欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2018年11月 の記事

カテゴリー: 村木るいさんの「人に話したくなる革の話」

月1回のスペシャルコンテンツ、村木るいさんの「人に話したくなる革の話」。今回は、「姫路城皮革フェスティバル」と「ひょうご皮革総合フェア&たつの市皮革まつり」をレポート。超充実! 盛りだくさんの内容となっています。来週、12月6日からは「東京レザーフェア」(東京・浅草 都立産業貿易センター)、そして、
TATSUNO LEATHERのPRイベント「PENET」(東京・蔵前 CAMERA)も開催予定です。村木さんのレポートを予習復習としてお役立てください。

通常、皮革産業のさまざまなトピック、イベントのレポートなどをお届けしておりますが、この春から人気イベント「本日は革日和♪」を主宰する村木るいさんが加わりました。イベント、セミナーなど精力的に活動する村木さん。皮革に関する確かな見識を有し、幅広い情報発信に支持が寄せられています。

当ブログでは、レザーに関心をもちはじめた若い世代のかたや女性ユーザーにお伝えすべく、わかりやすい解説とともに西日本の皮革産業の現状をご紹介しています。
なお、「本日は革日和♪」では、バスツアーなど、さまざまな予定が目白押し! 詳細につきましては、本エントリ文末の近況報告および、下記リンク先をチェックしてください


*  *  *

毎度です!
職人 兼 革材料店 兼 革ブロガー 兼 今月はツアーコンダクターのムラキです。

兵庫県の姫路市とたつの市と隣り合う2つの市にはタンナーさんが100以上存在します。
毎年11月頃には姫路市・たつの市両方で皮革のお祭りが開催されています。
今回両方を訪れましたのでそれぞれの見どころなどを解説してみましょう。

また、同時開催でタンナーバスツアーというものを個人的に開催しているのでその紹介もしてみましょう。

なぜ姫路市たつの市に革を作るタンナーさんが多いのか?

過去にblogで紹介していますのでご覧くださいな。

村木るいさんの「人に話したくなる革の話」姫路&たつので皮革がつくられる理由 | 欧米ブランドに「負けていないぞ !」 | JLIA 日本皮革産業連合会

また、下記サイトでも解説されています。

背景と歴史 - 兵庫県皮革産業協同組合連合会

姫路城皮革フェスティバル2018

10月31日(水)~11月4日(日)には、「姫路城皮革フェスティバル2018」が姫路城の前の公園にて開催されます。

兵庫県皮革産業協同組合連合会による開催となっています。

姫路城皮革フェスティバル2018目玉は

皮革フェスティバルでは姫路市のタンナーさんによる皮革素材の直売が行われています。
販売されている方は実際のタンナーさん自身が行っていますので、それぞれの革の特徴などを聞くこともできます。

当日は革製品の販売もありますが、体験型ワークショップも例年数多く行われています。お子様連れにもぴったりです☆

また、姫路城前公園で行われますので姫路駅から徒歩10分ほど、という行きやすい場所にあります。晴れの日には姫路城がくっきりはっきりと見えます。

同時に姫路を中心に兵庫県下の菓子が集まる「第10回姫路菓子まつり」と、全国30以上の産地から集まった選りすぐりの陶器を販売する「第31回全国陶器市」も同時開催されていました。

 

ひょうご皮革総合フェア&たつの市皮革まつり

11月16日(金)・17日(土)には、「ひょうご皮革総合フェア&たつの市皮革まつり」がたつの市で開催されます。

こちらも大きなイベントとなっています。

ひょうご皮革総合フェア&たつの市皮革まつりの目玉は

屋台が出ており地場の食べ物や農作物なども購入可能です。

もちろんタンナーさんによる革素材の直売も行われています。

ニューレザーコンテンスト、と言われるタンナーさんそれぞれの技術が惜しみなく注ぎ込まれた革素材のコンテストが開催されています。

皮革試験所などによる展示や歴史的な展示も行われています。
下記は昔の革なめしの工程で使われていた工具などの資料展示です。

下記は昨年の様子ですが、リーガルコーポレーションさんによる靴のできるまでの資料展示です。

革製品の販売も行われています。

ニューレザーコンテストはここらが面白い!

