欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2019年12月 の記事

カテゴリー: 村木るいさんの「人に話したくなる革の話」

月1回のスペシャルコンテンツ、村木るいさんの「人に話したくなる革の話」。
今月はイベント、セミナーを主催する立場でもある村木さんが、ものづくりに関する技術、知識、その魅力の奥深さを多くのかたがたに伝えること、ご理解いただくことについて、マーケットの現状とともに語ってくれました。一年の締めくくりに相応しい内容となっております。
さて、今回が2019年最後の投稿です。一年ご愛読いただき、ありがとうございます。2020年は1月8日(水)からスタートです。来年も引き続き、よろしくお願いいたします。

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通常、皮革産業のさまざまなトピック、イベントのレポートなどをお届けしておりますが、人気イベント「本日は革日和♪」を主宰する村木るいさんが月1回スペシャルコンテンツをお届けしています。イベント、セミナーなど精力的に活動する村木さん。皮革に関する確かな見識を有し、幅広い情報発信に支持が寄せられています。
当ブログでは、レザーに関心をもちはじめた若い世代のかたや女性ユーザーにお伝えすべく、わかりやすい解説とともに西日本の皮革産業の現状をご紹介しています。独自の視点・レポートが大好評です。
人気イベント「本日は革日和♪」。今後の予定、スケジュールなどは下記のリンク先をチェックしてください。
  「本日は革日和♪」
  <http://ccrui.sakura.ne.jp/kawabiyori/>

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毎度です!「今年の秋から冬のイベントの山場は無事終了!」のムラキです。

19年12月4・5日 水・木曜日に開催された東京レザーフェア。この9階で行われた革日和ブースの取りまとめを行いました。当日お越しいただいた方、ありがとうございました。

浅草エーラウンド主催イベント 同時開催 | TLF 東京レザーフェア - 革の展示

今回のblogでは、この革日和 in レザーフェアや豊岡鞄のセミナーを聞きに行った話を報告しつつ、思ったことなどをダラダラっと書いていきます。

 


目次 [hide]

今回のレザーフェアでエーラウンド&本日は革日和♪ということで1部屋借してもらえました

革日和は何をやったのか

ワークショップ

靴セミナー

バッグセミナー

なんでこういうセミナーを企画したか

レザーフェア次回にも同じことを革日和は行うのか?

19.11/15には大阪で特別セミナー「豊岡ブランドができるまで」を聞いてきた

内容抜粋

豊岡鞄の今後予定

この国はモノづくり&職人、という言葉が好きな割にそれらにお金を出すのは渋る

今回のレザーフェアでエーラウンド&本日は革日和♪ということで1部屋借してもらえました

レザーフェア開催中、会場である台東区民会館はレザーフェア運営である協同組合資材連が全部借り切っています。
で、9階が空いているし、ということで浅草で行われているイベント エーラウンドと私が運営している「本日は革日和♪」に、「なにかやってくれ」とお声がかかりました。
運営サイドとしては「従来レザーフェアに来ないような層を増やしてほしい」ということでしたが、なかなか難しい注文です。なんせ展示や販売は一切禁止というお達し。
結局ワークショップとセミナー主体と言うことで、知り合いなどを呼んでワークショップとセミナーを行いました。
レザーフェアは水曜・木曜日のみ行われるため、ワークショップは集客がちょっとなぁ、というものでした。ワークショップは土曜・日曜日なり絡めないと厳しいですね。

それに対して、セミナーは平日にも関わらず遠方は青森からも来られたり、靴の専門家なども来て満席に近い状況でした。

革日和は何をやったのか

大阪から靴のパタンナー 古瀬勝一氏、バッグのサンプル師 中村保義氏を呼んで型紙実演セミナーを行っていただいたり、nijigamitoolさんに来ていただきワークショップを行ってもらいました。

