December 12, 2018
「第99回東京レザーフェア」レポート (1)
カテゴリー: トレンド
国内最大規模のレザートレードショー「東京レザーフェア」が12月6日(木)から2日間、東京・浅草 都立産業貿易センター 台東館で行われました。
「東京レザーフェア」は、新たなマテリアルの提案及びトレンド情報の発信をするトレードショーとしてクリエイターに刺激を与え、創作意欲の向上、皮革の需要の拡大及び業界の発展につながることを目的に開催。2019年-20年秋冬コレクションをひと足早く提案しました。まずは「トレンドラボラトリー」をレポートします。
各出展社の自信作をピックアップし、集積・編集する東京レザーフェア発「トレンドラボラトリー」から最新情報をご紹介。同ブース ディレクションご担当 ジャルフィック 池田さん、岡村さんにお話を伺いました。
2019年-20年秋冬のカラートレンドは「インスピレーションでアップデートする」。
シンプルに美しい色であることが、インスピレーションを刺激し新しい感動をつくり出します。濃密+カラフル+グラデーション、そして響きあうハーモニー。これまでになかった色彩世界が素材を進化させ商品をアップデート! 4つのカラーパレットで提示しています。
パレット:1
「冬のリッチなカラフル感」
情感のあるデジタルデトックスなカラー
「冬のリッチなカラフル感」
情感のあるデジタルデトックスなカラー
パレット:2
「ドラマチックなブルーノート」
偏光するブルーの階調
パレット:3
「鮮やかに透明なレッドノート」
華やかな革色の期待に応える色相
パレット:4
「基軸となる文脈」
カラフルな色調の奥行きをつくり出すニュートラル
「基軸となる文脈」
カラフルな色調の奥行きをつくり出すニュートラル
レザートレンドは、こちらの3テーマ。
テーマ:1
「リッチなポップ感」
「秋冬らしさにとらわれない軽やかさとカラフル感。自然を抽象化したデジタルデトックスなカラー展開がポイントです。ナチュラルな革感を生かすリッチなポップ感覚で、コンテンポラリーなベーシックを標榜。自由でスポーティーなファッションを示唆する展開となっています」(ジャルフィック 池田さん、岡村さん)。
ナチュラルをベースに鮮やかさを探求した素材感、革らしさが生きた本質的な装飾性、とともにピンクが注目されています。女性の自立した生き方を象徴するようなピンク。甘口×きれいめではなく、カジュアルでパワフルに。
パントンが発表した2019年「カラー・オブ・ザ・イヤー(Color of the Year)」の「Living Coral(リビングコーラル)」。サンゴのような色合いが楽観的なマインドと楽しさの追求への人々のニーズを具現化しているそう。
イエローも継続。「プルミエールビジョン」(2019年春夏)でも提示されたピスタチオはここでも。クールかつ知的なニュアンスをプラスして。また、コニャックブラウンなど黄味の強いブラウン ~ ベージュも浮上。
イエローも継続。「プルミエールビジョン」(2019年春夏)でも提示されたピスタチオはここでも。クールかつ知的なニュアンスをプラスして。また、コニャックブラウンなど黄味の強いブラウン ~ ベージュも浮上。
テーマ:2
「クールにドラマチック」
「クールにドラマチック」
「中性色ならではの静けさを鮮やかに展開。静謐さにコントロールされたブルーとグリーンの調和。偏光するような静かな階調により、鎮静感と鮮やかな印象を描き出します。深海を思わせる色彩と水面の煌めき感のサーフェイス。さまざまなメタリックやパーリ―な艶のマッチングも目をひきます」(ジャルフィック 池田さん、岡村さん)。
マットと煌めき感のコントラスト、静けさを湛えたクールな装飾性、圧倒的なブルー×グリーンの美しさがポイントとして挙げられています。なんといってもブルーのバリエーションが幅広い! サックスブルー、ターコイズブルー、コバルトブルー・・・と色味の違いと素材、加工との組合せで表情がとても豊か。
流通業界では社員の服装自由化とともにスニーカー通勤も広がっているそう。コンビニエンスストア大手、ローソンでは通勤時のスニーカーをブラック、ブラウンに加えネイビーと規定。バッグ、ベルトなどのコーディネートの選択肢としてネイビーの存在感が大きくなりますね。他の業界への影響・波及を想定すると、クールビズ、オフィスカジュアル向けとしてブルー系の革製品に可能性が。
流通業界では社員の服装自由化とともにスニーカー通勤も広がっているそう。コンビニエンスストア大手、ローソンでは通勤時のスニーカーをブラック、ブラウンに加えネイビーと規定。バッグ、ベルトなどのコーディネートの選択肢としてネイビーの存在感が大きくなりますね。他の業界への影響・波及を想定すると、クールビズ、オフィスカジュアル向けとしてブルー系の革製品に可能性が。
近年ではモテ色としても話題のブルー。トレンドと二ーズがマッチし、マーケットに変化があるかもしれません。
「冬のターコイズが効く」
テーマ:3
「投影された情熱」
「投影された情熱」
「鮮やかさの典型であるレッド群のミックス。革感を引き出すバーガンディーから赤への展開。色調と抑制されたマットな質感の対比は洗練されたモダニズムを感じさせます。シンプルなサーフェイスにシャイニーな輝きを添えて、鮮やかさとシックな印象に」(ジャルフィック 池田さん、岡村さん)。
濃密なレッド群の濃淡、マットな質感が生きるオフブラック、密やかに仕込まれたメタリックなどがそろい、穏やかなパッションを表現しているかのよう。
レッドのパレットに添えられたオレンジも見逃せません。「プルミエールビジョン」(2019年20年秋冬)では、深いオレンジをピックアップ。存在感が高まるベーシックカラー、ネイビーと相性がいいオレンジ。イエロー ~ マスタードの流れで新鮮に映ります。
レッドのパレットに添えられたオレンジも見逃せません。「プルミエールビジョン」(2019年20年秋冬)では、深いオレンジをピックアップ。存在感が高まるベーシックカラー、ネイビーと相性がいいオレンジ。イエロー ~ マスタードの流れで新鮮に映ります。
「繊研新聞」によると、専門店、百貨店販路のレディスブランド19年夏物で、リゾート、デザート(砂漠)、オレンジやテラコッタといった自然を思わせる強めの色をキーワードにした提案が目立っているそう。バッグ、パンプス、小物への落とし込みも期待できそうです。
「とろみのあるオフブラック」
来春のリアルクローズトレンドとして、リネン、ベージュ、パステルカラーなどを使ったリラックス、ナチュラルテイストへのシフトが「繊研新聞」で報じられました。秋冬はさらに深化し全体的に穏やかでやさしいトーンへの移行を予感させます。そんなカラーを纏った新しい革製品の登場が楽しみです。レポートは次回に続きます。
■ 参考URL ■
東京レザーフェア
<http://tlf.jp/>
<http://tlf.jp/>
プロフィール
鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター
東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。
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