欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2019年3月 の記事

カテゴリー: 村木るいさんの「人に話したくなる革の話」

月1回のスペシャルコンテンツ、村木るいさんの「人に話したくなる革の話」。今回はタンナーにフォーカス。皮革産地・姫路でつくり手の皆さんに現地取材した盛りだくさんのレポートです。

*   *   *

通常、皮革産業のさまざまなトピック、イベントのレポートなどをお届けしておりますが、人気イベント「本日は革日和♪」を主宰する村木るいさんが月1回スペシャルコンテンツをお届けしています。
イベント、セミナーなど精力的に活動する村木さん。皮革に関する確かな見識を有し、幅広い情報発信に支持が寄せられています。
当ブログでは、レザーに関心をもちはじめた若い世代のかたや女性ユーザーにお伝えすべく、わかりやすい解説とともに西日本の皮革産業の現状をご紹介しています。独自の視点・レポートが大好評です。
人気イベント「本日は革日和♪」次回開催は、ホームグラウンド・大阪で4月5日(金)・6日(土)。今回のエントリの文末でも村木さんからメッセージがありますので、最後までじっくりご覧ください。

 「本日は革日和♪」
  <http://ccrui.sakura.ne.jp/kawabiyori/archives/4864>

*   *   *

毎度です! 「ゴージャスでブリリアントでデラックスな革も好き!」な村木です。

今回のお話は、

・タンナーのお祭りに行ってきたのでその報告
・タンナーは鞣しをしているのがタンナー
・仕上げ、という仕事の凄さと面白さ

という話の流れになります。



今回のテーマが決まるまでの流れ

で、JLIAさん、ここしばらく続けていた「革製品を作る上での周辺業種の面白さと凄さ」が一段落しましたが、次に何やります? 一応、次の2つを仕込んではいますが。

「靴や鞄メーカーってなんのためにあるの? メーカー飛ばして職人さんとちょくにやり取りすれば商品は安く作れるの?」
「革屋ってなんのためにあるの? タンナーってそもそもなに?」

JLIAさん「そりゃ話してもらいたいのは後者かなぁ」

じゃぁ、前者はその次くらいにしますか。
んと、写真がいくつか必要となりますね。それじゃ姫路でお祭りあるからそれ見に行きがてら写真と証言集めてきましょう。


3/22.23は新喜皮革のレザーフェスティバルが行われていた

2019.3/22.23は新喜皮革さんでレザーフェスティバルが開催されていました。

レザーフェスティバル2019

会期中は新喜皮革のコードバンなども販売されています。あくまでアウトレットセールですね。
私が行ったのは昼過ぎでしたが午前中に革や財布などを求める人が多数来場、昼過ぎからはまったり、とのことでしたが在庫は潤沢に残っていましたね。
「初日のほうが良いの?」と思いますが、2日目も追加で品を入れているので2日目に行っても楽しめるかと思います。

今回会場でfacebookのライブ配信という機能を使ってみました。手持ちのためブレがありますが、会場の雰囲気が伝われば幸いです。

会場内ではチャリティーオークションも開催。鞄や財布などがオークションかけられているなぁ、、と聞き流していたのですが「新喜皮革が鞣したブラックバスの革~」というので慌てて参戦。無事にget。水産革も色々と面白い話が存在しますがまたの機会に。


さて、タンナーってそもそも何?

秋のタンナー見学バスツアーで毎回ご協力頂いているオールマイティーさんを訪れ。

レザー素材オリジナル受注生産|姫路の皮革・革素材/タンナー オールマイティ

ここは革1枚から鞣しをします、というトンデモナイところで、毎回行くたびに変わったものを鞣している。今回は?


オールマイティーさんで見た変わった革

オールマイティーさん「これはな、四国の鹿革なんだけど、オイルをたっぷり含んでくれ、という依頼やねん」

触ってみるとモニョモニョとしたオイルの手触り。べったりとしています。
このスワッチ(材質見本。 見本の小片)から色を再現、っていっても水分とオイルが入って濡れた状態で同じような色合いにできるものなの?

