欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2018年2月21日 の記事

カテゴリー: 国内革事情

展示イベント「モノコボクリエイター展」が東京・浅草<浅草文化観光センター>で開催されています。<浅草ものづくり工房>の入居者がそれぞれのブランドを作品とともにプレゼンテーション。

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台東区が運営するインキュベーション施設<浅草ものづくり工房>は靴、鞄、バッグ、ベルト、帽子、ジュエリー、アクセサリーなど、台東区の地場産業であるファッション雑貨を中心とした分野で起業した個人や法人をサポートすべく開設されました。

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今回出品したブランドをレザー関連からピックアップしてご紹介します。


アイコン的な存在、カワヌリエをはじめ、手描きレザーが好評の<ショイズクローゼット>。クリエイターの上川 美希さん自ら一枚一枚ていねいにペイント。

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アートのような作品性が高い仕上がりに。

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福祉作業所とのコラボレーションもスタート。ソーシャルな革小物づくりにトライしています。


<ソイム>は「素材、構造を考え、創造する」シューズブランド。

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無骨とは違う男性観、繊細とは違う女性観を感じさせる、シンプルかつ独自性の高いデザインが特徴。ジェンダーフリーなテイストが際立つ、都会で生まれ育つ靴に注目が集まります。


「自分らしさが生まれるもの」「人と物との関係を築く」をコンセプトにハンドメイドシューズを手がける<トロンコ>。

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「買ったときが一番良い状態ではなく、使用してその人らしさが出たときが一番良い状態になるものをお客さまとともにつくりたい」そんな想いが反映したコレクションに、デザイナーの立花 怜己さんのあたたかな人柄がそっと宿ります。シューズに加え、革小物もリリース。ファン層が拡大中です。


靴・バッグのOEMを中心に事業展開する<ブロンズマスター>。

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コンセプトは「靴の産地・浅草の特性を生かしたものづくり。ロックなテイストと日本風の繊細さを融合させたオリジナル商品を世界に」。デザインバリエーションも豊富で、業界関係者の信頼が寄せられています。


履き心地とアイデアを生かしてつくる、美しく歩く女性のための「ウォーキングビューティー」を目指す<マユ>。

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足の悩みを詳しくヒアリングしてつくるセミオーダーシューズ、スタイリッシュに歩くためのレディーメイド(既製品)シューズをラインナップしています。ユーザーのニーズを的確にキャッチし、買いやすいプライスも重視。百貨店での販売イベントも好調です。


<クスグルデザイン>は「革の可能性をカタチに」をコンセプトに、革の持つステータス性を保ちつつ、異素材との組み合わせや、異なる角度からアプローチ。皮革プロダクトの新しい一面をユーザーに発信しています。

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伝統工芸品から発想したシグネチャーライン<革切子®>シリーズをはじめ、異なるテイスト、ターゲットのブランドで構成。現在、斬新なアイディアを革製品で実現するプロジェクトの準備も着々と進行中。


先ごろ、卒業したばかりの<シックスクロージング>もゲスト出展。自身の代表的なコレクションを掲げ、「ジビエ革展」を同時開催中。

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<ジビエ革>とは、鹿、猪などの革を総称したもの。農林業への被害を防止すべく、45万もの野生動物が有害捕獲される現状に心を痛め、「捨てられるだけの命を有効活用したい」との想いが込められて。

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さらには熊の革製品化にチャレンジ。世界的にみても珍しい試みですね。クラウドファンディングでは目標を大きく上回る成果を上げました。革製品を通して社会問題を解決する、真摯なものづくりに多くの共感が寄せられています。


「今回は入居者だけでなく、卒業生も駆けつけ、とても濃い内容となりました。同期ということもあり、コミュニケーションがしっかりと構築され、それぞれの個性が生かされた表現へと昇華できたようです。展示に加え、参加者の一部が製作実演を披露することで会場の賑わいを創出。パフォーマンスの鍛錬の機会となるとともにクリエイションのアピール、ライブ感の演出につながりました」とディレクターの城 一生さん。

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次回の「東京レザーフェア」でもブース出展予定。今回のメンバーが登場するそうですよ。これまで<浅草ものづくり工房>では国内最大規模を誇るレザープロダクトコンペティション「Japan Leather Award(ジャパンレザーアワード)」のグランプリ、部門賞受賞者をはじめ、ファッション業界で活躍する人材を数多く輩出。城さんの親身な指導の賜物ですね。


先日まで募集が行われ、厳正な審査の末、選出されたクリエイターがこの春新たに入居します。施設公開時にお披露目される予定です。楽しみですね!

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また、城さんがディレクションする、3月15日「靴の記念日」メモリアルイベントが3月10日(土)~15日(木)、同じく、東京・浅草 浅草文化観光センターで行われます。日本国内の靴産業150年の歴史を彩った名靴の展示、靴文化を語り継ぐキーパーソンによるトークイベントなど盛りだくさん。若手シューズクリエイター10名の作品展、「十人十色 百靴百様――靴製作者十人展」<3月17日(土)~>、「シューズアーティスト・三澤則行の世界」<3月24日(土)~>と3部構成。こちらもどうぞお見逃しなく。


「モノコボクリエイター展」

 会期/2月16日(金)~21日(水) 11:00~18:00
 場所/東京都台東区雷門2-18-9  浅草文化観光センター 7F
 WEB /https://www.facebook.com/monokobo/

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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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