欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2020年11月 の記事

カテゴリー: 村木るいさんの「人に話したくなる革の話」

月1回のスペシャルコンテンツ、村木るいさんの「人に話したくなる革の話」。
今月は、「ニューレザーコンテストを見てきたので、動画で解説 & たつの市・革の森を見てきた」。
レザーを熟知する村木さんならではの視点で徹底解説&レポート!  動画も公開中です。リンクを貼ってありますので、このブログとユーチューブを併せてご覧ください。

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通常、皮革産業のさまざまなトピック、イベントのレポートなどをお届けしておりますが、人気イベント「本日は革日和♪」を主宰する村木るいさんが月1回スペシャルコンテンツをお届けしています。イベント、セミナーなど精力的に活動する村木さん。皮革に関する確かな見識を有し、幅広い情報発信に支持が寄せられています。
当ブログでは、レザーに関心をもちはじめた若い世代のかたや女性ユーザーにお伝えすべく、わかりやすい解説とともに西日本の皮革産業の現状をご紹介しています。独自の視点・レポートが大好評です。
人気イベント「本日は革日和♪」。今後の予定、スケジュールなどは下記のリンク先をチェックしてください。

  「本日は革日和♪」


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毎度です! 「コロナの第三波で今が大変だ」のムラキです。

来年は多分無理としてもせめて3年後には笑っていたいものですねぇ、コロナ(;・∀・)


前回のスペイン風邪は、ちょうど1920年でしたが、収束に5年かかりました。今回のコロナは、せめて3年で終わってほしいものです。

さて、このコロナ禍でダメージを受けているのは各種現実世界で開催されるイベントですね。

コンサートや展示会やお祭り、コンテスト、ファッションショー、販売イベントなどは大打撃です。毎年開催されてバスツアーまでして乗り込んでいた兵庫県たつの市の「ひょうご皮革総合フェア」&「たつの市皮革まつり」も中止となってしまいました。(´・ω・`)


11月は姫路城で姫路城皮革フェスティバル+たつの市皮革まつり。 見ると行きたくなる、という話をしよう | JLIA 日本皮革産業連合会


このイベントのワタシ的に目玉である「ニューレザーコンテストも今年は中止か~。」と思っていた矢先に運営から「ムラキさん、今年もやるよ、コンテストは」との連絡が。おいおい、やるのか、マヂで!と思い見に行きました。

また、たつの市でオープンした「革の森」というレザー専門店も見てきたのでその報告も行いますね。

 


目次 [hide]


ニューレザーコンテスト、ほんとにやるんだ 


会場で見かけた革の面白さは動画で御覧ください


で、会場の感想


販売可な革は買える、というわけではなくて、ハードルがいくつかある


ハードル1 最低ロットがある


ハードル2 継続性が求められる


ハードル3 ばらつきがある


革屋さんで売っている革はどうしても「売れそうだ、と判断した革」になりがち


ニューレザーコンテスト、面白いよ


革の森・アクセス・HP・SNS


革の森ってどんな店か説明が難しい


サロンってどんなものを目指すの?



ニューレザーコンテスト、ほんとにやるんだ (゜o゜;


「やりますよ~。従来の兵庫皮革まつり会場内では出来ないので、姫路のイーグレひめじという姫路城公園前の会館を借りてやりますよ」

すごいな!てっきりコロナで無理!と言ってやらないとばっかり思っていたのに。。

「コンテストの参加枚数は少ないのですが、それでも50枚以上は出展されましたので、ぜひ見に来てください!」

とのこと。

で、行ってきましたさ。


会場で見かけた革の面白さは動画で御覧ください


で、会場の感想


会場で知り合いの革屋さんと一緒に見たり、動画撮影していました。あ、受付のおねーさんに撮影okの許可はもらいましたし、事前にも聞いていますので。


受付では作品リストがいただけます。こちらは各作品の出展者・住所・電話番号から、用途や制作意図、販売可能かどうかまで書いてあります。

 

