欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2010年5月 の記事

カテゴリー: 国内革事情

   

 

今年は天候不順ですが、日ごとに夏らしくなってきましたね。
もうすぐ梅雨がやってきます。
そこで気になるのは雨によるダメージ。

前回に続きまして、皮革卸売のリーディングカンパニー 
富田興業株式会社 代表取締役社長 富田常一さん、
クリエイティブディレクター・部長 藤田晃成さんから
お手入れなどについて、お話を伺いました。

 


――――― レザーを愛するためのTPO ―――――

 

 

「皮革製品を使う上で
 ケアは欠かせませんが、
 その前に気に留めていただきたいのは、
 TPOです。


 例えば、ドレスシューズとスニーカーを
 使い分けるように。

 パーティには、スニーカーでなく
 エナメルオペラパンプスが相応しいように
 皮革の文化が確立している欧米では
 雨の日に皮革製品を
 使わないようにすることは
 常識なんですよ。

 水に濡れると、
 レザーがダメージを受けるだけでなく
 移染しやすいもの。
 雨の日には
 淡色のウェアと濃色のバッグを
 コーディネートするのは
 避けたほうがベター。

 どうしても革を使いたいかたには
 防水革製品がおすすめ。
 このところ普及してきているので
 お気に入りを探してみては
 いかがでしょうか。

 ぜひ、素材も使い分けてください」と富田社長。

 

 

富田社長.JPG

 

 

 

 “使い分ける”というのは、大切なことですね。
  ついついお気に入りをヘビーローテーションしてしまいがちですが、
  着替えをするように
  シーンや天気に合わせてチョイスすることは
  レザーアイテムを長く愛着するためのコツでもありますね。

 

  続いて藤田さんからお手入れについて伺いました。

 

 

 

 

――――― 雨のケアと継続的なメンテナンスで革を育てる ―――――

 

「日本は雨や湿気が多く
 水によるダメージを避けることは
 なかなか難しいですが、
 予防と濡れてしまったあとのケアを
 しっかり行うことで
 かなりカバーできるんですよ。

 まずは予防から。
 防水スプレーを利用することを
 おすすめします。
 まずは目立たないところで
 シミなどができないか確認してから
 30~40㎝離して、全体的に
 まんべんなくスプレーしてください。

 
 濡れてしまったら・・・
 ゴシゴシと拭きとらずに、
 トントンと濡れた箇所を
 軽く叩くようにして水気をとり、
 靴やバッグの内側に
 新聞紙などを詰めて
 (型崩れの防止でもあります)
 日陰において乾燥させます。


 メンテナンスをきちんとすることで
 表面に膜ができ、
 コンディションがよくなるんですよ。
 継続的なケアで
 丈夫な革を育ててください。
 きっと愛情に応えてくれるはずです」
 

 

藤田さん.JPG

 


 と、お話してくださった藤田さんは
 今年、人気ファッションビル パルコの販売スタッフを対象とした
 素材導入・靴や鞄に関しての研修が行われた際、
  講師をご担当。皮革に関する説明などが
 丁寧で詳しく、わかりやすかったと大好評だったそうです。

 

 
 また、当ホームページ「皮革相談室」でも
 いろいろな情報が掲出されていて、参考になりますよ。


 
 明日から6月。衣替えのかたも多いのでは?
 季節の変わり目、ひと手間をかけ、
 使い方を意識することでレザーのおしゃれをもっと楽しんでください。
 

 

 

  ■NEWS■
 「とっておきのモノ語りを、浅草から世界に!」をテーマとした
 合同展示会「モノステージ」が
 6月2日・水曜~6日・日曜 
 東京・浅草 墨田公園リバーサイドギャラリーで開催されます。
 富田興業をはじめ、
 台東区が地場産業の活性化を図り、
 ものづくりを支える事業者を育成する施設としてオープンした、
 事業者支援施設「浅草ものづくり工房」入居ブランド、
 靴、皮革小物、アクセサリーの新進クリエイター、若手クラフツマン、
 意欲的ファクトリーがエントリーしています。


 ぜひ、お出かけください。

 

 くわしくは
 こちらをごらんください。
 ▼
 浅草ものづくり工房 ― モノコボニュース

http://monokobo.jp/news/2010/05/news-103.html


 

 

 

 

カテゴリー: 国内革事情

 

 

前回に続きまして、レザーのプロフェッショナルから
日本の革の魅力や最新情報をお聞きすべく
皮革卸売のリーディングカンパニー 富田興業株式会社 
代表取締役社長 富田常一さん、
クリエイティブディレクター・部長 藤田晃成さんにお話を伺いました。

 

 


――――― 100%自給自足できる唯一の素材、ピッグスキン―――――

 


「日本の革は、伝統を守りつつ、革新を続け
 品質が向上しています。
 魅力も多岐にわたりますが、
 新鮮さを感じていただけるのは
 豚革=ピッグスキン。
 このところ
 そのよさが見直されています。

