ジャパン レザー アワード 2018


このレベルの全作品紹介をいつまでも載せていてくれます。
例えば下記は2014年の全応募作品です。


全応募作品紹介 | Japan Leather Award 2014 | ジャパン レザー アワード 2014

このメリットはなにげにデカイです。
「4年前のジャパンレザーアワードのwebでの応募作品紹介を見た人から注文が来た」という話も聞いています。


もう一つのメリットは

・交流会がある

という点です。
2時間弱しかありませんが、貴重な機会です。
普段革の作り手同士でしゃべることが少なかったり、同じようなメンツばかりで喋ることが多いかと思います。交流会では全然知らない作り手さんと喋れます。

初期は、「さぁ、交流会開いたよ。作品応募者同士で勝手に喋って」という困った交流会でした。
(まぁ、あのときに声かけた靴製作者さんとは未だに交流が個人的にもあります。)


最近は応募者ひとりひとりに応募作品番号・応募作品写真を掲載した名札を渡してくれたり、交流会出席者のPRコーナーやPR冊子を作るなど色々と出席者同士で会話ができるように工夫してくれています。


今年運営サイドに望むのは、審査員がどの応募作品を推していたかを記録し、その作品応募者が交流会に来ているならば審査員と応募者をきちんと結びつけてあげてほしいものです。
作り手って普段人から評価されることがないので貴重な機会なんですよ。


最後の一つは、

・展示会来場者のコメントをまとめて送ってくれる

です。


今回も、来場者には「お気に入りの作品にコメントをお書きいただいた方に「革の動物指人形」プレゼント」という試みを行っています。

このコメントは該当する応募者にきちんと届けてくれます。
作り手って普段人からの評価を面と向かってもらいにくいのですごくよい試みだと思います。



生々しい話「受賞したら儲かった」という話あるの?何がメリットなの?

受賞した人を捕まえて「で、儲かった?ウッシッシ」と聞くようにしています。
受賞後バンバン儲かったよ!という人はいないです。
ただ、おもしかった回答は下記のものがあります。


「こういうコンテストで受賞したって別に仕事がバンバン来ませんよ。
でもね、受賞したらジャパンレザーアワードはきちんと展示会してくれてパンフレット作ってくれるんですよ。
そうすると営業先に『今回このような賞、受賞したんですよ』と立派なパンフレット見せるんですよ。
そうすると『あ!この審査員知っているよ!そうか、すごいね』という話に繋がります。
または、授賞式で著名な審査員と一緒に写真映るとそれだけで営業の武器になります。

ジャパンレザーアワードで賞取ったからって仕事は増えません。あくまでこれは"箔"の1枚でしかありません。うちの品はいいんですよ!という 光輝かせる"箔"です。"箔"が1枚5枚10枚と増えたら より光り輝くんですよ!」(メーカー営業担当者 談)


下記はジャパンレザーアワード2016で最終的に作られた受賞作品小冊子です。


「全作品展示してくれているので、そこからfacebookで連絡とって取扱始めましたよ。それは受賞作品ではなかったですね。単純に写真を見て『あ、いいな、これ』と思ったので連絡しました」(セレクトショップ関係者 談)

 


著名な審査員って呼ぶ意味あるの?

いろいろと見てきましたが、著名な審査員はメリット・デメリットあります。
著名であればあるほどアンチファンも増えるのは事実です。テレビに露出すればするほどファンもアンチも増えますから。

デメリットもあると思いますが、それ以上にメリットは大きいかと思います。
ここらの話は過去に書いたので、興味ある方は見てみてください。

ジャパンレザーアワード授賞式を見てきた。 | 本日は革日和♪

 