会場に来ている人の99%はタンナー関係者ばかりでしたね。実際はデザイナーなりブランドなり、革屋なり、製品屋さんも見たほうが価値あるんですけどねぇ、これは。

コロナ禍でも開催を決めた兵庫県皮革産業協同組合連合会や、実際に運営していた方々には頭が下がる思いです。


販売可な革は買える、というわけではなくて、ハードルがいくつかある

会場内で配られている出展作品一覧には各革の製造タンナーや連絡先、更には、販売可能かどうかまで書いてあります。

「おっ!じゃぁ気に入った革が1枚からでも買えるんだ!革屋なんてもういらいないんだ!」と思った方は早合点しすぎです。高いハードルがあるんですよ。

ハードル1 最低ロットがある

タンナーさんは下記の動画を見てもわかるように大きな設備と革以外のコスト(人力はもちろん、電気や水)を使って作ります。

1枚や5枚作る、という規模で動ける職業では決して有りません。最低でも10枚は頼む、もしくは1枚だけ作るにしても2枚、3枚分くらいのお金を支払う覚悟はいります。「最低20枚からだ」というタンナーさんはザラにあります。


ハードル2 継続性が求められる

タンナーによっては継続性を求められます。試験的に手間かけたものを10枚作って、再生産依頼が1年後、となると困るわけです。

中には「1年後でもいいよ」というタンナーさんもおられると思います。

「なんだ、頼めたらいけるじゃないか!じゃぁ1年後来ますね」と注文者が思い、1年5ヶ月後に再生産依頼。仕上げた革を見るとおそらく1年前と何かが異なります。それは色だったり、コシだったり、手触りだったり。。

「なんだ、このタンナーは腕が悪いのか!」 いいえ、違います。

革に限らず、ですが、「作る」という行為は1回よりも3回。3回よりも10回作ったほうが、より早く、きれいに出来上がります。1年に1回しか注文がこない品、というのは腕をあげるためのチャンスが存在しないため、品質の向上や維持が出来ないわけです。

1回だけ良いものを作るのはそれほど難しく有りません。3個以上同じものを作るのは難易度が一気にあがります。同じものを何回も作るためには手と頭が忘れない内に再生産依頼がないと、覚えられないわけです。

ましてや、動物や気候、温度、水などに左右される「革」という素材の場合はなおさら難しいわけです。

それがわかっているタンナーさんは「革を作ってくれ」と言われても「最初にどれだけいるんや?それは安定性があるのか?」と聞いてきます。

「継続性見込めないならばお断りやなぁ」というのは後々にトラブルが起こりやすいことを知っているからです。

タンナーに注文する、というのは1回だけではなく、継続性を持って付き合う覚悟を持って行ってみてください。


ハードル3 ばらつきがある

さて、ここまででお金と継続性をもつ覚悟を持ってタンナーさんに行ったとします。数ヶ月に一度注文し、それなりに安定して生産された。

よし、これでok!と思った頃に一度ドッカンと大きなトラブルが起きます。それは半年後か、1年後か2年後かはわかりませんが、いつかドッカンと来ます。

「あれ!思った色と違う!」「頼んだ手触りと微妙に違うような、、、」

タンニン鞣しだったり、染料仕上げだったり、アニリン仕上げだったりすればするほど、この手のトラブルはいつか起きます。ほぼ確実です。

タンナーさんにも必ず言い分があります。革、という自然由来なものですのでバラツキがあって当然なわけです。
でもばらつきがあるのは事実。注文者さんとしては「これでいつもどおり」と言われたら困るわけです。

再生産か、減額か。何かしらの交渉が必要です。この交渉がものすごく大変です。(;´Д`)

ここで「これは全部不良品だから引き取れない」というと次回の注文は受けてもらえないかもしれません。
でも、「じゃぁ、これは20%offで引き取ります」と言えば、次回から同じレベルのものがやってくるかもしれません。

この問題には正解がありません。タンナーが悪い or 革のことがわからない注文者が悪い、と、どっちの味方をするつもりもありません。中間の問屋である革屋を介さず直接タンナーと取引する、というのはこういうリスクがある、ということです。

革屋さんで売っている革はどうしても「売れそうだ、と判断した革」になりがち


革屋に所属する立場で言うならば、革屋さん、というのは「会社に来るお客さんが5割が欲しい!と言いそうな革」や「自社の社長や営業が売れる!と判断出来る革」しか仕入れることが出来ません。どうしても無難な革になってしまうわけです。(あぁ、たまに「これ、仕入れたんだ、、、すごいかっこいいな」と他の革屋さんで唖然とする事もあります)

今回の動画にしても、革好きの立場として「この革はここが面白い!」というのは熱を込めて解説をします。
ですが、革屋の立場として「この革は売れる!」という判断は難しいです。ましてや「これでカバン作ったら売れるよ!」とは到底言えません。
売れる・売れないは技術の高さではなく、需要と供給で決まるわけですから。