ワークショップ

nijigamitoolは東大阪にある木工の夫婦ユニットが主宰しています。木工による革の工具などを作ったり、ワークショップを行ってくれています。

今回は「展示販売禁止」という条件だったためワークショップのみの参加でした。下記の工具などもワークショップで使ったものです。

靴セミナー

靴のパタンナーという仕事は、「靴の木型から型紙を実際に作る」というのがお仕事です。木型から作る実演ということですので、2時間で木型から型紙を作る、という濃い内容でした。
当日は撮影環境を整えて、受講した方には復習用に後日動画もプレゼントという体制を整えました。

靴木型から型紙を作る実演 外羽根編 2019年12月4日(東京都) - こくちーずプロ
靴木型から型紙を作る実演 ニーハイブーツ編 2019年12月4日(東京都) - こくちーずプロ

古瀬氏には外羽根、ニーフットブーツ、という2つのセミナーを2時間×2回で実演。聴講者は靴メーカーの方、教室生徒さん、教室運営者さんなど多彩に聞きに来られ、充実した成果を得られたと思います。古瀬氏は専門学校の講師をしていたこともあって、「なぜこのラインはこのようになるのか」などを論理的に説明し、作業をしつつ解説する、というテクニックも有しており、このセミナーでも手と口を止めることなく解説していただきました。

バッグセミナー

翌日12/5は、大阪の「サンプル師が教えるバッグ教室」主宰の中村保義氏に来てもらいました。

サンプル師が型紙実演:つまみのついたハンドバッグ 2019年12月5日(東京都) - こくちーずプロ
サンプル師が解説『バッグメーカーの面白さ、辛さ、お金の流れ、型紙の意味を解説するセミナー』 2019年12月5日(東京都) - こくちーずプロ

型紙実演は実際のつまみのついたハンドバッグの型紙の作り方を実演してもらい、こちらも動画を後日聴講生にプレゼント、という形式で行いました。

で、2番めの「サンプル師が解説『バッグメーカーの面白さ、辛さ、お金の流れ、型紙の意味を解説するセミナー』 」は座学セミナーで、中村氏による「メーカーという仕事はどういう仕事か」を喋っていただきました。

このセミナーは1年ほど前に大阪で行ったのと同じセミナーです。

なんでこういうセミナーを企画したか

中村さん、サンプル師やメーカーってどんな仕事か教えるセミナーをやってみようよ

中村さん「そんなんやって聞きたい人いるんかなぁ?」

例えばバッグや鞄メーカーに入っても実際にミシン踏んでサンプル切る人って少ないやん?メーカーってクライアントと職人の間にたって利益を稼ぐ仕事だけど、お金の流れや苦労って理解しづらいやん?そういう利益はどこから出しており、どういう苦労があり、どういう喜びがあるか、を知ってもらえたら将来的に革業界で働きたい人の選択肢に幅が出ると思うんだよね。ネットは発達してきたけど未だに革業界や鞄業界って内部の情報発信が全然足りてないと思うんよ。だからやってみたいんだよね。

「無料でやるん?」

無料はあかんよ。無料でもらったものを人は大切にしない。だから必ずお金はもらう。その分しっかりしたものを提供する、という縛りがセミナー講師にも主宰者にも出てくるよね。だから「はい!中村さんに任せた!当日は自由に喋ってください!僕は依頼しただけです!」なんてせぇへんよ。レジュメも整えて用意するし、中村さんが必要ならば狂言まわしなり司会もするよ。だからやってくれへんかなぁ。きちんとお金も払うよ。

「そういうことならええよ、協力するよ~」

という流れで行ったセミナーです。

当日はメーカーの人や、請負職人さん、青森から来た方など満席状態でした。

レザーフェア次回にも同じことを革日和は行うのか?