「前回作っているから、きちんと色の処方は置いている。でもそれも原皮(革の元となる皮の状態。今回ならばハンターさんが捌いた毛皮状態でやってくる)の状態によっても変わるからな」

原皮の状態ってのは保存期間とか?

「ちゃうよ。極端な話、餌が豊富な秋と餌がなくなってきている冬では動物の栄養状態が変わるだろ。皮付近の肉や脂ってのは栄養状態でものすごく左右されるから処方をきちんとやっていても元の素材の状態が変わりすぎる。それに応じて処方を変えてやらなきゃいけない。」

大変やん(´・ω・`)

「大変だよ。でもそれが面白いのが革やんか!」

こちらはちょっと変わったもの。オーストリッチ(=ダチョウ)の足ですね。現在の学説では恐竜が進化して鳥になったと言われていますが、これを見ると確かに恐竜っぽいですよね。

ダチョウも日本でダチョウ牧場などで飼育が始まっています。肉も食べるので、革も使うし、足の部分の革も取れるならば使います。さすが最大の鳥類だけあって足まで革として使えます。興味ある方は「オーストレッグ」で調べると販売されているのを見つけられると思います。

これはもしかして、、

「熊の顔の革やな。」

やっぱり、、(゚A゚;) まぁ熊の皮も持ち込まれて革にして、という依頼もあるようで。
鞣しをすると一回り二回りは小さくなりますね。

これは鹿ですね。昨今はジビエなども知られるようになり、鹿肉やイノシシ肉も食べられるようになりました。そうなるともちろん革も使われます。

姫路やたつの市にたまに無茶な質問が来るそうな。

「私達の地方でイノシシ肉や鹿肉を加工して販売している。この革も有効活用したいんだが、自分たちで鞣し加工もしたいのだがどうやるの?」

無茶です(*´∀`)キッパリ

基本的に鞣しという工程は知識と技術と設備、それに大量の水が必要とされる産業です。趣味のものを作るならばまだしも、きちんとした「革」を作ろうと思うと知識、技術、設備、それらを習得する時間と気力が重要となります。

で、それで「確かにそりゃ無理だ!」と思った方がこのオールマイティーさんに持ち込んでくるわけです。

 

タンナーの定義ってなんだと思う?

オールマイティーさん、JLIA blogでタンナーについて書こうと思うんだけど、タンナーの定義ってなんだと思う?

「大雑把な質問やなぁ~
例えば現在、姫路市、たつの市で130~150ほどのタンナーが稼働している、と言われているけど、俺はそこまで存在しないと思う(※ここらの数字は体感です。登録数は多分もっと多いです)。

それは『あそこのタンナーは実際には動いていないで!』という意味ではなくて、『タンナー』という言葉の定義やな。」

どういうこと?

「タンナー、、、つまりはtannnerやろ?
TAN、ってのは鞣しをする、という意味や。それにerがついて、tannner、タンナーと読むわけや。
ってことは、うちのように大量の水と設備を使って皮から革に鞣しをしているのだけをタンナーというと思う。

でも実際は、鞣しではなくて、染色やスプレー吹きで色付け、型押しや仕上げ加工を得意とする加工所と言われるものも多い。それらは厳密にはタンナーとは言えないと思う。

これは、『鞣しをするタンナーがえらい!』という意味ではないんやで。仕上げ加工をしてくれるところはうちも世話になっているし、そういうところがいないとものすごく困る。ただ、厳密にいえばタンナーとは言いづらいな、と思っとる」


じゃぁ仕上げってなに?

皮革大学というのがある

姫路には兵庫県立工業技術センターの中に皮革工業技術支援センターというものがあります。

ようこそ皮革工業技術支援センターへ

で、ここで秋くらいに兵庫県中小企業支援事業の一環で、「皮革大学」というものが今のところは毎年行われています。

これは座学や実技などもありますが、後半には実際に革を鞣す講習も行われます。詳しくは過去に書いたblogをご覧ください。

平成29年度の皮革大学申し込み始まりました。昨年はすごかった。。 | phoenix blog

個人的にはものすごく面白く勉強にはなったのですが、化学用語は飛び交いますので物見遊山で行くとギャフンと驚くことになります。

で、この鞣しを勉強する皮革製造技術部門実習は次のような日程となります。

製革実習  9月 5日間(昼間30 時間)
仕上げ実習 9月 3日間(昼間18 時間)

