欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2011年3月16日 の記事

カテゴリー: 国内革事情

 

 

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

皆様におかれましては、
3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う影響が
最小限であることを心よりお祈り申し上げます。
また、被害をうけた方々に、
心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。


そして、皆様の安全と
一日も早い復旧・復興を心からお祈り申し上げます。

 

 


余震が続き、インフラも正常化していない
状況が続いていますが
当ブログを楽しみにしてくださっている方々からの
ご要望があり、更新させていただきます。

ご理解くださいますよう、お願い申し上げます。

 

 

 

さて、革手工芸と皮革の啓蒙、復興を目的とした
「日本革工芸展」が
東京・池袋 東京芸術劇場 5階 展示ギャラリーにて
開催されました。

1979年通産産業省、文化庁、東京都 後援、関連団体の協賛で始動。
1987年からは社団法人日本皮革産業連合会と共同開催となり、
今年、記念すべき30回を迎えました。


日本唯一の公募展として門戸を広げた本展は
全国各地の各分野から応募が。
前回から学生のエントリーが増えた影響で
作品数もさらに増加。
全体の6分の1が新人による応募という
フレッシュな内容で
年齢性別を超えた すばらしい作品がそろいました。

 

石山篤先生、日展会員 猪俣伊冶郎先生、
美術史学会会員 斎藤陽一先生
文化女子大学教授 関根正文先生をはじめとした
各界識者による厳正なる鑑別と審査の結果、
第30回記念日本革工芸大賞ほか15の賞が授与されました。


受賞者は以下の通りです。

 


第30回記念日本革工芸大賞    横山 朝覧さん
文部科学大臣賞         羽田 サチさん
東京都知事賞          戸川 辰代さん
日本革工芸会賞         高野 利達さん
経済産業省製造産業局長賞    梅田 千晶さん
経済産業省製造産業局長賞    島路 矩子さん
東京都産業労働局長賞      空閑 玲子さん
東京都産業労働局長賞      藤本 昌悟さん
日本皮革産業連合会会長賞    坂本よし子さん
全国皮革振興会会長賞      西島 豊 さん
日本皮革手工芸材料協会会長賞  清水 文乃さん 
奨励賞             塚原 紀子さん
新人賞             三澤 則行さん
新人賞             武田 英作さん
新人賞             榎本 洋子さん

 

 

大賞.JPG

第30回記念日本革工芸大賞 「薄暑」
(横山朝覧さん)

「認めていただけると、また1年間がんばろうと励みになります。
いまは胸がいっぱいです」と横山さん。

「発想、構成、技術の三要素が
渾然と溶け合った高い到達度を示している」と
評された作品は、現在お住まいの
北海道の短い夏を表現。
透き通るような涼感にあふれ、
革であることを忘れてしまいそうです。

 

 

 

 

日本皮革手工芸材料協会会長賞.JPG 

日本皮革手工芸材料協会会長賞「REQUIEM」
(清水 文乃さん)
ご家族の衣服などをリメークし、革と組み合わせてつくられました。
[捨てない]を楽しみ、[想い出]が
アートへと昇華されていて、とても素敵です。

 

 

 

 

皮産連会長賞.JPG


日本皮革産業連合会会長賞「火の取り扱いにご注意ください。」
(坂本よし子さん)

ご実家にあったマッチ箱のレトロなパッケージと
絵画教室の先生が使っていらっしゃった
ライターをモチーフにした作品。
「火の取り扱いにご注意ください。」 というタイトル、
ユニークで若々しい作風がいいですね。

「展示目的のみだと、その場限りになってしまうので
実用的なものをつくって、実際に使い、
たくさんのかたに見ていただきたかったんです。
合皮のバッグ、シューズを愛用しているひとをみかけますが
ずっと愛着することができるのがリアルレザーのよさ
だと思います」と坂本さん。
奈良芸術短期大学 専攻科に在籍なさっています。
皮革製品のよさに共感する輪を若い世代にも広げてください。

 

 

 

奨励賞.JPG

奨励賞 「la porte  sans retour ―帰らざる扉―」
(塚原 紀子さん)

「アフリカの造形のような母子の像ですが
[ヒト]の[カタ]の象形文字を極太にまわりに配し
力強さを感じる作品です」と石山先生(審査所感より)。
独特のモチーフもさることながら、
コントラストが効いた配色、
宇宙のように広がる作品世界に引き込まれます。

 

 

「伝統的なテクニック、新鮮な感覚、
全く自由な発想・・・と多種多様な作品から
出品者の個性・探究心が伝わり、
来場者の皆様の心に響きわたるに違いありません。
多数の関係者の皆様に感謝致しますと共に
会員会友一同は更に革工芸の向上発展を念頭に精進致します」と
日本革工芸会 小室公平 代表理事。

 

本展は50回、100回へ向け、新たなステージへと向かいます。
ぜひ、トライしてみては いかがでしょうか。

 

 

 

 

■参考URL■

 

第30回日本革工芸展

http://japan-leather.com/

 

全国皮革振興会

http://www.kawamura-net.co.jp/hs/


日本皮革手工芸材料協会

http://www.jlc.gr.jp/
 

 

 

 

 

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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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