欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2012年3月 の記事

カテゴリー: 国内革事情

 

 

渋谷区文化総合センター大和田にある創業支援施設 
文化ファッションインキュベーションにて

「装苑」presents 合同展示会「white」vol.9 が
開催されています。

 

「装苑」は1936年創刊。日本でいちばん歴史があり、
常に先進的なファッション誌として、
感度が高いユーザーに支持されてきましたが
近年ではデザインやフードを内包した
カルチャー全般をカバーし、
知的欲求・感性を満たす媒体として
ファッションが大好きな女性たちへと読者層を
広げています。


高田賢三さん、コシノジュンコさん、
山本耀司さんをはじめ
世界的デザイナーを数多く輩出した
コンテスト「装苑賞」も主催。
間もなく放送終了となる 
話題のテレビドラマ「カーネーション」の
劇中で登場した「装麗賞」のモデルにもなっています。

 

そんなメディアを軸に合同展示会
「white」を開催。

"白"という色がもつ、まだ何色にも染まっていない、
可能性に満ちた、これからが楽しみな、
若手ブランドたちの飛躍を

サポートするため立ち上げられました。

 

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レディスウェアが中心に発表されるなか
皮革製品をメーンとしたクリエーターも参加。
その2組をご紹介します。

 

 

Pronto(プロント)

 

東京近郊を拠点に30余年の歴史をもつ
シューズメーカーが立ち上げたファクトリーブランド。
[メードインジャパン]の
高い技術と安心感を大切に活動しています。

今シーズンより
カスタムオーダーのシリーズを始動。

 

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ビブラムソールや、YKKの最高級ファスナー エクセラ、
100%植物性タンニンでなめしたヌメ革など
上質なマテリアル、パーツを厳選。

 

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バックジップの利便性や屈曲性によって
履きやすさ、歩きやすさを重視し、
レザーシューズのデメリットをクリアしています。

素材、パーツ、カラーほかの組合せを
選ぶ楽しさが好評でした。

 


Ventriloquist(ヴェントリロクィスト)

 

数々のファッションコンテストで受賞、
イタリアの著名なメゾンにて
デザイナー、パタンナーに就任した経歴をもち、
国内外で活躍する根本貴史さんが設立。

レディスウェアと並行し、
バッグ&スモールアイテムコレクションを
手がけています。


コンセプトのひとつに[Antiques flavour]という
キーワードがあり、
ヴィンテージ感の表現も特徴です。

 

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こちらの新作では、通常、インテリアに用いられる
パーツを使用することで
レトロなムードを盛り上げています。

 

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バッグだけで整然とディスプレーするのではなく
ウェアやアンティーク雑貨とともにコーディネートされ
スタイリングや世界観を
わかりやすく・伝わりやすく提示していました。

 

 


それぞれ、ブースの演出、商品力のアピールに
長けていることもあり、
百貨店バイヤーや、商業施設関係者からの
催事・イベントのオファーが続々。


記号的に消費されるラグジュアリーブランドとは
異なる上質感を求めるユーザーに向け、

ジャパンレザーを使ってみたい、という潜在的なニーズを
掘り起こしてくれることを期待しています!

 

 

■ 参考RRL ■

 
White

http://fashionjp.net/fashionclip/white/white120306.html

 

Pronto

http://m-pronto.co.jp

 

Ventriloquist

http://www.studio-ventriloquist.com

 

 

カテゴリー: 国内革事情

 

 

東京スカイツリー グランドオープンを目前に控え
話題が集まる東トーキョー。

なかでも徒蔵(かちくら/御徒町~蔵前)と呼ばれる
この地域は、かつて江戸の文化を伝える
伝統工芸職人の街でした。
歴史を受け継ぎ、現在ではジュエリーや
皮革製品、ファッション雑貨の生産では日本有数の産地です。

 


