欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2019年11月27日 の記事

カテゴリー: 村木るいさんの「人に話したくなる革の話」

月1回のスペシャルコンテンツ、村木るいさんの「人に話したくなる革の話」。今回は、毎年恒例の「ニューレザーコンテスト」展示イベントのレポートです。村木さんの視点で徹底解説! ぜひご一読ください。

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通常、皮革産業のさまざまなトピック、イベントのレポートなどをお届けしておりますが、人気イベント「本日は革日和♪」を主宰する村木るいさんが月1回スペシャルコンテンツをお届けしています。イベント、セミナーなど精力的に活動する村木さん。皮革に関する確かな見識を有し、幅広い情報発信に支持が寄せられています。

当ブログでは、レザーに関心をもちはじめた若い世代のかたや女性ユーザーにお伝えすべく、わかりやすい解説とともに西日本の皮革産業の現状をご紹介しています。独自の視点・レポートが大好評です。人気イベント「本日は革日和♪」。今後の予定、スケジュールなど、下記のリンク先をチェックしてください。

次回出展は「東京レザーフェア」! 今回のエントリの文末にも書かれていますので、最後までじっくりご覧ください。

  「本日は革日和♪」
  <http://ccrui.sakura.ne.jp/kawabiyori/>

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毎度です!「1日革に関して喋っていた」ムラキです。
バスガイドさんとしてひたすら喋っていましたね(ヽ´ω`)

毎年11月に行われる「ひょうご皮革総合フェア2019」&「第28回たつの市皮革まつり」が2019年11月16日(土)・17日(日)に開催されました。このお祭りは屋台や革素材や製品販売などがありなかなか盛況なお祭りです。

で、個人的な目玉はニューレザーコンテスト。このコンテストはタンナーさんによる腕自慢大会となっており、各種様々な革が展示されています。例年「このコンテスト面白いんだよ!」と口うるさく伝えてきたのですが、今年はより知ってもらおうと動画を作りました。まぁ、動画を作っても手触りは伝えきれないのですが、「あれ、このコンテスト見たほうがいいじゃねぇの?」と思ってもらえたら幸いです。


目次 [hide]

「ひょうご皮革総合フェア2019」&「第28回たつの市皮革まつり」はどこでやっている?

個人的に本番はニューレザーコンテスト!

リストを見たら販売してもらるかどうかがわかる。

入賞作品は12月4.5日に浅草で行われるレザーフェアにて展示されます。

革日和バスツアーって?

バスツアーの様子はこうだった

昭南皮革

オールマイティー

これだけの数のタンナーが集積し、様々な革をコンテストで見ることができるのはすごく幸せなこと

19.12/4.5のレザーフェアは革日和としてこんなことをします



「ひょうご皮革総合フェア2019」&「第28回たつの市皮革まつり」はどこでやっている?

兵庫県たつの市にある赤とんぼ文化ホールという文化会館を中心として行われます。

革製品のアウトレットセールやタンナーさんによる革の直売なども行われ、屋台も出ているにぎやかなイベントです。

個人的に本番はニューレザーコンテスト!

兵庫県たつの市と姫路市には100以上のタンナーが存在します。それぞれが得意分野が異なっていますが、このコンテストではそれぞれが腕によりをかけた革をコンテストに出しています。あくまでタンナーのコンテストなので革素材のみとなります。

 

リストを見たら販売してもらるかどうかがわかる。

このコンテストでは全ての作品の製作タンナーのリストがもらえます。リストには販売「可」「不可」も書かれています。これは「1枚からでも売るよ!」という意味ではなく、「ロットまとめてくれるならばメーカーさんなりに直接売りますよ。20枚なり50枚なりになりますが」という意味です。

入賞作品は12月4.5日に浅草で行われるレザーフェアにて展示されます。

コンテスト入賞作品は12月4日(水)・5日(木)に浅草で行われる東京レザーフェアにて陳列されます。ただ、入賞作品よりも入賞していない作品のほうが突拍子もないものが多いように思えます。

入賞作品だけではなく、入賞していない作品にも数多く面白いものが多いです

革日和バスツアーって?

