欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2013年5月 8日 の記事

カテゴリー: 国内革事情

 

 

 

 

コケット報告会.JPG

 


中東(リヤド・ドバイ)女性市場視察報告&懇話会
「砂漠の国から見えてきた女性の仕事とマーケット」が
東京・徒蔵(カチクラ)の創業支援施設 
台東デザイナーズビレッジにて 4月18日に開催。


バッグデザイナー Coquette(コケット) 
林きょうこさんがご登壇。

独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO/ジェトロ)
生活文化・サービス 産業部部長 
浜野 京(みやこ)さんをゲストに迎え、
台東デザイナーズビレッジ
インキュベーションマネージャー 鈴木淳さんが
モデレータとして参加。

報告会と座談会との二部形式。林さんからのレポートのほか
出席した関係者と活発な意見交換が行われました。

 

座談会.png

コケット座談会ヒキ.JPG

 

ジェトロによる中東女性市場開拓プロジェクトの一環として
「中東イスラム女性市場開拓商談会」が
2012年9月東京都内で開催。
女性向け商品市場が拡大する中東地域から
ファッション分野のバイヤーを招へい。同商談会で成約した
英国系高級百貨店 ハーベイ・ニコルズ・リヤド(サウジ王族経営) での
コケットの製品(バッグ・財布)販売開始にともない、
サウジアラビア・リヤド
および、UAE・ドバイ視察が実施されました。

 

 

「2008年のリーマン・ショックや
2011年「アラブの春」による経済的なマイナスの影響はなかった」
(ジェトロ リヤド事務所の村橋靖之 所長)
王位継承も問題なく実現し、
政治的にも安定しているといわれる同国。
(ジェトロ ホームページより)
世界最高の石油埋蔵量を誇り、平均的な世帯収入は約600万円。
可処分所得が高い富裕層も多いため、
メード・イン・ジャパンの
ファッション製品輸出先として期待されています。

 

 

 


ハーベイ・ニコルズ・リヤドでは
日本のファッションを紹介するイベント2件
<ジェトロ主催「J Style」、
日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)主催
「CREATIVE JAPAN Fashion Fair」>が
2月25日から3月3日まで開催。サウジアラビアでは
初となる試みです。

 

ファッションやインテリア関連グッズ、
雑貨などをアピール。
会期中に購買力のある女性ユーザー
150人以上が訪れました。なかには有力ブロガーも来場。
現地ではブログのほかフェイスブックなど、
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)も普及し、
セミプロ的に活躍する存在も。いいものは
素直に認める土壌があり、
クチコミからの情報拡散も一般的に。

 

 

 コケット クロコ.JPG

 (こちらの画像は コケットのアトリエ&ショップで撮影したものです)

 

 


「(コケットのバッグは)斬新で 
ほかと違うデザインがいい」と、評判も上々。
謙虚、正直、ルールを守る・・・
といった、日本の国民性が認知されているため、
日本製品も信頼されているそう。

 

 


世界で最もイスラムの教えに厳格といわれますが
公共の場所で着用が義務づけられた
黒衣・アバーヤのインナーやバッグについては
制約がなく自由。


最先端のトレンドや、装飾性の高さ、
個性的なファッションが好まれているそうです。
セレブリティ同士のコミュニティでは、
着飾ったときの高揚感を味わい、装いを競い合うような傾向が。

 

 


欧米の高級ブランドバッグを所有する女性が多く、
ビビッドな色・デザインが人気。
(ランジェリー、インティメートも 派手好み)

親族同士の会話やコミュニケーションが重視され、娯楽が少ないため、
ショッピングが日常的なレジャーに。
モール(スキー場がある施設も)や百貨店、セレクトショップ
(日本のブランドではサカイもデリバリー)が
オープンし、盛況だそうです。

 

著名なラグジュアリーブランドに飽きた
中東の高感度ユーザーに
ジャパンレザーが受け入れられる可能性を感じました。
しかし、一部例外も。
イスラム圏では豚が不浄なものとされ、食べる文化がありませんが
同様にピッグスキンも禁忌の対象。
近年、日本製豚革の評価が海外で高まっているだけに残念です。

 

 

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(コケット ホームページより)

 

 

今回の会場にもなった台東デザイナーズビレッジの
卒業生としても知られる林さん。

洗練された大人の女性を称するフランス語<Coquette(コケット)>を
ブランド名・ショップ名として冠し
ものづくりが盛んな
イースト東京・徒蔵(御徒町~蔵前~浅草橋)エリアに
アトリエ&ショップをオープンしました。

「自分をよく知り、
確かな目とユニークさを併せもつ
チャーミングな女性に楽しんでほしい・・・」
そんな想いが込められて。


「商品がバイイングされたのは、まず一歩だと思っています。
(取引が)継続するのが次の目標。
買ってくださるお客さま、
ファンを増やすのが第2の目標です。
中東の女性市場は
クローズドだからこそ可能性がある」と とてもパワフル。

 

 

18454330.jpg

 

ハーベイ・ニコルズ・リヤドでバイイングされた
アイテムのひとつがこちら。
フルールシリーズ
(コケット オンラインショップより)

http://coquette.shop-pro.jp/?pid=18454330

 


 
レザー(牛革)は、イースト東京エリアを拠点とする墨田キールとの
コラボレートで生まれたオリジナル。

型押しの凸凹の凸部にだけ箔がのるよう特別な加工を施し、
さらに型押し後、一部箔を剥がす・・・と
手間のかかる独自の製法と、華やぎのある雰囲気が人気の理由。

 

 

通販サイト オールアバウト・スタイルストア
(現:スタイルストア)が取り扱うブランド・アイテムから選出された
「オールアバウト・スタイルストアアワード2009」
大賞を受賞し、同シリーズの長財布は現在でもロングセラーを記録。
SHISEIDO THE GINZA、

阪急阪神百貨店(西宮阪急)ほか各地で販売されています。

 

コケット 上海.png

(林きょうこさんブログ「Coquetteの、眠る前に」より)

 

 

中国・上海で実施された展示会「繊研日本時尚展」

(繊研新聞社主催/写真)に出展後、
アジアのセレクトショップで販売スタートし、順調に推移。
さらなる拡販に向け海外展開も積極的。

経済成長が続く、
新興国マーケットでもヒットの予感!


"欧米ブランドに負けていない"
上質で存在感があるジャパンレザーが世界的なブームに
なる日も遠くないかもしれません。

 

 

 

さて、ジェトロでは、
輸出促進のためのセミナーや展示会が行われています。
ご興味あるかたは、
ホームページ(下記リンク先)をごらんください。

 

 

 

 

 

■ 参考URL ■

 

 


独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)

http://www.jetro.go.jp/indexj.html

 


独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ) 
インターネット放送局
テレビ番組
「世界は今 ‐JETRO Global Eye」


[サウジアラビア 女性市場 ‐日本ファッションが初上陸‐]

http://www.jetro.go.jp/tv/internet/20130404562.html

 


Coquette(コケット)

http://www.coquette.jp/index.html

 


スタイルストア

http://stylestore.jp/

 

台東デザイナーズビレッジ

http://www.designers-village.com/

 


欧米ブランドに「負けていないぞ !」
「中東のファッション市場セミナー」レポート
2012年6月27日更新分

http://www.jlia.or.jp/enjoy/blog/2012/06/

 

 

Coquette(コケット)の ものづくりを紹介
「colocal コロカル」

http://colocal.jp/category/topics/art-design-architecture/monozukuri/

 


 

 

 

 

 

 

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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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