例えば、すごいけど、欲しい人を探すのが大変そうだ、ここらへんは。


例えば動画でも紹介している下記の革などは手間暇かかっているのはわかるのですが、これで消費者に売れる商品(カバンなり靴)を作るのはものすごく難しいです。

下記の革などは今回の会場内でトップクラスに手作業の手間暇がかかっていると思いますが、婦人バッグなどには到底向きません。コロナ禍でネット中心になっているならば、商品を手に取ることが出来ません。そうなると、これほど安定性がない革で製品を作るのは難しいと思います。

その一方で「いや、俺が作って、顧客にアピールすれば100万円でも売れる!」「俺ならこの革を使いこなせる!そしてレディー・●ガに買ってもらえる!」という自信があったり、「こういうのが出来るならば、私オリジナルでこういう加工が出来る?」という提案ができる人は直接タンナーさんに行ったほうが面白いことが出来るかと思います。


ニューレザーコンテスト、面白いよ

ニューレザーコンテストは「こんな革が作れるんだ」「こんな革が販売可能なんだ」というのを見る一方で「このタンナーはこういう技術あるんだ。。じゃぁ、こういうの作れるんじゃないかな?」と考えられる人が行くととてつもなく面白いです。革屋さんでは扱えないような革を色々と見ることが可能です。

まぁ、実際タンナーさんと直接付き合うならば、それなりのお金とそれなりの時間を溶かす覚悟が必要となりますがね。


たつの市にオープンした革の森に行ってきた

さて、姫路市からバイクでブルルンとたつの市へ40分ほど。

2020年10月末にオープンした、革の森に行ってきました。

 


革の森・アクセス・HP・SNS

HP:兵庫県たつの市 | 龍野観光・JR本竜野駅前徒歩圏内 レザーサロン「革の森」 - -革の森-

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革の森 | Facebook


革の森ってどんな店か説明が難しい

うわ、外に試験用のタイコ(革を鞣す際に使う道具。大きさは最小で2m弱。最大で見たことあるのは6mくらいの高さ)が置いてある。かわいいなぁ、これ。。。

 

店内のスペースの材料販売が2割、製品販売が5割、製品製造・教室・ワークショップスペースが3割くらいですね。

 

このお店はタンナーさんが直営で作ったお店です。そのためタンナーの製造したもの=革素材が販売されていますが、中を見ると革カバンや財布などの製品が多いです。

なんで?


店長さん

「ここは"たつのレザー"というものを知ってもらうために作られた工房兼サロンです。たつのレザーという素材はもちろんですが、この たつのレザーで作られた作家さんの革小物やバッグなどを展示・販売しております」

 

サロンってどんなものを目指すの?


「革が好きな人に来てもらい、たつのレザーを知ってもらうための場所にしたいですね。材料も端切れやアウトレット品よりもタンナーが持っている定番の革を置いています。これらの革はネットでも買えるようにしています。手に触って気に入ってもらったらネットで後日購入可能、というわけです。また、定番品ですので、1年後でも買えるようにするつもりです」

 

「製品の販売も行っております。これらの製品はすべて作家さんが作ったものです。たつのレザーを使っていただいています」

 

「ワークショップスペースもあります。現在は当店スタッフが来たお客さんがメニューにあるものから作りたいものを選んで作ることが可能です。今後は道具の販売なども行うか悩ましいところですね」

 

「サロンを名乗っていますので最終的には革が好きな人に来てもらえる場所にしたいし、イベントも行いたいと思っています」

 

どんなタンナーさんの革が定番品としておいてあるんですか?


「下記のたつの市のタンナーさんの革を現在取り扱っています」

革製品好きな人や革好きな人は行ってみたら面白いかと思います。

従来の革製品のお店、ではなくて、タンナーさんが直営で行っています。そのため今後タンナー見学会なども考えておらえるそうですので、興味ある方はとりあえずSNSなどをチェックしてみてくださいな。


HP:兵庫県たつの市 | 龍野観光・JR本竜野駅前徒歩圏内 レザーサロン「革の森」 - -革の森-

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カテゴリー: 国内革事情

レザーの季節、秋の締めくくりとなるようなイベントが続々と行われます。また、新型コロナウイルス対策としてオンライン化したイベントの情報発信なども好評です。そんなトピックをまとめてみました。お役立ていただけますように。


