欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2013年9月 の記事

カテゴリー: 国内革事情




東京スカイツリータウン  ソラマチ 5階
産業観光プラザ すみだまち処で、
9月18日(水)から7日間、
東京製革業産地振興協議会主催の販売イベント
「Souvenir by TOKYO LEATHER(スーベニール バイ トーキョーレザー)」が
開催されました。


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江戸庶民文化の発祥地であり、
葛飾北斎や勝海舟など歴史上の人物ゆかりの地としても知られますが、
東京スカイツリーのおひざもと 東京都・墨田区は ものづくりの街。

伝統を守り受け継ぐ、職人技が息づく一方、
明治以来、製造業が集積・発展し、さまざまなジャンルのメーカーが活躍。

繊維から金属部品まで多岐にわたります。


皮革産業もそのひとつ。


ピッグスキン(豚革)は、
日本で自給できる唯一の革素材で
国内生産の90%が墨田区でつくられています。

同区内鞣製業者を中心とした
5団体で構成する東京製革業産地振興協議会が中心となり、
このイベントを始動。

同じく墨田区生まれの素材、企画・製造された
皮革製品を展示・販売。

一部ですが、出展社をご紹介します。




革漉加工のほか、多様な表面加工革を提案する「墨田革漉工業」。

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自社オリジナル商品のなかにはD & DEPARTMENTなど、
ライフスタイル提案で人気のショップで注目される
「典型プロジェクト」参画アイテム(タブレットケース)ほか、
手芸用皮革など幅広くラインナップ。




老舗タンナー「ティグレ」がオリジナルブランド レザリアを発表。

製品染めをテーマとし、2次加工を施し、
ヴィンテージ感のある味わい深いニュアンスを表現。

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磨きシリーズではバッグ、雑貨をリリース。

マーケットが活性化しているステーショナリー関連アイテムを
手にとるかたが多く見受けられました。




国内の有力産地 兵庫・たつの市にファクトリーをもち、
なめしから製品まで幅広く展開する「三恵産業」。 

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主力のピッグスエードは革の表面に起毛加工を施し、
ソフトなタッチと穏やかな光沢が特長。

製品ではフェミニンなテーストのバッグや雑貨を販売し、
差別化を図っています。




ピッグスキン以外を手がけるメーカーも参加。 


エキゾチックレザーを主力とする「山本工業」は、
カラフルなディスプレイで上質な商品を引き立てます。

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1本約30万円の高級ハンドバッグも出品。

話題のジャパンレザーのミュージアム 銀座 革のショールーム
TIME & EFFORT(タイム・アンド・エフォート)でも、
同社製品が人気を集めています。




老舗ベルトメーカー「高梨」では、
メンズやレディスにあわせ、バリエーションが豊富。

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そのほか、スマートフォン、タブレットケースや
和装小物などが大人の男性に人気。

接客にも注力し、ていねいな商品説明が好評でした。




ものどころ 会場1.JPG

年2回のペースで同イベントを実施。

つくり手が実演するなど、店頭でにぎわいを演出。

今回は連休とも重なったこともあり、反応がよかったようです。


「百貨店などでも、このような催事を行い、
 ユーザーへ向け積極的にアピールしたい」と、
出展メーカーの意欲的な声が聴かれました。


2020年 夏季オリンピックでは、
墨田区内の両国国技館が会場のひとつとして選定される計画に。

観光資源が多いことから多くの来街者が予想されます。

メードイントーキョーの皮革製品の魅力を
国内外にPRする力強い活動に、今後も期待が高まりますね。




■ 参考URL ■


 墨田革漉工業
 http://www.sumidakawasuki.com/


 ティグレ
 http://www.tigre-leather.com/


 三恵産業
 http://sankei-sangyo.com/info/

 

 山本工業
 http://exotic.sub.jp/pg54.html


 高梨
 http://www.takanashi-belt.com/


 TIME & EFFORT
 http://timeandeffort.jlia.or.jp/

 

