欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2015年10月 の記事

カテゴリー: 国内革事情

 

日本製革製品のコンペティション
「Japan Leather Award 2015 審査会」が
10月26日~27日の2日間、
大阪・梅田 阪急うめだ本店9F 
阪急うめだホールにて行われました。

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ファッション産業である皮革産業に、その時々の

消費者ニーズなどに即応できる、
新たな"発想・表現"を持つ人材を育成したい。
このような目的のもと、
一般社団法人 日本皮革産業連合会(JLIA)が開催する
「Japan Leather Award」。
今年は『素材×デザイン×ファッション=∞』を
コンセプトに作品を募集。
合計330点もの作品が集まりました。

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審査会は東京藝術大学 菅野健一教授を審査員長とする、
デザイナー、ディレクター、
バイヤー、流通関係者10名で構成された
プロ審査員により厳正に審査。
今年からは、テレビやメディアでも活躍中の
デザイナー ドン小西さんが
ゲスト審査員として加わったのも話題です。

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阪急うめだ本店の来店客、
ジャパンレザーファンが続々と審査に参加。
一点一点じっくりと手にとって
それぞれのクオリティを確かめていましたよ。


審査会とともにレザーの総合イベント
「Japan Leather Award 2015 博覧会」を同時開催。


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エントランスでは「レザーケア&お悩み相談会」を行い
ユーザーをお出迎え。

ケアグッズの老舗メーカー コロンブス社から
スペシャリストが常駐。

靴やバッグ、革小物などのお手入れ方法を
ていねいにレクチャーしました。


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皮革見本の展示も好評。生命の証を大切に扱い、
伝統を受け継ぐ職人たちが手仕事を重ね、
仕上げられた上質なレザー。

動物の個体を感じる その大きさに
びっくりなさっていたかたも多くいらっしゃいました。




このほか皮革・革製品の製造工程がわかる研修用DVDの放映など
<さまざまなレザーの姿・かたち>を提案。

ユーザーのみなさんが
貴重な体験を楽しんでくださったようです。



審査会の締めくくりは
今年度も「レザークラフトマンミーティング」。


業界内外の交流・懇親の場を兼ねたプログラムです。


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招待状により全国の流通バイヤーに広くご案内しています。


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会場のインフォメーションスペースでは参加者のプロフィールブックや自社ブランドのカタログ、パンフレットを設置・配布。


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さらにアピールタイムでも自己PRできるので、互いを知り、つながりができるきっかけに。今回も東京や四国から駆けつけたビジネスパーソンがいらっしゃいました。


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「このイベントのおかげで、かけがえのない仲間と出会えました。
東かがわ、徳島...と離れた土地で活動していても
ものづくりの理念や悩みなどで共感ができ、コミュニケーションの輪が広がります。
みんなで業界を盛り上げて、
若い世代が希望をもてるようにしていければ」と過去に特別賞を受賞した照下さん。


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つくり手たちのパワーで熱気あふれる時間となりました。



現在、「Japan Leather Award 2015」
オフィシャルサイトでは
全応募作品を紹介中。ぜひ、ご覧ください。


「Japan Leather Award 2015」
<http://award.jlia.or.jp/2015/list/>




この審査会でのそれぞれの得点を勘案して
受賞作品が決定。
11月19日(木)、同じく阪急うめだ本店9F 
祝祭広場で表彰式を行います。
新しい日本製革製品のナンバーワンは? 
どうぞ、お楽しみに!



■ 参考URL ■

「Japan Leather Award 2015」
<">http://award.jlia.or.jp/2015/>




カテゴリー: 国内革事情

 

東京・墨田区内のつくり手たちによる恒例イベント
「スーベニール バイ トーキョーレザー」
<9月25日(金)~10月7日(水)>が、

東京・押上 東京ソラマチ内 すみだ まち処で開催されました。

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東京スカイツリーのおひざもとの墨田区は、
地場産業として皮革産業がとても盛んです。


このエリアで生まれた素材、企画製造されたプロダクトを紹介。

なかでもピッグスキン(豚革)は、日本で自給できる唯一の革素材。

国内生産が約90%ものシェアを誇ります。

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今回は計8社が参加。

豚革のほか、羊、山羊革などの加工を得意とするファクトリーをはじめ、
世界でも数少ないクロコダイルタンナーも。

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なめし、加工、素材開発だけでなく、製品づくりにもチャレンジ。

革製品の展示販売のほか、職人による実演も行いました。


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こちらは、藤豊工業所によるブース。

レザーに馴染みがない女性にもわかりやすいように、と
工夫を凝らしたディスプレイが目をひきます。

同社は先日ホームページを刷新。

洗練されたビジュアルと英語のテキストを付記し、海外からのアクセスにも対応。

オンラインショップも始動するなど、積極的なアプロ―チが話題です。


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雑貨だけでなく、知育玩具としても有効なアイテム(墨田キール)も。

