2020年12月 の記事
December 24, 2020
村木るいさんの「人に話したくなる革の話」/実際に触らないとわからない革素材の難しさと面白さを1年振り返りつつ話してみる
カテゴリー: 村木るいさんの「人に話したくなる革の話」
新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)|厚生労働省
問6 イベントを開催する際には、どのような点に注意する必要がありますか。
問7 イベントの開催には、具体的にどのような制限がなされていますか。
「イベント」という言葉は政府は「1万人規模のコンサート」から「数十人規模の展示会」まで指し示しますのでかなり大雑把な言葉と言えます。
今回の素材博覧会は押しなべて上記のガイドラインが遵守されていたように思えます。
イベント出る意味はあるのか?
あると思います。リスクはありますが、革素材などは触ってなんぼ、だと思います。
どれだけインスタなりTwitterなりYOUTUBEなりで十の写真を載せ、百の動画で伝え、千の言葉を費やしたとしても、手触り一つ伝えられません。革素材の面白さ、というのは「手触りがとても重要」「それはネットで伝えられない」、という点です。
「それはデメリットだ」という声も多いですが、私はメリットだと思っています。それだけネットで売りづらい素材だからこそ、実際に触れる機会は貴重です。
各種SNSや動画は重要だけど、最後のひと押しは「触る」こと
「Twitterやインスタ、動画、どれをやれば良いんですか?」
回答は「ターゲットとしている層がやっているものは全部やるしかない」です。
そして、SNSでもインスタでもライブでも動画でも、どれだけやっても最後に重要なのは「実際に触る」ことです。これだけはネットでは伝えきれません。
実際に触らないと情報を伝えきれない、というのが革という素材がもつ最悪のデメリットであり、最高のメリットといえます。
革屋、という素材に限らず、革の靴でもカバンでも財布でもこの「触ってもらう」のはとても重要です。だからイベントや実在店舗は重要なわけです。
今年開催されたジャパンレザーアワードではこの「手触り」が面白い作品が賞を受賞していました。
ジャパンレザーアワードの受賞作品で感じた手触り
今年秋に開催されたジャパンレザーアワード。
村木るいさんの「人に話したくなる革の話」/「ジャパンレザーアワード2020」を解説してみる | JLIA 日本皮革産業連合会
今回の大賞は個人的にとても驚いたことに小林仁太氏の小銭入れが受賞しました。
過去において財布や小物って大賞とったことないんですよ。
December 16, 2020
ジャパンレザー関連 イベント、トピック<2020年12月下旬>【まとめ】
カテゴリー: 国内革事情
2020年もあと二週間。早いものですね。年内のまとめ記事は今回が最終の更新となり、当ブログは次回の村木さんの連載で締めくくります。
コロナ禍に立ち向かい、前向きに活動する皮革業界。最新トピックと年末のイベント報告をまとめました。お役立ていただけますように。
エスペランサ靴学院 第47期生(2021年4月開講)募集
新たに大阪へ拠点を移したエスペランサ靴学院が、いよいよ次年度の開講を発表。第47期生(2021年4月10日~2022年3月25日)の生徒募集を行います。
くわしくは同校公式サイトをご参照ください。
‹https://shoeschool.jp/2020/12/2258/›
埼玉・草加「Go To ぱりっせ チャレンジセール!」
皮革産地として知られる、埼玉県草加市で新しい試み、事業者連携型売上V字回復チャレンジ事業が発表されました。
地場産業である革製品の販売会「Go To ぱりっせ チャレンジセール!」が伝統産業展示室「ぱりっせ」(草加市松江1-1-5 草加市文化会館1F)で12月18日~26日の9日間行われます。
期間特別製品がハッピープライスに。クリスマスギフトや今年話題の「帰省暮(帰省できない代わりに贈るギフト)」、自分へのご褒美にもぴったりですね。
‹http://www.a-soka.net/03_kanko/etc/201124_parisse.html›
栃木レザー×ニューバランス コラボレーション発表
「ニューバランス」の定番スニーカー"M1300"の周年モデル第二弾に、栃木レザーのヌメ革が採用されることが「WWDジャパン」で報道されました。
「ニューバランス(NEW BALANCE)」は、"M1300"の発売35周年を記念した日本製モデル"M1300JPV"を12月19日に発売する」