製革は要は鞣しですね。仕上げ実習は今回説明する「仕上げ」工程となります。


「鞣し」「仕上げ」は設備も考え方も違う

鞣しは毛もついた状態の生々しく塩漬けされた「原皮」を、みなさんが日常で使う革製品で使う「革」にする工程です。

厳密に言うとこの流れはちょっと異なります。順番に見ていくと、、、

塩漬け屋...屠畜場やハンターが剥いだ皮を塩漬けにする工程を行う。
タンナー...皮を大量の水を使い鞣しを行う。革になる。
仕上げ屋...型押し、染色、エナメル加工などを行う

動物からお肉を取り、皮を取った後に、革になるのに最低でもこれだけの会社が関わります。
前出の新喜皮革さんも鞣しを行い、染色までは行いますが、型押しやエナメル加工などは外部の会社にお願いするわけです。それらの工程はそれぞれが専門の高額な設備が必要となり、専門知識が必要となるからです。


仕上げはすごく面白い工程

ムラキ個人は、皮革大学の皮革製造実習で学んで一番面白かったのは「仕上げ」工程でした。
仕上げ工程は「お化粧」だと思ってください。なめされた革の上に様々な化粧=工程をどんどんと載せていく工程です。

で、新喜皮革、オールマイティーの次は、「あれだけ手間かかることはしたくない」と同業他社からも言われるアルファレザーの革をご紹介しましょう

上の写真は、革の鱗1枚1枚にカッティングが施されています。
その上に色を染めています。蛇の模様部分も手作業で塗りの作業を行っています。
塗りの作業を手でひとつひとつ塗ると効率が悪すぎます。そこは特殊な技術が施されているわけです。

柔らかな革の上にハート型で箔押しが行われています。
見てわかりますように広いハートの面の内部がおぼろげに箔が剥がれています。
こちらはハートの縁はきっちりと箔が押され、内部がおぼろげに剥がれるように処理をしなければいけません。この剥がす作業も手作業です。

こちらもギュムっと圧縮してシワが出ています。普通にイメージするような圧縮方法では無理ですね。特殊な機械が必要となります。

こちらは型押しをした後に凸凹で凸の部分だけに染を行い、その上にエナメル加工を行っています。

こちらも型押しですが、凸凹の凸部分に色を載せて、その上にエナメル加工を行っています。
型押し加工には数百種類のパターンが存在し、極論すればそのすべての型押しの凸部分に同じような加工をし、異なる色合いで同じことができるわけです。

他にも様々な加工をアルファレザーさんは手がけています。

もちろん、「私は革らしいナチュラルさが好きなんです!」という人には全く面白くない世界だと思います。ゴージャス!デラックス!ブリリアント!が好き、という人にはものすごく面白い世界です。


仕上げの本質は

私程度の人間が「仕上げの本質はこうだ!」と書くと色々なところから「若造が!」とツッコミが入ってしまうのですが、、、それでも私が思う仕上げの本質とは「こういう加工をお客さんが望む色で、望むパターンで行うことができます」ということです。

元となる土台の革を仕上げ屋さんはタンナーから購入し、その上に様々な仕上げを施します。
土台となる革はキャンパスと同じです。その上にどのような仕上げをするかを考えるのはデザイナーさんなりの仕事であり、それを表現するのは仕上げ屋さんの仕事なわけです。


帰りは革の神様にお参りして

今回紹介した新喜皮革、オールマイティー、アルファレザーは姫路の高木と呼ばれる地域に固まっています。

ここには「高ノ木神社」という革の技術を日本にもたらした神様が祀られている神社も存在します。最後にお参りして帰宅しました。


今後の予定

ムラキが行っているイベント「本日は革日和♪」では、2019.4/5.6は大阪の革屋さん共々イベントを行います。その際に、このアルファレザーさんに来てもらいセミナーというか座談会というかトークショーを行う予定です。

