欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2018年10月 3日 の記事

カテゴリー: 国内革事情

国内最大規模のレザープロダクトコンペティション「Japan Leather Award(ジャパンレザーアワード)」の審査会が、9月28日(金)~29日(土)の2日間、東京・二子玉川 iTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズで行われました。
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今年で11年めを迎える「Japan Leather Award」は、レザーコンペティションイベントにとどまらない総合的なレザームーブメントの場として2008年より始動。会期中、全応募作品255点を一般公開しました。
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つくり手とつかい手がコミュニケーションできる場を提供し、ジャパンレザーの魅力を発信。ベビーカーでもスムーズにご覧いただけるしつらえで、子育て中のファミリーから外国のかたまで幅広くご来場。年齢や言葉の壁を超えて、ジャパンレザーへの共感でつながりました。
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会場を一般公開し、会期中ユーザーを対象とした人気投票を実施。配布される用紙に選んだ作品のお気に入りポイントを記入していただきました。その結果をまとめ、応募したかたにフィードバックするそうです。なお、ユーザーによる投票の結果は集計せず、ランクづけなどは行いません。
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投票に参加してくださったユーザーには、昨年度の受賞者 濱口真奈さん(2017年度 フリー部門フューチャーデザイン賞受賞)による特製レザー指人形をプレゼント(先着200名)。動物(犬・猫)モチーフでナチュラルなテイストが人気です。大人のかたにはコードホルダーとしても使えるのもうれしい。
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29日(土)は参加型プログラムが盛りだくさん。靴磨き芸人 奥野奏さん(よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属)による実演、レザーケアインストラクター いちかわたかおさんによるレザーケア相談、昨年度の受賞者 濱口真奈さんによるレザー指人形づくりワークショップを同時開催。
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東急沿線エリアで放映されるコミュニティチャンネル、イッツコムの情報番組「サタデーイッツコム」で紹介されるなど、メディアでも話題となりました。
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動画共有サイト ユーチューブやツイッターで人気を集め、インフルエンサーとしても注目の奥野さん。
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1日計4回の実演に、各回ファンのかたが駆けつけ、わかりやすいデモンストレーションと軽妙なトークを楽しんでくださいました。

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濱口さんによるレザーキーホルダーづくりワークショップは大盛況。人気投票のプレゼント用の指人形をアレンジ。いろいろな色、革のパーツを選び、カスタマイズしていきます。
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お子さんを対象にした内容となっており、ファミリーが次々と参加。かわいい作品がたくさん生まれました。

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レザーケアインストラクター いちかわさんのレザーケア相談も大好評。国内ケア製品のトップメーカー コロンブスから独立。45年ものキャリアを生かして、多方面でご活躍です。
当日は、靴よりもバック、財布についての相談が多く、特にタンニンなめし革のシミ問題の悩みが目立ったそう。
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「(ご相談してくださった内容は)使用前にケアしておけば防げる問題がほとんど。タンニンなめし革は、販売時にしっかりとご説明できれば、と思います。レザーウェア、グローブなども説明がなかった、という声が。もしくはユーザーさん自身が商品についているタグの説明は読まないので、トラブルが起きたときに困るようですね。
女性の相談が増えていますが、それぞれ革製品に思い出、思いをもつかたが多いですね。レザーが好きな女性の増加を実感しました。しかし、革製品について相談する場所などがありません。今後は革製品と、革製品のお手入れについて知識のあるショップスタッフの必要性がますます高まるでしょう」(いちかわさん)

さらには靴についての傾向も。「紳士靴の鏡面仕上げや(強調する)艶感を好まない、というご意見をよくききました。そんな嗜好のがたがたは革らしい革と、革らしい(さり気ない)艶をステイタスとして求めていて、ギラギラした艶、革の高級感に対して興味を失っているようです。マニアックな靴磨きの転換期にあるのかもしれません」(いちかわさん)
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先輩から譲り受けたグローブを趣味の草野球で使うべく、きれいにしたい、とのご依頼もたちまち解決。
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野球のグローブについても、内野用・外野用の違い、材質、構造、ケア方法まで熟知しておられて、とても感動しました。
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また、恒例企画「レザーワールド」では皮革素材の展示が今回も人気。それぞれの種類がわかるよう、裏側にその素材の動物名が明示されているのですが、そのことを知ると、お子さんたちによるクイズ大会が自然発生的にはじまり賑やか。遊び感覚で楽しく学んでくれた貴重なシーンに立ち会えてうれしかったです。遊びの天才、ちいさなレザー博士たちに脱帽!
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革製品ができるまでの動画(DVD)をモニターで上映。食い入るようにご覧になるかたも少なくなかったです。ものづくりのプロセスを知っていただくきっかけとなり、日本の革と革のものづくりへの理解が少しずつ深まったのではないでしょうか。
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ご来場くださったユーザーの皆さま、ありがとうございました。11月には表彰式・展示会も同じく二子玉川ライズ(ガレリア)で予定しておりますので、どうぞお楽しみになさってください。
レポートは次回に続きます。

■ 参考URL ■
 Japan Leather Award 2018
 <http://award.jlia.or.jp/2018/>

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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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