欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2017年3月22日 の記事

カテゴリー: トレンド

上質でクリエイティビティあふれるファッション・雑貨・ライフスタイルの合同展示会「プラグイン」(主催:繊研新聞社)が3月15日(水)から3日間、東京・渋谷 渋谷ヒカリエにて行われました。


上質なウェアとファッショングッズ、ライフスタイルブランドなど147社が出展。エントランス付近では<stopover tokyo(ストップオーバー・トウキョウ)>がフードエリアをコーディネート。「カフェがコーディネートするブース」という切り口で、高感度なインポートフードブランドを集積。フードカルチャーがファッションを感じさせる時代にマッチした空間演出で盛り上げました。そんな最新トピックを発信する会場から日本製革製品を中心にピックアップしてご紹介します。


旅をコンセプトにしたハイカジュアルバッグブランド<TRAVER(トレヴァー)>がデビュー。

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豊岡をはじめ、すべての工程を国内で行うことにより、高い品質を実現。「旅の出会いは人生に新しい価値をもたらして より上質で豊かな人生へと導いていく」、「日本の職人たちによって丁寧につくられたバッグに尽きることのない美しさと堅牢さを追求する」という理念が込められています。

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今季注目の小さめボディバッグもいち早く発表。外ポケットのファスナーが描くカーブが特徴的。シンプルななかにも、ほどよい個性があり、バランスがいいですね。


実力派クリエイターが手がける<NAOTO SATOH(ナオトサトウ)>では、ブランドアイコンとなっているネオプレンレザーのバリエーションを拡充。

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ウエットスーツなどに用いられるネオプレンとレザーをドッキング。裏地と縫い代のない縫製技術を応用し、軽量感、立体感が生かされたバッグをリリースしています。

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新作としてはサークルフォルム、蕾が開くようなフラワーモチーフのタイプ、メタリックレザーが登場。スポーティなシンプルシックなテイストに華やぎと煌めきが加わることでパーティや旅行など、活用シーンが広がりました。


「足にやさしい」「身体にやさしい」「心にやさしい」をコンセプトに展開する<DOUBLETREE(ダブルツリー)>。<暮らし系女子>をターゲットに新マーケットを開拓し、話題の雑誌「リンネル」に掲載され、同誌ECサイトでも人気を集めています。

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脚をきれいに見せる深めのカッティング、 履く足に馴染むソフトな上質レザー、 疲れを軽減してくれる低反発インソール 、クッションの効いた最高品質のアウトソールなどにより、美しく快適な履き心地のフットウエアを提案しています。

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防水レザーを用いた新作も好評です。


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シューズのほかにも、財布などの革小物もラインナップ。フクロウの型押しがかわいい。フクロウは<不苦労>という文字が当てられることもあり、ラッキーなモチーフとしても人気。縁起ものとしての要素が強い財布にはぴったりですね。


イースト東京・北千住を拠点とする靴メーカー パイオニアのオリジナルブランド<Pionero(ピオネロ)>は、確かな技術とアート感覚のクリエイティビティが織りなすシューズを発表。

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ハンドペイントによるオリジナルレザー、ナチュラルテイストのコレクションに人気が集まっています。レディスに加え、メンズも出品。ムラ感が味わい深いですね。

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日本橋三越本店のポップアップイベントではペイントシューズを限定販売。ユーザー自身がカラーペインティングにトライするカスタムメイドが好評でした(写真:<Pionero factory>フェイスブックページより)。


靴の街、神戸・長田を拠点とするメーカーによるファクトリーブランドとして2015AWより始動した<flower's by siete(フラワーズ バイ シエテ)>。辛口テイストを好む大人の女性に向け、リアルシューズを展開しています。

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木型の開発からパターン、デザイン、素材・パーツのセレクト・・・それらを集結させ、ファクトリーの丁寧なものづくりを表現。すべてのプロセスをスタッフでつくる、つくり手発信型のブランドです。ポインテッドトゥのフラットシューズをはじめ、脱シンプル時代に相応しいデザインコンシャスなシューズを提示。ビビッドなカラーやメタリックレザーなど色合いにもパンチがあり、ユーザーが選びやすく、着こなしに取り入れやすいコレクションでした。


レザー関連ではないのですが、とても興味深く、ご紹介したいのが<three for free(スリーフォーフリー)>。天然素材のコスメとともにバッグ、トラベルケース、ポーチ、ケース、ミラー、チャームなどのスモールアイテムを展開しています。

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テーマは、トラベル、ワーク、アウトドア・・・「3つのキャリー(持ち運び)」。多様なシーンで、コスメと持ち運ぶことができるアイテムを開発。「3(three)」をキーに、三角形をモチーフにした統一感のあるデザインがスタイリッシュ。コスメとバッグ、ファッション雑貨の一体的な提案がいまの時代をとらえていて、キャッチ―ですね。ポップアップイベントなど、次々とオファーがあるそうです。


近年、ライフスタイル系ショップだけでなく、百貨店でも、商品カテゴリーの垣根を超えた売り場、フロアが増えてきました。バッグ、革小物とコスメは、流通チャネル、売り場も異なっていましたが、化粧品に用いられる成分、コラーゲン、石鹸に用いる精製油脂の製造などは皮革業界にも関連した事業でもあります。こうした取り組みにより、食肉の副産物としての皮革をユーザーのかたがたにより深く知っていただくきっかけになりそう。今後の推移に注目したいですね。


ライフスタイル、コーディネートに馴染みながら、そのひとの個性を引き出し、華やぎを添えるジャパンレザー。付加価値と存在感に高感度ユーザーの共感が寄せられ、日本製への信頼がさらに広がっていきますように。



■ 参考URL ■

 プラグイン
 <http://www.senken-ex.com/plugin/index.html>


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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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