欧米ブランドに「負けていないぞ!」

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前回に続き、「2018年秋冬シーズンのレザートレンドを探る」レポートをお届けします。


富田興業株式会社ショールームに東京製革産地協議会の特設コーナーが登場。国内で自給自足できる唯一の素材、ピッグスキンをフィーチャーしています。精緻な製革技術、高度な表面加工技術はメイドイン東京ならでは。欧米の一流ブランドにも採用されるなど、日本の革の素材力に磨きをかけて。

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そんな東京レザー、ピッグスキンの最新コレクションのインデックスは・・・。


「シンプル:革のベーシックが際立つ」

*世界が認める精緻なクオリティーがベース
*本格的なタンニン鞣しによる革の表情
*ハイブリッド鞣し(タンニン×クロム)によるしなやかな風合い
*シュリンク技術になる革の表情の強調


「精緻な加工技術:多彩な風合いのバリエーション」

*エンボスによる立体的なサーフェイス
*艶加工・塩縮・フィルム加工
*プリント/手染め仕上げ


「新しい装飾性:色×プリント×光沢」

*高度な表面加工技術
*高度な色/プリント/光沢の表現力
*革感を生かす装飾性の探求


「トレンド力:色/光沢/タッチ」

*グローバルなレザートレンドをとらえた高感度な皮革
*伝統を再構築するトレンドカラーとサーフェイス
*布やニットにも馴染むしなやかな風合い


さらに3つのテーマが提示され、傾向とともに各社の素材を展示しています。

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テーマ:1「COMPASS/NEW BASIC」

ピッグスキンらしさの強調、基本素材の発展系を中心としたカテゴリーです。「使い込んだ光沢」「風化した銀の輝き」など、ヴィンテージ加工が進化していますね。色彩感を高めたブラウンからオレンジまでのカラーパレットに加え、透け感もポイントに。この春、PVCがトレンドとして話題となっていますが、その流れからスケルトン感覚にも注目。透け感をまとったエナメル、クロコダイル調レザーがセレクトされました。


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テーマ:2「FAIRY TALE/EFFECTS」

3D効果、モダンな凹凸をカテゴライズ。「塩縮で〇〇」「デイリーなプリーツ」・・・と、グラフィカルな感覚がユニーク。クリエイターの感性と発想を刺激します。メスカットによる独特の風合いは、可塑性の高さを反映。各事業者の高度な加工技術があるからこそ実現しました。景気浮揚に伴う大人世代の消費復活に対応できそうです。


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テーマ:3「COLORS/VISUALIZATION」

視覚効果で革の新しい表情を引き出した意欲作が続々。ゴージャスな深い多色相、ニュートラル&ブラックと、幅広いレンジでそろいました。色柄、モチーフも多彩で「カラフルツイード」「輝く石」をはじめ「幾何学柄と蛇」も。パイソン柄は財布、小物で底堅いニーズがありますね。ファッションだけでない、風水をはじめとしたエモーショナルな消費動向の定着を感じさせます。


本日1月31日(水)から東京・有明 東京ビッグサイトでスタートする「第85回東京インターナショナル・ギフト・ショー」では、東京製革産地協議会がブース出展します。(写真は前回開催時に撮影したものです)

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素材だけでなく製品でもプレゼンテーション。タンナーやファクトリーのオリジナルブランド、クリエイターとのコラボレーションをお披露目。お出かけの予定があるかたは、チェックしてみてください。

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続いて、吉比産業へ。

天然皮革のもつ「人への優しさ」、本革ならではの「肌触りの心地よさ」など皮革素材を通して生活文化の向上に尽力しています。 東京、大阪、神戸といった革製品の産地特有の個性を生かしつつ、各種ファッションや機能性に優れた皮革素材を研究開発し、素材を提案する老舗企業です。

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ウィンドーディスプレイでは製品を展示し、わかりやすく提案。丁寧な応対も好評です。若いビジネスパーソンほか、幅広い世代の関係者が訪れていました。

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海外だけでなく国内のものづくりにも注力。メイドイン東京のピッグスキンはこちらにも。

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昨秋から人気継続のチェック柄プリント。メタリックカラーも加わり、さらに洗練された印象に。