展示会は応募作品全部が展示されます

昨年度の試みとして、1次・2次と2回に分けて審査されましたが、今年度の審査は1回のみ。審査会でも全作品展示に変更されました。

昨年度1次審査で審査員長、特別審査員の2人が100点を選抜し、2次審査ですべての審査員により選考したのは、

「300点以上の作品を審査するには、1日だけでは審査する時間が足りず、1次審査を行い、絞り込む必要性がある」 

「全作品展示、一般公開という条件に相応しい広さがある会場が東京には少なく、該当していても予約状況により、 使用することが困難」

などの理由があったとか。


が、これは応募者のモチベーションに大きく影響したようです。


過去出展した職人さんや作り手さんから意見を聞いてみたところ・・・

「1次審査で作品を100点に絞り込むことに違和感がある」

「審査員がアパレルなりブランドデザイナーであることはとてもいい。しかし、1次審査の必要性がわかりにくい」

「グランプリを受賞できないのはいいけど、2次審査に残れなかったら恥ずかしいから嫌だ」

などなどと。

これがあったからか、今年度は全作品をiTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズにて展示します。
二子玉川は、東京の高級住宅街にあり、話題のエリア、武蔵小杉とも、あまり離れていないそうで、 関西で例えると、阪神間の西宮西口などと似た印象。立地としてはなかなかよさそうです。



作り手でも革好きな人でも展示会は見たほうがよい

全作品展示会は是非見てもらいたい! 革でなにか作っている人でも革製品が好きな人でもぜひ!
圧巻の眺めです!

何がすごいって全作品実際に触ることが可能です。
裏を見てもokです。
ファスナーでも蓋でもあけてokです。
写真もokです!

個人的には作り手にも革が好きな人にも是非見てもらいたいし、東京方面だけではなく、大阪でも再度行ってほしいものです。

ャパンレザーアワード 2018 全作品展示審査会 9月28日~29日 東京・二子玉川

9月28日(金)~219日(土)は、共通で下記のイベントが開催されます。
革の動物指人形がいらなくても、お気に入りの作品があったらコメント書いてあげてください。コメントがすごく作品応募者の支えになります。 


  • 全応募作品255点の展示
    ※審査のため一部の作品をご覧いただけない場合があります
  • 革素材の展示、皮革・革製品の出来るまでDVDの放映
  • お気に入りの作品にコメントをお書きいただいた方に「革の動物指人形」プレゼント


[ 9月29日(土) 10:00~18:00 ]は全作品展示に加えて下記のイベントも開催されています。

  • 革素材の展示、皮革・革製品の出来るまでDVDの放映
  • お気に入りの作品にコメントをお書きいただいた方に「革の動物指人形」プレゼント
  • 靴磨き芸人 スバル奥野さんによる靴磨きの実演(11:00~/13:00~/14:30~/16:00~)
  • レザーケア相談コーナー(10:00~12:00/13:00~17:00 )
  • 革小物のワークショップ(10:00~限定50個)

 

二子玉川ライズ

 

 

過去の関連ブログ:

カテゴリー: 国内革事情

レザーの秋に先駆けて、各地で行われるジャパンレザー関連イベント、トピックをまとめました。業界関係者、バイヤー向けの展示会からユーザーの皆さまが参加していただけるワークショップ、キャンペーンまで幅広い内容のプログラムが続々。ぜひ、参考になさってください。


10月8日・9日「ハンドバッグの日」<Happy Bag Day キャンペーン>9月14日からスタート
一般社団法人日本ハンドバッグ協会が制定する、10月8日・9日「ハンドバッグの日」に向け、<Happy Bag Day キャンペーン>が9月14日からスタートしました。
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「Come & Find your best friend」素敵なバッグとの出会いに! をテーマに展開。アンケートに答えるか、写真投稿サイト インスタグラムでの投稿(気分をあげてくれるバッグの写真を「#1089happybag」をつけて投稿)し、抽選で旅行券(5万円分×10名)をプレゼント。10月14日締切です。