たつの市皮革祭りを見に行き、タンナーさんを訪れる、というバスツアーを開催してもう5年ほどになります。

ニューレザーコンテストとは、「加工部門」「我が社の一押し部門」などの各部門にタンナーさんそれぞれが「これは!」と思う品を出展し、賞を与える、というコンテストです。

なぜそんなコンテストがあるのか?

革素材屋にも足を突っ込んでいる立場から言うならば、各タンナーさんが技術を注ぎ込んだ面白い革、というのは革素材屋としてはちょっと仕入れづらいわけです。

「一部の人にしか理解されないほど技術の粋を注ぎ込んだ素晴らしい革」、よりも「需要が高く、無難な革」のほうが販売しやすいからです。
もちろん各革屋さんは「いや、この革は素晴らしいからぜひ売りたい!」と仕入れることもありますが、それ以上に多いのは「今年の流行色やテクスチャーはこういうものだからそれに近い革を作ってもらって仕入れよう」と考えるわけです。

で、このコンテストでは、「革素材屋にアピールする意味合いもあるけど、それ以上にうちの技術をさぁ見てくれ!」というアピールをする場でもあります。

ですので、見ていると「えっ!こんなことできるの!?」というような革も多数展示されています。

展示方法はこのように行われています。

例えば各賞を受賞されるとこのようにズラリと展示されて、「この革は~~のタンナーさんが作りました」と紹介されます。

受賞されなかった革はこのように2Fのテラスにぶら下げて展示されます。

記載されている情報は

・どの部門か
・展示番号
・色落ち検査の結果
・用途

などが書かれています。

「どのタンナーさんが作ったのか」などは書かれていません。
タンナーさんが書かれていないのは審査する時に公平性を保つためです。
審査員が「あ、この革は~~のタンナーさんが作ったのか。それじゃ、ここは昨年受賞したから今年は遠慮してもらおう」などという不公平さをなくすためですね。

また革によっては「販売可能」なども書かれています。
これは「1枚からでも売るよ!」という意味合いではなく、「当社はこういう革が作れますが、ミニマム20枚なり50枚は覚悟してね」という意味です。
入り口で展示番号と出展タンナーさんの住所なども書かれたリストが渡されます。
ですので、革素材屋なり鞄メーカーなり靴メーカーなりは見に行くとすごく面白いかと思います。

ニューレザーコンテストは前知識がないと面白さが半減されてしまう

このたつの皮革祭りを見てタンナーさんを2社巡る、というバスツアーを開催してもう5年ほどとなります。

「タンナーさんを実際に見てみたい!」という人に応えるため、というのもありますが、「ニューレザーコンテストはこういう点が見どころがある」という解説をし、知ってもらいたい、という意味合いもあります。それくらい革製品が好きな方や革製品販売、製作されている方が見ると面白いコンテストとなっています。

その一方で、このコンテストは見方がわからないと面白さが伝わりません。

例えば、、、

下記は「成牛革で我が社の一押し革」部門の徳永剛三製革所さんが作られた革です。
黒の革ですが、手袋用で防水加工を施し、導電性能も与えられています。スマホなどをいじれる手袋を作るには革素材の段階から考えなきゃいけないし、そういう工夫をしているタンナーさんもいる、ということがわかります。

例えば、、、
こちらは「高度加工成牛革」部門で受賞されたアルファレザーさんの革です。
革を作る段階で「表面に傷がある!でも何かしら加工しないと元の牛にも申し訳ないし、これでもお金稼がなきゃいけないし」というB反というものは必ず出ます。生じます。
高度加工成牛革部門とは、それらB反を手間暇かけてどのようにお金に変えるかという技術を見せる、すごく面白い部門です。

その中でもアルファレザーさんは「革の表面=吟面に汚れなり傷があるのはしょうがない。よし、それなら裏表逆に使おう!裏面を2色に染めて金箔をランダムに貼ろう!」というとても手間暇かかっている革です。

