欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2018年8月 の記事

カテゴリー: 村木るいさんの「人に話したくなる革の話」

すっかりお馴染みとなった恒例企画、村木るいさんの「人に話したくなる革の話」第5弾は、「箔押し」にフォーカス。皆さんがお使いになっている革製品の革に押されたブランドロゴ。それらを手がけるスペシャリストの仕事を徹底解説してくれます。

通常、皮革産業のさまざまなトピック、イベントのレポートなどをお届けしておりますが、この春から人気イベント「本日は革日和♪」を主宰する村木るいさんが加わりました。

イベント、セミナーなど精力的に活動する村木さん。皮革に関する確かな見識を有し、幅広い情報発信に支持が寄せられています。

当ブログでは、レザーに関心をもちはじめた若い世代のかたや女性ユーザーにもわかりやすくお伝えすべく、ていねいな解説とともに西日本の皮革産業の現状をご紹介。

次回の「本日は革日和♪」は9月29日~30日に開催予定です。下記のリンク先をチェックしてください。


*  *  *



毎度です、1か月に1回のお約束。


大阪の地から自由に書かせてもらっている革のブログ記事。


ここしばらくは「革業界を支えてくれているけど、あまり表に出てきていない職業の面白さ」を知ってもらいたく、書き散らかしています。そろそろ「もっとメーカーさんとか革の職人さんとかタンナーの紹介してよ! 」とツッコミが入りそうで怖いですね。


今回は「人生108回あるならば4回くらいはやってみたいな」と思っている職種、「箔押し屋」の紹介です。

これがまた奥が深く面白い仕事なのですが、箔押し屋も数が少なくなかなか表に出てきません。

最近ではヤフオクなどで安価な5万円くらいの箔押し機も出ていますが、道具を買ったら箔押しを極められるというものでもないです。

今回は箔押しがどんな仕組みで行われているか。この仕事はどう奥が深いかを解説してみましょう。

箔押しの箔ってどんなもの?

金や銀などの箔押しは金色や銀色の箔押しのフィルムがまず必要となります。
こちらを箔押し機にセットして温度・押す時間・押す力を設定したらあとはスイッチポンです。
わぁ、なんて簡単なんでしょう!

はい、もちろん大嘘ですヽ(・ω・)/
箔押しという仕事は、素材や表面処理、入れたい文字や絵柄の細かさ、使う版、使う箔の種類を見極め、手持ちの技術、設備を随時選択するという、非常に細やかな神経と技術を要求される仕事です。


箔押しの原理から

箔は銀色の箔フィルムが基本となります。この表面に黄色や茶色などのフィルムを貼れば金箔や黄銅箔などができ上がります。
で、裏面に接着剤が張り付いており、版に熱を与えて押し付けることで接着剤が溶ける。革の表面に付着する、という原理です。

言葉だけで説明したら簡単なものです。

選択肢が莫大な箔押し、という仕事


まず機械

手で押すような簡易的なものもあります。簡易といっても軽く10万弱はします。

箔押し屋さんはこのような機械は使わず、エアーの力で圧を与えるような機械を使います。重さにして300kgくらいかな?
こちらは購入すると数百万クラス。
エアー以外にも機械式の箔押し機や合皮用の箔押し機など、種類があります。

作業中に油断すると指を潰しますが、以前紹介した裁断屋さんに比べるとまだ安全な仕事です。

「じゃぁ、この機械買えば箔押し全部できるんだろ?」というほど甘くありません。


箔を買うときも選択肢が多い

前述のようにまず箔を選択します。箔はものすごく色々な種類があります。そりゃもう目移りするほど。ただ、1本が数万円します。幅が30cmほどあります。

購入時に指定すると「10cm、3cm幅に輪切りにしておいて。残りはそのまま」など幅切りして納品してくれます。

「幅30cmもいらないんだけど、、、、つぅか、こんなにあっても使い切れないんじゃないの、箔押しでは?」と思って相談したところ「この箔は本来はポテトチップスの袋の裏面などに大量に使われるんですよ。ほかは化粧品の箱とか」との回答。