「"M1300"は履き心地の良さとクラシカルな見た目で長年愛されているモデル。今回は国内最高級のタンナーである栃木レザーが生産したベジタブルタンニングレザー(ヌメ革)をメインに使用して上品さを押し出した。硬さが特徴のヌメ革はパーツが多いスニーカーには不向きと言われることもあるが、同モデルには栃木レザーが特別に用意した、スニーカーにも対応するヌメ革を用いている。ベージュカラーはオリジナルモデル以外で初めて採用した」(「WWDジャパン」より抜粋)
ジャパンレザーの魅力がより広く伝わる取り組みとなりそうです。
‹https://www.wwdjapan.com/articles/1156379›
兵庫・加古川「グッドレザー 年末アウトレットセール2020」
人気イベント「本日は革日和♪」でレザーファンにお馴染みの「グッドレザー」(兵庫県加古川市志方町上冨木778-3)恒例企画・アウトレットセールが12月15日からスタートしました。
「皮革素材の年末アウトレットセール!! 試作革、デッドストック、B,C級定番皮革などを特価で販売致します。特設コーナーに通常営業時よりさらに多くの革を並べます。是非この機会にお買い求めください!! 期間中、在庫は随時補充いたします!
A級定番皮革、工具、金具等は通常価格定番品としてヌメ革、タンロー、オイルヌメ、脱クロムレザー、ソフトヌメ革、カラフルな山羊革なども販売」(「グッドレザー」インスタグラムアカウントより)
バリエーション豊富な上質レザーがハッピープライスに。12月22日までの期間、火曜、木曜、土曜、日曜に営業されています。関西エリアのクリエイター、DIYファンの皆さんにおすすめです。
‹https://www.instagram.com/good_leather/›
浅草文化観光センター「靴産業創設150年記念イベント第二弾」
日本における靴産業創設150年を記念するイベント第二弾が11月23日から12月7日、行われました。
「今回は、8~10月に開催された<歴史紹介イベント>に続く、靴をテーマとしたアート、デザイン、文芸にスポットを当てた<文化イベント>です。靴の持つ多様性、人と暮らしに感性面からも与えている影響の一端を紹介し、靴の文化性や精神性についてアピールします」と主催・プロデュースを手がけるクツミライ・パートナーズ 城一生さん。
「三澤則行 作品展 未来に跳ぶ靴」(11月23日~29日)、「マニアックツ・ギャラリー――靴のヴィジュアルペーパー展」(12月1日~7日)の二部制。
会期終盤にはトークライブを開催。靴デザイナーとして70~80年代のシューズファッションとブランドブームをリードし、80年代以降はエッセイストとしても活躍した高田喜佐のエッセイ集の"朗読会"、という新しい切り口。新型コロナウイルス感染対策に配慮し行われました。
業界関係者と若手クリエイターの交流も活発。日本の靴文化を次の10年、100年へとバトンを渡すようなエネルギーに満ちていました。このレポートは、タイムアンドエフォートで年内に公開予定です。どうぞ、お楽しみに。
‹https://timeandeffort.jlia.or.jp/shoes/index.html›
東京・上野「したまちのクリスマスマーケット」
台東ファッションザッカ×東京TASK×アトレ上野のトリプルコラボによる販売イベント「したまちのクリスマスマーケット」が12月3日から6日までJR上野駅構内(改札外・中央改札前特設会場)で行われました。
11月28日に表彰式が行われ、注目を集めた日本最大のレザープロダクトコンペティション「ジャパンレザーアワード」の今年度および歴代の受賞社が参加。
コンパクト財布がヒット中。「清川商店」
バリエーション豊富な革小物がそろいます。「猪瀬」
寒さが強まる今年、イヤーマフが再ブレイク。「yoshiharu wada 」
清川商店ではブースに姿見を設置。オープンな空間ですが、姿見があるとショップとしての雰囲気が高まりますね。足を止めるかたも多く、バッグを持ったり、肩にかけたりして鏡を見てチェック。全体のカラーコーディネートや、身体とのバランスを確かめられるのでお買い上げの決め手のひとつになりそうです。「清川商店」
このほか、財布の街として知られる、元浅草・東上野周辺の腕利きファクトリーが競演。
コロナ除けに効果を期待したい「アマビエ」をあしらったパスケース。「三和袋物」
鮮やかな色合いで気持ちが華やぐ小物をリリース。「山藤」
