2015年11月 の記事
November 26, 2015
「JFW ジャパン・クリエーション 2016」レポート (1)
カテゴリー: トレンド 国内革事情
繊維総合見本市
「JFW JAPAN CREATION(ジャパン・クリエーション) 2016」が、
東京・丸の内 東京国際フォーラムで11月25日(水)からスタートしました。
前年度より10社増え、279社が参加。過去最大級の規模に。
そして、なんといってもうれしいのが、
ロビーギャラリーに新設されたレザークリエーション。
受付と同じエントランスフロアに、
東京、兵庫、和歌山と国内有数の産地がブースを出展。
ジャパンレザーを集積して展示されました。
吹き抜けの広々としたスペースは、なんとも華やかです。
初日の11月25日は急に冷え込んで
真冬のような寒さでしたが、
つくり手たちの熱気があふれていましたよ。
そして、今回は2年ぶりにピッグスキン・ファッションショー
「PIGGYʼ S SPECIAL」が復活。
若手クリエイターのショーとともに作品の展示が行われました。
その一部をご紹介します。
MIKIO SAKABE
人気クリエイター 坂部三樹郎さんが手がけた
コレクションのテーマは「存在感」。
一般的なアイテムを
ベーシックなままサイズを大きくしたり
プリントを施したりすることで、
いつも見ていたと思っていたものが
違和感とともに、
そこに存在する強さ
のようなもの、を表現しています。
手前のシャツは、かなり大きめで、
ショーではワンピースのようにスタイリング。
とても新鮮でした。
Soshi Otsuki
大月壮士さんは「ブッタスキン」をテーマに、
土くさいメンズウエアを
女性が着用するイメージで制作。
モノトーン中心のなか、個性的なプリントや
差し色がほどよいアクセントに。
KEISUKE YOSHIDA
「思春期の背伸び」をテーマに掲げた吉田圭祐さん。
多感な時期の感情や装いにフォーカス。
2016年春夏シーズンから始動したレディスでは、
より大人を意識した
クールな印象のコレクションを発表。
AKIKO AOKI
少女の反抗期をイメージしたテーマ
「サマーヌード」で構築したコレクションは、
デザイナー・青木明子さんによるもの。
繊細なディテールは甘さのなかに力強さが宿り、
揺れ動く多面性が感じられました。
会期中には学生によるショーも開催予定。
若いパワーが
レザーファッションに革命を、
皮革に新たな生命を吹き込むような
ポジティブなエネルギーが伝わって、ワクワクしますね。
本日(11月26日)18:30までなので、間に合うかたはぜひ !!
レポートは次回に続きます。どうぞお楽しみに。
■ 参考URL ■
JFW JAPAN CREATION 2016
11月25日(水)~26日(木) 10:00~18:30 開催
東京都千代田区丸の内3-5-1 東京国際フォーラム
<http://www.japancreation.com>
November 19, 2015
「Japan Leather Award 2015 表彰式」(大阪 阪急うめだ本店)レポート
カテゴリー: 国内革事情
一般社団法人 日本皮革産業連合会(JLIA)が主催する
日本製革製品のコンペティション
「Japan Leather Award 2015 表彰式」が
今年も11月19日(木)、大阪
阪急うめだ本店 9F「祝祭広場」で行われました。
ファッション産業である皮革産業に、
「その時々の消費者ニーズに即応できる、
新たな"発想・表現"のできる
人材を育成することが重要である」との
コンセプトのもと2008年より行われています。
10月26日~27日の2日間、
「Japan Leather Award 2015 審査会」を実施。
審査員長の東京藝術大学 美術学部 工芸科 教授 菅野健一さんをはじめ、
デザイナー、ディレクター、
バイヤー、流通関係者10名で構成された
プロ審査員、および、
阪急うめだ本店の来店客150人も審査に参加。
『素材×デザイン×ファッション=∞』をコンセプトに作品を募集。
合計330点もの応募作品から
天然の皮革素材を活かしたものづくりや
デザイン力、ファッション性が総合的に審査されました。
グランプリおよび各賞受賞者は
以下の通りです。
グランプリ
二本真さん(三井造船株式会社)
レディースフットウェア部門 田川康治さん(株式会社リーガルコーポレーション)
メンズフットウェア部門 大蔵 剛さん(大塚製靴株式会社)
レディースバッグ部門 染谷昌宏さん(染谷商店)
メンズバッグ部門 田中秀明さん(カバン田中)
ファッション雑貨部門 櫻井和重さん(株式会社アルテックラボ)
生活雑貨部門 村瀬靖人さん(株式会社村瀬鞄行)
日本エコレザー部門 二本真さん(三井造船株式会社)
エキゾチックレザー部門 濱田剛さん
学生部門 寺村シモンさん(杉野服飾大学)
ゲスト審査員賞 関口陽子さん
各作品の写真は公式サイトをごらんください。
「Japan Leather Award 2015」 <http://award.jlia.or.jp/2015/>
審査員長の東京藝術大学 教授 菅野健一さん、
ゲスト審査員のファッションデザイナー ドン小西さん
JLIA 人材養成委員会委員長の猪瀬昇一から
各受賞者にトロフィーを授与。
大きな拍手が会場を包みました。
JLIA 会長 岩崎幸次郎の挨拶からはじまり、
ドン小西さんがナビゲーター&プレゼンターとしてご登壇。
各受賞者との軽妙なクロストークでは、
ファッション、ものづくり、
そして、レザーについての熱い想いが交わされました。
受賞なさったみなさま、おめでとうございます!
