欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2011年3月 の記事

カテゴリー: 国内革事情

 

 

前回に続きまして
東京・渋谷 国立代々木競技場第一体育館にて
2月15日・火曜から3日間開催された
ファッションとデザインの合同展示会「rooms 22」の
レポートをお届けします。


「TAITO FASHION ZAKKA」のほかにも
東京・台東区&墨田区は 
皮革製品のものづくりが盛んなエリア。

伝統を大切にしながらも、続々と新しいプロダクトが登場。
ジャパンレザーを活性化し、注目されていました。

そんなプロジェクトをご紹介します。

 

 


つくり手の顔が見える素材・製法により
天然素材のもつ質感・風合いを生かしたベビーシューズブランド
「ウメロイーク」。
東京・浅草で企画、皮革からすべて国内でつくられています。

IMG_3952.JPG

シューズのほか、ハンドメードシューズキットが好評。
すでに配されている針穴を拾い
縫うだけのプロセスで完成するかんたんなタイプ。

IMG_3949.JPG
 

アッパーには植物性タンニン皮革、
アウトソールにはヌメ革、
インソールには低反発クッション付きの豚革を使用し、
シンプルなスリッポン、バレエシューズ、
ブーツタイプまで豊富に展開。


人気オンラインストア 密売東京、
首都圏エリアの伊勢丹(支店グループ)、
アーバンリサーチのコンセプトストア かぐれでも販売中。
ギフトとして人気だそうです。


子育て中のママが経験を生かした
リアルなものづくりが
同じくママたちからの共感を集めています。

 

 

 

 


台東デザイナーズビレッジ 卒業生ブランド
ヴェロトゥイコと
靴関連商品の卸売りを手がけるR&D社のコラボレーションによる
新規プロジェクト「テイクケア」。

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「シュ―ケア クリニック」をテーマにシュ―ケアキット、
シューズボックスほか、同名のシュ―ケア関連アイテムも発表。
デザイナー 野村知紗さん 自ら
ナース風のコスチュームを身につけコミュニケーション。
お手入れの大切さをアピールしていました。

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R&D社の営業マンによるケアの実演も行われ
立体的にプレゼンテーション。
百貨店やセレクトショップなどでのイベントも
企画されているそうです。

 

 

 

ジャパンレザーは「もの」だけでなく、
「ひと」とつながる想いやサスティナブルなライフスタイルを提案。
時代に合わせて進化し続けています。

 

 

 

 


■関連URL■

 

 

ウメロイーク

http://umeloihc.com/top.html

 


密売東京

http://www.mitsubai.com/tokyo/index.html

 

かぐれ

http://www.kagure.jp/

 


ヴェロトゥイコ

http://verotwiqo.com/top.html

 

R&D

http://www.randd.co.jp/

 


 

 

 

カテゴリー: 国内革事情

 

 


東京・渋谷 国立代々木競技場第一体育館にて
2月15日・火曜から3日間、
ファッションとデザインの合同展示会「rooms 22」が
開催されました。
さまざまなひとたちがつながり合い、
大きなパワーになることを象徴した「CONNECT(コネクト)」を
シーズンコンセプトに展開。

国内外からバイヤー、プレス、業界関係者が訪れ、
3日間で約1万4500人が来場。
350ブランドが出展し、活発なコミュニケーションが行われました。

そんな同展では今回も
ジャパンレザーのプロダクトが多数発表。


東京・台東区の地場産業が手がけた
ファッション雑貨(靴、カバン、バッグ、帽子、革小物)が
アイテム別に各1ブース、合計5ブース出展した
「TAITO FASHION ZAKKA」ブースからピックアップしてご紹介します。

 

 

 

 

シバ製靴さん.JPG

 

シバ製靴

昨年デビューしたFAROL(ファロル)
使い手の個性を引き出す
ひねりのきいたクリエーションが特徴。
セレクトショップからの問合せも増えているそう。

 

 

 

 

r22 片野さん.JPG

 

丸ヨ片野製鞄所


キッキングッズを中心に
インテリアから発想したしたブランド
ヴァッセルの新作は、ティッシュボックスを
モチーフにしたユニークなバッグ。

 