お揃いの法被をユニフォームに。老舗らしさがさり気なく伝わっていいですよね。「山藤」
東都製靴工業協同組合 組合員 メーカーも登場。
バブーシュにもなるスリッポンとミュールが人気。アニマル柄×毛付き革が旬ですね。「Verb Creation」
機能性シューズが好評。「ニチマン」
天井高もあり、出入口は開放されているので、十二分に換気されている状態で密になりにくい空間。広々としており、通常の店舗よりも安心して滞在できると好評でした。
東京都台東区は、浅草、上野などの観光地がクローズアップされがちですが、実は歴史あるものづくりの街。日本を代表するファッション雑貨の産地でもあります。
東京都台東区産業振興課の公式Instagramアカウントが始動しました。台東区の産業についての情報や、イベント情報を随時アップ。恒例イベント「台東産業フェア」が今年は新型コロナウイルス対策として中止となったため、オンライン上での情報発信を強化。出展予定だった企業・事業者の紹介をはじめ、全国皮革振興会など皮革産業関連団体も含み、「オンライン展示会」的要素も担っています。
今後は皮革産業のトピックも紹介される予定です。ご期待ください。
‹https://www.instagram.com/taito.sangyo.navi/›
東京・青山「LEATHER WORLD」3Dレポート
レザーの季節を象徴する人気イベント「LEATHER WORLD」が今年も無事に開催されました。
そのレポートがこの秋始動した新サイト「JAPAN LEATHER JOURNAL」で公開中。
3Dで臨場感いっぱいです。
‹https://japan-leather-journal.com/›
このレポートは、タイムアンドエフォートで年内に公開予定です。どうぞ、お楽しみに。
‹https://timeandeffort.jlia.or.jp/shoes/index.html›
レザーソムリエBasic(初級)資格試験 初のオンライン実施
日本革類卸売事業協同組合が運営する「レザーソムリエ」資格試験がオンライン化。本年・第4回は新型コロナウイルス感染症の影響により、全国のCBTテストセンターを利用したPC(パソコン)試験にて12月20日(日)13時~14時、実施されます。
皮革や革製品について一定の知識を有する方を「レザーソムリエ」として育成。革の持つ魅力を深く理解し、愛着を持って革製品を使用し、多くの人々に天然皮革の良さを知っていただけるようこの取り組みがスタートしました。申し込みは12月17日(木)まで。まだ間に合います。くわしくは下記リンク先をご覧ください。
‹https://www.leather-sommelier.jp/›
皮革講座 Basic(初級) オンライン配信開始
同じく日本革類卸売事業協同組合による「皮革講座」もオンライン化。2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により中止となりましたが、その代替として講座の内容を動画で配信。
皮革の成り立ちからお手入れまでの基本を動画で学ぶことができます。登録が必要ですが、視聴期間中であれば、どなたでも閲覧が可能です。公式テキストに準じた作りになっていますので「レザーソムリエBasic(初級)資格試験」の試験対策にお役立てください。
‹https://www.leather-sommelier.jp/›
December 9, 2020
ジャパンレザー関連トピック<2020年12月中旬>【まとめ】
カテゴリー: 国内革事情
新型コロナウイルス感染症第3波の到来を受け、セミナー、展示会などをオンライン化するなど、新しい生活様式に対応し進化するジャパンレザー。そんな皮革業界のトピックをまとめてみました。お役立ていただけますように。
レザーソムリエBasic(初級)資格試験 初のオンライン実施
日本革類卸売事業協同組合が運営する「レザーソムリエ」資格試験のオンライン化がついに実現。本年・第4回は新型コロナウイルス感染症の影響により、全国のCBTテストセンターを利用したPC(パソコン)試験にて12月20日(日)13時~14時、実施されます。
皮革や革製品について一定の知識を有する方を「レザーソムリエ」として育成。革のもつ魅力を深く理解し、愛着を持って革製品を使用し、また、多くの人々に天然皮革の良さを知っていただけるようにとスタートした取り組みです。申し込みは12月17日(木)まで。くわしくは下記リンク先をご覧ください。
