欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2015年1月 の記事

カテゴリー: 国内革事情




ジャパンレザーのコンペティション
「Japan Leather Award 2014 受賞作品展示会」が、
1月21日(水)~27日(火)、
大阪・梅田 阪急うめだ本店 10F うめだスーク内の
特設会場にて開催されました。


Japan Leather Award 2014 グランプリをはじめ、
各部門賞、特別賞を受賞した11作品がすべてそろうイベントに、
連日、ジャパンレザーファンが多数駆けつけています。


今回も、会期中に受賞クリエーターによる実演を行い、好評 !

「実演ははじめてです。黙々とやっていないと緊張しますね(笑)」と、
レディーズバッグ部門賞受賞の内山 友徳さん(MADOROMI)。

手慣れた作業で、来店客を惹きつけます。

日本エコレザー部門賞受賞の加藤 光也さん(革工房アバッリ)との交代制。

つくり手同士ということで協力しあい、リスペクトしあう お二人です。


メンズバッグ部門賞受賞の斎藤 茂樹さん(イケテイプロジェクト株式会社)が
奥さまと、ベビーカーにお子さんを乗せ、激励に来場。

受賞作品<イクメンバッグ>が生まれた背景に納得ですね。


実演だけでなく、つくり手自ら、ていねいに商品説明しています。

「にじいろバニティは、初回ご予約のかた限定で特典をご用意。
 また、ストラップ部分は受賞作品とは変わります。
 春にリリースするお花見バニティをはじめ
 季節限定色やカラーバリエーションも充実させるほか、
 違う用途で使えるアイディアを練り、
 もっとお客さまによろこんでいただけるよう思案しています。
 ブログ、SNSでお知らせしますので、ぜひ、チェックしてください」と、
日本エコレザー部門賞受賞の加藤 光也さん。


姫路、栃木といった
有力産地のタンナーによるレザーを使用したアイテムも増え、人気です。

新展開も含め、今後が楽しみですね。

また、歴代のグランプリ、部門賞、特別賞受賞者が手がける
製品を展示販売。

アジアからのお客さまからも熱い視線が注がれて。

会場では受賞作品紹介小冊子を無料配布。


Japan Leather Award 2014 オフィシャルサイトで、
同じ内容が閲覧できますよ。

<http://award.jlia.or.jp/2014/info/141204.html>


今後、2月4日(水)~10日(火)「日本橋三越本店 はじまりのカフェ」、
2月20日(金)~26日(木)「銀座 革のショールーム TIME&EFFORT」の各会場で、
Japan Leather Award 2014 受賞作品の展示が行われます。

どうぞ、お楽しみに。




■ 参考URL ■

 Japan Leather Award 2014 <http://award.jlia.or.jp/2014/>


カテゴリー: 国内革事情




銀座 革のショールーム TIME & EFFORT (タイム・アンド・エフォート)
恒例となっている特別展示
<百靴繚乱>2015年第一弾イベント「TOKYO SHOES」が
本日1月22日(木)からスタートしました。





靴の街、浅草を中心に東京を拠点とする
5人のシューズクリエーターたちをフィーチャー。



会期中は、代表的な靴サンプルを展示。
交代で2日ごとにオーダーメード受注会を行っています。


現在、靴マーケットで求められる
オーダー志向(ビスポーク)に対するニーズに応じ
多彩な活動を行うつくり手たちが
磨き上げた技術、それぞれの個性、靴世界をアピール。





トップバッターは 末光宏さん(the shoe work shop)。



有名企業やデザイナーのサンプル製作を行いながら
イギリス仕込みの端正な靴をつくります。
オーダーを手がけて約15年。


そのご苦労について伺うと・・・「なかなかフィットしないときですね。
既製靴以上の履き心地を味わっていただけなければ

オーダーをしていただく意味がありません。
納得していただけるまで仮縫いを重ねることもあります。
ビスポークはお客さまと対話しながら
おつくりするのが基本。
スーツの色、パンツの丈感など、ひとつひとつ
お好みをお聞きしたことを反映し、仕上げていきます」と末光さん。



パートナーともいえる道具たち。使い込んだ味わいがにじむ いい表情をしていますね。





こちらは、ノルヴェジェーゼ製法の見本。





オーダーしたかたには、手製のレザー・シューホーンをプレゼント。




配されたサインに、つくり手のあたたかな想いが添えられて。




初日から靴好きのかたが次々と訪れました。そのほかのクリエーター&スケジュールは...



1月23日・25日 岡安圭亮さん(bottega teramoda)



イタリアで靴学校、職人工房で修業。
帰国後、bottega teramodaを共同でオープン。
クラシコ・イタリア感覚の
味と技のあるメンズシューズが評判。






1月27~28日 西森真二さん(天草製作所)



路上で靴磨きをしながら靴づくりを学んだのち、独立開業。
出身地の地名(熊本県天草市)を冠したアトリエショップを
西荻窪にオープン。
和テーストの紳士・婦人靴などのほか、
子ども靴から革小物まで幅広く手がけています。



 


1月29~30日 三澤則行さん(misawa&workshop)



「国際靴職人技能コンテスト」金メダル、名誉賞(2010年度)、
「Japan Leather Award 2013」プロフェッショナル 生活雑貨部門賞ほか
国内外で高く評価される三澤さん。
革工芸分野でも存在感を誇り、アート的な作品は圧巻!