身近に感じられる生きものを通して、食育、生命の大切さ、
環境問題、そして、ファッションやレザーへの認知にもつながり、
幅広い世代のかたにアピールできますね。


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墨田革漉ではロングセラーシリーズ、魚モチーフのペンケースとポーチを出品。

インキュベーション施設・
台東デザイナーズビレッジ卒業生クリエイター(アトリエ65、セキユミ)
とのコラボレートで生まれました。

生活が楽しくなるユニークなデザインは外国人観光客にも人気を集めています。

ポップなテイストがクールジャパンとして注目ですよ。



2020年の東京オリンピックでは墨田区内の両国国技館が会場のひとつとして選定。

観光資源が多いため、来街者のさらなる増加が見込まれ、その対策が課題です。

おみやげ需要をいち早くとらえたトーキョーレザー製品の開発に期待したいですね。




■ 参考URL ■


 藤豊工業所
 <http://www.fujitoyo.co.jp/>


 墨田キール
 <https://www.techno-city.sumida.tokyo.jp/pickup/detail.php?pickup_id=21>


 墨田革漉工業
 <http://www.sumidakawasuki.com/>


 台東デザイナーズビレッジ
 <http://designers-village.com/>


 アトリエ65
 <http://atelier65.com/>


 セキユミ
 <http://sekiyumi.com/>


カテゴリー: 国内革事情

 



サックスバーホールディングス傘下、
東京デリカのプライベートブランド 
kissora(キソラ) 銀座店が9月18日(金)オープン。

大規模リニューアルで話題の
EXITMELSA(イグジットメルサ)の3Fにあります。

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キソラは2012年東京スカイツリー開業と同時に第1号店、
東京ソラマチ店がオープン。

シンプルで上質なレザーバッグを目指し、
デザイン・製作まで一貫して日本で行っています。


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商品の基本として革づくりを重視。

東京スカイツリーのおひざもと墨田エリアや皮革産地として知られる姫路など、
国内のタンナーの協力のもと開発。

さらにフルベジタブルタンニンにこだわるファクトリーから
優れた素材をセレクトしています。


「日本の高い技術や職人を大切にしたい」
「次世代へ継承するお手伝いがしたい」との想いから店舗内に工房を設置。

バッグや小物、雑貨をユーザーの好みで
カラーや金具をチョイスできるカラーパターンオーダーが人気です。

研鑽を積んだ職人兼店長が注文を受けてつくり、
その日じゅう(状況によって異なります)に受け取ることができます。


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こちらは店長の温さん。

英語、日本語、中国語と3か国語が堪能な中国人です。

同店があるイグジットメルサは上層階に家電量販店、ラオックスが入居。

海外からの観光客も多く、中国の祝日、
中秋節(9月下旬)、国慶節(10月上旬)の時期は盛況だったそうです。


また、公式フェイスブックでも中華圏からのアクセスが多く、
メッセージ機能での問合せがじわじわと増加。

日本独特のナチュラル系ファッションに興味をもつ女性からの支持が根強いようです。

そんなユーザーたちと母国語でコミュニケーションでき、
現地の志向も理解できる温店長は、
「もっとファンを増やし、皆さんによろこんでいただけるよう努力していきたい」
と意欲的。

管理職としてスタッフを盛り立て、頼もしい。

ファッション業界の国際化を肌で感じました。


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銀座店では<ナチュラル><オーガニック>というファクターを
より強く意識したプロダクトが充実。

銀座店限定商品として素材そのものを楽しめる<オーガニックシリーズ>がローンチ。

染色や仕上げは一切していないナチュラルなレザーを使用。

経年変化が顕著に。使うほどに革本来の風合い・味わいが深まります。


銀座限定アイテム.JPG

このほか、銀座店限定アイテムはカイマンワニの小物シリーズ。

美しいブルーで染め上げられたリッチなレザーのコンパクト財布が1万円台、
長財布が3万円台、とプライスでも特別感を表現。

前述のカラーパターンオーダーのバッグ&小物シリーズでは、
銀座にちなんだ限定カラー シルバーが登場。

世界有数のファッションタウン、
銀座という立地特性をふまえたラインナップを展開しています。


金沢、沖縄に加え、年内に久留米、奈良、大阪と
立て続けに3店舗がオープン予定。

日本の革と革のものづくり、そして、心のこもった対応、おもてなしで
国内外の高感度ユーザーを魅了する、キソラの今後の展開が楽しみですね。




■ kissora 銀座店

 11:00~20:00 営業
 東京都中央区銀座5-7-10  EXITMELSA 3F
 <http://www.kissora.jp/>


カテゴリー: 国内革事情




11月03日は"いいレザーの日"に向けて、
ジャパンレザー関連のイベント&ワークショップが全国各地で次々と開催。

秋のイベント&プログラム【まとめ】第二弾、ご紹介します。




■ 「台東区デザイナーズ村」<10/10(土)~12(月・祝)>

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インキュベーション施設・台東デザイナーズビレッジ(通称:デザビレ)
入居ブランドを中心とした