 プリントや箔押しなど、
 さまざまな加工を施すことが容易で
 個性を表現できるので、
 クリエーターからも注目され
 ファッション分野でも
 使用されることが増えました。


 食肉の副産物として、
 東京でピッグスキンの生産が
 行われています。
 その割合は全国の約70%。
 しかも、日本で唯一
 100%自給自足できる素材なんですよ」
 と富田社長。

 

 日本最大の繊維総合見本市「JAPAN CREATION」期間中に
 行われたファッションショー
 「PIGGY'S SPECIAL(ピギーズ・スペシャル)」も毎回好評。
 東京産の素材を使い、東京を代表するクリエイターがコラボレーション。
 「AKIRA NAKA(アキラ ナカ)」、
 「MIKIOSAKABE(ミキオサカベ)」ほか、気鋭の新進ブランドが参加。
 その高いクオリティに、ジャーナリスト、バイヤーをはじめ、
 目の肥えたユーザーからも再評価されています。

 

 

ピッグスキン.JPG

 

こちらは同社が手がけるピッグスキンのラインナップ。

柄、加工ともにバリエーションが豊富ですね。

 

 

 

――――― 東京産ピッグスキンは、世界水準 ―――――

 


「こうして注目されているのは
 現在、加工技術が
 かなり進化しているからです。
 毛穴や匂いなど独特の特徴をクリアし、
 ナチュラルで立体的な表面感
 として昇華させました。
 さらに長所である、
 ソフトな肌触りや、軽さを強調。
 ホワイトタンニンでなめし、
 あたらしい魅力を引き出しています」
 と藤田さん。

 


 リニア・ペレなど、海外の合同展示会に参加した際にも 
 高く評価され、みなさんもよくご存じのビッグブランドからの
 オファーも増えているそう。 
 スポーツでは、イチロー選手や松井選手が活躍していますが
 ジャパンレザーも世界水準なんですね。

 


 次回もレザーについてお聞きしていきます。
 どうぞお楽しみに。

 


 

カテゴリー: 国内革事情

 


日本製の皮革製品=ジャパンレザーのすばらしさをお伝えすべく
毎週更新しております当ブログ。
いつもご愛読いただき、ありがとうございます。

PR担当者として関わってはいるものの
革については、まだまだ勉強をしなければいけないことばかり。
プロフェッショナルから
レザーの魅力や最新情報をお聞きすべく
皮革卸売のリーディングカンパニー、富田興業株式会社へお邪魔。

 

2ショット.JPG

 

 

 

 

代表取締役社長 富田常一さん(写真 左)、クリエイティブディレクター・部長 
藤田晃成さん(写真 右)にお話を伺いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――― この革、味がいいね ――――――――

 


「革の魅力といってもたくさんありすぎて
 語り尽くせませんが、
 そのひとつとしては、質感ですね。
 触れると、吸いつくようで、
 ひんやりとしていて。
 他の素材にはないニュアンスがあるのではないでしょうか。

 いいものの評価として
 “この革、味がいいね”などと
 皮革業界のベテラン達がよく使うのですが
 先日、インテリア業界の方が
 それを聞き、
 とても感心なさっていました。
 
 デザイナーは、いわばシェフ。
 レザーの味わいを最大限に引き出してもらい、
 ユーザーが楽しむ。
 そして、我々は生産者として
 いい素材を提供する。
 そのために、努力を惜しまず、
 革が好きなすべての方へいいものを提案しています」


 
 子どもの頃から倉庫の革の上で遊んでいたという富田社長にとって
 革を料理に例えるほど、
 ライフスタイルに密着していらっしゃるんですね。
 
 

 

 

 

―――――――― ストーリーを感じて、五感で楽しんで ――――――――

 


「動物の生きてきた証である
 革にストーリーを感じていただければ。
 手触り、匂いなど、
 五感で楽しむことができ、
 知的好奇心を刺激してくれます。
 
 とてもデリケートで
 きちんとケアしてあげないといけませんし、
 人間の目でしっかりと品質を管理しないといけない。
 私自身、20年弱のキャリアがあり、
 常に勉強し、知識も深めているのですが、
 それでも、予測できないことが起こったり・・・
 本当に奥が深い。
 だからこそ、もっと追求して
 さらにいいものをお届けしたいと思っています」
 

 

 クリエイティブディレクターだけでなく、
 ファッションビルで働くショップスタッフを対象にした
 皮革(素材)に関する講師をご担当するなど、
 多方面で活動なさっている藤田さん。
 

 おふたりから、ものづくりへの熱い情熱が伝わってきました。
 さらにレザーについてお聞きしていきます。


 次回もお楽しみに。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー: トレンド

  

 

東京コレクションが終わって、もう1ヵ月。

ファッションフリークのみなさんは、

次のトレンドが気になっていらっしゃると思います。

そこで、先日行われたトレンドセミナーからヒントを探ってみました。

 

 

社団法人 日本皮革産業連合会
企業支援ネットワーク登録アドバイザーが多数在籍している
アジアリングが主催する
「10年秋冬 バッグ専門店 マーチャンダイジングセミナー」に参加。
たくさんのかたが来場(立ち見のかたも!)し、
真剣に聞き入っていました。

 

 


シンプル・シック、ミリタリー、クラシカル・・・といった
ファッションのキーワードと連動するように
バッグのトレンドにも大きな変化がやってきそう!