東京国際フォーラム「JFWジャパン・クリエーション」~11月19日

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日本最大の繊維総合見本市「JFWジャパン・クリエーション」(東京・有楽町 東京国際フォーラム)が本日11月18日(水)から開幕。

付加価値性が高い日本製マテリアルや製品が集結する同展では、「姫路プレミアムレザー」「和歌山県製革事業協同組合」「東京都(東京製革業産地振興協議会)」「東京都(東京皮革製品展示会実行委員会)」が出展しています。

東京都および東京製革業産地振興協議会は、東京都の特産品である皮革素材ピッグスキン(豚革)をアピールするファッションショー「PIGGY'S SPECIAL」を11月19日(木)に同展特設会場で開催。今回は東京都の若手人気ブランド3組「NAPE_」「MICHAIL GKINIS AOYAMA」「CHONO」とコラボした作品30点、および東京都内の専修学校・各種学校11校の学生作品70点の作品を披露。文化服装学院も参加します。

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「東京都(東京製革業産地振興協議会/東京レザー・ピッグスキン)」のブースでは、東京を代表するタンナー、ファクトリーが出展(写真:「ジャルフィック」公式SNSアカウントより)

ピッグスキン(豚革)は、国内で自給できる唯一の革素材。東京スカイツリーのおひざもと、墨田区エリアを中心に都内でつくられています。

「JFW JAPAN CREATION 2021」では、ピッグスキンファッションショー「PIGGY'S SPECIAL」とともに、最新のピッグスキン素材が展示(ブース J-01)されます。出展社の情報をまとめた恒例のブックレットもブース内で設置・配布されていますので、ぜひ、チェックしてください。

ピッグスキンは、加工しやすく発色が美しいのが特長。腕利きファクトリーが磨き上げた技術力により、多彩なクリエイティブが可能に。また、放熱性に優れているので、スマートフォン関連アイテムの素材としても適していますよ。
このほか、レポートはまた改めて投稿いたします。どうぞ、お楽しみに。
  ‹https://www.japancreation.com/


浅草文化観光センター「三澤則行 作品展 未来に跳ぶ靴」11月23日~

三澤則行作品展2011.jpg

日本における靴産業創設150年を記念するイベント第二弾の開催が決定。「三澤則行 作品展 未来に跳ぶ靴」(11月23日~29日)を皮切りにスタートします。

ビスポーク靴職人として世界に顧客をもち、近年は宮内庁御用達を務める三澤則行さん。三澤さんの作品展は2018年に続く二回目。前回はニューヨーク・東京・ロンドン、三都市をめぐる展示会の一環で、今回も来年にかけて海外展の予定もあるのだとか。

三澤さんの作品をはじめ、三澤さんのもとで研鑽を重ねる若手作家(岩崎和佳さん、岩渕元子さん、斎藤瑞貴さん、山口登さん、吉新俊輔さん)の作品も展示されます。

「今回は、8~10月に開催された<歴史紹介イベント>に続く、靴をテーマとしたアート、デザイン、文芸にスポットを当てた<文化イベント>です。
靴の持つ多様性、人と暮らしに感性面からも与えている影響の一端を紹介し、靴の文化性や精神性についてアピールします」と主催・プロデュースを手がけるクツミライ・パートナーズ 城 一生さん。


12月1日からは「マニアックツ・ギャラリー――靴のヴィジュアルペーパー展」が開催予定。
「靴を特集した雑誌、靴(職人・工場・店)がテーマの映画などをご紹介します。靴のカタログ、ポスター、チラシ、絵葉書、展示会DMなど、"紙にプリントされた靴"を多数ご用意していますのでご期待ください」(城さん)。ファッションブランドのプロモーションの歴史を彩ったデザインをプレイバック。
新しい発見がありそうですね!
  ‹https://www.noriyukimisawa.com/


二子玉川ライズ「ジャパンレザーアワード2020表彰式」 11月28日

国内最大のレザープロダクトコンペティション「ジャパンレザーアワード2020」の表彰式が11月28日(土)、東京・二子玉川ライズ ガレリアで行われます。
部門賞、審査員賞は公式サイトで公開されていますが、いよいよ表彰式において、グランプリが発表されます。会場からはライブ配信もあるそうです。
このほか、11月28日(土)・29日(日)の二日間はコンテンツ盛りだくさん。くわしくは11月20日(金)に下記リンク先、同アワード公式サイトで発表されます。お楽しみに。
  ‹https://award.jlia.or.jp/2020/


ものづくりの街、東京都台東区から情報発信続々!