国内有数の産地、兵庫・姫路からも秀逸な皮革素材が届いていました。明るいブラウンからキャメル、グレージュまで、ベージュを中心としたカラーが充実。

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この春、べージュがトレンドとして浮上。ウェアだけでなく、シューズ、バッグ、小物まで幅広いアイテムに提案されています。


吉比社長にお話しを伺うと、姫路の革と革のものづくりを行うユーザーとをつなぐ、新たな取り組みの準備が進められているそう。タンナー、ファクトリーが切磋琢磨し、つくり上げたレザーをアピールすべく多様な可能性を検討。皮革業界をビジネス面で支えてきた企業が客観的な視点と、蓄積してきた目利き力を生かし、しっかりとサポート。ジャパンレザーをさらに活性化する一助となりそう。


訪日観光客が増加する近年、関西エリアに人気が集中しています。インバウンド消費も盛り上がるなか、日本らしさが生かされたレザー製品開発やレザーファッションの地産地消にも期待したいですね。



■ 参考URL ■

 東京インターナショナル・ギフト・ショー
 <http://www.giftshow.co.jp/tigs/>

 吉比産業
 <http://www.kibi-1882.co.jp/>


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東京・浅草で、1月17日~19日、皮革関連企業が個展を開催。新作を発表しています。「東京レザーフェア」には出品されなかったものも多いため、業界関係者に注目され、数多くの方が訪れていました。その一部、数か所にお邪魔し、2018年秋冬シーズンの傾向を探ります。


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まずは、東京を代表する皮革卸として知られる富田興業株式会社から。革の街・靴の街、浅草で大正時代から続く老舗企業でありながらも、常に進化。マーケットの流れをいち早くキャッチし、レザートレンドを牽引しています。

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会場で目をひいたのはパープル系の多さ。パントン社が選ぶ「パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー 2018」としてウルトラバイオレットが選出されたほか、「プルミエールヴィジョン」でもフィーチャーされた話題のカラーです。

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「パープルは(日本人の)肌の色に合わない・・・と苦手意識をもつかたも少なくないので、弊社では、淡い色目のモーブから赤みの強い色合いまでそろえました。この春夏のトレンドカラーでもあるモーブは、幅広く扱いやすい色ですが、新しさも感じさせます。昨シーズンのトレンド、レッドからの流れもあり、パープルとレッドのブリッジとしてバーガンディも有力です」とクリエイティブディレクター 藤田さん、峠原さん。

ポスト・ワイドパンツとしてフレアパンツも浮上してきており、70年代(90年代のリバイバル時)のエッセンスと近いように感じます。同じく90年代にブームとなったバナルテイスト(モーブも大流行しました)は、グッドガール的で東京のいまの気分にマッチしますし、若い世代には新しく、大人世代(団塊ジュニアより上)には懐かしさもあり、期待できそう。

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続いて気になるのは、グリーン。

「爆発的なブームでないものの定番的な存在ですね。特にフォレストグリーンと呼ばれる深い色味が人気です。カーキを含め、グリーンは着こなしに取り入れるのが難しいとされてきましたが、ユーザーのファッション感度の成熟を感じますね。ブラックやネイビーのワントーンコーディネートの外しとして、靴やバッグだけ差し色的にプラスするようなスタイリングが増えてきました。この春からは、ベースカラ―としてベージュも注目されていますが、グリーンはポイント使いとしてもマッチするので、まだまだ継続しそうですね」(藤田さん、峠原さん)

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艶感のある素材のニーズも根強いよう。

「昨シーズン、ベロアがトレンドとなりましたが、エナメルなどのエレガントなニュアンスが新鮮です」(藤田さん、峠原さん)

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クロコダイル調、パイソン柄も堅調。上質感のあるレザーはオリンピックを控えた景気浮揚、2019年に予定される消費税増税前の駆け込み需要などにも対応できそう。

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柄ものでは、花柄に新傾向が。前年からのジャポニスムからの流れもあり、オリエンタルなムードがキャッチ―。イメージを固定させない無国籍風なテイストは汎用性があっていいですね。

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そのほか、加工ものについて伺うと、「デニム調レザーが動いています。こちらは<浅草デニム>とネーミングしたシリーズ。ソフトなヤギ革にシルクスクリーン×フィルムで表現しました」(藤田さん、峠原さん)