革素材屋の立場的に言うならば、「すごく手間暇かかっているし、個人的に好きだけど、素材店で売るには勇気がいるなぁ、これ。。でもすごい!」と思った革です。

例えば、、、

こちらは「高度加工・中小牛・馬・床革・その他革」部門のV.Lナカシマさんが作った革です。
ヌメ革に型押ししてアンチック、メタリックアンチックなど鮮やかに染め、型押しをしています。型押しをした後に凸凹の凸部分のみに金箔を貼っています。そのため写真で伝わらない立体感とキラキラとした鮮やかさと艶やかさが存在します。

と、このような革が50枚以上出展されています。
すべての革はどこで作られたかがわかるようになっています。

これらを見ると、「あぁ、日本のタンナーさんっていろいろな技術もっているんだな!」と感服します。写真ではだめなんです。実際に手に取らないと質感や鮮やかさはわかりません。

これらの革で受賞されたものだけは東京で12月6日(木)・7日(金)に開催される東京レザーフェアでも展示されますので興味ある方はご覧ください。

TLF 東京レザーフェア - 革の展示

受賞された革だけ、ですので、下記のような革が展示されている、はずです。

タンナーバスツアーってどんなもの?

ムラキ個人が開催しているものですが、今回は姫路市花田の新喜皮革さんと高木のオールマイティーさんの2社を訪問しました。

姫路駅集合、姫路駅解散ですので東京や山口の方も参加されていました。

「バスツアーとかあるなら情報ほしい」と思われましたら革日和メールマガジンに登録していただくか、facebookを見ておいてくださいな。

新喜皮革さん

馬革やコードバンで有名な会社さんです。当日は専務自らが解説してくださり、コードバンのグレージング加工(艶出し)も見学させていただきました。

新喜皮革さんは春には工場見学や自社製品展示販売などを行っていられます。

新喜皮革 :

オールマイティーさん

オールマイティーさんは、「1枚からオリジナル革を作ります」というとんでもないタンナーさんです。

レザー素材オリジナル受注生産|姫路の皮革・革素材/タンナー オールマイティ

当日は社長自らがどのように行っているのかを解説していただきました。
イノシシや鹿などの昨今日本列島で問題になっている鳥獣被害からの革の有効活用や、ダチョウなどの革を実際に見ながら解説していただきました。

バスツアーでは「1枚から受注というのはどういう意味か」「こういう点を気をつけて取引しましょう」などの解説も行いました。

日本のタンナーって結構すごい

日本の革の鞣し技術は結構、すごい!、です。
ただ、前述していますように、革素材屋としてはどうしても需要が高い革を優先的に仕入れて販売せざるを得ません。

ニューレザーコンテストにしても各タンナーのリストが手渡され、展示されている革には「販売可能」かどうかも書かれています。
役員の方に「販売可能、って書かれていると革屋さんは嫌な顔しないんですか?」と遠慮なく聞いたところ、「革屋さんが昔ほど買ってくれないからだよ(;´д`)」と言われました。(´・ω・`)

各タンナーさんと直接話しができたり、見聞きできる姫路城皮革フェスティバルやひょうご皮革総合フェア&たつの市皮革まつりは、なかなか貴重な機会ですので興味ある方はぜひ行ってみてくださいな。


カテゴリー: 国内革事情

国内最大のレザープロダクトコンペティション「Japan Leather Award(ジャパンレザーアワード)2018」の表彰式が、11月17日(土)、東京・二子玉川 二子玉川ライズ ガレリアで行われました。
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今年で11年めを迎える「Japan Leather Award」は、レザーコンペティションイベントにとどまらない総合的なレザームーブメントの場として2008年より始動。つくり手とつかい手がコミュニケーションできる場を提供することで、ジャパンレザーの魅力を発信しています。