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東京都台東区は、浅草、上野などの観光地がクローズアップされがちですが、歴史あるものづくりの街。日本を代表するファッション雑貨の産地でもあります。

そんなエリアの恒例のビッグイベント「モノマチ」「革とモノづくりの祭典 浅草エーラウンド」がこの秋「オンライン・ライブ配信」で開催され、大好評でした。コンテンツの一部はアーカイブ化され、継続して閲覧可能ですので、ぜひ、チェックしてください。

東京都台東区産業振興課の公式Instagramアカウントが始動しました。台東区の産業についての情報や、イベント情報を随時アップ。

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恒例イベント「台東産業フェア」が今年は新型コロナウイルス対策として中止となったため、オンライン上での情報発信を強化。

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出展予定だった企業・事業者の紹介をはじめ、全国皮革振興会など皮革産業関連団体も含み、「オンライン展示会」的要素も担っています。今後は皮革産業のトピックも紹介される予定です。
  ‹https://www.instagram.com/taito.sangyo.navi/


「TIME & EFFORT」靴産業150周年 特設ページ 更新

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日本の革靴産業が誕生してから、今年で150年目。革靴に関する歴史やカルチャー、イベントなどの情報を「TIME & EFFORT」靴産業150周年 特設ページで毎月ご紹介!
今回は 、「ブックガイド ⑤テキスト・アラカルト」と「Event:松永はきもの資料館「西洋靴150年展」レポート」の二本立てです。ぜひ、ご一読ください。

【ブックガイド】「テキスト・アラカルト」
二足歩行を支える知恵の象徴、そして、文化を形成する原点ともいわれる、靴。その魅力をより良く、より深く知ることができる、書籍&ムックなどをセレクトしました。
【イベント】「西洋靴150年展」レポート
日本唯一の本格的な靴履物関連博物館、松永はきもの資料館(あしあとスクエア/広島県福山市)で開催中の注目イベントをレポート。
昭和を彩った女性靴からパリ・コレクションで注目のスニーカーまで幅広く展示されています。「西日本の靴の聖地」へ、GoToトラベルキャンペーンを活用し、お出かけしてみてはいかがでしょうか?
  ‹https://timeandeffort.jlia.or.jp/news/2020/11/16100000.html


「カラーミーショップ大賞2020」初のオンライン表彰式開催

全国のネットショップの中から最も優れたショップを表彰する、年に一度のイベント「カラーミーショップ大賞2020」の表彰式が行われました。
7回目となる今年は初のオンラインでの開催となり、革製品ブランドが栄冠を獲得。オリジナルの革財布を製作・販売する「小さいふ。クアトロガッツ」が大賞に選出されました。
10年以上前から小さめの財布の製造販売に取り組んできた同社。豊富な製品バリエーションはもちろん、旅などをテーマにしたオリジナルコンテンツにも注力。公式サイト、ECサイトの枠を超えた総合力、発信力が圧倒的!
来年も革製品関連企業、事業者がエントリーするでしょうか。楽しみですね。
  ‹https://award.shop-pro.jp/2020


そごう横浜店「日本革市」11月25日~

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全国各地で開催され人気を集めるイベント「日本革市」が首都圏に凱旋。神奈川・横浜 そごう横浜店 8F催会場で11月25日から30日まで行われます。

そごう横浜店では「日本革市」初開催。「革製品の作り込みの丁寧さや風合いの良さを実感いただければ幸いです。ご来場お待ちしております」(「日本革市」公式サイトより)と呼びかけています。

革づくりに情熱を注ぐタンナー×腕利きファクトリーの秀逸な革製品の展示販売をはじめ、国産天然皮革の魅力を紹介するコンテンツが盛りだくさんです。
  ‹https://www.kawa-ichi.jp/




カテゴリー: 国内革事情

11月はバッグ業界の展示会や、素材の展示会が行われます。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、予約制が導入されるほか、フィジカル(ソーシャル)ディスタンスに配慮したスタイルに変化しています。そんな状況のイベントを中心に、そのほかのトピックも加え、まとめました。お役立ていただけますように。