選抜6組によるポップアップイベントが行われます。


うち3組(エム・リップル、テテ、カンマ)は
バッグ、革小物を中心に活動。

メンズ、レディスともにそろい、テイストもさまざま。

新進気鋭のクリエイターが個性を競います。


デザビレの卒業生は現在、
ファッション業界の第一線で活躍する人材が多数。

国内最大級の日本製革製品のコンペティション
「Japan Leather Award」でも受賞者を輩出するなど、実力派ぞろいです。


今回のイベントでもフレッシュなジャパンレザーに出会えますよ。


「台東区デザイナーズ村」

 東京都墨田区押上1-1-2  東京スカイツリータウン・ソラマチ 2F 9番地 特設会場
 <http://www.tokyo-solamachi.jp/new/event/423/>




■ 「すみだ3M運動スペシャルウィーク」<10月16日(金)~21日(水)>

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東京スカイツリーのおひざもと、
東京・墨田区内のつくり手たちによる展示販売イベント
「すみだ3M運動スペシャルウィーク
 ~すみだものづくり探訪~」が10月16日からスタート。


<すみだ3M(スリーエム)運動>とは、
墨田区の産業PRとイメージアップ、地域活性化を図る事業。


小さな博物館(Museum)運動、マイスター(Meister)運動、
工房ショップ(Manufacturing Shop)、
これらの頭文字をとってネーミングしたものです。


3つの運動を有機的につなぎ合わせ、
すみだの産業や産品の魅力を伝えるとともに、
ものづくりの素晴らしさをアピール。


会期中は革製品のメーカー2社(大関鞄工房、アトリエアミーチ)が
販売、実演を行います。


「すみだ3M運動スペシャルウィーク ~すみだものづくり探訪~」

 東京都墨田区押上1-1-2  東京スカイツリータウン・ソラマチ 5F
 <https://www.techno-city.sumida.tokyo.jp/s3m/>




■ シューネクスト「ワークショップ」<10/18(日)>


靴づくりを担う人材養成機関、NPO法人シューネクストが
プロの職人を目指すひとから初心者まで、
幅広いプログラムで靴づくりの講習を行っています。


今回のワークショップはブーツとサボ風スリッポンサンダル。

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これは人気のデザインですよね。

手づくりにトライしたいかたが多いのではないでしょうか?


当日は地域イベント「芦原橋アップマーケット」が開催されています。
街が<ものづくり>で活気づき、盛り上がりそうですね。


シューネクスト「ワークショップ」

 大阪府大阪市浪速区浪速東1-4-14  芦原橋高架下 シューネクスト工房
 <http://ccrui.sakura.ne.jp/next/archives/3758>




■ 「姫路城皮革フェスティバル 2015」<10/30(金)~11/3(火)>


国内有数の皮革産地、姫路でレザーのフェスが
姫路の皮革のブランド化と需要の拡大を目的に実施されます。


20組もの事業者が参加し
クオリティの高い革製品を展示販売。

姫路を代表する地場産業としておなじみの
レザーの魅力をアピールします。


「姫路城皮革フェスティバル2015」

 兵庫県姫路市本町68番地  大手前公園 西側
 <http://kawanoichi.jimdo.com/>




■ 「エーラウンド」<10/30(金)~11/1(日)>

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第5回目を迎える「エーラウンド」。

イースト東京・浅草のいまを広く発信するイベントです。

地元の職人やアーティスト、クリエイターたちがひとつになり、
街の魅力の伝い手として様々な企画を実施します。


初の試みとしては、メイン会場・隅田公園リバーサイドギャラリーで
日本で唯一、革とものづくりを伝える博物館、
<TOKYO LEATHER & CRAFT MUSEUM>を3日間限定で開館。


浅草で培われてきたものづくりの歴史に関する展示や、
革靴職人が実際に革靴を作る工程などを
間近に見学することができます。


浅草の地場企業と気鋭のデザイナー4組が
コラボレートして革製品の新しい可能性を生み出す
プロジェクト<TOKYO L> も話題。

国内外で高く評価される
アッシュコンセプトをディレクターに迎え、
試作品をお披露目します。


このほか、世界に一足だけのオリジナルレザーシューズをつくる
ワークショップ<革靴ができるまで>や、
地元の名所やものづくりの現場を巡る<まち歩きツアー>などの
恒例企画もパワーアップしていますよ。


「エーラウンド」

 東京都台東区浅草一帯
 <http://www.a-round.info/>




■ 「ものづくり横丁」<11/7(土)>

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イースト東京・徒蔵(カチクラ/御徒町~蔵前~浅草橋/台東区南部)エリア、
鳥越・おかず横丁を会場に行う
恒例のものづくりイベント、「ものづくり横丁」。

<職人だってはしゃぎたい!>をテーマに毎月第一土曜に開催されています。


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レザー関連では、生活雑貨を提案するバッグ工房 NOLAが参画。

革小物のDIY体験ワークショップが毎回好評です。


「ものづくり横丁」

 東京都台東区鳥越 おかず横丁一帯
 <https://www.facebook.com/monoyokocho>


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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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