欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2020年9月30日 の記事

カテゴリー: 村木るいさんの「人に話したくなる革の話」

月1回のスペシャルコンテンツ、村木るいさんの「人に話したくなる革の話」。
今月は、コロナ禍での手作り販売イベントを見てきた。やってくれるだけありがたいという声を聞いてきた話。再開したハンドメイドイベントの現状と、会場でつくり手たちの皆さんに取材した内容をまとめてくださいました。ぜひ、ご一読ください。
また、日本最大規模を誇るレザープロダクトコンペティション「ジャパンレザーアワード2020」の最新トピックもお見逃しなく。

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通常、皮革産業のさまざまなトピック、イベントのレポートなどをお届けしておりますが、人気イベント「本日は革日和♪」を主宰する村木るいさんが月1回スペシャルコンテンツをお届けしています。イベント、セミナーなど精力的に活動する村木さん。皮革に関する確かな見識を有し、幅広い情報発信に支持が寄せられています。
当ブログでは、レザーに関心をもちはじめた若い世代のかたや女性ユーザーにお伝えすべく、わかりやすい解説とともに西日本の皮革産業の現状をご紹介しています。独自の視点・レポートが大好評です。
人気イベント「本日は革日和♪」。今後の予定、スケジュールなどは下記のリンク先をチェックしてください。
  「本日は革日和♪」

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毎度です!「どう考えても来年6月までは最低限続くだろ、この騒動は」と思って行動しているムラキです。

今回の話は

・ジャパンレザーアワードもコロナ禍でもやるよ!10/3来てね!というような話

・手作り販売イベントを見てコロナ禍でみんなどう思っているか。実際売れたのか、というような話

・10/30.31に熊本で革日和イベントをコロナ禍対応してやるよ、という話

の3本ですわ~

目次 [hide]

「ジャパンレザーアワード」応募作品一般公開が10/3(土)に行われます。

アンケート協力のノベルティグッズとして革ひもとクリアファイルをプレゼント

10/3は15分ほどのセミナーをやります。オンライン配信も行います。

大阪アート&てづくりバザールを見てきた

入場者数はどうだったか

盛りだくさんのコロナ禍対策

出展者にリアルな話を聞いた

数じゃない質だ、という話

このイベント主催社はコロナ対策よく頑張ったなぁ、、と感心

10/30.31(金.土)に熊本で革日和開催します。過去最多の11社出展

今の時代にイベントやるのはほんとに大変

コロナと付き合う覚悟がいる

「ジャパンレザーアワード」応募作品一般公開が10/3(土)に行われます。

「ジャパンレザーアワード」公式サイトで2020年度の全応募作品が公開中です。この特設ページは、今後も継続されます。

昨年は、この「ジャパンレザーアワード」一般公開イベントで「本日は革日和♪」ブースを出展していました。今年はコロナ禍、ということで、ワークショップや展示は見合わせ。応募作品のアンケート協力のノベルティグッズとして革ひもレースとクリアファイルをお渡ししています。

アンケート協力のノベルティグッズとして革ひもとクリアファイルをプレゼント

 

革ひもを使って下記のような作品を作ることが可能です。作り方は下記blogでまとめます(近日中に公開)ので、ご覧くださいな。

革紐・革レース2本で出来る作品と作り方 | 本日は革日和♪

  

10/3は15分ほどのセミナーをやります。オンライン配信も行います。


当日は11時・13時・15時にはムラキによる革のセミナー、11時半・13時半・15時半には いちかわたかお さんによる革のお手入れセミナーが行われます。下記の私のyoutubeで配信予定です。

leatherstudioCC - YouTube

コロナ禍ですので、結構イレギュラーに動かせてもらえるので、これはこれで面白いですな。

大阪アート&てづくりバザールを見てきた


9/19-22の土曜日-火曜日の4連休に、大阪南港にあるATCホールで開催された大阪アート&てづくりバザールを見てきました。

これはテレビ大阪が主催で行っているイベントでもう10年やっています。大阪では一番大きな手作り品販売イベントとなります。

テレビ大阪が行っているだけあってテレビCMをガンガン流すのですが、「9月1日でも CM流している、、5日なっても流している、、ほんとにやるんだ!」と思いつつ本番当日を迎えました。

入場者数はどうだったか


今回4日間で16,778人。昨年同時期のときは3日間で2万100人弱だったので大幅減少といや大幅減少です。
初日・2日目の来場者数が圧倒的で、4日目は激減と言えます。
(このイベントは公式HPを過去分も残しており、毎回来場者数を公表しているのはほんとにすごいな、と感心します)

 

盛りだくさんのコロナ禍対策


HP上ではイベント開催前には文字情報で発表されていました。ただ、実際に見ると「いやほんとに頑張ったね」と感心しました。

1 入口すぐの大看板での告知&検温・除菌

入口に消毒液はまぁ当たり前。検温も行っていました。おでこ測る検温がこんなに一般的になる時代が来るとは思いませんでしたね。

この大看板で基本的なことを告知。

ちなみにポスターのキャラクターは「たこるくん」という、たこ焼きをモチーフとしたキャラクターです。

TVO テレビ大阪:たこるくんワールド

ほんとに大阪人ってやつぁ。

今回会場内ではこの「たこるくん」によるポスターがいたるところで見受けられました。キャラクターってのは、目をひくから強いですね。

 

2 独自の予約システムと強制的に個人情報収集

入口で「コロナの登録はされましたか?」と係員さんに。

大阪府/大阪コロナ追跡システムのことですか?