 

 

 

 

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猪瀬


「JAPAN LEATHER AWARD 2010」
エコレザー賞を受賞したフラソリティ
革本来の味わいを生かしつつ、
クールかつモダンに仕上げたコレクション。

 

 

 

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ジェイクラフトマン

“革”をブランドコンセプトに
オンオフ活用できるバッグ&スモールアイテムで
上質カジュアルを提案したRETRAMO(レトラモ)
デジタルギア対応のアイテムにも注目が集まりました。

 


そのほか、サンダー商事、吉川帽子、エタニティ吉沢商店が参加。
メイドインジャパン、
メイドイントーキョーの魅力が発信。

それぞれ百貨店、セレクトショップのバイヤーから
高く評価されました。

 


次回に続きます。

 


 

 

カテゴリー: 国内革事情

 

 

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

皆様におかれましては、
3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う影響が
最小限であることを心よりお祈り申し上げます。
また、被害をうけた方々に、
心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。


そして、皆様の安全と
一日も早い復旧・復興を心からお祈り申し上げます。

 

 


余震が続き、インフラも正常化していない
状況が続いていますが
当ブログを楽しみにしてくださっている方々からの
ご要望があり、更新させていただきます。

ご理解くださいますよう、お願い申し上げます。

 

 

 

さて、革手工芸と皮革の啓蒙、復興を目的とした
「日本革工芸展」が
東京・池袋 東京芸術劇場 5階 展示ギャラリーにて
開催されました。

1979年通産産業省、文化庁、東京都 後援、関連団体の協賛で始動。
1987年からは社団法人日本皮革産業連合会と共同開催となり、
今年、記念すべき30回を迎えました。


日本唯一の公募展として門戸を広げた本展は
全国各地の各分野から応募が。
前回から学生のエントリーが増えた影響で
作品数もさらに増加。
全体の6分の1が新人による応募という
フレッシュな内容で
年齢性別を超えた すばらしい作品がそろいました。

 

石山篤先生、日展会員 猪俣伊冶郎先生、
美術史学会会員 斎藤陽一先生
文化女子大学教授 関根正文先生をはじめとした
各界識者による厳正なる鑑別と審査の結果、
第30回記念日本革工芸大賞ほか15の賞が授与されました。


受賞者は以下の通りです。

 


第30回記念日本革工芸大賞    横山 朝覧さん
文部科学大臣賞         羽田 サチさん
東京都知事賞          戸川 辰代さん
日本革工芸会賞         高野 利達さん
経済産業省製造産業局長賞    梅田 千晶さん
経済産業省製造産業局長賞    島路 矩子さん
東京都産業労働局長賞      空閑 玲子さん
東京都産業労働局長賞      藤本 昌悟さん
日本皮革産業連合会会長賞    坂本よし子さん
全国皮革振興会会長賞      西島 豊 さん
日本皮革手工芸材料協会会長賞  清水 文乃さん 
奨励賞             塚原 紀子さん
新人賞             三澤 則行さん
新人賞             武田 英作さん
新人賞             榎本 洋子さん

 

 

大賞.JPG

第30回記念日本革工芸大賞 「薄暑」
(横山朝覧さん)

「認めていただけると、また1年間がんばろうと励みになります。
いまは胸がいっぱいです」と横山さん。

「発想、構成、技術の三要素が
渾然と溶け合った高い到達度を示している」と
評された作品は、現在お住まいの
北海道の短い夏を表現。
透き通るような涼感にあふれ、
革であることを忘れてしまいそうです。

 

 

 

 

日本皮革手工芸材料協会会長賞.JPG 

日本皮革手工芸材料協会会長賞「REQUIEM」
(清水 文乃さん)
ご家族の衣服などをリメークし、革と組み合わせてつくられました。
[捨てない]を楽しみ、[想い出]が
アートへと昇華されていて、とても素敵です。

 

 

 

 

皮産連会長賞.JPG


日本皮革産業連合会会長賞「火の取り扱いにご注意ください。」
(坂本よし子さん)

