欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2016年2月17日 の記事

カテゴリー: 国内革事情


前回に続き、
「第81回東京インターナショナル・ギフト・ショー春2016」の
レポートをお届けします。




合同展示会「manicolle tokyo(マニコレ トウキョウ)」がジョイント。

若手クリエイター、新進ブランドが出展しています。


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<HIRAMEKI.(ヒラメキ)>では<シャーク>シリーズが好評です。

財布や小物をリリースしています。


古くは日本刀のつばや鞘、鎧の装飾に使われていたサメ革は、
筋繊維が密集していて、しなやかで丈夫。

細かい帯縄状のシボが特長。

海の生物だけに耐水性にも優れています。


歴史ある革にふさわしく、
カラーバリエーションは<浅葱>をはじめ、日本の伝統色で展開。

なつかしく新しいプロダクトに仕上げました。


サメ革のなかでも最高品質と称される<ヨシキリザメ>を使用。

食用ヨシキリザメの漁獲量日本一、宮城県気仙沼市産です。

被災地の雇用創出にもつながる取り組みですね。




職人を育成し、ネットとイベントで販売を手がける
<PRIMAVERA(プリマベーラ)>が出品。


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"口金をこよなく愛す"<sachi(サチ)>では、手帳カバーが人気。

大阪の口金メーカーの協力のもと、
つくられた同ブランドのアイコン的なアイテムです。

2010年に試作を開始。発売後も改良を重ね、2012年からはECで販売。

ロングヒットを続けています。


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その育成部門、LeatherWorksCollaborations(レザーワークスコラボレーションズ)は

2011年設立。小物塾もスタート。

一年4名限定とし、型紙~裁断、組立まで
現役の量産(請負)小物職人がていねいに指導しています。

鞄メーカーの若手をはじめ、すでにオーダーなどの仕事に携わるかたも受講。

毎年定員オーバーしてしまうそう。


「バッグの量産職人の主力は70歳代となり、高齢化が止まりません。
 慢性的な若手職人不足により、国内生産の行く末を憂慮しています。
 学校ではなく、職人として訓練ができるような環境を整えていく
 必要性を痛感し小物塾を立ち上げました」と、代表の橋本 みずえさん。

現役職人の技術をもっと多くのかたに知ってほしいと
自社ECのほか、百貨店での販売など意欲的に活動。

熱い想いと確かなクオリティ―に支持が広がっています。




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<アクティブクリエイターズ>ゾーンからは、<紗蔵(さくら)>をご紹介。


著名なプロダクトデザイナーと熟練職人とのコラボレーションにより、
これまでになかったアイテムを発表しています。

イースト東京・墨田区にゆかりのある葛飾北斎の作品をモチーフに
レザーにプリントし、東京のおみやげとして開発。

ロングセラーとなり、定番シリーズへと成長しました。


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新ライン<TOKYO-GAMA(トーキョーガマ)>を始動。

ブラックでクールにまとめたメンズラインが目をひきます。

男性用のがまぐち、新鮮です!

有力セレクトショップのバイヤーから引き合いがあったそうです。


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そのほか、グラフィカルなプリントを施したレザーでカラフル小物をラインナップ。


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なかでも注目したいのはフェイスマスク。

近年、盛り上がるハロウィンの新提案となりそう。

2015年のハロウィンの市場規模は1,220億円とも推定され、
同年のバレンタイン市場(約1,080億円)を上回ったことが話題になりました。

コスプレやメイクが中心で
バッグ、靴などへの波及効果は軽微でしたが、
ファッションとは異なるこうした切り口で
ジャパンレザーの魅力を訴求したいものです。




小物・雑貨の売り上げが伸び、存在感を高めるなか、
ユーザーの関心はトレンドから
付加価値、ソーシャル性へと変わっているよう。

そんなニーズを反映した
ジャパンレザーがますます増えていきそうですね。




■ 参考URL ■

 「東京インターナショナル・ギフト・ショー」
 <http://www.giftshow.co.jp/tigs/81tigsinvitation/index.htm>


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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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