1月31日~2月1日 角田健太郎さん(shoemaker cado)



2011年末、個人ブランド shoemaker cadoを
始動した角田さん。
手仕事と皮革のもつ ぬくもり、を生かし、丹念に作りこむ

作風が人気を集めています。









また、同館では、1月27日(火)から
 「TIME & EFFORT オリジナルパンプス セミオーダー会」が行われます。


TIME & EFFORT ORIGINAL PUMPS ORDER EVENT〈TIME & EFFORT〉オリジナルパンプス セミオーダー会 開催期間:1/27〜2/8



2014年春からローンチし、異例のロングヒット中!
素材のバリエーションが増え、5種類に。
スタイル(木型)は2種類から。つま先のデザインは5種類。
さらにサイズ(長さ)とワイズ(幅)の両方を
セレクト可能です。


履きやすく歩きやすいシューズが一足あると安心!


大人の女性はもちろん、この春、新生活をスタートするかたや
就活を控える学生にもおすすめしたい一足です。





■ 参考URL ■



銀座 革のショールーム TIME & EFFORT 

http://timeandeffort.jlia.or.jp/


「オリジナルパンプス セミオーダー会」

http://timeandeffort.jlia.or.jp/news/2015/01/21134423.html


「TOKYO SHOES」

http://timeandeffort.jlia.or.jp/news/2015/01/15182415.html









カテゴリー: トレンド




前回に続きまして、
2014年12月24日(水)、東京・浅草 浅草文化観光センターで行われた
東京都素材開発支援事業セミナー

「15-16年秋冬のシューズ & バッグトレンドを読む」をレポートします。


後半は、カラーとマテリアルの傾向をご紹介。

15-16年秋冬シーズンに向け発表されたJALFIC COLOR TRENDSでは、
「語れる色と素材」を打ち出しました。

ストーリー性とは、
 色と素材感の一体感で語るファンタジー、
 オーソドックスから脱却するストーリー性、
 刹那的なシーズン性を超えて未来を語る力、
 感性をシックなミックスで表現、
以上の方向性を5グループのカラーパレットで提示しました。


テーマ1  RICH : 濃厚に濃密

重厚で濃厚なレッド群からブラウンかけて、
ワイン系からパープルにかけての
色合いで憂いのある奥行きを出す...ダークで渋く
重い色調がフィーチャー。


テーマ2  HARMONY : 調和する安らぎ

解放・発散・浮遊感の色彩、調和を図るライトカラーほか
寒と暖が調和するカラーが浮上しています。



テーマ3  AXIS : 優美な基準

柔らかいニュートラル(グレー)と
ナチュラル(ベージュ)に加え、オレンジが
カラーミックスの基軸に。
他のレンジの色彩感を強調する役割も新傾向です。


テーマ4  CALM : 静寂な海

静かなブルー、バランスをとるグリーン、
落ち着いた寒色&中性色など、
穏やかな海を表現したカラーグループもホット。


テーマ5  ZIP : 活力の実感

ピンクにひねったレッド、オレンジ、イエローとの
コンビネーション、そして、活気に満ちたブラウンが注目されます。



レザー素材の傾向は、
 抑制の効いたメタリック効果、
 存在感を増すエナメル、
 手の込んだ細やかでさりげない表現、
 骨太の植物タンニン鞣し、
が改めて新鮮となるようです。

以下、6カテゴリーで解説されました。


1 : SIMPLIFY「スムーズ&シンプル」

上質な素材ならではの自然な風合い、革らしいシボの風合い、
素材の質感を強調するようなソフト感、
複雑な要素をハイブリッドした
<シンプル>さが、旬のニュアンスに。


2 : LIGHT「光沢」

艶、エナメル、透明感、偏光するオーロラの輝き、
金属の輝き...<光沢>のさまざまな
バリエーションが豊富にそろうシーズン。


3 : MUSEUM「ヴィンテージ」

プルアップ、ワックス×バフィング、
経年変化した濃淡、
革らしい表情を追求したマテリアルが欠かせません。


4 : WILD「レリーフ」

深いエンボスやシボ、艶、光沢、
メタリックといった、さまざまなニュアンス、
加工による立体感で
レザーの特性を引き出すのも、主流のひとつに。


5 : MIMESIS「擬態」

伝統的<フ>や柄、ひとひねりした素材感、
比喩的なおもしろさや意外性といった
色彩効果、立体効果も見逃せないようです。


6 : ICONOGRAPHY「モダン」

図像学や未来を引き込むような
グラフィカルな訴求力がポイントとなるそう。



ファッションでは
70年代~60年代調が復活していることもあり、
その表現にマッチする
カラー、マテリアルが提案されています。

秋冬の新作づくり、
展示会などに向けて準備なさっているかたも
多いと思います。

ぜひ、参考になさってください。






■ 参考URL ■


 ジャルフィック <www.jalfic.jp/>




★次回の更新は1月22日(木)夜となります。ご了承ください。






カテゴリー: トレンド




東京都素材開発支援事業セミナー 第3回 
「15-16年秋冬のシューズ & バッグトレンドを読む」が、
2014年12月24日(水)、
東京・浅草 浅草文化観光センターで行われました。