詳しくは下記をご覧ください。

19.4/5.6(金土)の大阪革日和 5日は営業時間延長や展示会など | 本日は革日和♪

4月20.21の土日は東京浅草のA-ROUNDに。こちらはセミナーワークショップ予定。
4月26-28は東京のハンドメイドメーカーズにも出没予定です。


カテゴリー: 国内革事情

映画「翔んで埼玉」のヒットで話題の埼玉県。県南東部に位置する草加市は皮革と皮革関連製品の生産が盛んです。恒例企画や常設スペースで地場産業である、革のものづくりは、じわじわと人気が広がっています。そんな草加市のイベントにお邪魔してきました。今月開催されるイベントもありますので、ぜひ、参考になさってください。

「草加レザーフェスタ2019」
草加市文化会館にて恒例イベント「草加レザーフェスタ」が、2月16日から2日間行われました。
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参加型プログラムが超充実。ファミリーで革のものづくり体験にチャレンジ。
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動物モチーフのシリーズは水に濡らすと硬化する、皮革の可塑性を生かしたもの。手を動かしながら、学びもありますね。
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干支の猪も登場。

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着彩すると印象がガラリと変わりますね。

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会場は大盛況。たくさんのかたが楽しんでくださったようです。

ほかにも、ワンランク上のプレミアムな企画も。
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草加を拠点に活動するクリエイターたちが提案する、ものづくり体験コーナーには、素敵なブースがズラリ。
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さまざまな革小物、インテリア雑貨など、個性あふれるデザインがいいですね。
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マルシェイベント、百貨店催事でも人気のメンバーが集結。クリエイターたちがDIYをサポート、ものづくりの紹介などコミュニケーションの場ともなり、より身近に感じていただけたようですよ。
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この日、東京・浅草の人気イベント「浅草エーラウンド」の運営スタッフが視察に訪れていました。浅草と草加、両産地の交流もスタート。今後のコラボレーションが楽しみです。

「草加モノづくりブランド認定製品展示販売会」
草加市物産・観光情報センターにて、「草加モノづくりブランド認定製品展示販売会」が3月16日(土)から2日間行われました。
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草加市物産・観光情報センターは東武スカイツリーライン 草加駅直結の高架下のスペース、アクセス便利な好立地にあり、展示や映像などで地場産業の魅力をわかりやすく紹介しています。
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草加モノづくりブランド認定製品は草加せんべいと皮革産業がハイブリッド!
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せんべいの凹凸感、焼き目までもレザーで表現。ストラップ、キーホルダー、小物入れがそろいます。
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会期中には参加ブランド<フィリカ>による製作実演も。繊細な感性による丁寧な手仕事を披露しました。
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幅広い世代のユーザーが続々来場。とても盛況で地元愛を感じます!
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3月30日(土)には、そうか革職人会がレザークラフト体験ワークショップを開催予定。
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春休み中のお子さん、ファミリーにおすすめです。

さらに、毎日多彩なイベントが行われていますので、おさんぽコースに加えてみてはいかがでしょうか?

■ 参考URL ■
 そうか革職人会
 <https://www.soka-kawa.com/>
 草加市物産・観光情報センター
 <https://sokabkjc.jp/event-info.shtml>

カテゴリー: 国内革事情

3月15日「靴の記念日」に向けて、革の街・靴の街 浅草で参加型イベントが続々と行われています。隅田川沿いの遊歩道はお花見の名所。春の訪れを告げる桜と、さまざまなつくり手が手がける革製品。咲き競うような個性、魅力をぜひ、確かめてください。

浅草文化観光センター「靴の記念日」メモリアルイベント2019 ~3月28日
3月15日「靴の記念日」をフィーチャーした人気イベントが、今年も開催中です。
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Art of Kawakiriko 1 可能性展」、「女性のためのセミオーダーシューズと男性のためのフルオーダーシューズ展」、「浅草靴職人のオーダー靴製作実演」が開催され、好評でした。

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「森悦子個展 革盆栽」が開催中(本日3月13日まで)です。
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日本独自の鑑賞鉢植え・盆栽をレザークラフト作品として再現するアート作家 森悦子さんの世界をお披露目。
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本当に革?と疑ってしまうほどの完成度に見惚れます。
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食肉の副産物として生じた皮。その生命の証を大切になめし、仕上げた皮革素材。森先生をはじめ、生徒さんたちの情熱が込められた革盆栽作品へと昇華しています。
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薫り立つような生命力はレザーだからこそ導かれる表現なのかもしれません。

