マーガレット

私は香港生まれの中国人(=香港人)です。
大学で日本語&マネージメントを学び、卒業後は日本人に対するカスタマーサービス関連の仕事に携わっています。

まず、中国本土と日本、そして香港の間で大きな違いがあることを認識しなければなりません。
皮革製品の選び方として、香港人や日本人は個性やライフスタイルにあわせて自分に合った商品を選んでいきます。
それに対し、本土購買層の選び方は洗練されたものとはとても言えません。
彼らは自分自身のオリジナルスタイルを持つことに自信を持っていないため、流行やルイ・ビトンやプラダ、グッチといった世界的なブランドが発信する情報を鵜呑みにしています。
さらに、彼らは「一番高額な物=最高品質」という強い信念を持っています。

この信念を裏付けするような例を北京で皮革ハンドバッグやアクセサリー専門店を経営する友人から聞きました。彼女は以前、香港の有名デパートや高級ブランドで経験豊富なバイヤーとして働いていました。
ある日、こんな興味深いことが起こったのです。
一人のお客様がセールスの女性に近づき声をかけました。
「このお店で一番高価な商品が欲しいの。見せてくれない?」
もし、あなたがその場にいたらさぞかし驚いたことでしょう。
実際、尖沙咀のカントンロードにある有名ブランドのフラッグシップ店外には毎日、中国本土からの観光客による長蛇の列ができ、彼らの強力な購買力を反映していると言えます。

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現在、中国は富裕層クラスの人口がすさまじい勢いで増えています。
香港人がIFCやランドマーク、パシフィックプレイスで買い物を楽しむように、中国本土の人も巨大なショッピングモールでの買い物を楽しみます。
例えば、先程の友人のショップも「チャイナワールドモール」、「三里屯ビレッジ」といった朝陽区にある有名なショッピングモールに展開しています。
「チャイナワールドモール」はChina World Trade Centerの一部であり、北京で初めて「ショッピングモール」という概念を導入したモールです。
世界的によく知られているブランド、ルイ・ビトン、エルメス、ブルガリ、フェンディなどのフラッグシップ店もここにあります。
また、「三里屯ビレッジ」は昔、バーが建ち並ぶ小さな通りでしたが外国人駐在員、観光客、流行に敏感な中国本土富裕層に昔から人気のエリアで、現在はショッピング、レジャー、エンターテイメントを組み合わせることで斬新なアプローチを提供しています。
このように、北京には数多くの外資系ショッピングモールが建ち並び、そこには世界的に有名な企業や高級店が数多く進出しています。

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さて、このように店舗展開のために一等地を手に入れたとしても、まだ本土購買層の習慣、好みなどを理解する必要があります。
ちょっとした「ヒント」を教えましょう。

本土購買層は流行に盲目とは言え、一般的にはあまりに最先端のスタイルは受け入れられません。
彼らは茶色や黒の商品をより好み、冬は大きめのバッグを春・夏には小ぶりのバッグを持つ傾向があります。
そして、革タイプ別に商品を選ぶことも稀です。
自然なスクラッチやさまざまな色、風合いを持つ天然皮革を選択肢に入れるべきですが、彼らにはスクラッチの全くない重度の化学処理を施されたレザーがパーフェクトに映ります。
このことから、製品デザインなどの際に違った考え方が必要となってきます。

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そして、セキュリティの高さも考慮しなければなりません。
彼らはバッグの口が閉まるもの、ジッパーや長めのショルダーストラップがついたものを求めます。
なぜなら、彼らは身体の前もしくは斜め掛けしてバッグをもつのが好きだからです。
これは、中国では引ったくりやスリが多いことも関係しています。
また、多機能バッグも常にベストセラーアイテムです。
例えば、私の友人はバッグinバッグがついたハンドバッグを紹介してくれました。
このバッグがあれば、急にパーティーに参加しなくてはならなくなっても問題ありません。

男性向け市場においてはファッショナブルな男性客が増えており、女性向け市場より成長をみせています。
男性客はおしゃれで、より開放的です。
特に、若者の間では新しいものも受け入れられ始めています。
彼らはシンプルで高品質な商品を求めています。
本土の購買層にはさまざまな特性があるように見受けられますが、まだ一般的には彼らは世界の流行を追い続けています。
彼らの習慣や買い物習慣になれるにはちょっと時間がかかるかもしれません。
ですが、中国市場がアジア諸国間で一番可能性を秘めた市場であることは確かです。

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