欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2011年1月12日 の記事

カテゴリー: 国内革事情

前回に続きまして「JFW ジャパン・クリエーション(JFW-JC)」
レポートです。


日本で自給できる数少ない素材、ピッグスキンをフィーチャーした
東京製革業産地振興協議会によるブースをご紹介。


加工をしやすい特性を生かし、
泊、プリントなどで立体感、表面感を工夫し、
参加した各社が個性を競っていました。

ピッグスキン4.JPG 

ピッグスキン2.JPG 


2011年秋冬シーズンの基本傾向は、ナチュラル。
ピッグスキンらしさ、皮革らしさの表現を根底に置きながら、
4つのテイストで提案。
重厚さを備えた「本格派のピッグスキン」の在りようを探求する一方で、
しなやかさ・ソフトさ・軽さなど
「新しいピッグスキン」を追求しています。

 

来場したたくさんのクリエーターや学生たちが素材を手にとり、

熱心にメモをとっていました。

 

発表された4テーマは以下の通りです。

 

 

 

 

テーマ1「伝統のタッチ」オーソドックス&ナチュラル

ピッグスキンの素の美しさを残した
ナチュラルな表現。従来のピッグスキンにない肉厚感、
柔らかさにより、今シーズンらしさを訴求。

・伝統的なアメ豚の再現
・ピッグスキンならではの独特な毛穴の柄を生かす
・起毛素材の暖かさとソフト感の強調
・ヌバックの毛足を潰した滑らかな表面

 

 


テーマ2「ニューヴィンテージ」風化による革感の強調


皮革トレンドとして再び注目のヴィンテージ感覚。
自然との関わりの中で変容する風化や、経年変化などを表現。


・強調されるナチュラル感
・洗い加工や後染めによる風化や経年変化の表情
・手染めによるムラのある色調
・製品の仕上げ段階で変化する加工

 

 


テーマ3「立体的な装飾性」立体的な表面効果


ピッグスキンのナチュラル感を引き出すカット、
洗い、染めなどの加工技術により
布のようなソフト感や紙のような
意外性のある質感をつくりだす。


・布はくのタッチの再現
・パイルタッチのしなやかさ
・カッティングで描き出す花柄
・和紙を想わせるドライなシワ

 


テーマ4「ポップな装飾性」視覚で見せる装飾


ヌメのナチュラルな風合いや、
スエードの布のようなしなやかさをベースに
生かしながら、ポップセンスの効いた
プリントでモダンに訴求する。


・ヌメをベースにしたナチュラル表現
・クロコ、アニマル柄+レース柄
・ポップなヴィンテージ
・ファーをプリントで表現
・ゴールドとマットのコントラスト

 

 


ほかにも、各社それぞれのブースや
クリエーターとのコラボレーション作品が展示されていました。
くわしくは次回ご紹介します。

 

 

 

 

 

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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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