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October 10, 2018

「Japan Leather Award 2018 審査会」レポート (2)

カテゴリー: 国内革事情

先週に引き続き、9月28日(金)~29日(土)の2日間、東京・二子玉川 iTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズで行われた「Japan Leather Award(ジャパンレザーアワード)」の審査会レポートをお届けします。
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国内最大規模のレザープロダクトコンペティションとしてお馴染みの「Japan Leather Award」。今年度は255点もの応募作品が寄せられました。
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応募部門はフットウェア部門/バッグ部門/ウェア部門/フリー部門/学生部門の5部門。
学生部門を除く4部門にはフューチャーデザイン賞(新奇性、新たな市場形成の可能性を評価/賞金10万円)とベストデザイン賞(優れた商業的な価値を評価/賞金10万円)の各2賞があり、学生部門には最優秀賞(新奇性、発展性を評価/賞金10万円)があり、これら9賞の中で最も優れた作品からグランプリが選ばれ、賞金30万円と3つの中から選べる副賞も用意されています。
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プロ審査員としてウェブメディア「Fragments」編集長 伊藤瞳さん、吉田 けえなさん(ライター/マーケティングディレクター)が新たに参加。審査員長は東京藝術大学美術学部教授 長濱雅彦さん。特別審査員としてファッションデザイナー ドン小西さん。阿部浩さん(レガーレ)、天津憂さん(エーディグリーファーレンハイト)、有働幸司さん(ファクトタム)、鎌倉泰子さん(フリーランスバイヤー/ライター)、佐藤直人さん(NAOTOSATOH)、橋本太一郎さん(ノーノーイエス)、矢口真弓さん(PR・アドバイザー)と活躍中のデザイナー、ビジネスパーソンが審査員をご担当。
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それぞれのご意見を交換しながら時間をかけてじっくりと厳正に審査なさっていました。

審査と同日、9月28日(金)には、つくり手たちのための交流会「レザークラフトマンミーティング」を実施。東京での開催ということもあり、出展者のかたが多数ご来場。非常に盛り上がりましたよ。
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長濱審査委員長、ドン小西特別審査員に加え、一般社団法人 日本皮革産業連合会 吉田人材養成委員長、朝稲専務理事からご挨拶。厳しく、そしてあたたかなエールが次々と。

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参加者のみなさんの作品とプロフィールがまとめられたリーフレットが配布され、アピ―ルタイム、PRコーナー(各参加者の資料を設置・配布)も好評。
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「審査員、応募者とのコミュニケーションもあり、また、つくり手同士のつながりも生まれるなどとても意義のあるイベントに年々パワーアップしていますね。このイベントを見る価値、来る価値があると思います」と当ブログでもお馴染みの村木るいさんも多忙のなか、駆けつけていました。

村木るいさんの「人に話したくなる革の話」
Japan Leather Award 応募したほうがいいし、イベントを見たほうがいいよ、とすすめる理由(9月26日更新分)
村木さんが主宰する人気イベント「本日は革日和♪」が今週末、ホームタウン・大阪で開催! 上質レザーのアウトレット販売ほか、さまざまなプログラムが予定されています。

「本日は革日和♪」



そんな熱気が充満した会場の主役たち。応募作品を部門ごとに傾向とともに一部をご紹介します。

フットウェア部門
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斬新なサイズ調節、ツイッターの利活用、歩きやすさを重視したソール、ビジネスシーン、アクティブシニアに対応したエレガントなコンフォートシューズ・・・さまざまな創意工夫が素晴らしい。
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日本製レザーシューズの新たな付加価値の提案に感激しました。

バッグ部門
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バッグ、財布の中間領域が活性化するなか、ウォレットポーチ、ショルダーポーチが登場。持ち運ぶものが少なく、バッグのミニサイズ化も顕著ですね。
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ハンズフリー、手ぶら感覚が重視されつつありますが、反対に「あえて持ちたい、持ちたくなるバッグ」も目立ちました。

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デザインポイントとしてのハンドル。そっと手仕事が息づいています。

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革の内部を縫い通す、靴の縫製技術、スキンステッチを採用した一品。独特の凹凸感が「持つ」という行為を再認識させてくれそうです。

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スマートフォンとミニ財布をどう持ち運ぶか、その解となるようなミニミニバッグ。
旬のきんちゃく型は、着物、浴衣との着合わせにもぴったり。
自立するミニバッグもユニーク。車で通勤するかたは助手席にちょこんとのせて。フリーアドレス(固定のデスクがない)オフィスに勤務するかたはデスクからデスクへの移動に。スマートフォンスタンドのように使えるのも便利。

ウェア部門
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レザーウェア、ベルト、手袋、帽子、ブレスレット、小物(財布・名刺入れ)など身につけるものを対象としたウェア部門。

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キャッシュレス時代に最適化したミニ財布、キ-ケース(カード収納スペースつき)、パスケースなどが異彩を放ちます。
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9月から大手コンビニエンスストア ローソンで導入され話題のタッチ決済(非接触決済)では、財布からカードを出さなくても決済ができるので、キーケース(カード収納スペースつき)、パスケースが財布の代替アイテムに。機能性だけでなく、楽しさをプラスすることでユーザーの日常を彩ります。

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インパクトのあるデザイン、ポップなテイストの作品も存在感がありました。
女性の水着姿を想起させるセクシーな財布は、財布づくりの匠が若手に交じりエントリー。10数年前にご自身で発表したものをリモデルなさったのだとか。
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革らしい味わい、経年変化の表現は、シンプルながらも力強さが漂います。
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財布づくりのプロセスをくわしく紹介する、初の著者本が刊行された熟練職人の卓越した技術、クラフトマンシップが凝縮。

フリー部門
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生活雑貨、インテリア、その他(フットウェア部門、バッグ部門、ウェア部門に該当しないものがそろうフリー部門。ステーショナリー関連、ボックス、ケースなどが多彩でした。
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こちらの3作品はすべてペンケース。お子さんと使いたいキュートなデザイン、インバウンド消費、ギフトとして人気を集めそうな日本刀モチーフとユニークなデザインがズラリ。

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また、けん玉、蠅たたき、グローブと見慣れたアイテムを刷新。見たことがないようなデザインとクオリティーに。思わず手に取りたくなる魅力にあふれて。

学生部門
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学生らしいフレッシュな作品、斬新なアイテムがエントリー。

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手首に巻き付ける財布「リレット」(リストウォレットの略)や革×電子機器IoTの新しいウェアラブル機器を内蔵したシューズアクセサリーが目をひきます。革新的な製品で皮革産業を変えてほしい!

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文化服装学院の在校生からは、伝統工芸、つまみ細工を取り入れた作品が。すべて革とは思えないほどの繊細な仕上がり。「和の美しさを足もとから取り入れてほしい」との願いが込められています。

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そして、高校生からの応募も。兵庫県立姫路工業高校から届いた作品は姫路皮革製品推進協議会がバックアップしたそう。
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すべて超高校生級の完成度です。学生部門最年少受賞、期待したいですね。ほかにもお見せしたい作品ばかり。下記リンク先の公式サイトで全作品を閲覧できますのでチェックしてください。

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今年度、グランプリを獲得し、このトロフィーを手にするのは? 
グランプリおよび各賞は、11月17日(土)、二子玉川ライズ ガレリアにて行われる表彰式で発表されます。全受賞作品の展示、ワークショップなども開催予定です。どうぞ、お楽しみに。


■ 参考URL ■
 Japan Leather Award 2018
 <http://award.jlia.or.jp/2018/>

プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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