ピッグスキンを用いたシリーズはさらに柔らかいのでウェアなどにも最適。デニムに見えて、実はレザーだった、というギミックが贅沢ですよね。

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<レザーツイード2018>も「東京レザーフェア」で高く評価された新作です。レザーを主体にウール、コットン、レイヨン等を織り合わせ、新しい素材感を表現。これまでにないアプロ―チが新鮮ですね。


原皮不足の昨今、多様なグレードのレザーを生かしながらも、付加価値の高いレザーを提案することは、大きな課題。異素材ミックスという斬新なチャレンジングが素晴らしい。日本のファッションらしさを訴求できそうです。藤田さん、峠原さん 取材ご協力ありがとうございました。

なお、富田興業では、2月1日から神戸展を開催予定。関西エリアを拠点とする事業者、つくり手の皆さまもご覧いただけますよ。


レポートは第2弾は改めてお届けします。吉比産業、東京製革業産地振興協議会の展示などをご紹介予定です。どうぞ、お楽しみに。



■ 参考URL ■

 富田興業株式会社 <http://www.tomita.co.jp/>

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「第97回 東京レザーフェア」レポート、最終回は「極めのいち素材」コーナーからご紹介。イマジネーションと技術が織りなす、素材(皮革と布帛)・副資材(機能性素材やパーツ)など各社渾身の一点を提案。恒例の人気投票を行いました。

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こちらは前回の上位選出レザーたち。

1位:富田興業

 /クールレザー

日本伝統の白鞣し技法をアップデートした究極のホワイトレザー。

2位:坂本商店<兵庫県皮革産業協同組合連合会

/黒桟革「極・杜若(カキツバタ)」

漆で仕上げた後さらに染色(二度染め)を施し、より深い神秘的な輝きを表現。

3位:フジトウ商事

/本ヌメ柿渋染め

日本古来の天然素材、柿渋を100%植物タンニン鞣し革に、熟練の職人が丁寧に手塗り染色を施したラグジュアリーなレザー。


そして、今回は・・・。


1位:相川商事/Fluffy Pursuit of Lightness 軽さの追求

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古き良き日本の技術と新たな技術を組み合わせることで生まれた革。革本来の持ち味を生かすことで軽さを追求し、個性を表現。



2位:碓井/ディアライク

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牛革を如何にディア革に近づけることが出来るか?を目的に開発。柔らかさ、軽さにも注力しています。


3位:フジトウ商事/ACT1 Next Generation

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テーマは「ナチュラルだけど機能性」。相反する特性を融合させています。染料仕上げで革本来の自然な風合いと、しっとりしたタッチ感を残したまま高い防水性を有しているのがスゴイですね。


「繊研新聞」(12月26日7面)によると「革本来の風合いに立ち返った提案が増えてきた。この数年で牛革原皮の輸入が難しくなり、加工を重ねた意匠素材のバリエーションを強化する傾向にあったが、ベーシックな素材が手薄になっていたことを背景に、質のよさを感じさせる革をそろえ、マーケットの活性化につなげようとする企業が目立った」。今回の人気投票の結果ともリンクしていますね。革らしさ、機能性などの新しさをプラスしたものが支持を集めました。



ほかにも気になるレザーをピックアップ。



久保柳商店/麻 落 水

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徳島県の阿波和紙と豚の生皮のハイブリッド。シースルー素材の組合せがポイント。



富田興業/レザーツイード2018

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レザーを主体にウール、コットン、レイヨン等を織り合わせ、新しい素材感を表現。これまでにないアプロ―チが新鮮ですね。


坂本商店<兵庫県皮革産業協同組合連合会>/藍染め ダメージ革

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藍の染めムラとぼかし効果によって、革本来のキズやシミ、擦れが程良い、ダメージ革に仕上がりました。「キズも含めてデザインに取り入れて、製品になった後も愛でて欲しい」という想いが込められて。

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<兵庫県皮革産業協同組合連合会>ブースで坂本社長ご夫妻と、由利 佳一郎さんに写真を撮らせていただきました。

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海外での評価も高い二組がまた斬新な企画を立てているんでしょうか? 楽しみです。

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日本タンナーズ協会のブースでは、恒例の展示。各地のタンナーか仕上げ技術、加工技術に優れた選りすぐりのレザーがそろいます。

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新喜皮革のアンティーク調メッシュは植物タンニンなめしの馬ヌメの下地をひも状にして織った後仕上げ。さらに手染め、カゼイントップの色止めプレス艶出し加工も施されて。