 一般社団法人日本ハンドバッグ協会
 <http://www.handbag.or.jp/>


<ジェイアール名古屋タカシマヤ>「パンプスメソッド研究所i/288 ポップアップイベント」9月19日から開催
<パンプスメソッド研究所i/288>2018年秋冬シーズン ポップアップイベント第3弾は愛知・名古屋。札幌、東京に続き、9月19日からジェイアール名古屋タカシマヤで行われます。最大288通りのサイズから、おひとりおひとりの足にいちばん近いサイズを選ぶことができ、最高のフィット感が好評です。左右違うサイズでもお求めいただけますよ。東海エリアでの2018年度の開催は今回がラストとなります。どうぞ、お見逃しなく。
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このほか、スケジュールのお知らせが公式サイトで公開されています。最寄りの会場をチェックしていただき、この機会にぜひ、お試しください。

 パンプスメソッド研究所i/288
 <http://pumps288.jp/>


日本橋タカシマヤS.C.シューワールド<パンプスメソッド研究所i/288>9月21日オープン
<パンプスメソッド研究所i/288>の新しい拠点となるショップ(日本橋タカシマヤS.C. 本館 3F シューワールド)のオープンが発表されました。
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ご自分のサイズを知ることができ、288ものサイズから"ベストな履きごこち"、本当のジャストサイズのパンプスと出会えます。左右、片足ずつ違うサイズもお求めいただけるのもうれしいですよね!

 パンプスメソッド研究所i/288
 <http://pumps288.jp/>


<羽田空港国際線旅客ターミナル>「HOKUSAI×JAPAN LEATHER 2018」9月21日から開催
日本皮革デザイン促進委員会が、日本のレザー製品の魅力を伝えるオリジナルブランド<創悦>をフィーチャーしたイベント、「~ジャパンレザーと北斎で遊ぶ4日間~ HOKUSAI×JAPAN LEATHER 2018」を開催。羽田空港 国際線旅客ターミナル 5F お祭り広場にて9月21日からスタートします。
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このイベントでは、日本発のヌメ革や害獣被害対策の鹿革に葛飾北斎の作品をダイナミックにプリントした雑貨を中心に展示、一部商品の販売を予定。バッグや小物に加え、升や下駄、提灯などがそろいます。
江戸時代にタイムリップしたような会場では、北斎の代表作である「神奈川沖浪裏」に扮した等身大超の力士像やトントン相撲も登場。ヌメ革の絵馬やフライトタグに文字や絵を描いたり、ブレスレットを編むワークショップも注目です。


東京ソラマチ「Souvenir by TOKYO LEATHER」9月21日から開催
東京都墨田区の鞣製業者を中心とした5団体で構成された東京製革業産地振興協議会による恒例企画、「Souvenir by TOKYO LEATHER(スーベニール バイ トーキョーレザー)」が東京スカイツリータウンの商業施設、東京ソラマチ内の墨田区産業観光プラザ すみだ まち処で9月21日からスタート。

オリジナルブランドやクリエイターとのコラボレーション製品を出品。区内でつくられた素材、企画・製造されたピッグスキン製品(バッグ、小物、雑貨)ほか、さまざまな革製品がそろいます。

 すみだ まち処
 <http://machidokoro.com/event.html>


<東京ビッグサイト>「IFF MAGIC JAPAN」9月展(「Japan Shoes Makers」ブース)9月26日から開催
「IFF MAGIC JAPAN」9月展が東京・有明 東京ビッグサイトで9月26日~28日の3日間開催されます。
「Japan Shoes Makers」から9社が参加。革の街・靴の街、浅草をはじめ、日本全国から秀逸な靴がそろいます。「繊研新聞」(8月21日7面)に「Japan Shoes Makers」出展のお知らせが掲載されました。くわしくは紙面をご覧ください。


<東京・二子玉川ライズ>「Japan Leather Award 2018 審査会」9月28日から開催
9月28日、iTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズにて「Japan Leather Award 2018 審査会」を開催。
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長濱雅彦審査員長、ドン小西特別審査員をはじめ、プロ審査員11名による厳正な審査と協議により、全応募作品255点のなかから、グランプリ、各賞を決定します。(写真:2017年度審査会より)

