欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2015年4月 の記事

カテゴリー: 国内革事情




ファッション雑貨の生産が盛んなイースト東京で、ものづくりの魅力を次世代へとつなぐ
新進クリエイターたちの活動がアクティブになっています。


徒蔵(カチクラ/御徒町~蔵前~浅草橋・台東区南部エリア)の商業施設 2K540 AKI-OKA ARTISAN では、
クリエイターズマーケット「Clipping Point(クリッピングポイント)vol.10」が4月23日(木)から開催中。

 

JR御徒町駅~秋葉原駅間にある高架下の遊休スペースを利活用した<ものづくりの街>、2K540 AKI-OKA ARTISANは、
クリエイターたちのアトリエ&ショップを中心に構成。

日本国内を拠点に伝統的な技術を受け継ぐつくり手たちのポップアップイベントに惹かれるリピーターも増えています。


「Clipping Point」もそのひとつ。

イースト東京を拠点に活動するクリエイターたちが自ら出展、販売する自主イベント。

インキュベーション施設 浅草ものづくり工房を卒業後、鳥越・おかず横丁にショップを構えるcloom ほか、
シューズ、アクセサリー、帽子、和テースト雑貨と幅広くそろいます。


「買ってくださった気になるくらい試していただきたい」とcloomの本間さん。



ていねいに説明しながら、フィッティングに寄り添います。


帽子ブランド MARSEでは、レザーのサンバイザーを発売。


ポップなデザインが外国人観光客に人気です。


アンティークをデザイナー自らデコレーションしたオリジナルのミラー。

「お客さまに楽しんでほしい」という想いが反映していて素敵ですね。さり気なく非日常を演出しています。


会期は本日4月29日(水)まで。




東京スカイツリータウンの商業施設、東京ソラマチ 5F すみだ まち処では、
墨田区を拠点とするクリエイター・ユニット CoTONAS(コトナス)によるイベント
「あつまれ未来のものづくり職人!」<すみだの手仕事わくわく体験>が行われています。


伝統の<技>を大切にしながら斬新な発想とデザインで新しい息吹を吹き込み、
ものづくりの街<すみだ>から、若いブランドの力を世界へ発信 !


革、糸、ガラス、ビーズ...さまざまな素材を用い、
独自の表現世界を追求する 若きつくり手たちがそれぞれの商品を販売。

手づくり体験ワークショップも連日開催されています。

(画像はCoTONASフェイスブックページより)


会期は本日4月29日(水)まで。




台東デザイナーズビレッジ卒業生ブランド
POTTENBURN TOHKII(ポッテンバーン トーキー)のアトリエ&ショップが、
道具街で知られる合羽橋にほど近い台東区松が谷に4月26日(日)オープンしました。


独特な色使い、デザイン性はもちろん、産地との取り組みで開発する素材が高く評価され、
国内外のセレクトショップで取り扱われています。


2014年10月に行われたファッションショー「PIGGY'S SPECIAL(ピギーズスペシャル)」に参加。

東京都産業労働局商工部と東京製靴業産地振興協議会が東京都の特産品である
豚革を使用した作品づくりをデザイナーにオファー。前回のショーに選出されました。


墨田革漉との取り組みでつくられたオリジナルレザーでバッグ、シューズなどをリリース。


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チカミチ 

ヨリミチ

マワリミチ


近道が
正解とは
限らない。


子供の頃 
楽しかった
学校の帰り道。


途中にあった
林や
草むらに
踏み込んでいった。

そこには
ドキドキと
発見が
いっぱいあった。


(POTTENBURN TOHKII カタログより)

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そんなイメージから、手作業のカットで独自の凹凸感を表現。