応募部門はフットウェア部門/バッグ部門/ウェア部門/フリー部門/学生部門の5部門。
フットウェア部門/バッグ部門/ウェア部門/フリー部門には、それぞれフューチャーデザイン賞(新奇性、新たな市場形成の可能性を評価/賞金10万円)とベストデザイン賞(優れた商業的な価値を評価/賞金10万円)の各2賞が。学生部門には最優秀賞(新奇性、発展性を評価/賞金10万円)があり、グランプリは上記9賞の中で最も優れた作品から選ばれ、賞金30万円と3つの中から選べる副賞も用意されました。


審査員長は東京藝術大学美術学部教授 長濱雅彦さん。特別審査員としてファッションデザイナー ドン小西さん。阿部浩さん(レガーレ)、天津憂さん(エーディグリーファーレンハイト)、有働幸司さん(ファクトタム)、鎌倉泰子さん(フリーランスバイヤー/ライター)、佐藤直人さん(NAOTOSATOH)、橋本太一郎さん(ノーノーイエス)、矢口真弓さん(PR・アドバイザー)、伊藤瞳さん(ウェブメディア「Fragments」編集長)、吉田 けえなさん(ライター/マーケティングディレクター)と活躍中のデザイナー、ビジネスパーソンが審査員をご担当。各ジャンルでご活躍の経験、見識を生かして、それぞれの意見を交わし、255点もの応募作品から厳正に審査されました。

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グランプリおよび各部門賞、特別賞を発表し、受賞者の皆さんを表彰。
グランプリはフットウエア部門 吉田卓巳さんに決定!
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アッパー、ソールともに使用したレザーに切込みを施し、サイズをアジャスト。革靴のきちんと感、スニーカーのカジュアル感、コンフォートシューズの快適さ、それらを内包しながらもシンプルにクールに表現した一足です。

「人の足の特徴はさまざまです。しかし、ひとりひとりの足に適応する靴は既製のものでは存在しない・・・そんな当たりまえの問題を解決すべく、どんな足にも合う靴の提案をしたいと思いました。この靴は革に切り込みを入れ、場所によって切り込みの形や素材を変えることで伸縮を可能にし、ソールにも同様に切り込みを入れることで靴全体が動き、サイズの調節を可能に。革が持つ形状記憶力を利用し、履き続けることでその人の足の形になっていき、その人のための靴に変化する。そんな、ビスポークとも違う、履くひとだけの靴、です」(吉田さん)。
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審査員長の長濱雅彦さん、特別審査員のドン小西さんがナビゲーター、プレゼンターとして登壇。締めくくりとして、おふたりが選出した審査員特別賞についてのご意見ともに総括を。「物語がにじみ出ている作品が多く、とても素晴らしかった。新しい時代のニーズをとらえ、生活をイメージできている作品を評価しました」(長濱雅彦 審査員長)。「ユニークでセンスのいい作品が増え、全体的にグレードアップしてうれしい」(ドン小西 特別審査員)。
デザイン界、ファッション界を代表するような立場から、真摯にコメント。ジャパンレザーがさらに盛り上がるように、とのあたたかな想いが込められて。来場者の胸に迫りました。

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このほか、各部門賞、特別賞は「Japan Leather Award 2018」小冊子、および公式サイトで公開。受賞作品ともに、つくり手の想い、作品の特長を紹介しています。ぜひ、ご覧ください。

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会場ではすべての受賞作品を展示。一般公開し、ユーザーさんがお気に入りを選出。会場で配布される用紙に選んだ作品のお気に入りポイントを記入し、その結果をまとめ、応募したクリエイターにフィードバック。審査会を含め、今年度の投票(ユーザー)結果は集計せず、ランクづけなどは行いません。
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投票に参加してくださったユーザーさんには、昨年度の受賞者 濱口真奈さん(2017年度 フリー部門フューチャーデザイン賞受賞)による特製・レザー指人形をプレゼント。動物(犬・猫)モチーフでナチュラルなテイストが人気。期間中、120個の準備数が各日とも約1時間でなくなりました。

参加型プログラムが盛りだくさん。
靴磨き芸人 奥野奏さんによる実演、レザーケアインストラクター いちかわたかおさんによるレザーケア相談、今年度の受賞者 小池文枝さん<ヒノホ>、歴代の受賞者 加藤光也さん<革工房アバッリ>が出展。