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また、9月28日・29日の2日間は全応募作品255点を一般公開いたします。お気に入りの作品にメッセージをお寄せいただいた方、先着200名様に「革の動物指人形」をプレゼント。29日には、「靴磨き芸人 スバル奥野さんによる実演」や「レザーケア相談コーナー」、「革小物のワークショップ」など、超充実のイベントです。

全応募作品255点は公式サイトで公開されています。こちらも併せてご覧ください。

 Japan Leather Award 2018
 <http://award.jlia.or.jp/2018/>


東京・浅草 全日本革靴工業協同組合連合会「企業ガイダンス」10月4日開催
毎年恒例の合同就職セミナー、全日本革靴工業協同組合連合会主催「企業ガイダンス」が10月4日に行われます。会場は都立産業貿易センター 9F 特別会議室。追加情報は下記リンク先で随時公開予定です。

 企業ガイダンス
 <http://www.g-shoemakers.jp/>


「本日は革日和♪ IN スチームパンク」10月6日から開催
人気のイベント「本日は革日和♪」が東京・新宿 オカダヤで10月6日から開催されます。「今回はスチームパンクのイベントに招かれましたので、革以外の素材も扱いますが、ものづくりをやっている人なら興味をもちそうな素材、スチームパンクに興味ある人ならば食指が動きそうな材料やセミナー・ワークショップをそろえました」と主宰 村木るいさん(当ブログでもお馴染みですね)。なお、セミナー・ワークショップは日程が異なり、9月29日~30日となりますのでご注意ください。


東京・平和島<東京流通センター>合同展示会「k・n・o・t collection 2nd」10月11日から開催
日本ハンドバッグ工業連合会が主催する合同展示会「k・n・o・t collection 2nd」の概要が発表されました。
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東京・平和島<東京流通センター>に20社以上が出展しバッグ、財布、革小物の最新作を披露します。10月11日~12日の2日間開催。お問合せは大阪ハンドバッグ協同組合(電話/06-6771-0231)まで。

 大阪ハンドバッグ協同組合
 <https://osaka-handbag.or.jp/index.html>


東京・東墨田「都立皮革技術センター施設公開」10月14日開催
都立皮革技術センターの主要施設・設備を一般公開する恒例企画が10月14日に開催されます。

東京の伝統的地場産業である皮革関連産業の振興のため、皮革に関する試験・研究・技術支援などを行う同センターの施設見学(皮革素材を製品革に仕上げていくためのいろいろな機械や品質検査を行うための試験機器など)ができます。
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このほか、革工芸体験(ピッグスキンを使って巾着をつくります)、皮革何でも相談(当センター専門技術指導員が、革製品の保管やお手入れの方法などあらゆる相談ができます)、さらには先着100名様に苗木(ブルーベリー2本、またはサツキ1本)プレゼント、来場者アンケートに答えるとレザーグッズをプレゼント。どうそ、お早めに。


カテゴリー: トレンド

国内最大のパーソナルギフトと生活雑貨の国際見本市「第86回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2018 LIFE×DESIGN」が9月4日(火)から4日間、東京・有明 東京ビッグサイトで行われました。
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約3,500社もの企業、クリエイターがジャンルフリーで出展。バッグ、財布メーカーが多数出品するなか、「レザーグッズ研究会」(日本ハンドバッグ工業連合会)のブースからジャパンレザーの新傾向を探ります。


消費動向をとらえたアフォータブルラグジュアリー

2020年東京オリンピック開催へ向けたインバウンド消費、2019年10月に予定される消費税率10%への引き上げを前にした駆け込み需要にフォーカスしたアフォータブル(手に届く)ラグジュアリーな製品開発、既存コレクションの再強化などが目立ちました。

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エキゾチックレザー製品の老舗メーカーは、圧倒的なラインナップで展開。色合い、加工などのバリエーションで細分化するニーズに応えます。【サンバッグ坂本】

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エキゾチックレザーを贅沢に使用したミニショルダーバッグに財布機能を加え、ポーチをプラス。
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中仕切りとして便利なうえに、コインケースとしての単独使用も可能です。【EL VAQUERO/OFFICE164】