これまで期間限定ショップ、イベントなどが中心でしたが、
ファン待望の常設ショップとして毎週土曜日オープンされるそうです。




ユーザーとコミュニケーションを重ね、信頼を得たクリエイターたちが地域に根差し、
地場産業である皮革産業を活性化しています。

注目エリアとして脚光を浴びる蔵前から周辺へと波及し、さらに盛り上がっているようです。

ジャパンレザーの新進ブランドの活躍に期待したいですね。






■ 参考URL ■

 Clipping Point
 <https://www.facebook.com/clippingpoint.cloom?pnref>


 CoTONAS
 <https://ja-jp.facebook.com/cotonas>


 POTTENBURN TOHKII
 <http://pottenburntohkii.com/ >


カテゴリー: 国内革事情





銀座 革のショールーム「TIME & EFFORT(タイム・アンド・エフォート)」で恒例企画<百靴繚乱>特別展示「時代を彩った 名靴、流行靴30選- J-Shoes Chronicle 1945~2015」が3月10日(火)~15日(日)に行われました。





今回は「靴の記念日」を盛り上げるようなプログラム。




3月15日は靴の記念日。1870年のこの日、東京・築地入船町に国内初めての靴工場伊勢勝造靴所がつくられたそう。日本の靴づくりの誕生日ともいえますね。
そんなバースデーを祝うように盛りだくさんのコンテンツ。戦後の洋装化、ファッション史を彩った名靴、流行靴をはじめ、日本の靴の魅力と靴産業の変遷、歴史を紹介しました。
高田喜佐さん、熊谷登喜夫さんほか、著名なデザイナーの作品や靴にまつわる書籍、関連アイテムといった貴重なものも。


老舗メーカーのアーカイブに加え、コレクターなど個人所有の靴など、貴重なものばかり。こちらは銀座ヨシノヤ所蔵の昭和20年代のオーダーメード婦人靴。
太く安定したヒール、ラウンドトゥ、変化に富んだ穴飾りは戦後のファッションをリードしていたアメリカンスタイルの影響が強いデザイン。


こちらは1970年代の流行靴。当時はブーツの時代。70年代前半は年間300~400万足もの売り上げが。その代表的なデザインは編み上げ(フィット)タイプ。


続いて、よりシルエットが美しいルーズフィットタイプ。なかには7~8万円以上のものも登場し、高額品も売れていたそうですよ。


靴の記念日、3月15日には<トーク&交流会>が行われ、幅広い世代、ジャンルのつくり手たちとコミュニケーション。


会期中で250名以上もの来場者を記録しました。ちいさなシューズマニアのお眼鏡にもかなったようですよ。


「一般社団法人 日本皮革産業連合会、日本靴団連などの役員・関係者、出品ご協力企業のかた、80代になるベテランから学生まで多数おいでいただきました。朝日新聞を見て来場された70代の女性がキサ(50数年前に購入)の赤いブーツを持参され、寄贈してくれました。また、浅草の靴業の祖ともいえる弾直樹から数えて4代目の子孫のかたが来場されるなどのサプライズもありました。今回のイベントを機会に、さらに日本の靴の歴史や靴文化を掘り起こし、業界やマーケットの変革と活性化に結びつくことを願っています」と企画・運営ご担当の城 一生さん。


来場したかたのなかには、もっと多数の靴が見たい、とのリクエストもありました。今後、さらにグレードアップした内容が期待されています。


前回もお知らせしましたが、同館では「REGAL CLASSIC(リーガル クラシック) リーガルのストーリー ものづくりへの矜持」を開催中です。日本のスタンダードとして知られるシューズブランド、リーガルのさまざまなアーカイブが展示され、好評です。こちらもお見逃しなく。



「REGAL CLASSIC(リーガル クラシック) リーガルのストーリー ものづくりへの矜持」

 4月26日(日)まで開催
 12:00~20:00(土日は11:00~19:00)営業
 月曜定休
 東京都中央区銀座8-5-4  銀座マジソンビル1・2F
 銀座 革のショールーム  TIME & EFFORT
 <http://timeandeffort.jlia.or.jp/news/2015/04/14155305.html>


「REGAL CLASSIC リーガルのストーリー ものづくりへの矜持」レポート
 (2015年4月15日更新分)
 <http://www.jlia.or.jp/enjoy/blog/cat4/20150415>


カテゴリー: 国内革事情




日本のスタンダードとして知られるシューズブランド、リーガルのアーカイブ展「REGAL CLASSIC(リーガル クラシック) リーガルのストーリー ものづくりへの矜持」が本日4月15日(水)から銀座 革のショールーム TIME & EFFORT(タイム・アンド・エフォート)でスタートしました。