今後のプログラム(一部)は以下のとおりです。

*昭和の名靴
手製靴と機械靴の競演
3月15日(金)~20日(水) 10:00~18:00

*靴の記念日(3月15日)トークライブ
3月15日(金) 14:00~18:00

「We Love Shoes/日本の靴の昨日今日明日」をテーマに3部構成で開催。

「日本の靴産業の歴史と靴職人の系譜」(講演)
稲川實さん<皮革産業資料館館長>
「素晴らしき日本のクラフトマンシップ」(ディスカッション #1)
大手メーカー×浅草メーカー×手製靴職人/大谷知子さん(靴ジャーナリスト)
「靴オタクと日本独自の靴文化」(ディスカッション #2)
靴収集家×靴磨きオタク×アート作家/飯野高広さん(服飾ジャーナリスト)

*シューケア&フィッティングライブ
3月28日(金) 14:00~18:00

このほか、盛りだくさんのプログラムはこちらでご確認ください。

当ブログ(2月20日更新分)
<http://www.jlia.or.jp/enjoy/blog/cat4/20190220>

ライオンビル「台東ファッションザッカマルシェ」3月15日~
恒例イベント「台東ファッションザッカマルシェ」が今年も3月15日(金)から3日間開催。会場は雷門にほど近いライオンビルディング。今年も靴・帽子・ベルト・革小物など、地元ファクトリーブランド(全7ブランド)のアイテムを販売する期間限定ショップです。
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スペシャルコンテンツとして、<BEERBELLY>の職人によるトートバッグ・印鑑ケースの製作体験、<Decibell BY SATOH SHOTEN>の職人によるレザーボックス製作体験にもトライできますよ。

台東ファッションザッカフェア
<http://www.taito-zakka-fair.jp/>

東京都立城東職業能力開発センター 台東分校 製くつ科 第47期生 卒業制作内覧展 3月20日
東京都立城東職業能力開発センター 台東分校 製くつ科 第47期生による卒業制作内覧展「紡ぐ〔weave〕」が3月20日(水)に行われます。
台東分校 47dm-o-thumb-300xauto-20285.jpg
同校は製くつ科を設置する全国で唯一の職業能力開発施設。求職者に対して、革靴の製造について、型紙から製甲、底付まで一貫した製造工程の知識や技術・技能が習得できます。
在職者には製造工程別に多様なコースの能力向上訓練(キャリアアップ講習)を行い、知識や技術・技能の向上をサポート。地域や産業界における人材育成確保や技能の評価などへの取組みの支援を通して、つくり手たちの職業の安定と地位の向上、皮革関連産業の振興を推進しています。若きつくり手たちの、芽吹き・旅立ちの瞬間。ぜひ見届けてください。

東京都立城東職業能力開発センター
<http://www.hataraku.metro.tokyo.jp/vsdc/taitou/>

<浅草ものづくり工房>セミナー「繊研新聞」第一線記者に聞く「靴・雑貨マーケットの変化と今後」3月26日
東京・奥浅草 インキュベーション施設<浅草ものづくり工房>の恒例企画、「ものこぼ2019春のビジネスセミナー」が開催中です。
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恒例企画「春のビジネス情報セミナー」、最新プログラムとして「繊研新聞」第一線記者に聞く、というスペシャルセミナーが実現! 第2弾は「靴・雑貨マーケットの変化と今後」。須田渉美さん(「繊研新聞」本社編集部記者/靴雑貨ご担当)です。必聴です。

申込みなど詳細は下記リンク先をご覧ください。
シューパラ

「"靴が出来るまで〟バスツアー in 浅草」3月29日
靴のつくられる場所、皮革素材がそろう場所をツアー形式で紹介するイベントが開催決定。現在参加者募集中です。
靴ツアー1903.jpg
「知るほど深まる靴の世界の魅力と秘密にふれる一日、楽しみませんか?」と運営ご担当のシューフィル 城一生さん。概要とスケジュールは以下のとおりです。