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牛ヌメ革を染色し葉っぱのようにするオリジナルの技術を使った小物。本物のサクラの葉っぱをモデルに鋸歯のギザギザや葉脈をつけており、裏面も同じように染色しています。
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サイズを変えて、ミニバージョンのアクセサリーづくりワークショップも好評でした。

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<革工房アバッリ>は歴代の受賞作品、2点をはじめ、定番&新作をラインナップ。
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新作、マルチキーケースが人気! 大きめサイズのスマートキーをすっぽり収納。寒冷地には欠かせない、自動車用のエンジンスターターも収納できるそうですよ。
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加藤さん自身が新潟県にアトリエを構えているので、そのリアルな体感が生かされています。

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手のひらにしっくり馴染みます。紙幣やカードの収納スペースも。キャッシュレス時代が進行するなか、現金もまだまだ使いたい・・・過渡期である現在のニーズにぴったり。ステッチをアクセントにし、ハンドワークのぬくもりもプラス。スマートフォンとの持ち合わせもよい逸品です。

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歴代のグランプリ、部門賞受賞者を輩出した杉野服飾大学ファッションプロダクトデザインコースによるレザーフェイスチャームづくりワークショップを同時開催。
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さまざまなパーツ、カラーを組み合わせて、おひとりおひとりのオリジナルをカスタム。ファミリー層を中心に大人気。お子さんも楽しそうになさっていました。

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審査会に続き、登場の奥野さん。
動画共有サイト ユーチューブやツイッターで注目のインフルエンサーです。計5回の実演に各回ファンのかたが駆けつけ、わかりやすくデモンストレーション。
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多くのひとが行き交う往来のなかから「あ~おっくんだ!」「あのユーチューブの」「チャンネル登録してるんだ」との声が。認知度、人気の高さはもちろん、その技術、トークの確かさで、来街者が立ち止まり、毎回人垣ができました。
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今回は「Japan Leather Award 2018」に合わせ、歴代の受賞作品の靴を履き、受賞ブランドの靴(ともにヒロカワ製靴/スコッチグレイン)で実演。
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そんな細かい気配りも来場者の皆さんに伝わり、靴が生き方の象徴と共感の軸に。

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レザーケアインストラクター いちかわたかおさんのレザーケア相談も大好評。国内ケア製品のトップメーカー コロンブスから独立。45年ものキャリアを生かして、多方面でご活躍です。
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今回は、幅広い世代のユーザーさんがご参加。カジュアルスタイルのかたよりも上質な製品を好むかたが「お手入れ」に関心を示し、多数お立ち寄りくださいました。

今年度の表彰式、受賞作品展示イベントは大阪から東京に変更。二子玉川での開催も初めてです。阪神間エリアの阪急沿線と並び称される、東急沿線。都心とは異なる、感度の高い国内ユーザーが居住し、なかでも、二子玉川ライズは楽天グループほか、金融機関のオフィスが入居しています。
クリスマスを控えた、ボーナス直前ということもあり、ギフトや自分へのご褒美ニーズが高まる時季。「いい靴は素敵な場所に連れて行ってくれる」というヨーロッパのことわざがありますが、ビジネスパーソンは重ねた経験でいいものを愛着することのメリットをよくご存じだ、と改めて実感しました。日本の革と革のものづくりをPRするための最高のステージとなったようです。

「Japan Leather Award」は時代の気分を反映、先取りしたジャパンレザーの「登竜門」。毎年、見直し・改善があり、つくり手・つかい手、双方にとって、より魅力的に、進化し続けます。
ジャパンレザーの新しい「スター誕生」をどうぞお楽しみに!