迫力のあるウインドーディスプレイがお出迎え。1961年、アメリカのブラウン社と技術導入契約を締結し、<リーガル>ブランド各種紳士靴の生産、販売が開始されて以来、これまで歴史を刻み、日本のシューズ、ファッションをリードし続けています。




同社の貴重なアーカイブからコレクションの一部を紹介。こちらは1962年日本で最初に製造された製品。手縫いで仕上げられた、初期のモカシンなど。50年を経ても形崩れもなく当時の雰囲気を保っていることに驚きですね。






戦後復興の象徴となった1964年の東京オリンピックには文部省(当時)の委託で大会ユニフォームおよび選手の制靴を提供。開幕式用として大会関係者すべての白のプレーン・トゥ。移動時用にはコンビのウィングチップが支給されたそうですよ。そして、2020年には2回目の東京オリンピックが開催されます。待ち遠しいですね。





また、ものづくりについても展示。リーガルの顔、ともいえるグッドイヤーウエルト製法の裁断パーツ。プロセスや構造はもちろん、技術の確かさに圧倒されます。




ファクトリーで実際に使われていたミシンも特別に出品。存在感がありますね。






現行モデルもラインナップ。いまも生産されている傑作"No.2504 プレーントゥ"、フルブローグのデザインが美しい"No.2589 ウィングチップ"、ローファーの名を世に広めた名品"No.2177 ローファー"ほか、定番として展開されています、会期中には特製ノベルティグッズをプレゼント(数量限定)も。なくなり次第終了となりますので、お早めに。





過去の関連アイテムからノベルティ、広告まで、と幅広い内容。靴を通したファッション史として楽しめますよ。今回を含め、3回に分けて行われます。どうぞ、お見逃しなく。








「REGAL CLASSIC(リーガル クラシック) リーガルのストーリー ものづくりへの矜持」


4月26日(日)まで開催
12:00~20:00(土日は11:00~19:00)営業
月曜定休
東京都中央区銀座8-5-4 銀座マジソンビル1・2F
銀座 革のショールーム TIME & EFFORT


http://bit.ly/1apQD5G











カテゴリー: 国内革事情




<足の美と健康>の国際靴・雑貨見本市「第50回ISF(アイ・エス・エフ)」が、
東京・池袋 池袋サンシャインシティ文化会館 4Fで、
4月1日(水)から3日間開催されました。


海外(8か国)を含め、約100社が出展。最新作を発表し、個性を競います。


恒例のセミナーに加え、売場支援を目的としたプログラムが充実。

そのひとつ、<ハイブリッドパンプス>が目をひきました。


生活の機能に沿った、美しいパンプスを実現することが大きな社会貢献である、
という想いのもと婦人靴メーカー×素材メーカー×パーツメーカーがタッグ。

<カッコよくて、もっと快適なパンプス>という
ニーズに応えたものづくりをプレゼンテーションしました。


スニーカーの台頭をパンプスの革新の契機とし、
高機能型シューズとして対応策を提示。

ライフスタイルのさまざまなシーンにおいて動機づけとなる機能を探求しています。


デザインバリエーションはとても豊富です。


グローバルトレンドとなった<トラディショナル>を基調に、
洗練されたアッパーと高機能ソールとのマリアージュが素敵ですね。


インソールもアップデート。こちらは全身の歪みを軽減・回復・予防する機能と
疲れにくい身体をつくる効果、
酸素吸収量がアップし、細胞の活性化を促す効果を期待できるそう。


来場者からも注目され、コーナーに活気がありました。



2日めにはパネルディスカッション「ハイブリッドパンプスのつくり方、売り方」を実施。


ジャルフィック  池田正晴さんのコーディネートにより、
裕豊商会 代表取締役  石川順一さん、
神戸レザークロス 東京製造部課長  岡城義夫さん
そごう・西武 婦人雑貨部バイヤー課長  澤純也さん、
チカオ 社長 宮崎親夫さん、
ミッツプランナー 社長  鳥居寛之さん...と、
つくり手と百貨店バイヤーが登壇。多くの来場者を前に熱く語り合いました。