東京・丸の内「豊岡鞄コレクションフェア」~11月12日

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11月10日から東京・丸の内「KITTE」(東京駅前)東京シティアイにて「豊岡鞄コレクションフェア」がスタートしました。

日本有数のかばん産地として知られる、兵庫・豊岡。かばんの街から発信する産地ブランドとして始動した「豊岡鞄」が人気を集めています。

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今回のイベントでは抗菌マスクポケットを備えた新しい生活様式に合わせた鞄や豊岡鞄の最新コレクションを発表。初日から盛況でした。

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バッグでは、「お受験バッグ」がデビュー。フォーマルバッグというと、社会人になって、冠婚葬祭に備えてお求めになることが多かったのですが、リモートワークをはじめとした働き方やオフィススタイルに変化がみられる近年の状況を鑑みると、はじめてのフォーマルバッグ、きちんと感のある上質なハンドバッグを新調するタイミングとしての、「お受験」に注目したいですね。

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この夏、始動した「豊岡財布」プロジェクトが、セカンドコレクションをお披露目。「折る、編む、縫う」という「手仕事」にフォーカスしています。

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ミニマルなデザインが革の持ち味と手仕事の確かさを引き立てます。

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革を「折る」ことで、ふっくらとしたフォルムに。手馴染みのよさも特長です。

カードケースもラインナップ。ポケットに角度がつき、出し入れがしやすい仕様です。キャッシュレス派ユーザーには、クレジットカード類の整理ができるため、サブ財布的な使い方も想定されます。


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「豊岡小物」ではマスクケースなど、ウィズコロナ時代にフィットするシリーズが登場。

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コーディネート提案が目を引きます。機能的な使いやすさはもちろん、カスタムする楽しさもうれしいですね。

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「キコニアボイキアナ」では旅行用ビッグバッグが好評。豊岡の近隣、城崎温泉に実店舗があり、旅慣れたユーザーに支持を広げています。

GoToトラベルキャンペーンの影響から、国内旅行のニーズが高まる傾向をキャッチアップ。ハイヤー、タクシーを利用した密にならない移動も増え、ドアトゥドアで自ら長時間持ち歩かないことが想定されます。大人世代に向けた重厚感のあるバッグには新たな需要がありそう。

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ブースで立ち止まるかたも多く見られました。フィジカルディスタンスを保ちながら、商品説明をはじめ、丁寧に応対。ものづくりの魅力がおひとりおひとりにしっかりと伝わっていきます。会期は11月10日~12日、各日10:00~19:00開場。
  ‹https://www.toyooka-kaban.jp/news/271/


東京国際フォーラム「JFWジャパン・クリエーション」11月18日~

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日本最大の繊維総合見本市「JFWジャパン・クリエーション」が11月18日~19日、東京・有楽町 東京国際フォーラムで行われます。

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付加価値性が高い日本製マテリアル、製品が集結する同展では、「姫路プレミアムレザー」、「和歌山県製革事業協同組合」、「東京都(東京製革業産地振興協議会/東京レザー・ピッグスキン)」、「東京都(東京皮革製品展示会実行委員会)」が出展予定です。

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こちらの作品は、東京製革業産地振興協議会と文化服装学院のコラボレーションによるもの。フレッシュな感性でピッグスキンの可能性を広げています。以上、昨年開催時に撮影させていただいた画像です。 

そのひとつ、「東京都(東京皮革製品展示会実行委員会)」による恒例のブース「東京レザー&グッズエキシビション2021」では皮革製品関連業者15社が商品を展示。
「繊研新聞」(11月6日)で出展社による座談会を掲載。皮革関連業界の課題や出展への思いを語っています。お手もとの紙面をご覧ください。
  ‹https://www.japancreation.com/


「Bagazine bit」バッグ・鞄業界2020年11月展示会場マップ

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鞄・バッグの専門誌が発信する情報サイト「Bagazine bit」恒例企画、バッグ・鞄業界2020年11月展示会場マップが同サイトで公開されています。地図とともに住所、日程なども表示されるのでとても便利です。
  ‹https://www.bagzn.com/bag-kaban-2020-11gatsu-tenjikai-map/


小倉井筒屋・「日本革市」~11月17日

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国産天然皮革の魅力を発信する「日本革市」が一年ぶりに小倉井筒屋(福岡・北九州)で開催。本日からスタートとなります。
キャッシュレス決済派に好評の小さな財布や、スマートフォンの持ち運びに便利なポシェットなど、いまほしい・すぐ使えるアイテムが豊富にそろいます。革製品をお探しのかたにおすすめです。
  ‹https://www.kawa-ichi.jp/