「いえ、事前にHPで予約登録が可能です。されていないのでしたらこちらをご記入ください。TELかメールアドレスをお願いします」

えっ! これって来場者の連絡先を強制的に全部収集するのか! この私の手書きで書いたTEL番号を後でいちいち登録しておいて、実際にクラスター発生したら、ひとりひとりに連絡するつもり⁉ それはコストかかることしているなぁ。

 

3 目鼻口に触らないで、という看板ちらほら

コロナ対策はマスクやフェイスガードをつけたら安全、というものではありません。重要なのは「コロナウィルスを目鼻口などから体内に入れてしまわないようにする」ということ。マスクは他者に移さないことももちろん重要ですが、それ以上にふとした拍子に口や鼻に触れないようにすることが肝要なわけで。

だから、以前ここのblogでも書いたように、おきれいに書くならば「みんな!目鼻口を触らないようにしようね! 」、です。

村木るいさんの「人に話したくなる革の話」/コロナウィルスと革製品の話 | | JLIA 日本皮革産業連合会

遠慮なく書くならば、「鼻をほじるな」「口を触るな」「目をこするな」「外から帰ってきてキスするな。外でキスするな」「スーパーでビニール袋あかないから、といって指を舐めるな」「札を数えるときに指舐めるな」=「とにかくウィルスを目鼻口から体内にいれるな!」という点が重要なわけです。

ですが、これをきちんと周知しているポスターはあまり見たことがなかったです。マスク付けたから安全じゃないし、手を洗っていたら安全、というわけでもないんです。それらの対策をした上で目鼻口を触らないのが重要です。

このイベントではきちんと告知していて「おぉ、えらいなぁ」と感心しました。

4 ブースとブースの間もフィジカルディスタンス

物理的な距離を取りましょう、というフィジカルディスタンスという言葉はまだそれほど一般的な言葉じゃないと思うのに積極的に使っているな、と驚き。

「社会的な距離をとるということ」と題した森津太子教授の動画では、日本でよく使われている、2メートル以上の対人距離を呼びかける「ソーシャル・ディスタンス」(社会的距離)という言葉は、「人とのつながりの減少により社会的孤立が生じる」恐れがあることから、世界保健機関(WHO)では「身体的、物理的距離」を意味する「フィジカル・ディスタンス」に言い換えるよう推奨している点を紹介。

ソーシャルではなく"フィジカル"ディスタンス 新型コロナ対応の学術知見発信、放送大学 | 株式会社共同通信社

WHOが提唱するフィジカルディスタンスは「物理的な2mの距離」であり、出展者ブースとブースの間は2mは取られておらず、所々で取られているな、と思いました。まぁ、この手のイベントでブース同士を厳密に2m離していたらイベント主催者は破綻するでしょうな。

 

5 通路の幅が1m大きくなっている

カーペットタイルが1つ50cm四方。これが2つなので一律に1mは広くなっていました。
そのためお客とお客が触れ合う可能性が低くなり、結果的にお客さんの回遊速度(歩く速度)がゆっくりとなり、出展者との対話時間も長くなっているように思えました。

逆に言うならば出展者数は減少しているので、主催者としては頭が痛い事態と言えますな。

6 飲食物を食べる休憩所スペースの撤去

このイベントは入場料800円なりで1日いられる、という屋内イベントです。コンビニに行こうと思うとホールを出て徒歩2分ほどの場所にあります。

屋内イベント、というのはお客さんが外に出ていくと戻ってこない、という恐怖が伴います。それを考えてこのイベントでも飲食物ブースが出店しています。

どれだけ食べ物があっても机がある休憩スペースがないと食べてもらえません。休憩することで気力体力が回復し、「さぁ、イベントをまだ見るぞ! 」と思うわけです。

その休憩スペースがコロナのために閉鎖されていました。これは飲食物ブースのみならず一般の出展者もお客さんの気力体力回復できないからダメージでかいだろうになぁ。

こんなことは主催社サイドはわかりきっていることですが、コロナだから場内で飲食は駄目だ! と割り切ったんでしょうなぁ。

 
7 ワークショップの減少

ワークショップスペースが明らかに減っていましたね。ワークショップって密になりやすいから嫌がったんでしょうなぁ。

出展者にリアルな話を聞いた


こういう手作りイベントではいつも出展者さん向けにこのようなお土産袋を作り配って歩いています。
裏面には私がお手伝いしているレザークラフトフェニックスのチラシを入れています。革を扱っている人ならば遠慮なく渡しています。