なるほど!!それら容器業界が大量に使ってなんぼの素材なのか!と目から鱗が出たものです。箔押し業界のほうが使用量は格段に少ないわけですね。

購入時にはさらに裏面につける接着剤も選択します。合皮と革では接着の種類が異なるわけです。


箔を購入するだけでも、

1 色
2 幅
3 接着剤

と選択肢がこれだけあります。


版の種類、絵柄や文字の種類

文字や絵柄が書かれた版。これも値段に落差があります。
手持ちの版をお見せしますが、ちょっと見られたら困る部分もあるので拡大したものをお見せしましょう。

箔押しに使える金属版としては私が使っているのはこの3種があります。
右に行くほど高額になります。

横から見るとわかりますように安いほうが高さがありません。

重要なのは文字部分の高さです。せいぜい1mm程度しか変わらないのですが、これがものすごく変わります!
文字の高さが低いものは、強く押すと簡単に面部分が革に設置してしまいます。
文字や絵柄をがっつりと深く押すことができないわけです。

さらに写真をよく見ると亜鉛・マグネ版は文字部分が山形になっています。
これは版の制作工程で必ず生じるものです。
大きな文字や図の場合は大きな問題にならないのですが、小さな文字になるとこの山がお互いに干渉し、悪さをします。
深くガッツリと文字を入れづらくなるわけですね。

上のJLIAという版を亜鉛版で作り、横幅を2cmほどにしてしまうと、「J」と「L」の間は山が干渉してしまい文字が浅く押されてしまいます。

それに対して真鍮の版は横から見ればわかりますように垂直にストンとした崖状態。さらに他の版に比べると高さもあります。
結果的にガッツリと文字を入れることが可能となっています。お互いに干渉する山もないため小さな文字の箔押しもきれいに入ります。
その分お値段高めですね。

(これらの版は私が取引している箔押し屋さんや版屋さんで取り扱っている品です。そのため真鍮版だから日本全国これと同じです、とは到底約束できません。また、どこで頼めるのか、などのご質問は尋ねられても答えられません。)

箔押し屋さんは入れる文字や図柄の大きさ、細かさを見て「これは高い版を作らないとできませんよ」「これくらいならばちょっと安い版でも大丈夫」と判断するわけです。

もっと細かく説明すると、白や原色系の箔は入れづらいとか、細いものはそれだけ欠けやすくなるが版にお金かけたらなんとかなる、など入れる文字・図柄の模様でも左右されます

まとめると、箔押し屋さんは「この版で押してください」「こういう文字を押してください」と言われた際に次の選択をしています。

1 どれだけ細かいのか。面が多いのか。
2 使う版はどの種類か

選択はまだまだ続きます。


革の種類

押す革を受け取った際に、箔押し屋さんは次の選択肢を瞬時に行います

1 革の表面はどんなものか?

 (起毛しているか、表面に張りがあるか、エナメルなのか? などなど)


2 革のどの部位を使っているのか?

 (腹部分は繊維がゆるいのできれいに入らない。背中は繊維が密。などなど)


例えばブランドロゴを入れたいならば、繊維が密な背中部分なりを使ったほうがきれいに箔押しが可能です。お腹部分は繊維がゆるいため、きれいにできません。

上の説明ではちょっとイメージしづらいですね。


それでは「背中部分は繊維がぎっちりと詰まっている紙、お腹部分はスポンジ」だとイメージしてください。
どちらの方がハンコがきれいに入るか、という想像をしたらイメージしやすいかと思います。