そんな同エリアで靴&バッグ、雑貨を手がける
クリエーターと職人たちがタッグを組み
地場産業を盛り上げるイベント
「MONO maruch’e 3<春のモノマルシェ>」が
3月15日~20日まで行われました。

 

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場所は「2k540(ニーケーゴーヨンマル) AKI-OKA ARTISAN」
JR秋葉原駅~JR御徒町駅間高架下の
遊休スペースを開発し、商業施設としてリノベーション。

ちなみにこのネーミングは鉄道用語。
東京駅を起点とした距離「キロ程」で場所を示しており、
同施設は2k540m付近にあるため
「2k540(ニーケーゴーヨンマル)」となったそうです。

 

他のJR東日本グループの駅ナカ商業施設で行われた
[2k540]選抜ブランドによる販売イベントでは
好調な売り上げを記録したそう。

バイヤー、ユーザーともに認知度が高まっているせいか
幅広い年齢層のお客さまでにぎわいました。

 

 

インキュベーション施設
台東デザイナーズビレッジ(デザビレ)を中心として
ものづくりの街に新しい流れが。
新進気鋭のつくり手たちがファッションの[地産地消]に
取り組んでいます。
そんなニューカマーが同マルシェにも参加。
一部ですがご紹介します。

 

 

 

ラ・ジョイア

 

国内の職人たちとの連携により
良質の帽子・ヘッドアクセサリーを発表。

 

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春のモノマルシェ12ラジョイア2.JPG

 

同社が手がけたイヤーマフが昨年行われたコンテスト

Japan Leather Award 2011
プロフェッショナル エコレザー部門を受賞し
話題となりました。

今回は春・初夏に向けたラインナップを販売。
レザーを使用したシリーズは
少なめでしたが
記録的な寒さが続く、季節の変わり目にぴったり。
たくさんのかたに支持されていました。

 

 

 

 

ナスタチウム

 

女性を足もとからかわいらしくするような、自然な風合いの
革靴・革小物を2011年より発表しています。
ブランド名は、デザイナーの大澤さん自身が好きな花から。

 

春のモノマルシェ12ナスタチウム1.JPG

 


ヨーロッパでは、とてもポピュラーでたくさんの家の軒先を

彩っているそうです。
「そんな花のように、さり気なく暮らしのなかに溶け込むような
靴を届けたい」との想いが込められています。

 

春のモノマルシェ12ナスタチウム3.JPG

 

レザーにリバティプリントの生地を組み合わせたデザインが好評。
手づくり市などのイベントに
積極的に参加しているせいか、プチプライスのアイテムが多く、
即決でお買いあげする女性が多かったですよ。

 

 

 

 

浅草ものづくり工房

 

前述のデザビレ同様、台東区が運営する創業支援施設。

 

春のモノマルシェ12ものコボ.JPG

 

入居者は雑誌「装苑」ほか、数々のメディアで

取り上げられるとともに
大手百貨店・セレクトショップでの販売実績も着々。

そんなクリエーターたちの作品が展示。

 

Japan Leather Award 2011 プロフェッショナル 雑貨部門を
受賞したTAKINAMI TAKASHI のスリッパほか
来場者の注目を集めていました。

 

また、初夏には、入居者新規募集の詳細が発表予定。
施設見学・説明会なども計画されています。
「気になるかたは
 お気軽にお問合せください」と
インキュベーションマネージャーの浅香さん。

 

同施設がある東京・奥浅草は観光地と生産背景とがクロス。
新しい時代のものづくりに最適な環境です。

 

チャレンジしたいかたは、ぜひ。

 

 

 

 

ていねいに仕上げた いいものを届けるつくり手と
メイドインジャパンのいいものが欲しいつかい手が
出会うマルシェは今回も大盛況。


イベントや新規プロジェクトの選考のため
百貨店・セレクトショップ関係者の来場も多かったそう。


ジャパンレザーの魅力が
じわじわと浸透し、広がる販売イベントは
ますます人気を集めそうですね。

 