東京製革業産地振興協議会が主催する同プログラムを、
コンサルティングオフィス ジャルフィックが受託、企画・運営。

「東京レザーフェア」の情報発信コーナー
<トレンドラボ>のプロデュースをはじめ、
マーケットを分析、予測し、セミナーや機関誌などで
最新傾向を提示していることでもおなじみです。



この秋冬シーズンを考えるうえで、
1年の流れ、現状と今後の傾向を確認します。


2015年のカレンダーは...


3月 : 北陸新幹線開業、
   キュープラザ原宿(神宮前6丁目プロジェクト)開業
5月 : ミラノ万博(10月まで)
6月 : 女子サッカーワールドカップ
   二子玉川ライズ第二期竣工
9月 : 数寄屋橋東芝ビル跡地 商業&オフィスビル開業
12月 : 「スターウォーズ エピソード7」全米・日本国内同時公開


経済環境要因としては...


所得GDPの連続マイナスや消費回復のもたつきのなかで、
消費増税は先送りに。
高所得者を中心に消費に積極的な層が残る一方で
消費を控える人が大幅に増えています。

急速に経済環境が変わるとは考えづらく、一般的な消費は一進一退 ?


続いて、マーケットリサーチ。


ストリートのスタイリングから見えることは、
「ファッショングッズのアイコン力は、依然として重要」。


スタイルイメージを変化させる、
気分をスイッチさせる、
シンプルな単品を組み立てる、といったファクターがあり、
素材感とポインテッドトゥが特徴的な
エッジ―感のあるシューズ、
コンサバティブなショルダー、リュック、
クラッチなどのバッグが人気です。


「スニーカーの幅広い層への浸透」も大きな変化。


ベーシックなアディダス スタンスミスや、
モード感、リラックス感を兼ね備えたスリッポン、
リーボック ポンプフューリー、
ナイキ エアマックスなどのハイテク系も復活しています。


シューズ&バッグのトレンドは ?


スタイリングにおけるコントラスト効果でつくり出す
モード感がさらに普遍化。
コントラストは穏やかな方向性に向かうため
より幅広い装飾感のあるデザインが求められます。


特にエレガンス・テーストアイテムにも、
マニッシュやトラッド、あるいはスポーツの流れが
より深まりを見せていることに注目だそう。


以上を踏まえて、
15-16年秋冬のシューズ & バッグトレンドが
3つのテーマに分け提案されました。



テーマ 1 :<アッセンブル>


組み立て、集合を意味するアッセンブル。
シンプルなものを自分なりに
組み立て装う、ファッションの楽しさを訴求します。


ワーク、トラッド、スポーツ、ベーシック、
メンズ・・・といった要素を今の気分でこなすことが主眼。
60年代のイメージもフォーカスされて。

ごくシンプルなアイテムをメーンとする<ノームコア>がブームを経て、

定着するなか、トレンドキーワード

<スポーツ>の象徴としてテバ、チャコなどのストラップサンダルがブレーク。

秋冬にもソックスで合わせるコーディネートが提案されています。

新しい<記号性>によって

スタイリングが一気にリフレッシュ。足もとの印象が刷新しましたね。

そんなパワフルなアイテムが今後も登場しそうです。





テーマ 2 :<カルチャー>


アクセサリーとしての効果が期待される
靴、バッグにとって、
新しい装飾性が求められている2015年春夏シーズン、
トレンドとして浮上した<70年代>が継続。


手仕事を感じさせるもの、文化的な背景をもつハンドクラフトを
モダンにアレンジしたものなどもマスト。

スマートフォン、携帯端末が普及し、通話よりも
インスタントメッセージ機能を利活用するユーザーが増加するなど
デジタル化がますます進む今だからこそ、
ぬくもりのあるローテク感への渇望が背景として
あるのかもしれません。



テーマ 3 :<フューチャートラベラー>


2014年のトレンド<スポーツ>をキーワードにした
ムーブメントから派生。

スニーカー、リュックをはじめとする
アクティブなアイテムの未来につながる流れへと...。

「スターウォーズ エピソード7」公開を控え、
宇宙的、近未来的なモチーフを
意識したデザインの必要性も高まりそう。

90年代のスニーカーブームをヒントとした表現の可能性も。

その当時のシューズ、バッグの流れを見直してみたいですね。



次回はトレンドカラーのご紹介です。
どうぞ、お楽しみに。





■ 参考URL ■


 ジャルフィック <www.jalfic.jp/>


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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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