技術

ここに来るまで色々と選択をしましたね。
でもまだ、機械に設置してポン! には至りません。

機械に版を設置して、箔押し屋さんは次の選択を考えます

1 版の温度
2 押す圧力
3 押す時間

クローム革などは、版の温度は低すぎると押しても文字を押し返してきます。でも、高すぎると革を痛めます。革の表面の状態によっても温度は変えなければいけません。

タンニン革の背中部分などは繊維が密集していますので弱い力だときれいに入りません。押す圧力はどれくらい強くするかを考えます。
温度が低くても押す時間を長くすることできれいに入ることもあります。でも長すぎるとやはり革を痛めます。

温度・圧力・時間。この3つはそれぞれが密接に結びついています。革と版の種類、文字や図柄の細かさでこれらは変わります。
箔押し屋は長年の経験と手先の感触、目で見る視覚情報でこれらを見極めます。

これが箔押し屋の"技術"なわけですね。

これらの設定を終えてはじめて「あとはスイッチポン」で箔を押すことができます。

もちろん押しながらも「きちんと箔は入っているかな?」「ずれていないかな?」などを常時チェックしていきます。

箔押しもやはり奥が深い仕事なわけです。


大前提として、永遠に残る箔押しというのは存在しない

箔押しは「金や銀色の箔を革の表面に貼り付けている」ということです。
そのため曲げると箔が割れてしまったり、ヒビが入り、剥がれる原因となります。
箔の裏面には接着剤がついており、熱で溶着されますが、これだっていつかは必ず剥がれます。


それでも箔を押すのは何故か?
そりゃもう、押したほうがかっこいいからです!


下の写真は同じ銀箔ですが、ツヤありとツヤなしです。
これを購入すると銀ツヤあり1本で数万、銀ツヤなし1本でさらにもう数万かかってしまいます。
この箔押し屋さんはさまざまな色の箔を持っているので、一財産ですね。

箔押し屋はどこにいる?

体感ですが、今でもそれなりの数が存在します。
ただ、「紙専門」などのところが多く、革に箔を押せる箔押し屋は数が少ないですね。
前述しているように革は部位の違い、なめしの違いが存在するため安定性に欠けます。
そのため革に箔押ししてくれる箔押し屋さんはなかなかレア職種です。


いくら位でやってくれるものなの?

過去に紹介した加工屋さんもそうですが、彼らの加工賃は1回数10円の世界です。
「じゃぁ、3か所やってもらったら200円払ったら良い?」
これをやると加工屋さんは二度と仕事をしてくれません。

彼らの工賃は安いからこそ、最低限100個は持っていくのが礼儀です。
また、1回こっきりの仕事ではなく、数か月後、1年後でもいいから同じ仕事を再度投げかけたり、毎月きちんと仕事を持っていくのがお約束です。

10個、20個くらいの数で加工屋さんにお願いしなければいけない場合はお金を積みます。
「じゃぁ3か所やったら200円のところ、3倍の600円払えばいいんか?」
これも駄目です。
最低でも1時間の時給として2000円以上はほしいです。

「えっ! 3か所押すだけで2000円もかかるの!?」
その3か所押すために箔押し屋さんは機械のセッティングに30分かかることもありえるわけです。

箔押し屋は仕事はものすごく地味。でもできたものはかっこいい!

箔押し屋は地道な仕事です。
相手の革の状態や版の種類、図柄や字の大きさなど考える要素が多くあります。その作業の殆どはすごく地味なものです。

ですが、ブランド名が刻印されたものはかっこよく、この技法は応用性が高く表現力も多彩です。

下の写真は見る人が見たら一発でわかるロゴですが、金銀、艶あり・ツヤなし、黄銅箔、黒光箔、透明箔などさまざまに押したものです。
ほら、すごくかっこいい!