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ランドセルづくりを追求する企業姿勢、真摯なクラフトマンシップはもちろん、「有吉くんの正直さんぽ」(フジテレビ系)ほかテレビ番組での取材が話題に。本革を使用した高級ラインも堅調です。【ナース鞄工】


ファッショナブルに進化、活性化するアクティブシニアマーケットを開拓

かつて、Hanako世代と呼ばれた大人たちが60歳を迎え、シニアマーケットが変化しています。60代女性向けファッションムック「大人のおしゃれ手帖特別編集 素敵なあの人の大人服」(宝島社)がヒットし、50代60代男性向けモノ雑誌「モノマスター」(宝島社)が刊行形態を変更。月刊誌として9月22日に創刊されます。そんなファッショナブルに進化、活性化するマーケットをとらえ、各社が新たな切り口の製品をリリースしました。

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コインケースにベルトループを配し、ミニベルトポーチとしても使えるアイテム。大人の女性のマニッシュな着こなしにも似合います。
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生命保険会社が続々と参入する健康増進型保険が注目されるいま、万歩計(ミニサイズ)などの持ち歩きにも用途が広がりそう。【EVERWIN/山一インターナショナル】

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増え続けるポイントカード類の整理整頓に最適の一品。スマートフォンアプリに頼らず、やはりカードを所持・管理したいという大人世代に人気。ミニ財布との2個持ちも増えています。【THINLY】

猪瀬さん1809001.jpg
万年筆ケースをはじめとした革小物で大人の男性を魅了してきた老舗ファクトリーが、新プロジェクトで女性にも使いやすいアイテムを拡充。
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メガネケースやアクセサリートレイとして旅行で活躍するレザートレイなどが好評です。【猪瀬】


自分らしい使い方・楽しみ方、暮らしを彩る新提案

女優・タレントによるインスタグラム投稿の炎上や、自然災害が多い今年、いわゆる不謹慎狩りを引き起こす「ソーシャル・ジャスティス・ウォリアー」の存在もクローズアップ。被災地への配慮の意味もあり、消費傾向の潮目に変化の兆しが。自分らしい使い方・楽しみ方を提示するプロダクトが増えています。

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パーツやキットをそろえ、気軽にレザークラフトを楽しめるDIYレザー小物ブランドが始動。「ママの毎日に、もっとカラフルを」との願いが込められて。【Lucky & Happy/サカタ】

ラモーダさん1809.jpg
スマートフォンを機能的に持ち運ぶ財布、ケースづくりへの取り組みに定評のある財布メーカーの新機軸。長財布にスマートフォンを入れ、クラッチバッグ感覚での活用を訴求しています。わかりやすいポップが接客をサポート。【ラモーダヨシダ】

三和袋物さん1809.jpg
LEDライトを搭載し自動改札などにかざすと光るレザーパスケース。カラータイマーモチーフのパーツを配した「ウルトラな男」のアイテムが戦い(仕事)の始まりと終わりを演出してくれます。いつまでも少年の心を忘れない紳士たちに。【三和袋物】


9月11日からコンビスエンスストア ローソンでは、カード決済にタッチ決済を導入。タッチ決済は世界では浸透しつつある便利な機能。カード(クレジット・デビット・プリペイド/リップルマークつきカードに対応)での支払い時、端末にタッチするだけ、と電子マネーに近い感覚でスピーディに決済できるそう。パスケースが財布替わりになりそうですね。





特徴的なレザー、モチーフで差別化を図る革財布

キャッシュレス化の進行に合わせ、機能性を重視する傾向が高まっていますが、一方、シンプルすぎてもの足りないというユーザーも多いよう。丁寧な仕上げ、上質なものづくりに加え、特徴的なレザー、モチーフで差別化を図っています。

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特殊加工を施し、さらに友禅染の技法で染めたピッグスキンを使用。ふっくらとした立体感に目を奪われます。【デコブランシェ/アバンクール】