グランプリを受賞した二本さんと、作品に皮革素材を提供した
坂本商店の坂本さんご夫妻の喜びのスリーショット。
「世界一となったレザーの、残りの靴一足分を譲り受けることができたので、
(受賞して)ホッとしています」(二本さん)。
皮革素材は国内外で評価が高い姫路黒桟革<極>。
2014年香港APLFアワードMM&T展(素材展)にて日本人初の
ベストニューレザー部門グランプリを
受賞した際のトロフィーを今回のトロフィーとで共演しました。
表彰式に先駆け、11月18日(水)からは
阪急うめだ本店 10F「うめだスーク」にて受賞作品展示会を開催中。
今年の受賞作品の展示はもちろん、
歴代の受賞作品、受賞クリエイターたちから寄せられた
コレクションが登場しています。
会期中には「無料レザーケア&お悩み相談会」
(18日~19日のみ)を実施。
老舗ケアグッズメーカー コロンブス社のスペシャリストが
靴やバッグ、革小物などのお手入れ方法を
ていねいにレクチャー。
その効果に「エステを受けたあとみたい」と
女性ならではのご意見がありました。
このほか、皮革・革製品の製造工程がわかる
研修用DVDの放映には、
足を止め、じっくりとご覧になるかたも。
日本の革と、革のものづくり、
秀逸なジャパンレザーとの出会いの場となっています。
どうぞ、お見逃しなく。
■ 参考URL ■
Japan Leather Award 2015 受賞作品展示会
11月18日(水)~24日(火)開催
10:00~20:00(金・土は21:00まで)営業
大阪府大阪市北区角田町8-7
阪急うめだ本店10F うめだスーク
<http://www.hankyu-dept.co.jp/>
Japan Leather Award 2015
<http://award.jlia.or.jp/2015/>
November 11, 2015
「エーラウンド 2015」レポート (2)
カテゴリー: 国内革事情
イースト東京・浅草のビッグイベント
「エーラウンド 2015」のレポート、続きましては、
<TOKYO LEATHER & CRAFT MUSEUM>。
浅草の革とモノづくりを伝える博物館としてメイン会場となる
隅田公園リバーサイドギャラリーに会期中限定で開館。
「エーラウンド」初の試みです。
観光地、浅草らしく、外国からのお客さまも増え、
インターナショナルな雰囲気でした。
エントランスを入ると両サイドにさまざまなレザーがお出迎え。
浅草を拠点とする企業、事業者が出品。
ユーザーが普段目にすることがないサンプルなども設置され、
クリエイター気分を味わえました。
浅草で培われてきた
140年以上のモノづくりの歴史についての展示や
世界のはきものに関する資料も充実。
ほかにも昭和の高度成長期を駆け抜けた
靴メーカーの広告ビジュアルなどもあり、
そのレトロなデザインとクリエイションが異彩を放ちました。
浅草の地場企業と気鋭のデザイナーとの
コラボレートによるプロジェクト
TOKYO L(トーキョーエル)では革製品の新しい可能性を提示。
今回は動物や恐竜をかたどった
アニマルラバーバンドなどのプロダクトで知られる
アッシュコンセプトを迎え、再始動。
4組のデザイナーと地元企業4社の協業による試作品をお披露目。
個性的なルックスが目をひきますが、
クオリティが高いのも特長。
アイスクリームのカップをモチーフとしたケースは、
靴の製法が取り入れられています。
ピッグスキンを用いた、ぶたのぬいぐるみや
アロマグッズ、アイスクリームのカップをモチーフとしたケース、
食パン型のケースなどユニークなデザインがいっぱい。
各商品の販路開拓までを視野に入れ、
今後、実際に商品として販売される予定です。
つくり手の実演も好評。
伊勢丹メンズ館のイベント参加でも話題を集めた康製甲所。
女性製甲職人が手仕事を披露。