多分行いません。
ワークショップはやはり平日のみでは集客できず、ワークショップをやっていただく方にメリットがありませんでした。セミナーは喜ばれるとは思いますが、もう少しターゲッティングしないと講師の方にも悪いかな、と。

多分このblogを読んで「えっ!そんなことやっていたの!行きたかった!」という声も出るかと思いますし、イベントは3回やらないと周知されないので最低あと2回やらないといけないんですけどね。

個人的には日本皮革産業連合会(JLIA)が作った「皮革の出来るまで」や「鞄の出来るまで」のDVD上映会なり、他の革関係の上映会などをやったほうが一般層へのアピールにはなるかな、と思います。その際は「動画を流した。さぁ、あとは勝手に見てくれ!」では駄目で、「この動画ではこの点が見どころです」などの解説がないと意味がないかもなぁ。下記の「出来るまで」DVDは個人的に全部購入して見ていますが、出来が良いんですよ、これ。売り切れたら再生産しないんじゃないかな、これ、、

2017/09研修用DVD「ランドセルの出来るまで」
ご購入を希望される方はこちら。
2017/04研修用DVD「手袋の出来るまで」
ご購入を希望される方はこちら。
2016/05研修用DVD「レザーウェアの出来るまで」
ご購入を希望される方はこちら。
2014/05研修用DVD「ベルトの出来るまで」
ご購入を希望される方はこちら。
2013/05研修用DVD「ハンドバッグ・小物の出来るまで」
ご購入を希望される方はこちら。
2013/05研修用DVD「鞄の出来るまで」
ご購入を希望される方はこちら。
2012/05研修用DVD「靴の出来るまで」
ご購入を希望される方はこちら。
2011/07日本の皮革産業の底力とJLIAの活動を
気軽な映像コンテツにして配信中 !
2011/03外国人のお客様をおもてなし !
中国語・韓国語・英語 接客会話集
2009/05研修用DVD「皮革の出来るまで」
ご購入を希望される方はこちら。

19.11/15には大阪で特別セミナー「豊岡ブランドができるまで」を聞いてきた

さて、大阪にて11/15に行われたシューカレッジおおさかによるセミナー、「特別セミナー「豊岡ブランドができるまで」を聞いてきました。

これがなかなか笑いあり涙ありの素晴らしい内容でした。

内容

このたびシューカレッジおおさかで、特別セミナーとして公開講座を開催することになりました。

2018年4月にシューカレッジおおさかを立ち上げた際に、地域の地場産業の振興の先進的な事例として、豊岡での取り組みを大きく参考にさせていただきました。人材の確保、育成(知識・技術の向上)、新規事業、地域との共生など、1つではなく、更にはお互いが絡み合う複雑さを増している課題を抱える状況の中、学校「Toyooka Kaban Artisan School」「鞄縫製者トレーニングセンター」を中心にしながら、「豊岡鞄」という地域ブランドづくりなどを展開することで好循環を作り出し、鞄の産地としての「豊岡」は内外共に輝きを見せています。

今回は数ある取り組みの中でも、「豊岡鞄」という地域ブランドについてのお話をお伺いしたいと思います。熟練の職人によって作られた高品質の鞄にしっかりとした品質保証をすることで、その価値を守り、結果として地場産業の振興や維持に大きな役割を果たしています。この地域ブランドの立ち上げに至るまでのきっかけや経緯、そして地域ブランドをどのように活用されているのかをお話しいただきます。

「豊岡鞄」「豊岡財布」「豊岡小物」オフィシャルサイト

靴に関わる方だけでなく、広くどなたでもご参加くださいませ。自社のブランディングだけでなく、業界や地域を巻き込んでのブランディング戦略を考えられている方など、新規事業づくりや企画に新しい知識や事例を知りたいという方には特にオススメの内容になっております。

■セミナ-講師

植村賢仁 氏
兵庫県鞄工業組合 副理事長
マスミ鞄嚢株式会社 代表取締役

内容抜粋

細かく書いちゃうとセミナー主宰にも講師の方にも失礼ですので抜粋だけでも。ブランド構築の苦労や、組合の苦労などが偲ばれて泣けてくる良いセミナーでした。細かい数字もバンバンと出してくれる生々しさもあり、靴鞄財布タンナーなど限らずに「ものを作って売る」という商売をしている人全員聞いて損のないセミナーでした。