*伝統の職人技から生まれる「スコッチグレイン」の工場を見学
*足にやさしく美しいパンプス「i/288」の工房やショールームを見学
*皮革のショールームで世界のいろいろな革に触れる
*革の街・浅草を歩きその歴史と伝統を探る
*革小物ワークショップや足型計測を体験する
*ヒールやソール、靴パーツの数々の知識を得る

<見学スケジュール>
靴産業発祥の地「本龍寺」(浅草靴産業発祥の地)
 ↓
富田興業(皮革問屋)世界の皮革が揃うショールーム見学、皮革知識レクチャー
 ↓
浅草ものづくり工房
若手クリエイターが集う創業支援施設
 ↓
皮革産業資料館
江戸時代~明治~昭和時代の皮革製品や資料がいっぱい!
 ↓
ヒロカワ製靴(紳士靴メーカー)
グッドイヤーウエルト製法の紳士靴のメイキングのすべてをじっくり見学
 ↓
丸上(靴パーツ問屋)
ヒール、靴パーツやアクセサリーの並ぶショールーム見学
革小物ワークショップを体験
 ↓
靴の街・浅草ウォーキング
革加工所、皮革問屋、靴問屋などの並ぶ町を歩き、現場見学
 ↓
i/288工房&ショールーム
足にやさしく、美しいパンプスのサンプル製作工房とショールーム見学
足の計測とフィッティング体験
 ↓
雷門・浅草文化観光センター
 ↓
解散
実施日:3月29日(金)(午前9時~午後5時30分)
定 員:25人(先着順:定員になり次第締め切ります)
参加費:2,000円(昼食代、ワークショップ代)
協 力:一般社団法人 日本皮革産業連合会(JLIA)

【お申込み】
参加者のお名前/年齢/ご職業/連絡先を明記の上、メールにてお申し込みください。
※申込み後、ツアー参加票が送られます。
mail: shoephile@mx9.ttcn.ne.jp
バスツアー企画/運営ご担当 シューフィル:城 一生さん

カテゴリー: 国内革事情

国内有数の皮革産地として知られる、兵庫・姫路。上質なレザーをつくるエリアとしてお馴染みですよね。この春は、地域のイベントはもちろん、国内各地、そして海外で姫路の革とものづくりの魅力を発信! そんなトピックとイベントをまとめました。今月開催されるイベントもありますので、ぜひ、参考になさってください。

*  *  *

<革工房 BAIMO>卒業生ブランド<Unite> 各地のイベントに出品
姫路皮革協会産業活性化研究会により皮革縫製技術者を養成する目的でつくられた、姫路市の支援を受けるチャレンジ工房<革工房 BAIMO>卒業生ブランド<Unite>が、「神戸セレクション」(新潟伊勢丹/3月13日~18日)、「日本の職人展」(ジェイアール京都伊勢丹/3月27日~4月1日)に出展します。
ユナイトさん1903.jpg
(写真:<Unite>公式SNSアカウントより)

ナチュラルな風合いと流行にとらわれないシンプルなデザインをコンセプトに、3人の革職人たちにより始動した同ブランド。そのひとり、中野義夫さんは「Japan Leather Award 2013」バッグ部門賞を受賞するなど、実力派として知られています。また、現在、兵庫・三宮 東急ハンズ三宮店で開催中の期間限定ショップ「兵庫MONO」にも参加。さらなる飛躍に期待が寄せられています。

 Unite 


「ハンドメイドクラフト展 in ふく蔵」~3月24日
御着四郷皮革協同組合が運営する革素材を中心に販売する<Leather cafe>が、外部のイベント「ハンドメイドクラフト展 in ふく蔵」(兵庫・加西)に参加。3月5日からスタートしました。
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(写真:<Leather cafe>公式SNSアカウントより)

マーケット形式の同イベントでは、ハンドメイド作家のオリジナル作品を集積。 <Leather cafe>からは、すっきりとしたデザインの使いやすい革製品を出品しています。

