欧米ブランドに「負けていないぞ!」

November 7, 2018

「台東区産業フェア2018」レポート

カテゴリー: 国内革事情

東京都台東区によるイベント「台東区産業フェア」が11月1日(木)・2日(金)の2日間、東京・浅草 東京都立産業貿易センター台東館で開催されました。会期中、2,000人以上の来場者があり、大盛況!
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ものづくりの街としてお馴染みのエリアを代表する製造業以外にもITや健康、ライフスタイル、人気カフェなどさまざまな業種・企業が出展し、プレゼンテーションしました。
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出展ブースの一部をご紹介します。

一般社団法人 日本皮革産業連合会(JLIA)の会員団体の一つ、全国皮革振興会。皮革の楽しさや美しさをユーザーに広く周知すべく設立された任意団体です。1966(昭和41)年より皮革手芸教室を開講し、現在までに延べ3,400名が参加しています。
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年2回(春/4月生、秋/10月生)生徒を募集。共用費を除き、入会金・月謝は不要(上級クラスを除く)。「ひとりでも多くのかたに皮革工芸の楽しさを知っていただきたい」という思いがうれしい。幅広い世代のユーザーが皮革工芸を学び、楽しんでいます。
11月21日(水)・22日(木)には恒例の「展示発表会」(東京・蔵前)も。今年のテーマは「赤いコインケース」。多彩な個性が表現されますよ。お楽しみに。

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東都製靴工業協同組合のブースでは<パンプスメソッド研究所 i/288>を紹介。たった1分の3D計測であなたの足のサイズを計測&フィッティング。お一人おひとりの足にいちばん近い靴を提案しています。
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この秋は、東京・日本橋 日本橋タカシマヤショッピングセンターに常設店舗をオープンし、さらに全国各地の百貨店6か所で「2018AWコレクション i/288期間限定ショップ」を開催。ジャストサイズのよろこびをたくさんのユーザーに届けています。

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60年以上もの歴史を有する東京都靴卸協同組合。組合員のための教育情報提供に関する事業、組合員の福利厚生に関する事業、調査及び資料提供事業、PL対策事業、組合員のための関税割当事業などを行っています。
今回は52法人からピックアップされた選抜ブランドのコレクションが展示されました。
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こちらは学生靴、ローファーでお馴染みの<ハルタ>。国内生産による高い品質が再評価され、近年では新進クリエイターとのコラボレーション、セレクトショップの別注企画などが増加。若い世代のユーザーの支持が広がっています。

インキュベーション施設<台東デザイナーズレッジ>、<浅草ものづくり工房>入居&卒業生クリエイターも登場。台東区では地場産業の活性化を図り、ものづくりを担う事業者を育成する拠点として2施設を運営。インキュベーションマネージャーを配置し、入居者の自立支援を行うとともに、地域との連携・交流を図っています。
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革の街・靴の街、浅草の奥座敷的なエリアにある<浅草ものづくり工房>では、シューズ関連の入居ブランドが多いですね。

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文化服装学院卒業生による<ブロンズマスター>は、上質な紳士靴を手がけています。オリジナル製品以外にもOEMなどのオファーも絶えません。

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「カワヌリエ」が注目を集める<ショイズクローゼット>。革にアート感覚の柄を手描き。ユーザーが色を塗る体験を提供。そのカラーコーディネートは無限です。
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当日も多くの来場者が体験し、革のものづくりに触れました。

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<クスグルデザイン>は新ブランド<ニニット>をお披露目。伝統的な編み物、フィッシャーマンズニットをモチーフに、革に型押しを施し、ふっくらとした質感で表現。新たな革製品の可能性を探ります。
同社では、< ぐにゃにゃんこ>、<革切子®>・・・と異なる世界観、価格帯のブランドを展開。それぞれにトレンドファッションとは一線を画し、コアなファンを開拓。< ぐにゃにゃんこ>は「コミックマーケット」に参加。猫ブームとも合致してロングヒットを続けるなど、従来の革製品とは異なるブランディングが際立っています。

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エシカルでスタイリッシュな革製品を手がける<シックスクロージング>。動物の権利が世界的に話題となるなか、農林業への被害防止のため約113万頭もの生命が有害駆除、廃棄されていることに胸を痛めたデザイナーが、食肉以外の皮革での利活用を推進すべく始動した「ジビエ革」プロジェクト。共感が広がり、じわじわとファンを獲得しています。
この夏、区内の かっぱ橋道具街にほど近いエリアにギャラリーショップを開設。近隣に同じくクリエイターたちのショップが集積しはじめ、蔵前に続く、ムーブメントを醸成しています。

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国内最大のレザープロダクトコンペティション「Japan Leather Award」歴代の部門賞受賞者が立ち上げた<sugata>。ブランドコンセプトは「普通をつくる工夫の重なり」。シンプルなデザインに、ライフスタイルを豊かにするギミックを閉じ込めて。金沢21世紀美術館の企画イベントに参加したほか、海外からのオファーも。着実に実績を重ね、次のステージへの飛躍を見据えています。

<浅草ものづくり工房>では、平成31年4月度の入居申請受付が延長され、11月16日までとなりました。靴、バッグ、革製品を手がけるクリエイター、つくり手のかたの起業・創業・スタートアップに最適。東京スカイツリーが見える隅田川の左岸エリアで新しい物語をはじめてみては?


台東区


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このほか、さまざまな皮革産業関連企業が出展。シューズ、バッグ、財布、革小物、それぞれのカテゴリーで意欲的な企業が出展。伝統を受け継ぎながらも進化するものづくりをアピールしました。

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牛、ヤギ、羊などの天然皮革を取り扱う皮革卸 相川商事では秀逸な革とその革を使ったバッグをラインナップ。直販プライスで販売し好評でした。

日程が11月03日「いいレザーの日」直前だったこともあり、皮革製品に来場者の注目が集まりました。百貨店関係者からの引き合いも多く、活発な商談が行われたそうです。次回(来年度)の開催にも期待が寄せられます。
各ブースのサイトは下記リンク先の「出展企業紹介」からご覧ください。


■ 参考URL ■
 「台東区産業フェア」
  <http://www.taito-sangyo-fair.jp/>

プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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