革業界にとってなくてはならない職種のひとつ、箔押し屋の紹介でした。


最後にお約束

今回のような加工屋さんはどこにあるのか。版はどこで頼めばよいのか、などをJLIAに問い合わせられても対応できませんので、ご了承ください。



関連ブログ:

村木るいさんの「人に話したくなる革の話」 革を薄くする仕事「漉き割り」の世界

村木るいさんの「人に話したくなる革の話」 革を裁断する仕事「裁断師」の世界

村木るいさんの「人に話したくなる革の話」皮から革へ。世界の鞣しを大阪で学ぶ

村木るいさんの「人に話したくなる革の話」姫路&たつので皮革がつくられる理由


過去の関連ブログ:


カテゴリー: 国内革事情

夏休みも後半戦。各地で行われるジャパンレザー関連企画をまとめました。ワークショップ、参加型プログラムで素敵な想い出をつくってください。お子さんの自由研究にもおすすめです。また、一部9月の情報も加えました。ぜひ、参考になさってください。


<松坂屋上野店>「パンプスメソッド研究所i/288 ポップアップイベント」8月22日から開催
<パンプスメソッド研究所i/288>2018年秋冬シーズン ポップアップイベントが始動。大丸札幌店開催に続く第2弾として、東京・上野 松坂屋上野店で8月22日(水)からスタートします。
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ベージュコレクションが人気。ヌーディな足もとは、脚長効果が期待できそう。このほか、スケジュールのお知らせが公式サイトで公開されています。最寄りの会場をチェックしてみてください。

 パンプスメソッド研究所i/288 


「素材博覧会 -YOKOHAMA 2018-」8月24日から開催
ハンドメイド素材の未知なる魅力と出会うイベント「素材博覧会 -YOKOHAMA 2018-」が、神奈川・横浜 横浜港大さん橋ホールで8月24日(金)から開催されます。糸・布・革・ガラス・石・樹脂・メタル・陶・木・紙など、めずらしい素材やツールのブースが多数登場。
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大阪の人気イベント「本日は革日和♪」が出張し、ブース出展。素材、道具などの展示販売のほか、セミナー&ワークショップもお見逃しなく。

 素材博覧会 -YOKOHAMA 2018-
 <http://sozai-expo.com/yokohama18sm/ws_lec.html>


東京・入谷「ワークショップのはじめ方講座」8月24日開催
東京・入谷 シェアアトリエ<reboot>で、「ワークショップのはじめ方講座」が8月24日(金)に開催されます。
「手作り市の出展でワークショップを取り入れたい」「ワークショップができるようになって他の作家と差別化したい」「手づくりワークショップの企画・運営をお仕事にしたい」・・・初めてワークショップを企画・運営する手づくり作家やクリエイターを対象に、累計2,000人以上にワークショップをしてきたプロの講師が、仕事として通用する運営ノウハウをレクチャー。

「ワークショップをビジネスで活用する方法を学べます。手作り市から次の段階に進みたい、ワークショップでお客様を集めたいクリエイターにおすすめです」と台東デザイナーズビレッジ 鈴木村長も太鼓判。
秋からのイベント&マルシェシーズンに向けて、新しいジャンルにトライしたいかたにおすすめです。


<kissora>大阪くずはモール店「夏休みレザークラフトワークショップ」8月25日開催
人気ブランド<kissora(キソラ)>が、「夏休み子ども向けDIYワークショップ」を全国各店舗で実施し、その締めくくりとして、大阪くずはモール店で8月25日(土)に行います。
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「夏休み期間中のイベントとして、子供向けのレザークラフトワークショップを開催します。つくるものはランドセルに取りつけられるレザーネームタグ。お子様でも安全にかんたんにオリジナルをおつくりいただけます。開催日時は店舗によって異なりますので、詳細、ご予約は各店舗までお問い合わせください。楽しい夏休みの想い出になりますように」(秋月ディレクター)。
店長兼職人が丁寧にサポートするので安心ですよ。参加費2,000円(税込み)。

 kissora


<高松三越>「日本革市」8月28日から開催
人気イベント「日本革市」秋冬シーズンがいよいよスタート。同公式サイトで発表されました。第1弾は香川・高松 高松三越。8月28日(火)から行われます。
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実際の製品に使用している国産天然皮革の展示や、さまざまな映像を自由に視聴できるデジタルサイネージなど、革の魅力に迫る特別展示が装いも新たに登場。同店での開催は5回めですが、今回も新しい発見、出会いがありますよ。