ご実家にあったマッチ箱のレトロなパッケージと
絵画教室の先生が使っていらっしゃった
ライターをモチーフにした作品。
「火の取り扱いにご注意ください。」 というタイトル、
ユニークで若々しい作風がいいですね。

「展示目的のみだと、その場限りになってしまうので
実用的なものをつくって、実際に使い、
たくさんのかたに見ていただきたかったんです。
合皮のバッグ、シューズを愛用しているひとをみかけますが
ずっと愛着することができるのがリアルレザーのよさ
だと思います」と坂本さん。
奈良芸術短期大学 専攻科に在籍なさっています。
皮革製品のよさに共感する輪を若い世代にも広げてください。

 

 

 

奨励賞.JPG

奨励賞 「la porte  sans retour ―帰らざる扉―」
(塚原 紀子さん)

「アフリカの造形のような母子の像ですが
[ヒト]の[カタ]の象形文字を極太にまわりに配し
力強さを感じる作品です」と石山先生(審査所感より)。
独特のモチーフもさることながら、
コントラストが効いた配色、
宇宙のように広がる作品世界に引き込まれます。

 

 

「伝統的なテクニック、新鮮な感覚、
全く自由な発想・・・と多種多様な作品から
出品者の個性・探究心が伝わり、
来場者の皆様の心に響きわたるに違いありません。
多数の関係者の皆様に感謝致しますと共に
会員会友一同は更に革工芸の向上発展を念頭に精進致します」と
日本革工芸会 小室公平 代表理事。

 

本展は50回、100回へ向け、新たなステージへと向かいます。
ぜひ、トライしてみては いかがでしょうか。

 

 

 

 

■参考URL■

 

第30回日本革工芸展

http://japan-leather.com/

 

全国皮革振興会

http://www.kawamura-net.co.jp/hs/


日本皮革手工芸材料協会

http://www.jlc.gr.jp/
 

 

 

 

 

カテゴリー: 国内革事情


1月15日、東京・墨田区
すみだリバーサイドホール・イベントホールで
すみだ地域ブランド戦略・シンポジウム」が開催されました。 

 

すみだブランド認証、
ものづくりコラボレーション商品を中心とした
約76点の商品を展示され、
300名以上ものかたがたが来場。


==============================


「ものづくりコラボレーション」は、
すみだの企業のそうした自立的な取組を支援する事業として、
2009(平成21)年度から始まりました。
この事業では、高い技術力を持つすみだのものづくり企業と、
日本を代表するデザインプロデューサー(=コラボレーター)や
デザイナーが、それぞれの個性をぶつけ合い、
すみだらしい自社ブランド商品の企画・開発を行っています。
この事業を通じて、すみだのものづくり力に新しい感性が出会い、
市場に新しい風を吹き込む、
すみだ発の高付加価値商品の数々が次々と誕生しています。

 

(「すみだモダン」公式サイトより抜粋)

 

==============================


パネルディスカッションでは、
「『物語』を生むモノづくりが、生き残る。」をテーマに
コーディネーター 水野誠一理事長、
元伊勢丹のカリスマバイヤー 藤巻幸夫さん、
国立新美術館ミュージアムショップ
「スーベニアフロムトーキョーバイシボネ」などを手がける
クリエーティブディレクター 山田 遊さんほか
著名なパネラーたちが熱いト―ク。
ひとことも聴き逃さないようにと、メモをとるかたも多く
いらっしゃいました。


パネルディスカッション終了後は、
展示商品をじっくりと見たり、試食して
「すみだ」の歴史と
現在進行形の躍動を体感していましたよ。

 

また、同区内「すみだ もの処」にて
企画イベント「『美技礼賛』
~すみだのものづくりはウマい~」展を同時開催。
シャトルバスで来場者を誘導し、エリア全体を活性化する取り組みも。

 


参加者の関心の高さにはびっくり。
街を愛するひとたちと、

ひとがつくる街・・・そんな[つながり]が感じられました。

 

 

 


同会場で展示されたもののなかから
ジャパンレザーをピックアップしてご紹介します。


端材から生まれたチャッカーブーツ「Sewed up shoes2 (仮)」。
フォーマルシューズの作成時に発生する端材を活用した
アップサイクルなプロダクト。
パッチワークにステッチのおもしろさをプラスしています。