‹https://www.leather-sommelier.jp/›
皮革講座 Basic(初級) オンライン配信開始
同じく日本革類卸売事業協同組合による「皮革講座」もオンライン化。2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により中止となりましたが、その代替として講座の内容を動画で配信。
皮革の成り立ちからお手入れまでの基本を動画で学ぶことができます。登録が必要ですが、視聴期間中であれば、どなたでも閲覧が可能です。
公式テキストに準じた作りになっていますので、2020年12月20日(日)実施の「レザーソムリエBasic(初級)資格試験」の試験対策にお役立てください。
‹https://www.leather-sommelier.jp/›
「東京レザーフェア」恒例企画<極めのいち素材>オンラインで公開
日本最大規模の皮革・布帛・機能性素材・パーツの展示会「東京レザーフェア」の恒例企画<極めのいち素材>を「東京レザーフェア」公式サイトで公開しています。
各社渾身の素材をコンテンスト形式で展示発表されていますが、今回は定番商品から新製品まで枠を広げた、いち押し素材をラインナップ。
12月から1月にかけて、個展を開催する企業・事業者もありますので、参考になさってください。
‹https://tlf.jp/column/ichioshisozai_202012/›
「LINEAPELLE TREND AREA<2021/22 AW>」解説動画 特別公開
2020年9月に開催された『リネアペッレ』。そこで展開された各トレンドエリアの解説動画が、YouTube 東京レザーフェア 公式チャンネルで特別に期間限定で公開されています。
リネアペッレ トレンドセレクション総責任者である、アントネッラ・ベルタニンさんが解説をご担当。日本語の通訳付きですので、この機会をお見逃しなく! 12月18日までとなりますので、お見逃しなく。
‹https://youtu.be/Wd6IHvoo61M›
クリスマスシーズンに向けたスペシャルページ 公開中
日本の革と革のものづくりの魅力を発信する「TIME&EFFORT」でクリスマスシーズンに向けたスペシャルページを公開。人気ブランドをはじめ、様々なジャパンレザー製品を厳選しご紹介します。
国内外のデザイン賞受賞作品や、高感度セレクトショップの別注カラーなど、レアなアイテムも充実。性別年齢問わず、レザー好きの皆さまのアンテナを刺激するラインナップとなっています。ギフトだけでなく、自分へのご褒美にもおすすめです。
‹https://leather-gift-christmas.com/›
靴産業150周年 特設ページ更新【靴暦365 まとめ】
同じく「TIME&EFFORT」では、革靴に関する歴史やカルチャー、イベントなどの情報を特設ページでご紹介! 今回は、「靴暦365 まとめ」が公開されました。ぜひ、ご一読ください。
タイトルの通り、毎日、その日ごとの内容が更新されている人気企画。「見逃してしまった」「もう一度見たい」というかたのために、月ごとのアーカイブを公開! 靴と足に関する、さまざまな出来事、カルチャーをまとめており、奥深い内容です。
‹https://timeandeffort.jlia.or.jp/news/2020/12/04100000.html›
エキゾチックレザー製品紹介記事 「LEON」2021年1月号に掲載
11月25日発売の「LEON」2021年1月号(168~171ページ)「小僧にゃ真似できない ギフトなエキゾ、が大人の余裕の証」に、エキゾチックレザー製品が掲載されました。
今回は、バッグをはじめ、財布、スマートフォンケース、ステーショナリー・・・と極上プロダクトがズラリ! ギフトはもちろん、パートナーとの共有アイテムとして、一年頑張った自分へのご褒美としてもおすすめです。ぜひ、誌面をご覧ください。
日本製エキゾチックレザー製品のトピックを発信するSNSアカウント「Exotic leather News CLIP by JLIA」で、くわしくご紹介しています。
‹https://www.facebook.com/e.l.newsclip.byjlia›
「エキゾチック × ビューティー」特設サイトでも「LEON」1月号の内容を紹介しています。併せてご覧ください。
‹https://www.exoticleather.jp/topics/index.html›