・OEMの限界。ブランド構築を考える。

・商標取るのに苦労した

工業製品としては第一号の商標認定。

・ブランド構築のために苦労したこと
将来この地がどうなりたいか、子どもたちがどのように働いているか、などの未来を見据えて、その上でどのお客をターゲットにするか、など

・買う人が何を求めているかは現場にしか落ちていない。
ある程度 主 になる人は販売員として立ってもらった。

・ブランドとは続けなければならない

・組合都合を一切排除

・豊岡鞄には製品保証
自社じゃない品でも豊岡鞄として修理する

・豊岡鞄の認定
合格率5割から6割。
検査してアウト、ではなくて、アドバイスも惜しまず出す。

仲間内でそういうことをやるのは勇気がいる。

・豊岡鞄の活動について
売れるようになると展示会募集が増えるけど、見極めはバイヤーやマネージャーが熱意持ってきちんと取り組んでくれるかどうか。

・周知活動
今後を考えると消費者にアピールしないと意味がない。
消費者に知ってもらう活動を続けている。

・ふるさと納税でカバンを買おう、という人も多い。

・派手に動くと便乗して入ってくるところも多い。
組合としては周知活動はするが、儲かるかどうかは各社の仕事。

豊岡鞄の今後予定

お知らせ|兵庫県鞄工業組合「豊岡鞄」地域ブランド委員会

豊岡鞄フェア @髙島屋大阪店

毎年恒例の、大阪髙島屋でのフェアを新年早々に開催いたします!
【会期】1月3日(金)~1月7日(火)
午前10時~午後8時(最終日は午後6時閉場)
【会場】髙島屋大阪店 7階催会場

マスミ鞄嚢のオーダー受注会を始め、カバンコンシェルジュキヌガワによりますカバン・財布の修理、お手入れ相談会も開催いたします。

いつもご好評いただきます、ミニチュアボストンのワークショップも開催いたしますので、是非ご参加ください。

皆様のお越しを、心からお待ちいたしております。

この国はモノづくり&職人、という言葉が好きな割にそれらにお金を出すのは渋る

「良いものを作っていたら売れるんだ」というのは今の時代には全く即していません。

知ってもらう。理解してもらう。

それはTVに出たり、タレントが宣伝すればいい、というものではなく、作っている本人や社長、ブランドプロデューサーなどが自分自身で心からアピールしないと相手に理解してもらえないと思っています。

これは「アピールしよう!頑張れ!頑張れ!」という精神論の問題ではなく、「Youtubeだ!インスタだ!」というSNSなりの技術の問題でもありません。

生産技術を持ち、どこにターゲッティングし、それに基づいてデザインし、完成した品をどの媒体でどのようにアピールするか、という戦略戦術論になります。ここらを考えるのが社長&幹部の仕事なわけです。

今回のレザーフェアの中で行った革日和の型紙製作セミナーにせよ、座学セミナーにせよ、豊岡鞄セミナーにせよ、「ターゲットに理解してもらいたい」という思いが骨子にあります。今の時代、消費者はタレントが紹介したり、高額だから買う、というわけではなく「自分が納得したものを購入したい」「失敗したくない」という思いが強いように思えます。だからこそ「知ってもらう」「その上で買ってもらう」ことがすごく重要です。

個人的には「ものを作るよりも企画して売るほうが10倍難しい」と思っています。このblogでは「日本の革の生産の裏側にはこういう苦労がある」「こういう苦労も楽しい」なども伝えてきました。

「えっ!最終回なの、ムラキさん!」

いえ、全然。(´・ω・`) 単に年末だから挨拶として書いているだけですわ。
革業界はさらに面白い世界が広がっていますので来年も紹介していきたいものです。( ´∀`)bグッ!