 典型プロジェクト
 http://www.tenkeiproject.jp/




カテゴリー: 国内革事情




2013年8月で1周年を迎えた銀座 革のショールーム
TIME&EFFORT(タイム・アンド・エフォート)で話題のイベント
「磨きのプロが教える 靴&レザーグッズのお手入れ講座」が
9月14日(土)に行われました。


国際オリンピック委員会 総会
(2020年夏季オリンピック 開催都市選考)での
東京招致委員会によるプレゼンテーションで話題となった
"おもてなし"の心をテーマに、
日本国内の職人のものづくりへの姿勢・精神を表し、
皮革製品を使うことで味わいを深めていく、育てるよろこびを提案。


お手入れ POP.JPG

その一環ともいえる"お手入れ"企画には、
靴クリーム・靴用品の老舗メーカー 株式会社コロンブス
企画部  三橋 弘明さんを招き、
愛用している靴やバッグをカラリスト日本一といわれる
プロフェッショナルならではの知識、ノウハウをわかりやすく説明し、
マンツーマンに近い状態でカウンセリング。




絶えずジャパンレザーファンが訪れました。


お手入れ お客さま 1 処理.png

こちらのかたの靴を見ただけで、
「大きめのサイズで履いていますね」と断言。

お手入れお客さま1 靴.JPG

履きじわの部分にはクリームがたまってしまいやすく、
シミの原因のひとつに。

クリームは踵とつま先につけ、
大きく動かしながら全体にのばすことがコツのようです。

履かない期間が長くなるほど革が堅くなってしまうので、
しまいっぱなしも好ましくないのだそう。


「靴や皮革製品に関心をもつことが大切です。手にとるだけでも
 キズや傷んでいる部分に気づくきっかけに。
 早期発見で修理もかんたんで費用も安価に抑えられます」と三橋さん。


カビが生えてしまった場合は胞子が飛び散り、
他の靴に影響が及ばないように注意が必要。

ブラシを使わず、柔らかい布で拭き取ります。




お手入れ カラーレザー.JPG

カラーレザーの汚れ落としには生ゴムが最適。

デリケートクリームで仕上げていきます。

スプレータイプもあるので、便利です。


エッジクレヨン.JPG

ソールエッジの部分には、クレヨンタイプのアイテムも。

ケアするだけで印象が変わります。




こちらのカップルはおふたりとも国産ブランドの靴をご愛用。 

お手入れ お客さま 2.JPG

男性の白いレザースニーカーはヴァルカナイズ製法によるもの。

大切に履いていらっしゃるな~、とお見受けしましたが、
なかなか白い革のケアは難しく感じますよね。

ところが、プロの手によるとたちまちピカピカに。

お手入れ お客さま2 靴ヨリ.JPG

さらに味わいも深まって。

新品のときよりも、魅力がアップする、ということが実感できました。




三橋さんご自身は、デイリーなケアではブラッシングを重要視。 

お手入れ ブラシ.JPG

お手入れをするうち「ブラシが育つ」のだそう。

こちらは長年愛用の逸品。

革製品をケアする道具もエイジングするとは素敵ですね。


お手入れ用品.JPG

館内には、同社のお手入れ用品をそろえたコーナーも設置。

あわせてごらんください。


次回「磨きのプロが教える 靴&レザーグッズのお手入れ講座」は、
11月に予定されているそうです。




一般社団法人 日本皮革産業連合会(JLIA)ホームページで
話題を集めている映像コンテンツ「JLIA TV」の取材も行われていました。

JILATV取材 お手入れ.JPG

近日、配信予定です。どうぞ、お楽しみに。




■ TIME&EFFORT

   12時~20時(土・日・祝日は11時~19時)営業
   東京都中央区銀座8‐5‐4  銀座マジソンビル 1・2F
   銀座 革のショールーム「TIME&EFFORT」
  tel. 03-6274-6950



