ダニエル・アディダ

フランスから来たダニエルと申します。浜松町にあるフランス語 語学学校で校長をしております。2012年の3月に来日し、日々、東京を楽しんでおります。

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フランスといえば、ルイヴィトン、エルメスといった世界的に有名なブランドが数多くあります。でも、フランス人は、そうしたブランド品はあまり購入しません。日本に来て、フランスのブランド品を非常に多く目にするようになりました(笑)。
日本の女子高生がルイヴィトンやエルメスを持っているのは不思議ですね。

フランス人は「おしゃれだ」と良く言われます。私たち自身は、特別意識はしていないのですが、何気なしに靴と鞄と帽子の色やデザインは合わせています。女性などは、新しい靴を買ったら、「靴に合わせて、鞄を買わないと!」というのが自然な消費者行動になっています。たぶん、小さい頃からそうした生活の中にあって、身についているんでしょうね。

フランスの学校には日本で普通に見かける制服のようなものがありません。親が服を選び、こども自身でも選びます。洋服だけでなく、ランドセルもこどもが色やデザインで好きなものを選び、親が「丈夫」かどうか確かめて購入しますね。素材はやはり革です。最近は、教科書が重いので、ランドセルの代わりにコロコロ転がせるトランクを持つこどもが増えているようです。

フランス人は、ブランドよりも、自分のライフスタイルにあったモノを長く大切にします。このため、ブランドでモノを選ぶのではなく、それに使われている素材をよく吟味する傾向があるように思います。
例えば、ルイヴィトンの革は、丈夫で裂けないと言われています。だからスーツケースなんです。小振りなバッグでは、そこまでの丈夫さは求められませんよね。

靴に対する思いも日本人とは違います。家でも靴を脱がない私たちにとって、靴を脱ぐということは服を脱ぐのと同じなんです。ですから、自然と毎日コーディネイトをしています。私はコードバン(馬の尻部をタンニンでなめして光沢を持つように仕上げた革)の靴を愛用しています。耐久性が高く、10年・15年以上も長持ちします。そして、何よりも、手入れが楽です。
ベルト、時計のベルトやお財布は、触り心地の良い、カーフスキン(子牛の革)が好きですが、コードバンのベルト、またはクロコダイルの時計のベルトもいいと思います。

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皮革製品の日仏の違いといえば、「バッグ」です。ヨーロッパでは、男性が女性のように「ハンドバッグ=手鞄」を持つことが少ないため、来日の際、多くの日本人男性がバッグをもっているのに非常に驚きました。しかし、私たちから見て日本人の男性はヨーロッパの男性に比べてファッションへの感度が高いというイメージがあったので(笑)、バッグを持っていることに違和感はありませんでした。

日本のバッグは、デザインが多少シンプルという印象があります。ヨーロッパのバッグは、ジッパーがついていたり、ポケットがあったり、ストラップなどがあるからでしょうか。

モノを作るという視点では、日本のレベルは非常に高いと思います。また、日本の職人さんたちの勤勉さには驚きます。実際に、バッグの縫製、皮革製造そして、馬具製造を学ぶためにヨーロッパへ行った職人さんを知っています。
フランスのブランド品も良いですが、日本の皮革製品の価値をもう一度見直してみるのも良いと思います。

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