レザージュエルズさん1809.jpg
クロコダイル×ドクロ! ワイルドなニュアンスが再び新鮮。【レザージュエルズ/太閤】

野村さん1809.jpg
アート感覚のモチーフが程よい華やかさを添えて。【野村製作所】

山万さん1809.jpg
高級感漂うアドバンレザーを独自のデザインでカジュアルに。【山万


■ 参考URL ■
 日本ハンドバッグ工業連合会 <http://fukuromono.net/>




■ 合同展示会のお知らせ ■

日本ハンドバッグ工業連合会が主催する合同展示会「k・n・o・t collection 2nd」<10月11日(木)~12(金)10:00~17:30 最終日は16:00まで>が東京・平和島 東京流通センターで行われます。
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今回の出店メーカー、OFFICE164、サカタ、アバンクールをはじめ、20社以上がバッグ、財布、革小物の最新作を披露します。

大阪ハンドバッグ協同組合 


カテゴリー: トレンド

外国人観光客も多数訪れるお馴染みのかっぱ橋道具街周辺が、近年、クリエイターの街へと進化。<エンダースキーマ>をはじめ、新進ブランドのアトリエ&ショップがオープンしました。
今回は、レザークリエイターの注目ショップをご紹介します。松が谷から3店、続いて東上野から2店をピックアップ。浅草方面・道具街から上野にかけて街をめぐるのも楽しいですよ。秋はレザーの季節、下町さんぽにおすすめです。


と革

インキュベーション施設<浅草ものづくり工房>を卒業した高見澤篤さんによるブランド、<Six COUP DE FOUDRE(シス クー・ド・フードル)>を軸としたギャラリーショップ、<と革>がこの夏オープン。社会の中での革の在り方を探りながら、国内外の作家や地域に焦点をあて、発表できる場所を目指しています。
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2008年より<ジビエ革>プロジェクトを始動。エシカルでスタイリッシュなデザインで提案しています。
「野生動物の革、鹿や熊、猪の革などをわかりやすく伝えられるよう<ジビエ革>と名づけました。年々人口減少が進み、地方の過疎化、農業に従事するかたの高齢化とともに、耕作放棄地や放置された山林が増加。鳥獣被害が広がっています。最新のデータ(『鳥獣被害の現状と対策』農林水産省農村振興局)によると、国内では鹿や猪などによる食害が年間約200億円に。農林業への被害を防止すべく、約113万頭もの生命が有害駆除、廃棄されていることに胸を痛めています。なかでも食肉以外の皮革での利用は全体の0.2%ほどにすぎず、残念でなりません」(高見澤さん)。
動物の権利が世界的に話題となるなか、日本ではこんなにも深刻な状況になっているそうです。
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「捨てられてしまう、捨てられるだけの生命を有効に活用したい、と思い、試行錯誤し、各地に出かけ、猟師さんたちとも出会い、やっとかたちになってきました。あくまでもフレンチレストランなどで提供されるジビエ料理や、ペットフード用に処理されている食肉の副産物として使わせていただいています。
アニマルライツ(動物の権利)が注目されていますが、自然と人間の関係を見直しながら、レザーを通じて社会問題を考え、解決できれば」(高見澤さん)。
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シンプルなデザインのアイテムに熱い想いが込められています。このほか、野生に生きた証として、キズなどもあるのですが、あえてそのままに。素材の個性をデザインとして生かしたプロダクトに共感が寄せられています。ベルトのオーダーメイド(店舗限定)や小さながまぐちも人気です。
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ナスタチウム

同じく<浅草ものづくり工房>の卒業生ブランド<ナスタチウム>は、国内最大規模のレザープロダクトコンペティション「ジャパンレザーアワード」で受賞歴がある実力派。
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同ブランドはご夫婦で運営。デザインと生産を分業して活動しています。東京・墨田区エリアで生産されるピッグスキンを中心に上質な素材、女性らしいデザイン、丁寧な仕上げ、抑えめのプライスの絶妙なバランスが好評です。
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ECサイトでじわじわと人気を集め、「実際の商品を見たい」とのユーザーからのリクエストに対応すべく、アトリエの一部を週末のみショップとしてオープンしました。受賞作品のバブーシュ、ロングヒット中のリバティプリントとの組合せによる異素材コンビのシリーズほか、財布が売れ筋。特に小さめサイズがヒット中。「毎年、お正月にお買い替えくださるかたなど、リピーターのお客さまが増えました」(大澤さん)。
最近では、スマートフォンを収納できるポーチ、ミニバッグがほしいというご要望が多いので開発にとりかかっているそうです。