「Wisteria Fujiwara」のセカンドラインがデビュー

人気シューズブランド「Wisteria Fujiwara」のセカンドライン「WF by WF」が誕生。「マス・カスタマイズ」ブランド「Wisteria Fujiwara」に対し、「WF by WF」は「レディメイド(既成靴)」ブランド。
現在、台湾のセレクトショップにて、ポップアップ販売中だそうです。日本での展開が楽しみですね!
  ‹https://wisteriafujiwara.jp/


日本革類卸売事業協同組合ホームページ リニューアルオープン!


日本革類卸売事業協同組合のホームページがリニューアルオープンしました。
主に染着色済みの皮革を卸売販売する企業が加入する組合としてお馴染みです。レザーファンに人気の認定資格制度、レザーソムリエ事業は、日本革類卸売事業協同組合が実施・運営しています。
さまざまなトピックが発信されますので、サイトのブックマーク、SNSのフォローもぜひ!
  ‹https://www.nikkaku.or.jp/


「革きゅん」リニューアルオープン!

使うほど表情が変わり、いっそう愛着が湧いてくる天然皮革。私たちが日々愛用しているバッグや靴、ベルトなどの小物や雑貨には、革を使ったアイテムがたくさんあります。

レザーを愛用するおしゃれ上級者のスナップから、女優たちのお気に入り革アイテム、新たな革アイテムのクリエイションをめぐるルポルタージュ、そして革のエコフレンドリーな側面にスポットを当てるコラムまで。天然皮革の魅力をさまざまな角度から紹介します。
  ‹https://kawa-kyun.jp/


カテゴリー: 国内革事情

今年も「いいレザーの日」がやってきました。

一般社団法人日本皮革産業連合会(JLIA)では、11月3日を、「いいレザー(11月03日)の日」として制定し、日本の革、革のものづくりの魅力を知っていただけるよう、秋にイベント、情報発信を通じてお知らせしています。新型コロナウイルス対策のため、イベントの日程を早めて開催しました。

また、その一環として、オンラインコンテンツとの併催が増加しています。今回はそんなトピックを中心にまとめてみました。参考にしていただけますように。


東京・青山「レザーワールド2020」

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今年も人気イベント「レザーワールド 2020」が10月24日(土)・25日(日)の2日間、東京・青山 スパイラルガーデンで行われました。

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革がもつ、「色合い」「種類」「大きさ」「質感」を体験できる展示は、皮革素材に加え、厳選ブランドから代表作・最新作がズラリ。

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各アイテムにはブランド名をはじめとしたスペックとQRコードを配したポップを設置。

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お気に入りが見つかった場合、その場でそれぞれの公式サイト、オンラインショップにアクセスでき、ブックマークやショッピングの準備ができるよう仕組み化。ユーザーの「ほしい」を叶える施策が好評でした。

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このほか、恒例のレザークラフト体験ワークショップには、注目ブランド&クリエイターが参加するなど、グレードアップ。世界有数のファッションタウン、青山・表参道に相応しいイベントとなりました。

今後、「TIME & EFFORT」でもレポートが公開予定です。こちらもご期待ください。

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また、この秋、始動した「JAPAN LEATHER JOURNAL」では、会場で紹介されたブランドの一部と会場の画像の公開がスタート。3D撮影で臨場感いっぱい。
同じく、お気に入りのアイテム探しもスムーズ。オンラインイベント感覚でバーチャル体験を楽しんでいただけます。
  ‹https://japan-leather-journal.com/


東京・渋谷「タツノレザー ポップアップイベント」

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日本最大の皮革産地、兵庫県たつの市を拠点とするNPO法人「TATSUNO LEATHER(タツノレザー)」が話題の商業施設「MIYASHITA PARK」の人気ショップ「EQUALAND SHIBUYA」に11月3日(火)~10日(火)、期間限定出店!