自身のブランド ひさごていのシューズをつくる永松さん。
その手さばきの美しさにうっとりと眺めるかたもいらっしゃいました。
参加型プログラムも充実。
老舗ケアグッズメーカー コロンブス社のワークショップでは、
レザーの着色にお子さんたちもチャレンジ。
革製品の魅力を知る きっかけとなりました。
回を重ねるごとに内容がグレードアップしている同イベント。
来場者も呼応するように増加しています。
地場産業、若手クリエイターたちの
熱い想いが、大きなムーブメントへとつながって。
来年初頭には、台東区コミュニティバスの新路線<ぐるーりめぐりん>が年明け1月31日から運行スタート予定。浅草&奥浅草エリアのアクセスが便利に。
イベント開催時期以外でも、訪れたくなる街として
さらに注目を集めそうですね。
■ 参考URL ■
エーラウンド
<http://www.a-round.info/>
次回の更新は11月19日(木)を予定しております。どうぞ、お楽しみに。
November 4, 2015
「エーラウンド 2015」レポート (1)
カテゴリー: 国内革事情
イースト東京・浅草のビッグイベント
「エーラウンド 2015」が10月30日(金)から3日間開催されました。
年々規模が大きくなっています。
浅草は日本を代表する観光地であり、皮革産業が集積する産地。
140年以上の歴史を有するものづくりの街です。
近年、若手デザイナーやアーティストが浅草エリアにアトリエを構え、
新旧のつくり手が入り混じり新たなムーブメント生まれています。
世界に一足だけのオリジナルシューズをつくる
ワークショップ「革靴ができるまで」や
「まち歩きツアー」といった恒例企画がグレードアップ。
参加者が増え続けています。
(「画像:A-ROUND開催!」フェイスブックページより)
街なかマーケット「浅の市」も好評。
浅草6丁目 聖天会館付近の道路を歩行者天国に。
周辺の事業者やクリエイターが出店。
シューズからアパレルまで幅広いジャンルのアイテムが出品されました。
江戸、文久元年創業 宮本卯之助商店の太鼓演奏ほかパフォーマンスも。
(「画像:A-ROUND開催!」フェイスブックページより)
革のものづくりの街で、革を用いた楽器の音色を聴く...
五感でレザーを楽しむ体験ですよね。
「対象となるエリアが広いので、その中心部となる
この周辺に賑わいをつくるため、
歩行者天国でマーケットを開催しています。
許可の申請を重ねて実現しました。
「ワークショップやテイクアウトグルメ、ミュージシャンのライブほか、
プログラムも豊富に展開しています」と、発案者の近藤 威志(HATCH)さん。
また、奥浅草の富田興業では「桜橋レザーパーク」を初開催。
レザーセールが大好評。
大阪のカリスマ的人気ショップ
レザークラフトフェニックスとのコラボレートにより、金具なども販売されました。
初日朝には行列が。リピーターも増えているようです。
また、大阪の人気イベント「本日は革日和♪」もジョイント。
「漉き機を活かすセミナー」「お金の話をしよう!ハンドメイド作家とお金」
「2時間で学ぶコバの考え方。コバ講習概論」
「中級革セミナー:タンナーで注文出来るのか?革屋の役割は?」と、
実践的な内容はつくり手たちの潜在的なニーズにマッチ。
各プログラムとも熱気がいっぱいでしたよ!
レポートは次回に続きます。
■ 参考URL ■
エーラウンド
<http://www.a-round.info/>
プロフィール
鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター
東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。
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