「フェニックスさんの革使っていませんよ?」 いえいえ、革使っていただけるだけでもありがたいですし、将来的にいつかフェニックスで買い物するかもしれませんから、と言いつつ挨拶周りをしています。

そこで大阪人らしく聞くわけです。「儲かってますか?」と。こういう質問を遠慮なくできるのが大阪人の強さとえげつなさなわけで。

 

で、聞いてみると。

・従来の3日間開催でもきついが、4日間はほんとにきつい(*´Д`)

・お客の入りは想像していたほど悪くはなかった。従来の売り上げの20%とか覚悟していたのに60%くらいはあった。

・通路幅が広いことでお客さんとゆったり喋れた。

・通路幅が広いが、ベビーカーの数が少ない。

(おそらく人が集まるイベントに赤ん坊を連れてくることを嫌がったんだと思います)

・初日は多くて4日目はほんとに暇だった。

・休憩所がないのでお客の滞在時間が短くなっている。

・来ている人のコロナ対策は万全な人が多い。

 来ている人は「コロナでも来たい!」というモチベーション高い人が多いように思える。

・飲食業の人は押しなべて「きっついです」と泣いていたなぁ。

などなど。

数じゃない質だ、という話


どないやった~?と知り合いに聞いてみる。(下記回答は全体の話をまとめたものです)

「ムラキさん、今の時代にね、イベントやってくれるだけありがたいんですよ。だって、コロナってどうやってもまだまだ続きますよ。で、それを恐れて動かない、というわけにはいかないでしょ。

ネットで売れ行きがいい!という人はいますけど、まずネットで売れ行きよくするためには現実世界で見てもらい、そこからネットです。いきなりネットを見てもらう方が大変なんですよ。だからこそ、現実世界のイベントですよ。ほんとに主催社には感謝しきりです。

お客さんも久々のイベントだ!という本気度を感じられました。来場者数は少なくなっているかもしれませんが、通路幅が広いおかげでお客同士がぶつかることがなく、じっくり喋れました。結局本気度が高いお客が集まるイベントの方がありがたいですね」

多数の意見はこのような感じでした。

このイベント主催社はコロナ対策よく頑張ったなぁ、、と感心


個人的にいろいろなイベントを見てコロナ対策を調べていますが、このイベントはトップクラスの対応をしているな、と感心しました。問題あるところもいくつか聞いたりもしてはいるのですが、押しなべて平均点以上だったと思います。

何回か書いているように「覚悟を決めてコロナと付き合っていくしかない」と思います。それに気づくのが今なのか、1か月後なのか、半年後なのかは個々人や会社によって異なると思います。ただ、早期に動いたほうがノウハウは蓄積できるし、結果も早く出せるだろうな、と会場で購入した焼き鯖寿司を食べつつ思いましたさ。毎回出店されているこの焼き鯖寿司、おすすめですよ( ´∀`)bグッ!

 

10/30.31(金.土)に熊本で革日和開催します。過去最多の11社出展


10/30.31(金.土)に熊本で「本日は革日和♪」を開催します。

「革のものづくりがもうちょっと楽しくなる」がコンセプトのこのイベントは、今回11社出展による展示会やセミナーなどを行います。

本日は革日和♪in熊本 2020年10月30.31日(金土) 出展社10社による展示会・ワークショップ・セミナーなど 要事前予約制 | 本日は革日和♪

 

今の時代にイベントやるのはほんとに大変


全部終わったらどこかで細かく書きますが、、、

・イベント会場の定員が1/3程度まで制限される。=現在会場内にいる人数を把握しておかないといけない=カウントする人間を用意しなければいけない

・来場者の個人情報収集=クラスター発生時に連絡するため

・マスク消毒液必須=まぁ今の時代当たり前

・都会の人間が地方に行くとほんとに嫌がられる=まぁ、そうだろうなぁ、、

などということを考えると入場料500円取っての事前申込制で告知しています。

コロナと付き合う覚悟がいる


正直私がやっている革日和、というイベントは「本気の人が100人来てくれたらいい」と思っているので少人数なイベントです。それでも「万が一クラスター発生したらどないしようかな、、」「どれだけ予防対策に費用と気力注いでおけばいいんだろう」ということを考え出すと「イベントなんてやらない方がよくね?」とも思います。

ただ、1年イベントをやらないと認知度が下がり、ユーザーさんと築いてきた関係性が弱まってしまうな、と思うわけで。

コロナは冬になるとさらに活性し第3波の可能性があります。「だから何もしない」ではなく「正しく恐れて正しい対処して付き合っていこう」と思います。

JLIAでは、ツイッターなどで最新イベント情報などを告知(シェア、リツイート含め)しておりますのでぜひ、ご覧ください。

JLIA 日本皮革産業連合会さん (@JLIAtweet) / Twitter


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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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