<台東デザイナーズビレッジ>「沖縄工芸クリエイターと一緒に学ぶ
デザビレ村長のクリエイター起業塾ミニ&交流会」8月30日開催
東京・新御徒町 インキュベーション施設<台東デザイナーズビレッジ(デザビレ)>で、「沖縄工芸クリエイターと一緒に学ぶ デザビレ村長のクリエイター起業塾ミニ&交流会」が8月30日(木)に開催されます。
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「沖縄で伝統工芸やものづくりに関わっているクリエイターのみなさんが、東京に研修に来ます。
東京のクリエイターと交流したい、デザビレ流で指導してほしいということで、起業塾のミニ版を実施する予定です。
グループワークを東京・沖縄のクリエイターが一緒になって行いたいので講座参加者を募集します。通常年数回しか開催しない、10時間×5日間のクリエイター起業塾のエッセンスを学んでもらえる機会です。
起業塾での講義を少しだけ体験できます」とデザビレ 鈴木村長。大好評の起業塾にご興味があるかたにおすすめしたい入門編です。お時間があればぜひ。

 台東デザイナーズビレッジ
 <http://designers-village.com/>


<コロンブス>SNSキャンペーン実施中
ケア製品国内トップメーカー<コロンブス>SNSキャンペーンがスタートしました。
「大切な靴」を磨いて、指定のハッシュタグをつけて投稿してください。

2019年、同社が創業100周年を迎えるにあたり、コーポレートカラーである「赤」を入れた写真を募集しています。飾りや雑貨、景色・背景でも大丈夫だそうです。3万円分の商品券が1名にプレゼントされますよ。


「ミュージアムキャラクターアワード 2018」に<世界のカバン博物館>公式キャラクターがエントリー
インターネットミュージアム主催「ミュージアムキャラクターアワード」が開催中。東京・駒形<世界のカバン博物館>公式キャラクター「かばンくん」がエントリー(47番)しています。応援お願いします!

 ミュージアムキャラクターアワード 2018
 <https://www.museum.or.jp/museum-chara/>


新刊書籍「一流の革職人に学ぶ 極上の革財布」発売
「一流の革職人に学ぶ 極上の革財布」(スタジオタッククリエイティブ)が発売され、話題です。さまざまなブランドの革製品を手がける<kawacoya>代表 松澤邦幸さんが監修。5種類の革財布を製作しつつ、プロの技を披露しています。とても参考になると好評です。
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「ギャルソンロングウォレットのつくり方が掲載されています。学んでおくと応用性も高く使いやすい財布ですよ。ページ数的に短いですが、コバ処理の方法も。<接着剤と下地剤、これでこうやって使っていたのか>と勉強になりました」と、当ブログで執筆中の村木るいさんからも推薦コメントが寄せられています。
財布、革小物に取り組む若い世代のつくり手の皆さんにおすすめの一冊です。

 スタジオタッククリエイティブ
 日本クラフ党
 <https://www.facebook.com/japancraftparty/>


<豊岡鞄>KITTE丸の内店 9月13日オープン
かばんの有力産地、兵庫・豊岡の地域ブランド<豊岡鞄>の初の旗艦店が9月13日(木)、東京・丸の内 東京駅丸の内南口前の商業施設<KITTE>1Fにオープンします。

ビジネスからカジュアル、トラベルまで幅広い商品(メンズ&ウィメンズ)をラインナップ。シーズンごとにテーマを設けたコレクションを展開予定です。オープン記念としてお買い上げのかた先着300名にノベルティをプレゼント。どうぞ、お早めに。