カテゴリー: トレンド

前回に続きまして、「第101回 東京レザーフェア」をレポート。さまざまなコラボレーション企画、新しい取り組みを中心にご紹介します。

兵庫県皮革産業協同組合連合会
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兵庫県皮革産業協同組合連合会ブースでは、国内最大規模のレザープロダクトコンペティション「Japan Leather Award」2018年度と2019年度の学生部門 最優秀賞、2019年度の審査員賞 受賞作品を展示しました。
国内有数の皮革産地、兵庫・姫路の地場産業を盛り上げる「姫路皮革製品推進協議会×姫路工業高校デザイン科連携事業」。姫路工業高校デザイン科、姫路市内の製革業者(タンナー)、クリエイターのコラボレーションによる取り組みです。
生徒が考案したデザインに適した革素材をタンナーが無償で提供。クリエイターの指導のもと、生徒自らがつくり上げます。
前年度は、姫路市内でも「姫路皮革製品推進協議会×姫路工業高校デザイン科連携事業」展示発表会が行われました。今年度は・・・姫路周辺エリアの皆さま、ご期待ください。

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「JFW ジャパン・クリエーション 2020」に続き、姫路プレミアムレザー(姫路市花田町)が参加。大昌、ヒライコーポレーション、オールマイティ、カドヤ商店がグループ出展しました。
姫路市花田町高木地区でつくられるレザーは、手間をかけたなめしや仕上げが特徴。日本産の馬革はほぼ 95%以上がこのエリアで生産されています。
白なめしとその染色、藍染牛レザーほかクロムフリー革、兵庫県の害獣対策資源の鹿革や猪革など、現代社会が抱える課題を解消する、問題解決型ものづくりにも意欲的です。
従来のファッション関連だけでなく、ライフスタイルや生活雑貨関連など、幅広いマーケットへの提案を推進しています。

東都製靴工業協同組合<Nippon Value>
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情熱あふれるメーカーが集結して設立された<Nippon Value>。靴の街・浅草を中心に、東京で培われた靴づくりを紹介しています。
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今年度始動した「東京の靴」プロジェクトが好評です。人気雑誌「モノ・マガジン」とのコラボレーション。誌面掲載シューズをお披露目しました。
「モノ・マガジン」最新号(12月16日発売)では、第3弾を掲載。デコルテ、サンダー商事、菅生製靴、パイオニア、宮城興業、レジーナの6社が紹介されています。こちらも必見です。

和歌山県製革事業協同組合
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日本三大皮革産地のひとつ、和歌山の革のものづくりを紹介する和歌山県製革事業協同組合のブース。
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今年度も文化服装学院×和歌山県製革事業協同組合のコラボレーションを発表しました。和歌山県製革事業協同組合の協力のもと、シューズデザイン科&バッグデザイン科の学生たちの作品をお披露目。
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羽ばたく鳥をモチーフにした作品をはじめ、ユニークなデザインが光ります。

「浅草エーラウンド」「本日は革日和♪」
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「第101回 東京レザーフェア」では、初の試みとして「浅草エーラウンド」「本日は革日和♪」が出展。
「浅草エーラウンド」とのコラボレーションにより、レザーのエキスパートが会場を案内する「東京レザーフェア ガイドツアー」が行われ、好評です。
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さらに、9階のスペースを活用し、ワークショップやセミナーなど、参加型のプログラムを拡充しています。
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ビジネスパーソンだけでなく、DIY派ユーザーが次々と訪れ、ジャパンレザーの魅力に触れるきっかけとなりました。

このほか、お見せできなかったブースのご紹介は、日本皮革産業連合会SNSアカウント(フェイスブック)の投稿でもご紹介予定(2020年1月)です。どうぞ、お楽しみに。

■ 参考URL ■
 東京レザーフェア <http://tlf.jp/>

カテゴリー: トレンド

日本最大級の皮革及び皮革関連資材トレードショー「東京レザーフェア」が12月4日(水)から2日間、東京・浅草 都立産業貿易センター 台東館で開催。100回を迎えた今回は「百人百様百レザー」、BEYOND 100 ~次なる高みへ~をテーマに行われました。