 

 

■ 参考URL ■

 

ラ・ジョイア

http://www.lagioia-hat.com/

 

ナスタチウム

http://blog.ap.teacup.com/nasturtium/

 

浅草ものづくり工房

http://monokobo.jp/main/

 

 

 

以前のレポート こちらも併せてごらんください。
(2011年8月17日更新分)

http://www.jlia.or.jp/enjoy/blog/cat4/20110817

 

 

カテゴリー: 国内革事情

 

 

前回に続きまして、日本最大級の合同展示会「rooms24」
(東京・千代田区 科学技術館、2月21日~23日 開催)のレポート
2回目をお届けします。

 


多数のレザー関連ブランドが出展する会場で
気になったのが、
異なる要素・素材の組合せで新たな表現を試みる
ジャパンレザーのプロダクト。

一部をピックアップして、ご紹介します。

 

 

@griffe東京(アグリトーキョー) は、
東トーキョーの注目スポット
2k540(ニーケーゴーヨンマル) AKI-OKA ARTISANに
オープンしたアトリエ & ショップを拠点とし、
展示販売イベントのオファーが絶えない人気ブランド。

 

アグリ.JPG

 


[ここでしか手に入らない一点もの]をコンセプトに、
海外の新聞や雑誌、ウェアの端切れ、端革などを組み合わせ、
バッグやスモールアイテムをつくっています。

オーダーメードも好評。


使っていないけれど捨てられなかったものたちが、
バッグ・革小物へと再生し、愛着できる、というこの試みが
クチコミで話題となり、注文が相次いでいるそう。

断捨離やサスティナブル(持続可能な)なモノづくりに
関心のある女性たちにピッタリですね。

 

 

 

 

老舗シューズメーカー  マドラスから新ブランド
mix jam がデビュー。


[楽しい × 個性的]をキーワードに、
一般公募でブランド名を選出。
オリジナリティーあふれるオフカジュアルを提案。
ファッションに敏感な
20~25歳の女性に向けて情報発信していくそうです。

 

ミックスジャム.JPG

 

2012年春夏のシーズンテーマは
[ナチュラルPOP]。

 

著名なクリエーターがディレクションを手がけ、
相反する要素を融合。
レザーのほか天然素材を用い、
新鮮なカラーリングで表現されていました。

 

 

 

 

 

ニュークリエーターが集結するイエローブースには、
大阪文化服装学院
スーパーデザイナー学科の学生ブランドが登場。

 

大阪文化1.JPG

 

同学科は2008年、世界に通用するデザイナー養成を目的に
設立された4年制の特別学科。
デザイン発想を重視した独自の教育メソッドに基づき、最終目標を
ブランドデビューと設定しているそうです。


2011年からプロに交じり参加し、
セレクトショップとの取引を実現するなど
大きな成果を上げています。
今回もさらにバージョンアップしたクリエーションを発表。

 

大阪文化2.JPG

 

ウェアに混じって、レザーの太ベルトを発見!

 

日本のタンナーでなめした革を使用してつくられたそう。
着物の帯の代わりにコーディネートした
和洋折衷感覚がおもしろい。
レザーとステッチの配色もユニークですね。

 

次回のジャパンレザーアワードでも
このようなフレッシュな作品のご応募を期待しています。

 

 

■ 参考URL ■

 

rooms

http://www.roomsroom.com/

 

@griffe東京

http://www.a-griffe.com/

 

マドラス

http://www.madras.co.jp/

 

大阪文化服装学院

http://www.osaka-bunka.com/index.html

 

 

★ more info ★

 

ゆずと共演したテレビCMで話題のヒロコレッジをはじめ、
台東デザイナーズビレッジ(デザビレ)卒業生ブランドのほか、
陶器・木工など幅広いジャンルの
つくり手たちが出店しにぎわう2k540では、