■ 参考URL ■
 Japan Leather Award 2018
 <http://award.jlia.or.jp/2018/>

カテゴリー: 国内革事情

レザーの秋、「いいレザー(1103)の日」に続き、ジャパンレザー関連イベントが各地で行われます。初冬にかけて、多様なトピックを加え、まとめました。ぜひ、参考になさってください。

大阪・難波ほか<香川手袋>ポップアップイベント 開催中
日本有数の手袋産地として知られる、香川県東かがわ市から発信される手袋ブランド<香川手袋>のポップアップイベント ラボストア#5「居匠(イショウ)」が日本橋三越本店でスタートしました。
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11月14日(水)からは伊勢丹新宿店、大阪タカシマヤでも展開予定です。豊富な商品バリエーションをご覧ください。
  香川手袋
  <http://gloves-kagawa.jp/>

<浅草ものづくり工房>新入居者募集 ~11月16日
インキュベーション施設<浅草ものづくり工房>が新入居者(平成31年4月度)の募集を行っています。
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靴、バッグ、革製品を手がけるクリエイター、つくり手の起業・創業・スタートアップに最適です。入居申請受付は11月16日(金)まで。
  浅草ものづくり工房
  <http://monokobo9.com/nyukyosya-bosyuyoukou>

兵庫・たつの「ひょうご皮革総合フェア」&「たつの市皮革まつり」11月17日~
国内有数の皮革産地・たつの市の恒例イベント「ひょうご皮革総合フェア」&「たつの市皮革まつり」が、 赤とんぼ文化ホールにて11月17日(土)~18日(日)の2日間行われます。
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「ベストレザーニストのトークショー(俳優 吉沢 悠さん、女優・タレント 岡田結実さん)」、「レザーコンテスト」、「レザーファッションショー」、革製品の即売、皮革素材の直売、手づくり体験ほか、さまざまなプログラムが予定されます。
当サイトのブログでは、インフルエンサー 村木るいさんが詳しくご紹介していますので、チェックしてください。


東京・二子玉川「Japan Leather Award 2018」表彰式&受賞作品展示 11月17日~
日本最大のレザープロダクトコンペティション「Japan Leather Award 2018」表彰式が、11月17日(土) 14:00~15:00、二子玉川ライズ ガレリアで行われます。
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表彰式には、審査員長の東京藝術大学教授 長濱雅彦さん、特別審査員のファッションデザイナー ドン小西さんがナビゲーター/プレゼンターとして登壇、各賞受賞作品並びにグランプリを発表・表彰されます。
同会場では11月17日(土)・18日(日)の2日間、受賞作品の展示をはじめ、歴代受賞者によるワークショップ、靴磨き実演、レザーケア相談コーナーなどを実施予定です。どうぞ、お楽しみに。
  Japan Leather Award 2018
  <http://award.jlia.or.jp/2018/>

東京・丸の内「ジャパン・クリエーション」11月21日~
繊維総合見本市「ジャパン・クリエーション」が、東京・丸の内 東京国際フォーラムで行われます。
日本の産地が一堂に集結した最大の国内展として認知度アップ。2019年秋冬向けの素材を発表。和歌山県製革事業協同組合など皮革関連(毛皮含む)も出展します。
なかでも、東京都、東京製革業産地振興協議会が主催する<PIGGY'S SPECIAL> が人気。東京を代表する若手デザイナーが起用され話題に。専門学校生とのコラボレーションによるランウェイ・ショーも注目です!
  ジャパン・クリエーション
  <http://www.japancreation.com/index2.html>

東京・蔵前「全国皮革振興会革手芸教室 展示発表会」11月21日~
全国皮革振興会 革手芸教室の展示発表会が東京・蔵前 東京鞄会館で開催されます。第41回を迎える、今年のテーマは「赤いコインケース」。講師、生徒の皆さんの素晴らしい作品が紹介されますよ。
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販売コーナーも毎年人気。ワンコインの革小物(数量限定)も好評です。(写真:「台東区産業フェア 2018」出展ブースより)
  全国皮革振興会
  <http://www.japanleathercraft.jp/>

東京・両国「大江戸はんどばっぐ市」12月1日
東日本ハンドバッグ工業組合主催の恒例イベント「大江戸はんどばっぐ市」が、東京・両国 KFCホールで12月1日(土)に開催されます。
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腕利きメーカーが手がけたハンドバッグをはじめ、財布、革小物を大放出する特価市です。プレゼント抽選会、タイムセール、ワークショップなど盛りだくさんです。
  東日本ハンドバッグ工業組合
  <http://www.fukuromono.net/higashinihon/>