まずは、2020年-21年秋冬コレクションをひと足早く提案する「トレンドラボラトリー」をご紹介します。
各出展社の自信作をピックアップし、集積・編集する「トレンドラボラトリー」ディレクションご担当 ジャルフィック 池田さん、岡村さんにお話を伺いました。
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2020年-21年秋冬のトレンドは「成熟と解放の間を探索する」。
新しい商品づくりのコアとなる色と素材。時代のうねりの半歩先をとらえた美意識がマーケットの活性化へと。感性の解放による情感の昂揚がその糸口。成熟化と解放を繰り返すなかで描き出します。

パレット・1「静謐な時間」
ポイントカラー:オリンピックイヤーならではのゴールド。

パレット・2「働く色」
ポイントカラー:シルバーをアクセントに。

パレット・3「ボヘミアンな輝き」
ポイントカラー:安心感のある基軸色、ブラウン。

3つのカラーパレットを踏まえ、発表されたレザートレンドは以下のとおりです。
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1「TASTY」

「"新しい自然観との調和"をフィーチャーしました。
自然を連想させながら、進化するエレガンスを訴求する新機軸です。静かでエレガントな深いトーンとナチュラル感から派生した色相で構成しています」(ジャルフィック 池田さん、岡村さん)

《カラー》
・多様性で展開するブラック
・ブラキッシュなダークカラー
・ナチュラル感から派生した色相
・表情豊かなブラウン~ボルドー
・アクセントはゴールド

《サーフェイス》
・グレージングの自然な光沢
・ナチュラルなシュリンク
・鈍色や偏光する光沢
・多彩な装飾性のメタリック

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「シックなアースカラー」

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「自然のグリーンを華やかに」

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「情緒的なブラウンの階調」

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「ニュースタンダードなボルドー」


2「SIGN」

「"機能美を内在する"レザーに、さらなる注目が集まっています。日常に快適さを添えるライフスタイル指向の色と素材。スポーツやユーティリティーからのインスピレーションをまとめました」(ジャルフィック 池田さん、岡村さん)

《カラー》
・スポーティーなオレンジ系のブラウン
・基本色のボルドー系ブラウン群
・デニムを連想させるブルー群
・自然を想起させるグリーン~カーキ
・ニュアンスのあるスポーティカラー
・多彩な表面感のニュートラル
・アクセントはシルバー

《サーフェイス》
・タンニン鞣し×オイルの頼もしい基本素材
・肉厚なガラス素材
・ソフトで肉厚なディアやシュリンク素材
・デニムからのインスピレーション

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「ヌードなニュートラル」

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「森を抽象化した色彩」

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「ニュアンスで見せるニュースポーティー」

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「深みのある色とクリーンな表情」


3「LIBERTY」
「テーマは"自由な気分で"。70年代の革新性や元気をモチーフに、エナジーがみなぎっているようなイメージ。束縛から解放されて自由に輝く発散力を素材と色でとらえるご提案です」(ジャルフィック 池田さん、岡村さん)

《カラー》
・イスラミックな深いミッドナイトブルー
・自然に漂うような色彩のミックス
・解放的なピンキッシュ
・アジアンな力強いレッド
・濃厚なオレンジやブラウン

《サーフェイス》
・牧歌的な花柄
・ボヘミアンなボタニカル文様
・シンプルなエナメル

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「エス二カルな表情のオレンジ」

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「ボヘミアンな響きのパターンと色」

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「アジアな雰囲気の濃厚な赤」

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「イスタンブールの夜空」


「なかでも、ブラウンからボルドーにかけてのレンジ、あたたかみのあるオレンジが新鮮です」(ジャルフィック 池田さん、岡村さん)。エレガンスなテイストと、リラックス&フォークロア感覚が行き来するような、自由な潮流ですね。

このほか、日本流行色協会、パントンが2020年の色を発表しました。
日本流行色協会発表 2020年の色は、「ヒューマンレッド」。「デジタル化が進むなか、人間らしさに注目し、人ならではの豊かな感情や身体の躍動感を象徴する色として、鮮やかなレッド」が選定。

パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー 2020は、「クラシックブルー」。落ち着き、信頼、つながりをもたらす安心感のある存在。シンプルさの中にエレガントさを持つ時代を超越した永続的な色合いです。

新しい時代に向き合う色として、「鮮やかなレッド」、「落ち着いたブルートーン」と異なるアプローチですが、急速な変化に、「パワフルにトライするか?」それとも「冷静に対応するか?」。
多様性のある選択肢をそれぞれに委ねているかのよう。

そんな2020年のカラーをウエアに取り入れると想定すると、レザートレンド「ブラウンからボルドーにかけてのレンジ」、「あたたかみのあるオレンジ」を生かしたバッグ、シューズ、小物とのコーディネートは、革製品の存在感が際立つ新しいバランスとなるかもしれません。
ジャパンレザーのクリエイションをご期待ください!


■ 参考URL ■
 東京レザーフェア <http://tlf.jp/>

カテゴリー: トレンド 国内革事情

恒例の「Japan Leather Award」の表彰式が行われ、年末の訪れを実感します。2019年もラストスパートですね。
今回は次のシーズンに向けたトレードショー、セミナーなど、ビジネスパーソン向けの情報を加え、イベント、トピックをまとめました。 ぜひ、参考になさってください。

「Japan Leather Award 2019」表彰式開催
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国内最大規模のレザープロダクトコンペティション「Japan Leather Award 2019」の表彰式が11月23日(土・祝)、東京・二子玉川ライズ ガレリアで行われ、グランプリが発表されました。
「Japan Leather Award 2019」のグランプリは、吉田真也さん(フットウェア部門/神戸医療福祉専門学校三田校)! おめでとうございます。
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11月24日(日)までの2日間、全受賞作品の展示、受賞作品を紹介する小冊子(写真)の設置・配布、受賞者のプレゼンテーションやワークショップ、歴代のグランプリ・各賞受賞者を輩出した杉野服飾大学のワークショップ、人気ユーチューバーとしてお馴染みの靴磨き芸人 奥野奏さんの靴磨きライブ、レザーケアのエキスパート いちかわたかおさんの「お手入れ相談会」・・・などなど盛りだくさんのイベントを次々と開催。ジャパンレザーの魅力を知っていただく 貴重な場となりました。くわしくは改めてご紹介します。どうぞお楽しみに。


靴づくりのまち奈良の魅力を発信する新プロジェクト「奈良発靴」スタート!
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平安の歴史をいまに伝える古都、奈良。
雅なイメージが強いですが、じつはものづくりも盛ん。熟練の職人たちが受け継ぐ、上質な革靴が生まれるまちでもあるそうです。
そんな奈良の知られざる魅力を発掘し、奈良発の革靴を紹介するプロジェクト「奈良発靴」がスタート。ものづくりのジャンルを超え、「ワンチーム」で奈良の最新トピックを発信しています。
そんな奈良の靴づくりがテレビ番組「ならナビ」(NHK奈良放送局)12月5日放送分で取り上げられるそうです(12月6日から番組ホームページ https://www.nhk.or.jp/nara/program/001/naranavi_douga.html で動画配信予定)。
放送後は「関西ほっとニュース」(NHK大阪放送局/近畿広域圏)でリピート放送もあるとか。放送スケジュールは下記のアカウントをチェックしてください。
  フェイスブック <https://www.facebook.com/hakkutu.nara.7>
  ツイッター<https://twitter.com/NHakkutu>


東京・浅草「東京レザーフェア」~12月5日
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新たなマテリアルの提案及びトレンドを発信する日本最大のレザートレードショー。「東京レザーフェア」が本日12月4日(水)から2日間行われます。
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今回は参加型プログラムを強化。「浅草エーラウンド」「本日は革日和♪」によるワークショップ&セミナーが多数開催(一部有料)! ビジネスパーソンはもちろん、DIY派ユーザーも楽しめる内容に。どうぞお見逃しなく。
  〈http://tlf.jp/