毎年この皮革まつりにあわせて運営しているツアーで、このツアーの中で「ひょうご皮革総合フェア2019」&「第28回たつの市皮革まつり」に立ち寄り、お昼を食べてもらい、ニューレザーコンテストの解説を私が行います。このニューレザーコンテストは単に見るだけだと「へ~、すごいね」でしかありません。

ヌバックとはどういう加工か?色落ち検査とはなんのために行い、等級は何を意味するのか?このタンナーさんの加工はどう面白いのか、などを解説します。

その後にバスで昭南皮革・オールマイティーという2社のタンナーを訪れ、タンナーの仕事を観てもらう、というものです。

2019たつの市皮革まつり&タンナー見学バスツアー 2019年11月16日(兵庫県) - こくちーずプロ

来年なりもどこかのタイミングでバスツアーは開催しますので、興味ある方はまたメールマガジンにご登録ください。

MailMagazine | 本日は革日和♪

バスツアーの様子はこうだった

総勢21人参加。多分この人数くらいがタンナーさんに迷惑かけ無いギリギリの数じゃないかな、と思います。

昭南皮革

土曜日はタンナーさんはおやすみなのですが、このツアーにあわせて特別に見学させていただきました。(気軽に行っていい場所ではないですし、機械が動いていると危険な場所でもあります。昭南皮革様への問い合わせなどはご遠慮ください。)

ここは日本でも数少ないピットタンニンなめしをやっているタンナーさんです。40分ほどかけてじっくりと社長自ら解説していただき、様々な革を見せてもらいました。

オールマイティー

オールマイティーさんは姫路市の高木地区でタンナーさんをやっておられます。

タンナーの中でも唯一、と言えるほど珍しいことをしています。なんと1枚からでも革を作ります、というスタンスで革の制作を行っています。
「じゃぁどんな革でも作れるの!?」というとそれは違う話です。持っている設備、使う原皮、方向性などにより各タンナーは作れるものが異なります。社長により原皮から鞣し染色など事細かく解説していただきました。

これだけの数のタンナーが集積し、様々な革をコンテストで見ることができるのはすごく幸せなこと

過去現在未来において多分今が一番革素材を購入するには幸せといや幸せな時代だと思います。

過去は「ロットがまとまってもメーカーさんに革を直接売るのは嫌だ」と言われました。
現在は「ロットをまとめてくれるならば直接注文くれたら相談のるよ」とタンナーは言います。革屋さんも「別に1枚からでも定番品ならば喜んで売りますよ」と言ってくれます。

で、未来ではこれだけの数のタンナーや革屋も数が減ります。需要と供給や跡継ぎ問題など複数の要因が絡み合っています。これだけの選択肢がある「現在」が革を購入する人にとっては幸せだとすら私は思います。

姫路市とたつの市にタンナーはなぜ多いのか?世界の革の歴史は?などは下記blogをまたご覧ください。

村木るいさんの「人に話したくなる革の話」姫路&たつので皮革がつくられる理由

村木るいさんの「人に話したくなる革の話」皮から革へ。世界の鞣しを大阪で学ぶ

19.12/4.5のレザーフェアは革日和としてこんなことをします

東京レザーフェア会場の9Fにて靴のパタンナーさんや鞄のサンプル師を呼んでセミナーや型紙制作実演を行ってもらいます。「人に話したくなる革の話ぷち 革の買い方や歴史編」も無料で行います。
また、nijigamitoolという木工作家を呼んで革のワークショップも行います。

本日は革日和♪ in レザーフェア 12/4.5(水木) 靴・鞄の型紙制作実演やら、ワークショップやら | 本日は革日和♪

上記ニューレザーコンテスト入賞作品を見がてらお立ち寄りくださいな。


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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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