カテゴリー: 国内革事情

前回に続き、一般社団法人 日本かばん協会が主催する恒例イベント、『信頼の日本製かばん』で、お出かけしよう!「かばんフェス」のレポートをお届けします。

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小学生の通学用アイテムという本来の役割を超え、ファッション製品として大人たちからも愛されるランドセル。全国36社の伝統的な日本製ランドセルを提供しているメーカーたちの団体、日本かばん協会 ランドセル工業会の会員メーカーの自信作がズラリ。
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成長、個性に合わせ、バリエーションも豊富です。展示しているランドセルは実際に背負うことができ、学校をイメージしたフォトスポットも設置。ご家族連れのユーザーさんが足を止め、思い思いに楽しんでくださいました。さらにはランドセル認定証のご紹介も。
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ランドセル認定証はランドセル工業会が定める規格に合致する製品にのみ、つけられています。

ランドセル工業会が定めるランドセル規格とは、
1. すべての縫製が日本国内で行われ6年間の使用に耐え得るもの。
2. 日本鞄協会発行の「信頼のマーク」を縫着したもの。
3. 素材は皮革又は人工皮革とする。
4. 形状はかぶせ部が本体を覆う長さで縦型であるもの。
5. サイズは大マチ部分の内寸の縦(最高部)が31cm前後、幅が23cm前後であること。

認定証の付いたランドセルは6年間の修理対応も。メーカー番号等により、生産者を確認し、迅速なサービスを行っているので安心ですね。


世界的なファスニングメーカー、YKKの展示コーナーが幅広い世代のユーザーさんに好評。多様なファスニング製品をお披露目しました。
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このところ注目を集めている止水ファスナー、AquaGuard®。ファスナーテープの表面をポリウレタンフィルムでラミネートし、止水性を持たせる処理を施しています。これまでアウトドア用品につけざるをえなかったファスナー部分のフラップが必要なくなりました。ファスナー裏面のポリウレタンフィルムの光沢感が、ウェアや鞄類のデザイン性をいっそう高めてくれます。
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ネオンカラータイプが登場。ファッショントレンドとして「スポーツ」が人気継続。素材やアイテムだけでなく、色合いでスポーツを感じさせてくれますね。ストライプテープのタイプもあるので、トレンドディテール、「ライン」として取り入れても新鮮です。

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デザインフィルムタイプも出品。レザー調、カーボン調など、新しいファスナーテープの質感を表現しています。

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SNS映えする大きなファスナーも。お子さんたちに大人気。写真撮影をするかたも続々と。生活のなかに溶け込むファスニング製品が より身近に感じられました。


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かばん協会関連事業コーナーでは技術認定試験1級合格者の作品が展示されました。
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そのおひとり、篠田英志さん(大阪かばんブランド委員長)は実演を披露。多くのユーザーさんが熱心にご覧くださいました。
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ビンゴ&じゃんけん大会では、実演中に素早く仕上げたバッグが賞品に。当選者のかたはとてもよろこんでおられました。終了後には、使い方、お手入れ方法の質問などコミュニケーションも弾んで。
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篠田さんが委員長に就任した大阪かばんブランド事業は、大阪鞄協会が地域ブランド<OSAKAかばん>として始動しました。メイドイン大阪かばんの品質のよさを日本全国に、そして世界へと発信!

「一昨年、大阪鞄協会が創立130周年を迎えたことを契機に、地域ブランドを立ち上げました。大阪のものづくりの認知が高くない現状を打破し、効果的に周知を広げたい、と会員メーカーが一丸となって取り組んでいます」(篠田さん)。

同協会に所属する鞄メーカーは世代交代が進行。伝統と技術を受け継ぎ、若い感覚、パワーで新プロジェクトを牽引しています。

2017年に日本を訪れた外国人は2,800万人超で過去最高を更新。そのうち大阪は初めて1千万人の大台を突破したそう(大阪観光局 発表)。アジアからの観光客を中心に<OSAKA>の認知度、人気は絶大。東京を上回る勢いがあり、百貨店の売り上げはキタ・ミナミとも伸びているよう。