名古屋・名鉄百貨店「豊岡鞄フェア」~12月8日開催

国内有数の鞄産地、兵庫・豊岡の地域ブランドを紹介するイベント「豊岡鞄フェア」が愛知・名古屋 名鉄百貨店で開催されています。
150点以上のバッグ、財布などの革製品がラインナップ。ミニチュアポストンの製作体験ワークショップ、「かばん修理相談会」も開催され、人気です。


熊本・鶴屋「日本革市」~12月17日
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国産天然皮革の魅力を発信する人気イベント「日本革市」が熊本・鶴屋で本日12月4日(水)からスタート。二週に分け、計12社が出展するそうです。
お子さまも体験できるレザークラフト・週末ワークショップも予定されています。どうぞお楽しみに!


東京・代々木「令和時代の風をよむ バッグ&小物最新動向チェック」12月6日開催

2020年に向けたマーケット情報をお伝えする日本バッグ技術普及協会主催セミナー(12月6日 13:00~)がバッグアーティストスクール レプレ新宿校(東京都渋谷区千駄ヶ谷5-16-10 エアハイツビル2F)で行われます。
ストリートスナップ、商業施設のディスプレイなど独自調査を加え分析。2020-21年秋冬のレザートレンドも紹介予定。参加費は4,500円(当日会場にて現金決済)です。(画像、テキスト:「装苑オンライン」ブログより)


「草加レザーフェスタ 2019冬」12月7日~

恒例イベント「草加レザーフェスタ」がこの冬も開催されます。
草加市の産業・皮革のよさを発信すべく、革製品などの展示・販売、レザークラフト体験など、盛りだくさんの内容で行われます。


大阪・梅田「LEATHER WORLD」12月7日~
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レザーの祭典「LEATHER WORLD」。例年、東京・青山の会場で行われていますが、ジャパンレザーファンの熱いリクエストにお応えしてついに初の大阪開催(12月7日~8日)が決定! 東京同様、コンテンツ盛りだくさんで、さまざまなブランドが提案する革小物をつくり放題!!
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レザークラフト体験ワークショップ、レザーケア相談会など超充実の予定です。もちろん、入場無料・参加無料(材料費含め)となっております。どうぞ、お楽しみに。


東京・中目黒「写真ワークショップ」12月8日開催

靴づくりのプロ(女性製甲師)であり、女性フォトグラファーによる「写真ワークショップ」がこの夏行われ、大好評。第2弾として12月8日(日)、東京・中目黒<THE GARAGE>で行われます。
講師は康製甲所主宰 康澤民さん。女性製甲師、そしてフォトグラファーとしても活動し、猫をテーマにした展示会で作品を発表し話題となりました。
エスペランサ靴学院で講師をなさっているので、わかりやすくレクチャーするのはお手のもの。靴づくりのエキスパートの視点で「どのように靴を見せるか?」という問題をズバリ解説。
これまでの靴づくりのなかで積み上げた独自のノウハウを惜しげなく披露してくれます。


東京・奥浅草「ファッション・マーケティング講座」12月12日開催

東京・奥浅草 台東区立産業研修センターの恒例企画「ファッション・マーケティング講座」(12月12日(木) 18:30~20:00/東京都台東区橋場1-36-2)が行われます。
2020年春夏シーズンの商品トレンドに加え、20年秋冬のカラートレンドをいち早く紹介。ジャルフィック代表 池田正晴さんが登壇。「ジャパンクリエイション」<東京製革業産地振興協議会>、「東京レザーフェア」<トレンドラボラトリー>ほか、さまざまなプロジェクトを手がけ、国内のレザートレンドの分析・提案における第一人者として知られています。
Eメール(kensyuusenta@jcom.home.ne.jp)での申し込みが可能となり、さらに便利に。参加者の住所、氏名、電話番号(日中)<在学・在勤のかたは、勤務先(団体/学校)名、所在地、電話番号>を明記してください。
対象は台東区内在住、在勤、在学のかたとなっていますが、区外のかたも受講可能になりました。受講料1,000円。定員30名(先着順)。

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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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