欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2015年12月 の記事

カテゴリー: 国内革事情

 

国内有数の皮革産地、姫路でレザーをフィーチャーした
「姫路城皮革フェスティバル2015」が、
10月30日(金)から5日間、兵庫・姫路 大手前公園で行われました。


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「姫路菓子博」との同時開催をきっかけにスタートし、今回が8回目。

市内外から23万人もの来場者が訪れる
「第28回全国陶器市」の会期に合わせ、
姫路城周辺に
さらなる賑わいを創出しています。


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姫路市皮革産業活性化事業研究会主催、姫路市共催の同イベントは、
姫路の皮革のブランド化と需要の拡大を目的に実施。


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屋外の広々としたスペースで20組もの事業者が参加し、
皮革産地ならではの高品質な皮革製品を展示・販売。姫路を代表する
地場産業である皮革産業を広くアピールしました。


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展示コーナーでは、
姫路の皮革産業をPRするパネルの掲示、
「Japan Leather Award 2013」メンズバッグ部門賞受賞作品、
「mipel the bag show」入賞作品、
在ベルギー日本大使館で展示した革製品、
「APLF2014皮革素材」展 大賞受賞革ほか、
国内外で高く評価された皮革関連アイテムを出品。

さらに皮革および皮革産業について紹介する冊子など設置・配布しました。


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ファミリーでの来場が多く、参加型プログラムも提供。

こちらは動物皮革細工コーナーです。

水分を含むことで硬化する、革の可塑性を生かした
動物モチーフのクラフトグッズで手づくり体験(有料)を提案。

たくさんの子どもたちが楽しみました。


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このほか、革製しおりづくり無料体験も好評。

地場産業ということもあり、自然と興味をもち、
次世代を担う人材へと成長してくれますよう・・・期待したいですね。


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海外からのお客さまも楽しんでくださっているようです。


次世代への技術継承、産地ブランドの育成、インバウンド消費、
と、
全国的な課題に真摯に取り組み、国宝であり、
世界文化遺産としても知られる観光資源、姫路城という
絶好のロケーションで行う同イベント。

国際観光・コンベンション都市、もてなしの街・姫路の魅力とともに、
世界に誇る地場産業、
皮革産業の実力が多くのユーザーに認知されました。

来年度も楽しみですね。



■ 参考URL ■


 姫路市産業振興課
 <http://www.city.himeji.lg.jp/s60/2212506/_10016/_30384.html>


 ※ 写真は姫路市 産業振興課からご提供いただきました。
   ご協力ありがとうございました。



さて、当ブログは年内の更新は終了し、次回は2016年1月6日からとなります。

本年中はご愛読いただき、ありがとうございました。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。


カテゴリー: トレンド 国内革事情

 

前回に続き、第93回「東京レザーフェア」をご紹介します。


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TLFが提案する16-17A/Wの傾向をまとめ、素材を編集し、
<トレンドラボラトリー>で展示されました。


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テーマは「明日の光彩」、「穏やかな日々」、「感嘆符」。

それぞれのテーマから自然な色調の革らしい素材感、装飾性、アリニンの透明感、
アブストラクトなパターン、光沢感といったファクターが浮上しています。


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シンプルかつニュートラルなブラウンがフィーチャーされました。

ブラウンはオフブラックでありながら、
定番色に陥ることのないようにその彩度を充分に高めています。


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さらに、ブルー~グリーンの中性色、レッド~ピンクの暖色もキーに。

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バランス良く明暗の対比によって、豊かな表情と奥行きをつくりだします。


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各社ブースでも、レザーの本質を改めて訴求するような、
ブラウン系が多くみられました。こちらは富田興業のブースです。

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クリエイティブディレクター 藤田さん(写真左)もいち早く
ニュートラルなブラウンのアウターでコーディネート。

ファッションの潮流を自ら発信なさっています。



日本の靴づくりのポテンシャルを伝えるため、
<Nippon Value>が今回もブース出展。

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メードインジャパンの革靴業界でつくる団体が技術力をアピール。


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パイロットシューズは、墨田区のタンナーのクロコダイルを使用し試作。

鮮やかな色合い、素材感をシンプルなデザインで引き出して。

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熟練の職人の美意識が生かされ、履きやすくなるような工夫が盛り込まれています。



皮革だけでなく、ケア製品なども展示。

こちらは老舗メーカー、コロンブス社のブースです。

天然皮革(ツヤ革・起毛革)を使用した
スニーカーをクリーニングするシャンプーが好評でした。

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皮革を硬くせず、色落ちしにくい皮革用柔軟剤を配合した弱酸性タイプです。