 

すみだモダン ヒロカワ製靴.JPG

 

株式会社 ヒロカワ製靴

http://www.scotchgrain.co.jp/


 


コインケースの機能をもたせたリストウォレット。
犬の散歩など、バッグをもたない気軽な外出にぴったり。
腕時計やブレスレットのような感覚がユニーク。
意匠登録出願中。

 

すみだモダン 二宮五郎.JPG

 


株式会社 二宮五郎商店

http://www.ninoworks.com/

 

 


[モバイル情報機器の新しい皮膚としてスタンダード
となりうる単純さ]を目指し、ごくシンプルにデザインされたカバー。
地場産業であるピッグスキンを使用し、丈夫かつコンパクトに仕上げています。

 

すみだモダン 墨田革漉.JPG

 

墨田革漉工業 株式会社

http://www.sumidakawasuki.com/

 

 


植物タンニンを主体にした天然成分でなめし、
プリントが映える状態に加工するのも高度な技術が必要なピッグスキンを用い、
墨田区所蔵の葛飾北斎作品を革小物に。
昨年からミュージアムショップや、空港のショップなどで販売中。

 

 

すみだモダン 紗蔵.JPG

 

紗蔵

http://www.leather-handmade.com/sakura/index.html

 

 

 

ほかにも区内で活動する有力企業 有限会社 清川商店
山口産業 株式会社をはじめ、
多くのブランドが新たな提案をし、好評でした。

先日、世界一となった
東京スカイツリーのおひざもとは、
観光地にとどまらず、
ものづくりの街としてもアピール。
世界へとジャパンレザーの新しい魅力が発信され、
さらに注目を集めそうです。

 

 

 

 

 

 

カテゴリー: 国内革事情

続きまして
「2011-12秋冬コレクション 
第83回東京レザーフェア」のレポートです。

 

 

革本来の味わいが求められる今、
よりよく表現することができるのが、ものづくりの現場。

クリエーター、学生とのコラボレーションにより
伝統と革新に取り組む
ジャパンレザーの有力産地をご紹介します。

 

 

 

兵庫県・兵庫県皮革産業協同組合連合会

 

ニューレザー.JPG

 

 
世界的にも高品質な皮革の産地として知られ、
国産成牛革の70%を産出。
会場最大のブースにはたくさんの企業と
その代表となるレザーがぎっしり。
クリエーターや専門学校とのコラボレーションのほか、
会員によるコンテストも実施されています。


http://www.hyohiren.or.jp/

 

 

 


和歌山県・和歌山県製革事業協同組合

 

和歌山.JPG

 

古くからの伝統技術に新しい感覚、
ノウハウをプラス。
「人に環境にやさしい天然皮革」を
モットーにした産地。
文化服装学院バッグデザイン科・シューズデザイン科の
学生たちが同組合提供によるレザーで
作品を製作し、展示されました。


http://www.w-hikaku.or.jp/

 

 

 
東京都・東京製革業産地振興協議会

 ピギーズスペシャル.JPG
 

 


東京の6組合が参加する協議会。
組合員の80%が豚革を生産しています。

気鋭の若手デザイナーを起用し、
ピッグスキン(豚革)を用いたピギーズスペシャルは
注目されているプロジェクト。

クリエーターとのコラボレーションによる作品のほか、
参加企業のオリジナルデザインも
グレードアップ。
エコレザーも注力されていましたよ。

 

 

 


東京・台東区のインキュベーション施設
浅草ものづくり工房も出展。
 

 

ものコボ.JPG

 

入居クリエーターの成長によって地場産業と地域が活性化。

百貨店でのイベントで着実に伸ばすブランドや

「装苑」や人気媒体に掲載されるクリエーターなども入居。

話題を集めています。

 

今月はセミナーも充実。

役に立つ実践型のコンテンツが好評です!

http://monokobo.jp/main/

 

 


互いに高め合う関係によって
ジャパンレザーは次の世代へと着実に受け継がれているようです。

 

 

 

 


 

 

 

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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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