埼玉・草加「草加レザーフェスタ2018 Winter season」12月1日~
皮革産地、埼玉・草加の恒例イベント「草加レザーフェスタ2018 Winter season」が12月1日(土)~2日(日)の2日間、イトーヨーカドー草加店 7F アコスホールで開催されます。草加市の地場産業の一つである「革」に携わる「そうか革職人会」所属の会員事業所をはじめとして、草加煎餅、抗菌バラエティ雑貨、金属アクセサリーなど、草加ならではのオリジナリティ豊かな店舗が参加。
当日は、先着2,000名様に、豪華景品が当たるハズレなしの大抽選会もお見逃しなく。
  そうか革職人会
  <https://www.facebook.com/SokaLeatherCraftsmen>

東京・浅草「エキゾチックレザーに関する研修会」12月6日
毎回大好評の爬虫類等皮革に関する研修会、次回開催が発表されました。大変貴重な内容で毎回大好評です。エントリーはお早めに。
*  *  *
《エキゾチックレザーに関する研修プログラム》
①ワシントン条約について
②爬虫類等皮革製品表示について
③各種エキゾチックレザーについて
1)ワニ革について
2)トカゲ革について
3)ヘビ革について
4)オーストリッチ革について
5)その他のエキゾチックレザーについて
象(エレファント)、アザラシ(シール)、サメ(シャーク)、エイ(スティングレイ)、ペッカリー等について
④鞣しと染色について
⑤グループに分かれて革の説明
上記「③」の素材を見ながらの説明
(見本を多数ご用意しております。)
⑥相談事例とその対応・手入れ法
⑦質疑応答
開催日時
2018年12月6日(木) 午後1時30分~4時30分
開催場所
皮革健保会館6階 会議室
〒111-0043
東京都台東区駒形1-12-13 6階
*  *  *

カテゴリー: 国内革事情

東京都台東区によるイベント「台東区産業フェア」が11月1日(木)・2日(金)の2日間、東京・浅草 東京都立産業貿易センター台東館で開催されました。会期中、2,000人以上の来場者があり、大盛況!
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ものづくりの街としてお馴染みのエリアを代表する製造業以外にもITや健康、ライフスタイル、人気カフェなどさまざまな業種・企業が出展し、プレゼンテーションしました。
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出展ブースの一部をご紹介します。

一般社団法人 日本皮革産業連合会(JLIA)の会員団体の一つ、全国皮革振興会。皮革の楽しさや美しさをユーザーに広く周知すべく設立された任意団体です。1966(昭和41)年より皮革手芸教室を開講し、現在までに延べ3,400名が参加しています。
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年2回(春/4月生、秋/10月生)生徒を募集。共用費を除き、入会金・月謝は不要(上級クラスを除く)。「ひとりでも多くのかたに皮革工芸の楽しさを知っていただきたい」という思いがうれしい。幅広い世代のユーザーが皮革工芸を学び、楽しんでいます。
11月21日(水)・22日(木)には恒例の「展示発表会」(東京・蔵前)も。今年のテーマは「赤いコインケース」。多彩な個性が表現されますよ。お楽しみに。

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東都製靴工業協同組合のブースでは<パンプスメソッド研究所 i/288>を紹介。たった1分の3D計測であなたの足のサイズを計測&フィッティング。お一人おひとりの足にいちばん近い靴を提案しています。
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この秋は、東京・日本橋 日本橋タカシマヤショッピングセンターに常設店舗をオープンし、さらに全国各地の百貨店6か所で「2018AWコレクション i/288期間限定ショップ」を開催。ジャストサイズのよろこびをたくさんのユーザーに届けています。