■ 参考URL ■ 


 TIME&EFFORT
  ▼
 http://timeandeffort.jlia.or.jp/

 twitter と facebook による情報発信も好評 !
 館内の取扱いアイテムをはじめ、
 さまざまなジャパンレザーのニュースが続々と更新されています。

 ぜひ、フォローしてください。


 JLIA TV
  ▼
  http://www.jlia.or.jp/enjoy/jliatv/

  今回のレポートも近日中に配信予定です。


  コロンブス
  ▼
  http://www.columbus.co.jp/

  靴のお手入れのプロセスがわかりやすく紹介された動画を配信中です。




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一般社団法人 日本皮革産業連合会
(JLIA)が開催する話題のコンペティション
「Japan Leather Award(ジャパンレザーアワード)2013」が、
一般審査員の募集をスタートしました。


今年で6年目を迎える同アワードは回を重ねるごとに
応募者数が増加。

今年度は前回の2倍のエントリーが。とても盛り上がっています !


2013年のテーマは、
『とびっきりのスタンダード ~愛着のわく肌ざわりと使いごこち~』。

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国産なめし革を使用し、ずっと愛着できるような
スタンダードな魅力を
質感、触感、機能性などで表現した作品が
日本じゅうから集まります。


会場は新しい商業施設が続々とオープンし、
国内外から注目されている大阪
なかでも、人気の阪急うめだ本店  9階 阪急うめだホール。


うめだ本店 祝祭空間.jpg

画像は同じく9階 祝祭広場です。


11月4日(月・祝)にご来場可能なかた
(交通費、食費、宿泊費などは支給されません)
50名が応募により選出されます。


所要時間は、約1~2時間が必要です。

応募作品 1点1点を
楽しみながら、じっくりと審査していると
時間が過ぎるのが早い !

誰よりも早く、秀逸なジャパンレザーに出会い、
そのナンバーワンを決める・・・

レザーファンには、
ほかにない刺激的な想い出になりますね。


これまでは東京中心でしたが、沖縄から駆けつけた
情熱的なかたもいらっしゃいましたよ。


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こちらは昨年度のようすです。


参加されたかたには、もれなくレザーギフトセットをプレセント。

130906_img_04.jpg


「Japan Leather Award 2012」グランプリ受賞ブランド
tokyotoff(トウキョウトフ)によるもの。

女性クリエーター 大河なぎささんの繊細な感性が生かされた
超レアな限定品です。


ご応募はかんたん。

必要事項を明記のうえEメールでエントリー可能です。


つかい手のリアルな視点が、ジャパンレザーの歴史を変える !

審査員という貴重な体験を味わってみませんか ?




くわしくは公式サイトをごらんください。


 Japan Leather Award(ジャパンレザーアワード)2013
  ▼
 http://award.jlia.or.jp/2013/news/130906.html



 DJ1310 COVER.jpg

発売中の人気雑誌「ディスカバージャパン」(エイ出版社)
10月号 巻頭でも掲載されています。

併せてごらんください。





 ディスカバージャパン
  ▼
 http://discoverjapan-web.com/




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一般社団法人 日本皮革産業連合会(JLIA)・
全日本革靴工業協同組合連合会・
日本鞄ハンドバッグ協会が主催する
「革製品技能試験 認定授与式」が9月3日(火)、
東京・六本木 東京ミッドタウンにて開催されました。


授与式 POP.JPG


JLIAでは各会員団体の協力のもと、
日本の皮革産業の発展を目的とする事業の一環として、
優秀な技術者の養成を続けています。


このイベントは、「第6回 革靴製造技能試験」と
「第2回 鞄・ハンドバッグ・小物技術認定(皮革部門)試験」、
それぞれの試験合格者への合格証または認定状授与の場。


天然皮革などを素材とする靴・鞄・ハンドバッグの製作に従事する
かたがたの技術や知識を一定の基準によって検定。

これらの試験によって、わかりにくかった技能を"見える化"。


ユーザーにもわかりやすくなることで
皮革技術に対する評価を高め、
職人の技術と社会的・経済的地位の向上を図るとともに
ものづくりに興味がある人材を増やし、
皮革産業の未来を担う
後継者育成につなげることを目的としています。