若手のクリエーターを中心とした人気イベント
「MONO maruch’e 3
<春のモノマルシェ>」が開催されます。

改めてお知らせします。

http://tblog.stylestore.allabout.co.jp/blog/T00686/110520136018/

 

 

 

カテゴリー: 国内革事情

 

日本最大級の合同展示会「rooms24」が、
2月21日(火)・23日(木)の2日間、 東京・千代田区 科学技術館で開催。

 

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震災からの復興への願いを込め、
男性らしさを強調。
力強く復興に取り組むようなイメージに刷新。
それにあわせ会場が変更されました。

 

 

シーズンテーマは「冒険 -BOUKEN-」。

 

新しい扉を開くには、
本来、人が強く持っている好奇心を解放して、
躊躇せずに外へ飛び出す
冒険が鍵となる・・・そんなメッセージが込められています。

 

シーズンテーマを象徴するものとして、
ハリウッド映画「トランスフォーマー」とコラボレーション。
エントランス近くに
約2mの巨大フィギュアも登場。


素敵なサプライズが多く、来場者の高揚感もアップ。


ファッションの楽しさを呼び起こすような
素晴らしい展示会でした。

 

 

ジャパンレザーでも 
そんな楽しさあふれる試みが..


“TAITO FASHION ZAKKA”とアクセサリーブランド e.m.が
共同で新規プロジェクト
「LOVE BY e.m.×TAITO FASHION ZAKKA」を始動。

 

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日本を代表するファッションザッカ、
皮革産業の産地として知られる東京・台東区が地場産業を支援。

デザイン画コンテストやイベントなどを実施し、
エリアに根づく伝統技術を駆使した
高品質の商品を“TAITO FASHION ZAKKA”としてアピール。
その存在は、感度の高いユーザーを中心に
じわじわと浸透しつつあります。

 

昨年末開催された
「台東ファッションザッカ 2011」展
レポートはこちらから

http://www.jlia.or.jp/enjoy/blog/cat4/20120111

 

 

 

「LOVE BY e.m.×TAITO FASHION ZAKKA」では、
6社とのコラボレーションによる
5つのカテゴリーアイテム(靴・鞄・バッグ・帽子・ベルト)が
展示されました。

 

イーエム 靴.JPG

 

イーエム ベルト.JPG
遊び心あふれる、心踊るようなデザインで
ジャパンレザーの新たな魅力を表現。

 

イーエム 内観.JPG

 

 

そのときどきで感じるLOVEをカタチにするブランド
“LOVE BY e.m.”の一環として、
これまでも日本国内の魅力的な素材、
職人技とタッグを組み、新鮮なクリエーションを提示。

 


e.m.では商品開発するときの
材料収集や加工の場として、身近で縁のある
東京・台東区がパートナーであることから、思い入れも強く、
実現に至ったそうです。

 

今後、パリ プルミエールクラスへの出展や
e.m.ショップ(一部を除く)での販売(8月以降)も予定。

 


人気ブランドとのコラボレーションにより
国内外で評価されることで、
ジャパンレザーの人気がますます高まりそうですね !

 


「LOVE BY e.m.×TAITO FASHION ZAKKA」
プロジェクト参加企業


東ハット 株式会社(帽子)
有限会社 井上鞄製作所(カバン)
株式会社 クライス(バッグ)
サンダー商事 株式会社(靴)
株式会社 平田袋物工芸(バッグ・財布)
有限会社 吉沢商店(ベルト)

 

 

また、“TAITO FASHION ZAKKA”では
ほかにもブースを出展。
皮革産業を手がける企業が参加しました。


同ブース参加ブランドについては、
こちらのツイッターで
簡易的なレポートを8日・木曜よりスタート。
会場の画像をアップしますのであわせてごらんください。

 

「Japan Leather Award」

https://twitter.com/#!/leatheraward

 


■ 参考URL ■

rooms

http://www.roomsroom.com/

台東ファッションザッカフェア

http://www.taito-zakka-fair.jp/

 

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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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