 

川崎さんセミナー.JPG

 


どこかなつかしさを感じるようなデザインやメンズライクなアイテムが
復活する傾向があるそうですよ。



SHOE・BAG探偵局
http://shoebag.jp/

 

 

 

 

また、財団法人 日本ファッション協会 流行色情報センターから
2010年秋冬 JAFCA レディスウェアカラーが発表されました。

 

JAFCA.jpg

 


カラーテーマは「Purify ピュリファイ -浄化-」。
世界的な金融危機を背景に、
原点回帰、ゼロからの再出発のコンセプトが基調に。
カラーグループは「浄化」から出発して、
「再生」、「活性」へと向かう3つのステージを、
3つのカラーグループとして表現。 
今シーズンは色の原点としてのニュートラルカラー
(白、黒、グレーのモノトーンを中心とした色みの少ない色)を重視。
ニュートラルカラーと組み合わせるアクセントカラーとして
「赤」が注目されています。

 

 

メンズやインテリアのトレンドカラーの情報も。
くわしくは こちらをごらんください。

流行色情報センター
http://www.jafca.org/trendcolor/2010jafca-2.php

 


例えば、モノトーンをベースに
赤のバッグ、シューズ、ベルト・・・をスパイスにしたり。
トレンドカラーとしては新鮮ですね。
ミリタリーのニュアンスがある、カーキなどの

アースカラーとも相性がいいですし、
まだまだ人気が継続しそうな
フォークロアテイストのミックスコーディネートにもマッチしそう。

 

きっとジャパンレザーで
素敵なアイテムを見つけていただけるはず!
レザーの赤は、ほかの素材と異なる深い味わいがありますよ。
秋冬が待ち遠しいですね。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:

 

 

「ジャパンレザー」の魅力をよりよくお伝えするため
さまざまなイベントが行われています。

 

4月に東京・銀座で
「ジャパニーズレザー クラフトマンワールド」が開催。
日本タンナーズ協会と老舗百貨店・松屋が連携し、
ファッションの街、
東京・銀座から日本製の皮革製品の品質と魅力を発信。
 

 

全景.JPG

 


3回めとなる今回は「松屋銀座×台東区」が強力タッグ!
ものづくりを支援する台東区の各事業から
選出されたクリエーターも参加。
それぞれ新鮮なクリエーションが提案されました。

 


ファストファッションでは満足ができない
感度が高いユーザーが多数ご来場。

「節約疲れ」というキーワードを耳にするようになりましたが
そんな変化を裏付けるように、
10万円アンダーのバッグ&シューズが売れ筋に。
ずっと長く愛着することができる良質なアイテムがヒット。

ほかにもオーダーメードのサービスも好評。
つくり手の顔が見えるジャパンレザーのクラフトマンシップに
熱い支持が集まっています。

年2回くらいの頻度を行われていますので
スケジュールが合わなかったかたもご安心ください。
次回開催をお楽しみに!


くわしくは こちらをごらんください。

クリエーターズ・ブログ 4月27日のエントリ

http://fashionjp.net/creatorsblog/suzuki/2010/04/28.html

 

 

 


ほかにも、社団法人 日本皮革産業連合会ホームページ
プレスリリース コーナーでは
会員企業による新しいイベントの情報も続々発信。


クラフトフェアまつもと関連企画
『「工芸の五月」糸偏の素材市』において、
ワークショップ「携帯ストラップ・ミニバッグ作り」のご案内が。


また、今週末には
東京で初開催となる「ロハスフェスタ」に会員企業が参加。
大阪・北摂から始まり、次回10回目の開催となる人気イベントです。
「ロハス」をただの流行ではなく、
会場での体験や出会いを通して、暮らしの中に反映させ、
ちいさなエコが大きなコエになる大切な一歩を
目指しているそうですよ。


くわしくは、プレスリリース コーナーをごらんください。

 

 


変わり続ける時代、多様化する傾向に合わせ、
ジャパンレザーは、さまざまなチャレンジをしています。

ぜひ、注目してください!

 

 

 

 

 

 

 

1

プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

最近のブログ記事

カテゴリー

月間アーカイブ

rss
facebook witter

このページの一番上へ