防水・撥水スプレーもラインナップ。

スニーカーブームが定着するなか、使い捨てではなく、お手入れをして
長くキレイに使う提案をしています。


こちらのパンプス用インソールも注目ですね。

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ピッタリなはずの靴が、歩くと痛くなってしまう・・・

原因は、靴の内底と足裏形状の不一致。

このソールを装着することによって足と靴とを一体化。靴が足に吸いつくように。

歩行時の体重負荷に合わせて変化し足を支えます。

その結果、靴と足裏の不一致がアジャストされ
痛みが軽減されるそうですよ。


ビジネスパーソンはもちろん、就活がスタートする女子学生にもおすすめ。

慣れないパンプスをたくさん履き、

たくさん歩く時期を乗り切っていただき、この機会に

パンプスを好きになってほしいものですね。

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恒例となっている、ワークショップは今回も盛況でした。


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参加型のアプローチは他のブースでも。

一般社団法人 日本タンナーズ協会ではレザーのサンプルを展示。

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加工方法やなめしなどで分類された革を実際に触って、
その持ち味、魅力を知ることができます。

流通業界のかた、ユーザー、
学生が絶えず立ち寄り、かわるがわる体験していました。



また、各社の得意ワザを生かしてつくり上げた
渾身の一点を<トレンドラボラトリー>で展示する<極めのいち素材>では、
来場者による人気投票を実施。上位3点が発表されました。


極めのいち素材<http://tlf.jp/news/2445.php>


 フジトウ商事[撥水ヌバック]

 松岡商店[HORSE NUME NATURAL]

 墨田革漉工業<東京製革業産地進行協議会>[PAX ステップ13 KCO]


本来の持ち味を生かした革、
機能性を付加した革、
繊細かつ先進的な加工技術を生かした革...と、それぞれ、
しっかりとトレンドの傾向が反映されていますね。


マーケットが求めるニーズに読み、
新たなチャレンジに取り組み続けるジャパンレザーの進化が止まりません。



次回「東京レザーフェア」の会期は、
2016年6月16日(木)~17日(金)に決定。どうぞ、お楽しみに。



■ 参考URL ■

 東京レザーフェア <http://tlf.jp/>


カテゴリー: 国内革事情

日本最大級の革のトレードショー
第93回「東京レザーフェア」が12月3日(木)から2日間、
東京・浅草 都立産業貿易センター台東館で開催。

50社が出展し、約6,000人が来場しました。

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注目を集めたのは、「レザーファッションショー&トークショー」。

人気クリエイター 山縣良和さん・坂部三樹郎さんがプロデュースするプロジェクト、
東京ニューエイジとのコラボレーションによるものです。


革の素材としての可能性を追求することを目的とし、
<日本の革>と<クリエーション>の出会いがもたらす
新しい可能性の発見を求め、若手デザイナー育成プロジェクトである
東京ニューエイジとのコラボレーション企画が決定。

前回、第92回「東京レザーフェア」から進行し、
その集大成として、レザーファッションショーが行われました。


「メルセデスベンツ・ファッションウィーク・東京」にも参加している、
話題の若手デザイナー育成プロジェクト
東京ニューエイジからデザイナー 村上亮太さん・村上千明さんと、
横澤琴葉さんが参画。

レザーを贅沢に使用したオリジナル作品を披露しました。


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こちらは村上亮太さん・村上千明さんのコレクション。


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既成概念にとらわれない、ジェンダーレス感覚のボトムスが新鮮!


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続いて、横澤さんのコレクション。


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柔らかに、軽やかに。レザーの持ち味を引き出して。


このコラボレーションを通じ、両デザイナーは
「当初レザーは重厚感がありシック、ハードなイメージがありましたが、
 実際には素材としてのよさをしっかり持ちつつも、
 しなやかで多様性があることに驚きと可能性を感じました」とコメント。

レザー素材が有する、多様な印象をフレッシュな感性で具現化しました。


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トークショーには、山縣良和さん・坂部三樹郎さんに加え、
特別ゲストとしてファッションジャーナリスト 宮田理江さん、
繊研新聞記者 
青木規子さんが登壇。

ほかにも、ベストレザー二スト2015のホラン千秋さんの
トークショーをはじめ、
参加型のプログラムが充実しました。


「今後、5年はレザーのブランディングを強化する。
 ソフトで繊細な日本のなめし技術は世界的に評価が高い。
 日本のレザーを世界にアピールしていきたい」と、
富田常一・協同組合資材連副理事長(「WWDジャパン」12月7日更新分より)。

今後は世界最大の皮革国際展「リネアペッレ」出展の計画もあるそうです。



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クリエイターとの取り組みとしてはこちらもおなじみ。

実力派のつくり手を多数輩出している
東京・台東区のインキュベーション施設 浅草ものづくり工房がブース出展。


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この冬、新た入居者が決定。お披露目の場となりました。


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海外アーティストのスタイリングや舞台衣装なども手がける
高見澤篤さん(six-clothing)が入居。

レザーウェア、バッグ、小物とトータルで表現。

独創的なデザインワークが国内外で高く評価されています。


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シューズとバッグのOEM企画・生産に加え、
オリジナルブランドを展開するBRONZE MASTER。