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期間中、「タツノレザー」のブランドアイデンティティや、環境への取り組み、スモールアイテムシリーズなど、多彩なプレゼンテーションを表現します。
  ‹http://tatsuno-leather.or.jp/


「トーキョー・レザー・グッズ・ファクトリーコレクション」~ 11月18日

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腕利きファクトリーが競演するポップアップイベント「トーキョー・レザー・グッズ・ファクトリーコレクション」が東京・新宿 新宿マルイメンで開催中です。

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ものづくりが盛んなイースト東京を拠点とする老舗「清川商店」「三和袋物」が出店。受け継がれた技術を生かし、いまの時代に合うレザープロダクトをリリース。バッグ、財布、小物を中心に展開しています。

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メンズコレクションですが、ハンサム女子にも好評。パートナーとペアで使うのも素敵ですね。会期は11月18日まで。

  ‹ https://www.0101.co.jp/074/store-info/fair.html?article_id=33162&from=01_pc_st074_store-news-fair_list_article&fbclid=IwAR2Ji7gdOyEp1Hb8G4DJPF2NM3ZotDoSE-UN30eZdPJhZBO2gC4PiqH2mtM


「浅草エーラウンド」11月6日~

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恒例のビッグイベント「革とモノづくりの祭典 浅草エーラウンド」がこの秋「オンライン・ライブ配信」で開催!
11月6日(金)・7日(土)・8日(日)の3日間行われます。

ライブ配信のタイムスケジュールも決定。オンエア番組表が公開されています。

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お馴染みの「本日は革日和♪」もオンラインで参画。このほか、トークライブはスペシャルプログラムが目白押し。ステイホームで、革の街・靴の街 浅草を体感してみてはいかがでしょうか?
  ‹https://a-round.info/


松永はきもの資料館「西洋履150周年」~12月27日

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日本唯一の本格的な靴履物関連博物館、松永はきもの資料館(あしあとスクエア)で注目イベント「西洋履150周年」(10月2日~12月27日)が開催中です。

松永はきもの資料館(あしあとスクエア)は日本はきもの博物館として開設され、広島県福山市が運営管理を引継ぎ、2015年リニューアルオープン。

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こちらは1970年(昭和45年)日本航空 客室乗務員の制靴。紺のミニスカートワンピースの制服の時に使用されていたものだそうです。
時代を彩った靴から歴史を振り返るのも素敵ですね。
  ‹http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/


「TIME & EFFORT」靴産業150周年 特設ページ 更新

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革靴産業が誕生してから、今年で150年目。革靴に関する歴史やカルチャー、イベントなどの情報を「TIME & EFFORT」靴産業150周年 特設ページで毎月ご紹介!
今回は、「シューワード玉手箱 ⑦:足・素足・裸足」「靴暦365 10月まとめ」「Event/靴ミュージアム・レポート」の3本立てです。ぜひ、ご一読ください。

【シューワード玉手箱】
足・素足・裸足に関連する、コメント、フレーズを集積した まとめ記事が公開されました。
著名なデザイナーをはじめ、文豪、エッセイストから医師・・・と多様な意見、提言を知ることができます。

【靴暦365 10月まとめ】
タイトルの通り、毎日、その日ごとの内容が更新されている人気企画。
「見逃してしまった」「もう一度見たい」というかたのために、月ごとのアーカイブを公開!
靴と足に関する、さまざまな出来事、カルチャーをまとめており、奥深い内容になっております。

【イベント】
9月19日・20日の2日間、東京・渋谷で行われた日本の靴産業150年記念イベント「靴ミュージアム」のレポートを公開!

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雑誌・カタログとトレンドシューズを軸に150年の歴史を振り返ったクロニクルは必見。

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人気ブランドの最新作、次世代を担うクリエイターの自信作など、日本の靴の現在・過去・未来、ぜひ、ご一読ください。
  ‹https://timeandeffort.jlia.or.jp/


11月8日・9日は 「いいバッグの日」プレゼントキャンペーン

11月8日・9日「いいバッグの日」に向け、一般社団法人日本ハンドバッグ協会が主催する「いいバッグの日」プレゼントキャンペーンの開始が、鞄・バッグの専門誌が発信する情報サイト「Bagazine bit」で紹介されました。

テーマは、「Happy Bag Day!!」素敵なバッグとの出会いに!
アンケートへの回答、インスタグラムへの投稿で気軽にエントリー可能です。(「ハンドバッグ協会」公式アカウントをフォローし、指定のハッシュタグ「#1189happybag20」「#いいバッグの日」をつけ、気分があがるバッグの写真を投稿)抽選で5万円分のギフト券やオリジナルバッグが当たります。期間は11月15日まで。
  ‹https://www.handbag.or.jp/


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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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