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60年以上もの歴史を有する東京都靴卸協同組合。組合員のための教育情報提供に関する事業、組合員の福利厚生に関する事業、調査及び資料提供事業、PL対策事業、組合員のための関税割当事業などを行っています。
今回は52法人からピックアップされた選抜ブランドのコレクションが展示されました。
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こちらは学生靴、ローファーでお馴染みの<ハルタ>。国内生産による高い品質が再評価され、近年では新進クリエイターとのコラボレーション、セレクトショップの別注企画などが増加。若い世代のユーザーの支持が広がっています。

インキュベーション施設<台東デザイナーズレッジ>、<浅草ものづくり工房>入居&卒業生クリエイターも登場。台東区では地場産業の活性化を図り、ものづくりを担う事業者を育成する拠点として2施設を運営。インキュベーションマネージャーを配置し、入居者の自立支援を行うとともに、地域との連携・交流を図っています。
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革の街・靴の街、浅草の奥座敷的なエリアにある<浅草ものづくり工房>では、シューズ関連の入居ブランドが多いですね。

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文化服装学院卒業生による<ブロンズマスター>は、上質な紳士靴を手がけています。オリジナル製品以外にもOEMなどのオファーも絶えません。

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「カワヌリエ」が注目を集める<ショイズクローゼット>。革にアート感覚の柄を手描き。ユーザーが色を塗る体験を提供。そのカラーコーディネートは無限です。
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当日も多くの来場者が体験し、革のものづくりに触れました。

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<クスグルデザイン>は新ブランド<ニニット>をお披露目。伝統的な編み物、フィッシャーマンズニットをモチーフに、革に型押しを施し、ふっくらとした質感で表現。新たな革製品の可能性を探ります。
同社では、< ぐにゃにゃんこ>、<革切子®>・・・と異なる世界観、価格帯のブランドを展開。それぞれにトレンドファッションとは一線を画し、コアなファンを開拓。< ぐにゃにゃんこ>は「コミックマーケット」に参加。猫ブームとも合致してロングヒットを続けるなど、従来の革製品とは異なるブランディングが際立っています。

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エシカルでスタイリッシュな革製品を手がける<シックスクロージング>。動物の権利が世界的に話題となるなか、農林業への被害防止のため約113万頭もの生命が有害駆除、廃棄されていることに胸を痛めたデザイナーが、食肉以外の皮革での利活用を推進すべく始動した「ジビエ革」プロジェクト。共感が広がり、じわじわとファンを獲得しています。
この夏、区内の かっぱ橋道具街にほど近いエリアにギャラリーショップを開設。近隣に同じくクリエイターたちのショップが集積しはじめ、蔵前に続く、ムーブメントを醸成しています。

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国内最大のレザープロダクトコンペティション「Japan Leather Award」歴代の部門賞受賞者が立ち上げた<sugata>。ブランドコンセプトは「普通をつくる工夫の重なり」。シンプルなデザインに、ライフスタイルを豊かにするギミックを閉じ込めて。金沢21世紀美術館の企画イベントに参加したほか、海外からのオファーも。着実に実績を重ね、次のステージへの飛躍を見据えています。

<浅草ものづくり工房>では、平成31年4月度の入居申請受付が延長され、11月16日までとなりました。靴、バッグ、革製品を手がけるクリエイター、つくり手のかたの起業・創業・スタートアップに最適。東京スカイツリーが見える隅田川の左岸エリアで新しい物語をはじめてみては?


台東区


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このほか、さまざまな皮革産業関連企業が出展。シューズ、バッグ、財布、革小物、それぞれのカテゴリーで意欲的な企業が出展。伝統を受け継ぎながらも進化するものづくりをアピールしました。

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牛、ヤギ、羊などの天然皮革を取り扱う皮革卸 相川商事では秀逸な革とその革を使ったバッグをラインナップ。直販プライスで販売し好評でした。

日程が11月03日「いいレザーの日」直前だったこともあり、皮革製品に来場者の注目が集まりました。百貨店関係者からの引き合いも多く、活発な商談が行われたそうです。次回(来年度)の開催にも期待が寄せられます。
各ブースのサイトは下記リンク先の「出展企業紹介」からご覧ください。


■ 参考URL ■
 「台東区産業フェア」
  <http://www.taito-sangyo-fair.jp/>

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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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