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このほか、絞りや姫革友禅など、多様な技法と、その解説をわかりやすく提示。

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絵画のように鑑賞したくなるギャラリー的な展示スタイルがひと際存在感を放っていました。

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東京都、東京製革業産地振興協議会「TOKYO LEATHER」では最新トレンドを発信。「シンプル:革のベーシックが際立つ」、「精緻な加工技術:多彩な風合のバリエーション」、「新しい装飾性:色×プリント×光沢」、「トレンド力:色/光沢/タッチ」の4カテゴリーで展開しました。

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カラーバリエーションはもちろん、艶感、ムラ染め、アート感覚の柄、防水加工などで各社が個性を競います。ピッグスキンの可塑性の高さをフィーチャーした豊かな表現も魅力です。

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イースト東京・すみだエリア周辺で生まれたピッグスキンは、国内生産の約90%のシェアを獲得。国内で自給することができるため、見直されています。靴のライニング(裏地)に用いられることでも知られている通り、通気性が特徴。放熱性を重視するスマートフォン関連アイテムとのマッチングにも注目が集まります。


また、東京スカイツリー周辺のイースト東京エリアを拠点とした店舗、ブランドは台湾を中心とした中華圏、アジアのユーザーからの人気も根強く、年数回の旅行でまとめ買いする、というスタイルが増加。リピート率、買い上げ点数が多く、SNSでも好反応・・・とアジアとは もはやボーダレスに。越境ECでの取り扱い拡大、現地進出も期待されています。


駆け足で会場をまわらせていただくと、牛革原皮の不足傾向にある現状を鑑みた試みを引き続き拝見できました。キズなどもそのまま生かした革らしい表現をはじめ、さまざまな加工技術と生命の証である皮革をムダなく使う愛情、つくり手の皆さんによる意欲的な創意工夫が素晴らしかったです。


今年を振り返ると、メルカリを中心としたフリマアプリの急速な普及により、実店舗だけでなく、ECモールの売り上げも鈍化したとの観測もあります。気軽に中古品を売り買いできる時代、短期的な所有では満足できない、身のまわり品としての存在意義が重視されるのかもしれません。ものづくりの背景、長く愛着したくなる付加価値、経年変化する特性など、日本製革製品の魅力を改めて訴求し、ユーザーの皆さんの心に響くように、気を引き締めて取り組みたい、と強く思いました。


さて、2017年の更新は今回で終了です。一年ご愛読いただき、ありがとうございます。2018年は1月10日からスタートです。来年もどうぞよろしくお願いいたします。



■ 参考URL ■


 第97回 東京レザーフェア  

  <http://tlf.jp>


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前回に続きまして、「第97回 東京レザーフェア」レポート第2弾をお届けします。東京・浅草 都立産業貿易センター台東館 7Fの<トレンドラボラトリー>コーナーは、最新のレザー傾向をわかりやすく編集していました。「パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー 2018」は、ブルーを基調としたパープル、<ウルトラバイオレット>に決定。そんな注目のパープル系カラーは同コーナーでも登場しています。


「装飾性の色彩感」をシーズンテーマに展開。ポイントは、彩度を高めることで表現する装飾性。ドラマチックに変容し、鮮やかにカラーがコントラストする情景をモチーフにしているそうです。カテゴリーごとに展示されたコーナーから一部をピックアップしてご紹介します。