デザイナー 菊田悠さんは文化服装学院 シューズデザイン科卒業後、
メーカーや企画会社を経て独立。

若手クリエイター、新進ブランドからは
小ロットによるシューズのオファーが相次ぎ、
国内の靴づくりを次世代へつなぐ、役割を担っています。



皮革産業は、新たな時代に向け、革新のとき。

次世代のクリエイターたちの活躍をきっかけとし、
ジャパンレザーのさらなる進化に期待が寄せられます。


レポートは次回に続きます。



■ 参考URL ■

 東京レザーフェア <http://tlf.jp/>


※ ファッションショー、トークショーの写真は、
  <東京レザーフェア PR事務局>にご協力いただきました。


カテゴリー: トレンド 国内革事情

 

前回に続き、繊維総合見本市
「JFW JAPAN CREATION(ジャパン・クリエーション) 2016」の
ロビーギャラリーに新設された
レザークリエーションのようすをご紹介します。



2年ぶりに復活したファッションショーのほか、
東京ピッグスキンブースでは、早くも
2016-17 AWシーズンに向けたトレンドが発表されました。


メードイントーキョーの
ピッグスキンならでは、といえる特長、
<精緻な製革技術>、<高度な表面加工技術>を
生かし、<革の普遍性を目指した>新作がローンチ。


その傾向は、

シンプル : 革のベーシックな要素を際立てる
精緻な素材開発技術 : 加工度を極める
新しい機能 : 機能性で目指す普遍性
新しいカテゴリー : スポーティ素材の開発


そして、3つのテーマに分け展示されました。


テーマ 1 : CONCISE

革の風合いをシンプルに生かし、
革のもつ普遍性を探求、ピッグスキンらしさの強調、
ブラウンの表現力をフィーチャー。

カラーは色彩感を高めたブラウン~オレンジや
シンプルなオフブラックに注目。

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テーマ 2 : WEVING

立体感で素材感をクリエーション。

独自の加工技術による凹凸感、3D効果をさらに高めて。

トリコロール、オフホワイト&ニュートラル、
オフブラックなどのカラーが中心。

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テーマ 3 : GLYPH

視覚効果で革に新しい表情をプラスしています。

ブラック&ホワイト、
スポーティなライトカラーが中心。

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こちらはデジタルスネーク。

カモフラージュ柄をスネーク調にアレンジ。

モノトーンでシックに仕上げて。

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ほかにも、新たな可能性を拡げるピッグスキンの
多様性に目を奪われました。



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東京都・東京皮革製品展示会実行委員会が主催する
「TOKYO LEATHER & GOODS EXHIBITION」
ブースでは、最新の製品を紹介。


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靴内環境歩行改善協同組合、全日本爬虫類皮革産業協同組合、
東京毛皮商工業協同組合、東京服装ベルト工業協同組合、
東京洋装雑貨工業協同組合、東都製靴工業協同組合、
日本ソフトレザー事業協同組合、
東日本鞄工業組合、東日本ハンドバッグ工業組合
以上の9団体(50音順)が参加しました。


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「東京の職人たちの、革へのこよなき愛着と探求が、
 常にあらたなクリエーションへと導きます。

 革だけがもつ豊かな表情、
 使い込むほどに持ち主の個性を表現するやさしい素材感、
 日本の斬新できめこまかいデザイン感性、
 職人の丹念な縫製・加工・装飾・仕上げ技術・・・

 すべてが<東京レザープロダクツ>の魅力です。

 伝統の力に加えて、たゆみなく進化を続けることで生まれた
 高い付加価値により、国際的な見地からも高い評価を受けている
 <東京皮革産業>の<現在>をシンボライズする
 多彩な旬の製品を提案します」と、
東京皮革製品展示会実行委員会 委員長 金澤守利さん。


東京発オリジナルレザー製品の進化、加速していますね。



兵庫県皮革産業協同組合連合会が、
恒例のブース出展。


兵庫のタンナー=レザーコンセルジェ(R)が
<環境にやさしい
兵庫の天然皮革(TM)>をコンセプトに展示しました。

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「ニューレザーコンテスト」入賞作品、製品を一堂に紹介。

経済産業省製造産業局長賞、
JES日本エコレザー賞を受賞作は坂本商店によるもの。

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「2014香港APLFアワードMM&T展(素材展)」にて日本人初の
ベストニューレザー部門グランプリも受賞。

日本製革製品のコンペティションとして最大規模を誇る
「Japan Leather Award 2015」グランプリ作品への
素材提供など国内外で高く評価されています。


このほか、ブランドとのコラボレートによる
製品開発など意欲作も続々。

エネルギッシュなパワーにあふれていました。



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クローム、ヌメ、トコなど、多様なレザーを生産する
和歌山県製革事業協同組合。


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トレンドとして注目されるプリントほか、
それぞれの事業者の自信作が個性を競いました。



ものづくりの歴史、伝統を受け継ぎながらも、
さらなる飛躍を求めたチャレンジがそれぞれの産地で結実。

ジャパンレザーのクオリティが一段と高まっています。

国際的な競争力を有するマテリアルとして、今後の展開にご期待ください!



■ 参考URL ■


JFW JAPAN CREATION 2016

< http://www.japancreation.com/ >


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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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