技術認定授与式ヨリ.JPG


各試験合格者にはそれぞれ、
副賞の盾とともに合格証または認定状が授与されました。




続いて受賞者のスピーチ。
若手、ベテランから それぞれ1名が代表してご登壇。


次世代を担う未来の匠からは革靴製造技能試験2級受賞者 
製甲部門2級 有限会社 デコルテ 斎藤奈央さん。

「靴づくりをはじめて1年半。ものづくりの難しさを感じています。
 いいものをつくっていけるよう、1級を目指して、日々努力していきます」


受賞者よろこびのコメント 青鹿さん.JPG


現代の匠は鞄・ハンドバッグ・小物技術認定(皮革部門)試験
婦人小物部門1級 有限会社野村製作所 青鹿貞夫さん。

「長い間一所懸命やってきたことが評価していただけて、うれしいです。
 若いひとたちのやる気も感じます。
 世界で活躍できる技術者に育ってほしい」


時代や世代は違っても、ものづくりに対する想いは同じ。

静かに重ねられた言葉から熱い情熱があふれて。


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業界を牽引する技術者軍団の晴れの場ということもあり、
業界紙・誌をはじめ、プレス関係者が多数訪れ、
撮影も行われていましたよ。




第2部では、レザーニスト2013  渡部豪太さんのトークショー。

 

技術認定 トークショー.JPG

 

一般社団法人 日本皮革産業連合会  岩崎幸次郎会長、
全日本革靴工業協同組合連合会  松本勉会長、
日本鞄ハンドバッグ協会  新川晧介会長、
革靴製造技能試験  河村龍介委員、
鞄・ハンドバッグ・小物技術認定(皮革部門)試験  金澤守利委員長
がご登壇。

 
「(授与式で)職人さんたちとご一緒し、
 そのするどいまなざしが印象的でした。
 握手をさせていただいたのですが、手はとても大切なもの。
 触らせていただいて大丈夫か ? と悩みました」
とつくり手をリスペクト。

「これからも(ジャパンレザーの)いいものを知って
 見る目を養っていきたい」
そのほか、会場に向けハートフルにメッセージ。


技術認定 抽選会.JPG


続きまして、一般来場者が参加できる抽選会では
ジャパンレザーの逸品がプレゼント。


技術認定 当選者.JPG


たくさんのかたがエントリーし、当選者は大感激 !


技術認定 合格作品展示.JPG


また、展示された受賞作品をごらんになり、
日本の皮革製品のクオリティを再認識していただく
きっかけとなりました。




会場を移し、試験合格者・関係者を対象とした懇親会も実施。

歓談しながら活発にコミュニケーション。


技術認定 懇親会.JPG


革靴、鞄・ハンドバッグ・小物...と異なるジャンルのつくり手にとって、
お互いにいい刺激となったようです。




試験合格者の作品は、同日中に銀座 革のショールーム
TIME & EFFORT(タイム・アンド・エフォート)に移設。


合格作品 館内展示ヒキ.JPG


館内で特別展示がスタート。

早速、関係者が駆けつけていました。


金澤委員長、土屋さんからお2かた.JPG


鞄・ハンドバッグ・小物技術認定(皮革部門)試験
金澤守利 委員長が、
株式会社 土屋鞄製作所  丸康之さん(受賞者)と
平石公一さんにテクニックを解説し、激励。

おふたりとも熱心に聴き入り、
次なる目標への意欲がかきたてられて。




会期は、9月12日(木)までの予定となっておりますので
お見逃しなく。




■ TIME & EFFORT ■


 12時~20時(土曜・日曜は11時~19時)営業
 東京都中央区銀座8‐5‐4  銀座マジソンビル 1・2F  〒104-0061
 銀座 革のショールーム  TIME & EFFORT
 tel. 03-6274-6950


 TIME & EFFORT
  ▼
 http://timeandeffort.jlia.or.jp/




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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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