コンフォートシューズでは もの足りないアクティブシニア。

近年のスニーカーブームの影響による
<履きやすさ>、<歩きやすさ>への需要の高まり。

世代を超え、求めているのが
<ハイブリッドパンプス>なのかもしれません。

マーケットが拡がっていきそうですね。



このほか、シューズを中心にバッグ、ファッション雑貨、
新進クリエイターからファクトリーブランドまで幅広く出展していました。


アメリカテイストのアパレルアイテムを日本の意識や感覚で再構築するR85。

著名な職人とのコラボレートも話題です。


人気ブランド CHIKA では、メタリックレザーのスニーカーがヒット中。

レースアップ&サイドゴア、というありそうでなかった仕様がいいですよね。


エキゾチックレザーを使用したジェントルなアイテムを展開するGaluchattailでは、
イタリアン・シガー用のケースなど富裕層に響く革小物をリリース。


都内墨田区を拠点とするタンナーのオリジナルブランド レザリア。

洗濯できるレザーバッグが銀座 革のショールーム 
TIME & EFFORT(タイム・アンド・エフォート)で販売スタート。

バイヤー、プレス関係者からも高く評価されています。


脱・デフレ時代を見据えた、
高付加価値プロダクトが数多く見られました。



杉野服飾大学、エスペランサ靴学院もブース出展。

ユニークなデザインが楽しい! フレッシュな卒業制作作品の発表、
卒業生クリエイターの代表作を展示しました。



このほか、50回ISF特別企画として、あらゆる角度からアプローチした
売場支援のプログラムでは、
ICTを利活用した施策のデモンストレーションやワークショップを実施。

見本市、展示会の新しい方向性が提示され、
情報発信、コミュニケーションの場へと進化していきそうですね。




■ 参考URL ■


 国際靴・雑貨見本市「第50回ISF」
 <http://www.isf-web.jp/>




カテゴリー: 国内革事情





皮革産地として知られる埼玉・草加で恒例イベント 
そうか革職人会主催
「草加レザーフェスタ2015」が草加市文化会館で開催されました。




会期は3月21日(土・祝)~22日(日)。
2日間で計1559名の来場者があり、盛況でした。


参加型プログラムも人気。



「手づくりレザー工作室」では小学生以下の子どもたちから

大人まで幅広い世代のユーザーが革を使用したクラフトを体験しました。




19種類の動物モチーフのオブジェでは、革の特性、可塑性を応用。





科学を学びながら革の魅力も味わえる一石二鳥のプログラムですね。





<上級者コーナー>では、大人向けのアイテムが用意され、
参加者からはたくさんの笑顔がこぼれていました。





革の「絵画展」も同時開催。さまざまな手法で個性を競う作品が
多数展示。じっくりと見入るかたが多く、静かななかにも熱気が。





皮革に対して、理解・関心があることが伺えます。



「長い時間を掛けて皮革が草加の地場産業のひとつで
あることを周知し、市内でやっと認知されてきました」と
草加商工会議所 佐藤 郁晋さん。
積み重ねた取り組みがしっかりと伝わっているようですね。





草加の皮革産業は東京に近いという
地の利と豊富な水源を活かし、1935年ごろ東京から
続々と皮革工場が進出してきたのがきっかけとなったそう。
牛・子牛・豚・羊・山羊・爬虫類・サメなど
多種多様な素材を扱っている業者が集積し
素材から製品加工まで同一地域内で一貫して生産できるのも特長です。



そうか革職人会は、草加および近隣の皮革産業に
携わる人たちをネットワーク化した団体。
国と草加市の地域振興活性化事業の支援を受け発足しました。
地場産業の皮革3団体が中心となり、
市内皮革関連業者約180社から有志の業者・職人が加盟登録。
熱い情熱と優れた技術で
<アジアのフィレンツェ>を目指し、活動しています。


「今後も市内、県内、そして日本じゅうに
草加のものづくり、魅力を発信していきたい」と
そうか革職人会 会長 伊藤達雄さん。
ますます共感の輪が広がっていきそうですね。





■ 参考URL ■



そうか革職人会
<http://www.soka-kawa.com/index.htm>











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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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