欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2018年3月 7日 の記事

カテゴリー: 国内革事情

イースト東京の注目エリア・蔵前で街回遊型の展示会「蔵前展 2018 春場所」が2月7日(水)から行われました。

コンセントさん 1802 外観.jpg

2017年2月を皮切りに、春と秋の年二回ペースで開催。「さらに多くのかたに楽しんでいただきたい」との想いが込められ、今回は会期が過去最長となる土・日・祝日を含む計6日間となりました。バイヤー、プレス関係者だけでなくユーザーも多数訪れ、盛り上がっています。

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プロダクトデザイン、雑貨トレンドを牽引する<KONCENT>をはじめ、<SyuRo> 、<MAITO>、<カキモリ>、<CAMERA>、<tutaee>、<ALLOY>、<TISTOU>、<m+>の全9社が参加し、各店で新作の発表、一部先行発売を行い、街全体の魅力を紹介。スタンプラリーもあり、蔵前展マップをスタンプ台紙とし、8店舗巡るかたも多くいらっしゃいました。革製品では、注目のプロジェクトが続々登場。

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浅草の地場企業とデザイナーがコラボレーションし、革のデザインプロダクトを生み出すプロジェクト<トーキョーエル>。東京・浅草エリア周辺で行う ものづくりフェス「エーラウンド」のスピンオフ企画として始動しました。アッシュコンセプトをディレクターに迎え、試作を重ね、製品化。ジャパンレザーの新しい可能性を切り拓いています。

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新作とともに歴代のアーカイブも登場。バッグのハンドルにつける新アイテムは手や肩への負担を軽減します。

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ピッグスキンでつくられた豚のぬいぐるみはドアストッパーとして使用可能。トリュフを探す豚をあしらったレザーのアロマデュフューザーも素敵ですね。

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このほか、名刺交換の際、カードケースの上にいただいた名刺を置く、そんな光景をエンタテイメント化するアイテムも。正円でお盆のようなカードケースなので丁寧に扱えますし、会話が弾むきっかけになりそう。そんな日常生活のある一瞬、ある場面が楽しく、便利になるようなアイディアを具現化。暮らしを彩り、笑顔が増えるようなデザインが秀逸です。

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<hmny>は「本当に欲しいものを形にしたい」「飾りではなく、本質を求める方にこそ触れてほしい」という思いのもと職人とデザイナーがお互いの技術とアイデアを集わせ誕生。適切な素材検討・裁断・縫製と非常に高い技術が求められる東かがわの革手袋製造によって培われた職人たちの丁寧な仕事、高い縫製技術が生かされ、繊細かつ強度のある革製品が実現しました。

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手ぶらニーズを的確にとらえたミニバッグが人気。文庫本、大型のスマートフォンやコンパクト財布などをスタイリッシュに収納できるなど、キャッシュレス決済が急速に普及し、手荷物の量が少ない現代のライフスタイルをより快適に過ごす提案が詰まっています。キレイ色もラインナップされ、女性からも好評です。


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"数"を意味するイタリア語のワードをブランド名に冠した<numeri(ヌメリ)>。ラッキーアイテムのナンバー、お気に入りのナンバー、毎日に欠かせないナンバー として存在できたら、という気持ちを反映しているそうです。姫路、たつのなどの産地でつくられた国産の天然皮革を使用したバッグ、革小物は確かな技術と洗練されたテイストが融合。

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縦長、横長など、見慣れた比率を少しだけくずした絶妙なバランスがシンプルなアイテムを新鮮にしています。会場となった直営ショップでは、昨年、皮革産地、たつのの若手有志によるイベントも行われ、好評。産地とユーザーをつなぐ役割も注目したいですね。


東京・隅田川両岸のクリエイターと鞄職人とのコラボレーションでつくられる<ガリアルド>シリーズ。建築家出身という異色の経歴をもつ村上雄一郎さんによるブランド<m+(エムピウ)>が<HIS-FACTORY(ヒズファクトリー)>の中野克彦さんにオファー。「妥協せずにきちんとつくる」をコンセプトに展開しています。

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ひとつひとつのプロセスを緻密に積み重ね、仕上げられる珠玉の逸品は、つくり手が理想とする完成形。昨今は売り手が売りやすい、つかい手が買いやすい価格設定からスタートしていまいがちですが、本来あるべきスタイルによるものづくりは、価格以上の価値、クオリティを有し、大人世代の支持を獲得。<藤巻百貨店>などの有力ショップでも取り扱われ、人気を集めています。

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皮革産地として知られる埼玉・草加の職人集団とクリエイティブチームが連携して つくっていく、新しいプロダクトブランドプロジェクト<HIKER>。「モノとヒトとの関係をよみときながら、生活のなかに深く根づき、世代をまたいで使い続けられるようなプロダクト」を目指しているそうです。「インドア・アウトドアの『空間』を越えて、また、過去から未来という『時間』を超えて、ヒトとともにずっと歩んでいく」、そんなテーマが込められて。現在、盛り上がりを見せるムーブメント、グランピングにもぴったり。(写真:<HIKER>フェイスブックページより)


会期は「東京ギフトショー」と同じ日程に設定。地方からバイヤーが上京しているタイミングであるのも抜群ですね。話題のエリアとして注目される蔵前で、皮革産地とクリエイターとのコラボレーションが同時多発的に発表したことでジャパンレザーの効果的なアピールができたようです。継続的に行われることで、さらなる認知につながると思われます。次回以降の開催に期待したいですね!


 「蔵前展 2018 春場所」

 <https://www.facebook.com/events/2001490070176753/>


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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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