松永はきもの資料館 クリスマスプレゼント企画 12月12日実施
西日本の靴の聖地として注目を集める、松永はきもの資料館(あしあとスクエア)で企画展「西洋靴150年」(10月2日~12月27日)が開催されています。
松永はきもの資料館は日本唯一の本格的な靴履物関連博物館。1978年に日本はきもの博物館・日本郷土玩具博物館として開設され、2015年に広島県福山市が運営管理を引継ぎリニューアルオープン。福山市西部に位置する松永地域のランドマークとして市民をはじめ、周辺地域の方々に愛されている資料館です。
展示資料をイラストにしたオリジナル缶バッジプレゼント第4弾としてクリスマス限定デザイン・疫病除け郷土玩具のオリジナル缶バッジをプレゼント。
同館では、疫病除けや健康長寿の願いを込めて作られた郷土玩具を多数展示。今回は「蘇民将来(そみんしょうらい)」と「鯛金(たいきん)」をモチーフにしたクリスマス限定デザインです。
12月12日(土)から先着100名分。準備数がなくなり次第終了となります。どうぞお早めに。
‹http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/soshiki/matsunaga-hakimono›
「和歌山レザーフェスティバル2020」
和歌山県製革事業協同組合による「和歌山レザーフェスティバル2020」のようすが「和歌山放送ニュース」で報道されました。
11月28日~29日、和歌山県和歌山市 中央コミュニティセンターで開催。今回で26回目となる恒例イベントです。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、万全の対策がなされ、二日間盛況だったそうです。革製品の展示販売のほか、レザークラフト教室をソーシャル(フィジカル)ディスタンスを配慮して行い、好評。来年も楽しみですね。
‹https://wbs.co.jp/news/2020/11/28/152899.html›
東靴協会創立70周年記念神事
都内に本社がある靴専門店で構成されている一般社団法人東靴協会が創立70周年を記念した神事を11月23日(祝)、東京・神田の東靴協会・西村記念ホールで行いました。
協会役員、支部長、マスコミ関係者ら約25人が出席。このようすがシューズメディア「シューズポストオンライン」で報道されました。東京都から法人格として認められた翌1950(昭和25)年を起点に数えて70周年を迎えました。
‹https://shoespost.jp/industry/2544/›
December 2, 2020
「ジャパンレザーアワード 2020」表彰式・受賞作品展示 レポート
カテゴリー: 国内革事情
国内最大規模のレザープロダクトコンペティション「Japan Leather Award(ジャパンレザーアワード)2020」の表彰式が11月28日(土)、東京・二子玉川 二子玉川ガレリア(東急田園都市線 二子玉川駅 東口 駅前)にて開催されました。
業界関係者、報道関係者、レザーファンの皆さまが多数ご来場。グランプリおよび各賞の受賞者の皆さまのお祝いの場・時間を無事に共有することができました。
フットウェア、バッグ、ウェア&グッズ、フリー、学生の5部門、各部門、ベストプロダクト、フューチャーデザインに分けて(学生部門を除く)応募作品が寄せられ、応募総数 205点から選出。
* * *
ベストプロダクト賞 審査基準:
デザイン力、技術力、商品力の3つの観点から総合的に作品を審査し、評価。
デザイン力
魅力的なデザイン性が感じられるか
素材の良さ、特徴を活かしているか
使いやすさなどの機能性が高いか
技術力
技術的に高度なものづくりが認められるか
丁寧な作業が認められるか
細部にまでこだわったものづくりとなっているか
商品力
商品としての魅力が高いか
商品としての完成度が高いか
新たな市場性を有するか
フューチャーデザイン賞 審査基準:
未来の市場を形成する、新しいコンセプトまたは新しいデザインであるか。
* * *
長濱 雅彦 審査員長(東京藝術大学美術学部教授)をはじめ、デザイン界、ファッション界でご活躍中のプロダクトデザイナー3名、ファッションデザイナー3名の計7名によって、厳正に審査されました。
グランプリは、小林 仁太さん(CONCUSSION/ウェア&グッズ部門 ベストプロダクト賞)「Techno Leather Craft Project」コインケースに決定。おめでとうございます!