 Leather cafe


「姫路皮革製品推進協議会×姫路工業高校デザイン科連携事業」作品展~3月31日
姫路工業高校デザイン科、市内製革業者(タンナー)、クリエイターがコラボレーション。生徒が考案したデザインに適した革素材をタンナーが無償で提供を行い、クリエイターの指導のもと、生徒自らが製品化する「姫路皮革製品推進協議会×姫路工業高校デザイン科連携事業」。その成果をお披露目する特別展示イベントが、みゆき通りステーション(ヤマトヤシキ姫路店 1F 跡地)で行われています。
JLA公式サイト18受賞作品学生部門最優秀賞.png
「Japan Leather Award 2018」学生部門 最優秀賞 受賞作品(写真)も展示。高校生の受賞は同アワード初の快挙です。さまざまなメディアで紹介され話題となりました。
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会場は姫路工業高校デザイン科の学生自らディスプレイ。「見やすさ」と「空間のデザイン」のバランスを意識しているそう。国内有数の皮革産地で育まれた高校生の自由な発想と、上質な姫革素材との相乗効果によって、無限大の可能性が広がります。

  姫路市


「皮革フェア」3月10日
恒例イベント「皮革フェア」が3月10日(日)に行われます。見野の郷交流館を中心に計4会場で開催。
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(写真:<Leather cafe>公式SNSアカウントより)

製品・端革の販売をはじめ、手づくり体験、オーダーメード靴の相談、ゼラチン、コラーゲンの展示、鹿肉の試食販売など盛りだくさんです。

「新喜皮革 presents レザーフェスティバル 2019」3月22日~
世界屈指の馬革タンナーとして知られる、<新喜皮革>が3月22日(金)から2日間、恒例のイベントを行います。革に特化しながらも、内容が毎年進化。今回は、神戸の人気DJが会場を盛り上げ、フードコーナーも充実するようですよ。

  新喜皮革 presents レザーフェスティバル 2019


「ひょうご天然皮革(HYOGO LEATHER)を世界へ」パリで展示会出展&ポップアップショップ開催
兵庫県皮革産業協同組合連合会が「パリメンズファッションウィーク Fall-winter 2019-20」への出展、セレクトショップ Bows & Arrows / Japan-Best にて、レザーバッグ、アクセサリーブランド URBAN BOBBY ポップアップショップを行いました。
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今回のプロジェクトは、「ひょうご天然皮革(HYOGO LEATHER)」をプロモーションする同連合会がひょうご天然皮革ブランド化戦略事業(兵庫県)の支援により実施。すでに世界で高く評価されている日本の技術、ひょうごレザーとデザイナーがひとつになり、『ひょうご天然皮革を世界へ』をスローガンに海外進出を目指しています。

  プレスリリース


アートのような革バッグと姫路黒桟革とのコラボレーションが実現「Art of Kawakiriko 1 可能性展」
<クスグルデザイン>がシグネチャーライン<革切子®>初の美術展を、東京・浅草で3月1日から3日間行いました。伝統工芸、切子をモチーフに独自のデザイン、加工技術でつくり上げる<革切子®>は百貨店のイベントなどで実績を重ねています。
革切子展190301.JPG
「<革切子®>シリーズは、実用新案登録をした技術で開発した独特な凹凸があるデザイン技術を駆使した全く新しいバッグです。<革切子®>はオリンピックを間近に控え、日本とは何かを発信するためのアイデンティティを形作りたいという思いから、「和」を意識したブランディングを考えており、切子グラスの技法からインスピレーションを受け、生まれました」(<クスグルデザイン>代表 鈴木智さん)
展示のほか、生け花のライブパフォーマンスが好評。海外展開を意識した内容となっており、観光客の反応も上々。
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作品では坂本商店の姫路黒桟革とのコラボレーションが実現。「陰翳礼賛」をテーマに珠玉の逸品が完成しました。姫路黒桟革は日本の伝統技法「なめし」と「漆塗り」の融合が国内外で高く評価され、コンテストでの受賞も相次いでいます。宝石をちりばめたような、独特の煌きが美しい。唯一無二の存在感を放っていました(展示パネルの写真は、Shun s-photoart 松本瞬さんの撮影です)。

  革切子®

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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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