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「ABILITY/正統性の力量」


唐突さを避けた新しい基本の提案。光沢の変化や表面感の変化によって素材の奥行きを描き出します。

キーワード:「自然をモチーフにした濃密なカラー群」
カラー:鮮やかなブラウンを基軸にしながら、注目の赤、バーガンディをフィーチャー

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「どっしりとした濃厚なバーガンディ」


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「革らしさが生きるオレンジみのブラウン」


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「自然を凝縮した今季のグリーン」


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「白を標榜するペールなウォームカラー」



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「ART WORK/品格を具(そな)えた進化」


寛容なセンスで新しい革らしさを追求。伝統を踏まえながらカジュアルに、ときには装飾的に進化した表現の可能性を探ります。


キーワード:「革色の常識を超えた鮮やかさと品格」
カラー:品格ある革感をカラフルに。ウォームとクールを調和させたバランスミックス。

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「鮮やかな光のイエローは新しい革色のスタンダード」


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「スパイシーで装飾的なイエローブラウン」


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「定番のネイビーを装飾性のサーフェイスで」


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「クリーンで華やかな秋冬の紺碧」



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「AURA/ひそやかで華やかな翳(かげ)り」


オフブラックのモダンさと神秘的なニュアンスをとらえて。カラフルな素材との対比効果、多彩な表情をもつブラックのイメージを具現化。


キーワード:「鮮やかさを際立てる翳りのダーク」
カラー:深いオフブラック群、パープル系を意識した色調。その彩度を高めミステリアスに。

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「濃淡で表現するシックなライトブラウン」


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「モダンなブラキッシュの多様性」


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「装飾的な造形性で語るニュートラル」


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「今季のカラーを締めるダークブラウン」


鮮やかかつシック。存在感がありながらも抑制のきいたアプローチのレザーが見受けられました。



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また、レザートレンドといえば、こちら、富田興業のブースです。

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皮革業界のファッショニスタとしても知られるクリエイティブディレクター 藤田さんと峠原さん。着こなしで時代の気分を体現なさっていて、素敵です。

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イチオシは、レースとのハイブリッドレザー。裏使いすることで独自の凹凸感を生かします。詳細は同社個展を取材させていただく予定ですので、どうぞお楽しみに。


レポートは次回に続きます。



■ 参考URL ■

 第97回 東京レザーフェア <http://tlf.jp>


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「第97回 東京レザーフェア」が東京・浅草 都立産業貿易センター台東館で開催されました。50社 9団体 計163社が出展。12月6日(水)~7日(木)の2日間、6,000人が来場するなど盛況でした。

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スペシャルコンテンツとしてオリジナルレザーファッションショーを実施。<でんぱ組.inc>のライブ衣装を手がけるなど、女性の支持が高い<Jenny Fax(ジェニー ファックス)>デザイナー シュエ・ジェンファンさんと選出された企業とのコラボレーションで「WISH」をテーマにポジティブなイメージを表現。

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このイベントのみの発表となる合計20ルックが披露されました。レザーファッションの概念を変えるような「カワイイ」テイストが斬新ですね!


コラボレーション企業である松本企画事務所、久保柳商店、墨田革漉工業の3社、各ブースにお邪魔して、レザーにもフォーカス。

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三重県名張市を拠点とする松本企画事務所。

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バッグ、シューズ、ウェアの素材を企画販売。手染め、手描き、着色といった付加価値性が高いレザーを手がけています。作品に使用された素材のベースとなったものを見せていただきました。大柄ではありながらも繊細かつ上品。シュエ・ジェンファンさんのポップな作風とのバランス感も抜群でした。


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上質な素材感とカラーバリエーションが高く評価された久保柳商店。

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今年で創業75年目を迎える老舗。1942年創業以来、常に新しい皮革をつくり続けています。浅草のショールームには定番、新作含め常時300点以上のサンプルをストックしているそう。パステル系のソフトなニュアンスが絶妙ですね。


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各種加工のエキスパート、墨田革漉工業。社名の革を漉く(厚さを調整する)加工において、国内での元祖として知られています。

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型押し、デジタルパンチング、プリーツ、スペシャルドット、デジタルカッティング、3D・・・とさまざまな加工、他の追随を許さない技術力で大手メーカーから若手デザイナーまで幅広い支持を獲得。今回も素材協力のほか、久保柳商店のレザーを漉くなど、クリエイションをサポートしました。


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ファッションショー終了後にはトークショーを開催。ジェンファンさんに加え、文化服装学院 バッグデザイン科に在籍し、『装苑』9月号「文化服装学院で見つけた、学生クリエイター」でも話題となった学生クリエイター 安藤百花さん、若い世代に人気の求人プラットフォーム<READY TO FASHION>の石川義朗さん、コラボレーション企業の各担当者が登壇。

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価格やお手入れの難しさはありつつも「ショー作品により、革の新しい表情と発見があった」、「実際に触れてみないとわからない魅力がある」、「東京レザーフェアには、1枚からでも購入できる企業が出展され、実際にコミュニケーションできるのもうれしい」といった意見が続々。次世代のビジネスパーソンがジャパンレザーの可能性を拡げるきっかけとなったようです。レポートは次回に続きます。



■ 参考URL ■

 第97回 東京レザーフェア <http://tlf.jp>


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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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