そんなインバウンド消費のニーズも踏まえ、アルファベット表記でネーミングしたのだとか。「来年は大阪でも開催したい」と、大阪鞄協会会長 十川和夫さん。熱く語ってくださいました。


国内外のユーザーに、メイドインジャパン、メイドインオオサカのかばんをPRする場にも最適ですね。参加型プログラム、SNSの活用、インフルエンサー&ユーザーの写真投稿・・・これまでのチャレンジングをベースとして、さらなる情報発信・拡散の効果に期待が寄せられます。次回開催をどうぞお楽しみに。


■ 参考URL ■
 日本かばん協会 <http://www.kaban.or.jp/>

*  *  *

■ 夏季休暇のお知らせ ■
平素はJLIAホームページをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
一般社団法人 日本皮革産業連合会(JLIA)では、
下記の期間を本年度の夏季休暇とさせていただきます。
みなさまにはご迷惑をおかけいたしますが、
何卒ご了承いただきますようお願い申しあげます。
【 夏季休暇期間 】
2018年8月13日(月) から 2018年8月16日(木) まで

*  *  *

つきましては、当ブログの更新もお休みさせていただきます。
次回更新は8月22日(水)です。ご了承ください。

カテゴリー: 国内革事情

一般社団法人 日本かばん協会が主催する恒例イベント、「かばんフェス」が、2018年度「信頼のマーク」PRキャンペーンの一環として、7月28日(土)、千葉・幕張 イオンモール幕張新都心 グランドモール1F グランドホールで行われました。

台風12号が接近・通過するあいにくの悪天候でしたが、会場には続々とユーザーが立ち寄り、熱気に包まれていましたよ。
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「『信頼の日本製かばん』で、お出かけしよう!」をテーマに、「信頼のマーク」が付いた日本製かばんの魅力を、多くのユーザーに認知・理解が深まるよう、多彩なプログラムでアピールしました。

日本かばん協会の会員企業が国内生産したかばんには、旅行用かばんからビジネス・ファッションバッグまで、すべて「信頼のマーク」を配した下げ札がつけられています。品質、デザインともに「信頼」のシンボルです。優れた日本製であるとともに、日本かばん協会が定めた信頼の3ヵ条をしっかりとクリア。

信頼の3ヵ条とは、
「1. 鞄づくりにプライドを持ち、伝統を守り続ける」、
「2. 常に挑戦し続ける、革新の姿勢を忘れない」、
「3. 日本製品として、世界に誇れる鞄づくりに取り組む」。

腕利きの職人たちの技術、誠実なものづくり精神が反映し、向上心・探求心にあふれています。「信頼のマーク」は、かばん選びの間違いない目印になりますね。

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今年度のキャンペーンは、かばんと深い関わりがある「お出かけ」「旅」を軸に、インフルエンサーとコラボレーション。
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旅行を中心とした情報を発信するインフルエンサー5人が実際に日本製かばんを持ってお出かけ。そのシーンを撮影、SNSに公開。日本製かばんの使いやすさ、今回のイベント情報を投稿しました。
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それらの写真を掲載された日本製かばんとともにパネル展示。来場者による人気投票や、SNSでの投稿を促し、さらなる情報拡散につなげて。
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会場では、起用されたインフルエンサーから選抜されたかたがトークショーに登場。
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実際に使い、お出かけした際の感想(ポケットが多くて便利など)、日本製かばんの使い心地や魅力を紹介しました。

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毎回人気のじゃんけん大会、ビンゴ大会は大盛況。会場がひとつになりました。

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恒例のものづくり体験も。ミニバッグづくり、YKKファスナーストラップづくり、かばんぬりえコーナーなど、参加型ブログラムが盛りだくさん。
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夏休み期間中ということもあり、お子さんをはじめ、たくさんのファミリーが楽しんでくださったようです。
このほか、展示や実演も好評。レポートは次回に続きます。


■ 参考URL ■
 日本かばん協会 <http://www.kaban.or.jp/>

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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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