 ナスタチウム <http://www.nasturtium.jp/>


メゾンショウジフジタ

「時が作るデザイン」をコンセプトに、素材がもつ神秘な力を見極め、思いを引き出すように作り出したカタチ、単純でありながらも美しいプロダクトをリリースする<SHOJIFUJITA(ショウジフジタ)>のショップ、メゾンショウジフジタはオープン3周年を機にリニューアル。
店舗スペースが広くなり、棚も増え、見やすく手に取りやすく改良。入り口もホワイトからブラックに塗り替え、よりシックな雰囲気になりました。
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(写真:<SHOJIFUJITA>フェイスブックページより)

ご近所のかたはもちろん、富山など遠方から駆けつける熱烈なファンも。シンプルでありながらも、存在感のあるデザインで魅了しています。
定番・PIEACEシリーズのフォルムは、なんと六角形。「四角形だけが持ちやすい形ではないのでは?」と、固定概念にとらわれない、しなやかな視点、新しい快適さを追求。大手文具メーカーから近隣の人気ベーカリーまで、幅広いコラボレーションでも話題に。しっかりと地域に根差しながら、ファン層が広がっています。

すべて、藤田さん自身がミシンを踏んで、ひとつひとつ丁寧に縫製。そのため、販売イベントではすぐ完売してしまうことも。また、名入れやステッチのカラーをチェンジできるカスタムオーダーにも対応しています。

この秋は著名な百貨店からのオファーが続々。残念ながら、この店舗の営業日が少なくなる予定です。下記リンク先、公式サイトではイベント、ショップの営業日スケジュールが掲載されていますので、ご確認のうえ、お出かけください。



アトリエ65

このほか、松が谷に隣接した東上野にもクリエイターのアトリエ&ショップがあります。ともにインキュベーション施設<台東デザイナーズビレッジ>の卒業生です。

<アトリエ65>は、女性デザイナー 久村かよさんが手がけるシューズブランドの拠点。履きやすく疲れにくいパンプスをカスタムオーダー。クオリティもさることながら丁寧なヒアリングも評判です。
久村さんスニーカー.jpg
このたび、スニーカーも登場。軽量な厚底ソールのスリッポンタイプ。滑りにくく歩きやすさ抜群です。既存のウォーキングシューズでは満足できない高感度ユーザーにぴったり。
久村さん小物.jpg
さらには革小物もリリース。ファニーなデザインもあり、忙しいビジネスパーソンを癒しています。
この秋は横浜そごうの恒例企画ほか、販売イベントに出展予定です。お見逃しなく。

 アトリエ65 <http://atelier65.com/>


m.ripple

人気レザーブランドに長年在籍し、独立した村上裕宣さんが始動したバッグ、革小物のブランド<m.ripple(エムリップル)>。古い建物をリノベーションしたビルの一室にアトリエ&ショップを構えました。

職人的な製作と自由な発想が融合した独自の世界観を表現。自由な発想によるデザイナーとしてのクリエーションと革職人としての裁断、縫製、手作業による仕立てのよさが際立ちます。
エムリップルさん店内2018.jpg
(写真:<m.ripple>フェイスブックページより)

奄美大島で泥染めしたピッグスキンや、姫路の黒桟革など特徴あるレザーを使用し、それぞれの持ち味を最大限に引き出したアイテムをリリース。革好きユーザーの支持を集めています。
なお、こちらの場所は、かっぱ橋道具街からはやや離れていて、上野駅からのアクセスが便利です。ご注意ください。


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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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