「Techno Leather Craft Project」は、オリジナルのレザー加工技法によるものです。3D CADと3Dプリンタを活用し、コンピューター上で設計した型を3Dプリンタで出力。タンニン鞣しのレザーにプレス加工を施すことで立体的な形状が生まれました。
「3D CADなどのデジタル技術を活用したものは年々増えているが、最終製品として高いレベルにあるものがこれまで見られなかった。この作品は一歩抜け出た感じがあり審査会で認められた。軽さ、質感、ボリューム感、凹凸感、全てでとても気持ち良い持ち心地にデザインされていて、新しいジャパンメイドのプロダクトと言っても過言でない逸品である」
と、長濱審査委員長。
昨年度も同じシリーズの作品を応募。受賞は逃したものの、来場した報道関係者、業界関係者の評価が高く、私たちに鮮烈なインパクトを残していました。さらなる改良と時代の空気感とのチューニング。諦めずチャレンジし続けることで道は拓ける、と証明してくれたようで感激しました。
「昨年の作品は柄としての意味合いが強かったです。今年はより立体的な形状を追求し、その結果、成形したときの強度も増しました。次のレベルに進めたという手ごたえもありますし、業界に認められたグランプリの受賞は本当にうれしいです」(小林さん)
レザーの表面効果のおもしろさだけでなく、さまざまな特長が見られます。コインの出し入れもしやすく、使いやすさも熟慮されています。
丸みを帯びたフォルムは手のひらに馴染みがよく、凹凸がフィンガーレスト的な役割も。新型コロナウイルス対策として日々除菌剤をすりこんでいる手指は乾燥しがちで、スマートフォンなどを落とすことが増えているよう。
そんななか、持ちやすい落としにくい革製品のニーズとマッチしているのもいいですね。
パッケージは、奥さまのデザイン。スタイリッシュなボックスにより、ギフトの価値も高まります。
表彰式終了後は受賞者の皆さんを中心に記念写真を撮影。
ご本人はもちろん、ご家族もよろこんでいらっしゃったのが印象的でした。
こちらはバッグ部門ベストプロダクト賞受賞 松村美咲さん。祝福のひとコマをパチリ☆ 式開催中は、ママと離れて寂しそうなお嬢さんが満面の笑顔で駆けつけてハグ。
うれし泣きなさっているかたを見かけ、思わずもらい泣き。いろいろなことが起きて大変な年だったせいか、ハッピーなニュースのよろこびをより一層感じます。
*
なお、「Japan Leather Award 2020」表彰式はライブ配信され、アーカイブ化した動画を公開中です。
「Japan Leather Award 2020」公式チャンネルのチャンネル登録をお願いいたします。
‹https://www.youtube.com/channel/UCrnjjJ3qDEb89XBDPd9TJ_A≻
表彰式前後および、翌日11月29日(日)には、グランプリと部門賞受賞者のブースが登場。
バッグ部門 ベストプロダクト賞受賞 松村美咲さん(清川商店)
フリー部門 ベストプロダクト賞 サクライ ミサさん(個人)
フリー部門 フューチャーデザイン賞 中山 智介さん(銀職庵水主)
受賞作品に加え、最新コレクションを展示。レザー好きのユーザーに大好評でした。
表彰式終了後、受賞作品展示がスタート。たくさんのユーザーさんがご覧くださいました。
展示スペースでは新型コロナウィルス感染予防対策を徹底。参加の際は、検温、手指のアルコール消毒、マスクの着用を確認(未着用のかたには、未使用のマスクを進呈)し、ソーシャルディスタンスの確保、密を避けるため入場制限、十分な配慮のもと開催されました。
展示された全応募作品からお気に入りの作品にメッセージをお寄せくださったかたにレザーチャームをプレゼント。
デザイン、作製は杉野服飾大学プロダクトデザインコース 肉丸先生および皆さまにご協力いただきました。
ありがとうございます。
また、全受賞作品を紹介する恒例のブックレットを会場で配布しました。
デジタル版(PDF)が公式サイトで公開されていますので、ぜひ、ご覧ください。
‹https://award.jlia.or.jp/2020/≻
進化を続ける「Japan Leather Award」。今年度は、アイテムとして、財布が歴代初のグランプリを獲得しました。
キャッシュレスに対応し、持ちたくなる財布が選出され、時代の息吹を感じます。果たして来年は? 新しいジャパンレザーに出会えることにワクワクしますね。どうぞご期待ください。
プロフィール
鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター
東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。
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