欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2022年11月 の記事

カテゴリー: 村木るいさんの「人に話したくなる革の話」

月1回のスペシャルコンテンツ、村木るいさんの「人に話したくなる革の話」。
今回は、「ひょうご皮革総合フェア2022」とタンナー見学バスツアーで見るタンナーの違い。皮革産地としてお馴染みの兵庫県たつの市で行われたイベントと、それに合わせて村木さんが主催したバスツアーでタンナーをめぐり、現地取材し、リアルにレポートしました。ぜひ、ご覧ください。

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通常、皮革産業のさまざまなトピック、イベントのレポートなどをお届けしていますが、人気イベント「本日は革日和♪」を主宰する村木るいさんが月1回スペシャルコンテンツをお届けしています。イベント、セミナーなど精力的に活動する村木さん。皮革に関する確かな見識を有し、幅広い情報発信に支持が寄せられています。

当ブログでは、レザーに関心をもちはじめた若い世代のかたや女性ユーザーにお伝えすべく、わかりやすい解説とともに西日本の皮革産業の現状をご紹介しています。独自の視点・レポートが大好評です。

人気イベント「本日は革日和♪」および関連イベントが明日から東京で開催されます。このほか、今後のスケジュールなどは下記のリンク先をチェックしてください。

  「本日は革日和♪」

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毎度です!「コロナ明けても明けなくてもこの時期は毎年苦しんでいるような気がするな」ムラキです。秋は忙しいんですよ、普段の仕事もイベントも。

さて、今月は3年ぶりに開催された「ひょうご皮革総合フェア2022」見学とタンナー見学バスツアーの模様。それを通じて、「タンナーによる革の違いってどういうの」という話です。

オチとしては「ここが一番いいタンナーなんです!というのは<それ、あなたの感想ですよね?>という程度でしかない」という話となります。

タンナー見学バスツアーってなに?


私が5~6回は企画運営しているバスツアーとなります。いつからやっているのか真面目に思い出そうとすると、結構大変なくらい前からやっていますね。

姫路駅集合・解散でバスでひょうご皮革総合フェアを見学して、タンナーさんを2軒巡る、という内容です。

今年のタンナーは昭南皮革とオールマイティー。そして、アルファレザーの皮革アウトレットを見てから解散となりました。

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「ひょうご皮革総合フェア2022」ってなに?


コロナ前は毎年、兵庫県たつの市で開催されていたイベントです。皮革総合フェア、というだけあって革のお祭りイベントとなります。次のようなイベントがあります。


レザーファッションショー
(赤とんぼ文化ホール 大ホール)
皮革を使って制作した衣装で、プリンセスたつのや龍野北高校生がモデルとなり、華やかなファッションショーを開催します。

革製品即売会
(青少年館体育室、赤とんぼ文化ホール前屋外テント)
国産の天然皮革で作られた靴、カバン、ベルトなどの革製品を販売します。

皮革素材即売会
(青少年館ホール、赤とんぼ文化ホール前屋外テント)
地元、たつの市、姫路市のタンナーが製造した皮革素材や、製品をタンナー自らが販売します。また、ペンケースや小物入れが制作できるレザークラフト教室も開催。

革細工体験コーナー
(赤とんぼ文化ホール 大ホール ホワイエ)
たつの市産の天然皮革を使った動物革細工などの制作体験コーナーを設けます。

学生による皮革作品の展示
(赤とんぼ文化ホール 中ホール ホワイエ)
龍野北高等学校総合デザイン科、上田安子服飾専門学校、神戸医療福祉専門学校三田校の学生作品の展示をします。

ひょうご皮革総合フェアではニューレザーコンテストの解説をした


ツアーに参加される方には会場の屋台なりでご飯を食べておいてもらい、会場のイベントや物販なりを楽しみます。

で、私が会場でやるのはニューレザーコンテストの解説です。

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会場で行われるニューレザーコンテストは、コロナになってからは9月頃に別会場で行われるようになりました。これはこれで見やすくなったので、今年はどうするのかな、と思ったらコロナ後と同じく9月に別会場で審査。11月のひょうご皮革総合フェアでは受賞作・入賞作だけ展示、という形式になりました。たしかにこのほうが見やすいかな、と思います。

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9月の審査会場の様子はこちらをご覧ください。

バスツアーでは希望者のみに入賞作品の解説をします。入賞した作品革はどう他とは違うのか、というのを推測ですが解説しています。まぁ、革って「ここが他と違う点なんだよ」なり解説しないとわかりづらいですからねぇ。

会場では昨年受賞した革をカバンや靴の職人にお願いして作ってもらった製品も展示されています。

この取組みは、「どれだけ魅力的な革だとしても製品にならなきゃ良さは理解できない」ということを実感させられますね。

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会場では学生の革作品も


龍野北高等学校総合デザイン科、上田安子服飾専門学校、神戸医療福祉専門学校 三田校の学生の革作品も展示されています。

学生さんの作品はセオリーなどに縛られず面白い発想が見られるので、見ていて面白いですね。

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革製品や革素材販売も

会場では革製品販売のメーカーさんやタンナーさんによる素材の直販も行われます。3年ぶりということで来場者さんは最盛期よりかはちょっと少ないかな、という印象を受けました。

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バスで昭南皮革へ


たつの市の赤とんぼホールからバスで40分ほどで姫路市御着の昭南皮革さんへ。

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こちらは日本でも数少ないピット槽を使ったタンニン鞣しでベンズ革を作っています。このタンナーさんがこだわるのは鞣しの技術と原皮。原皮を仕入れる際に最上の原皮を仕入れ、そこからピット槽を使った頑強なタンニン鞣しを、ベンズと呼ばれる背中の部位だけに施します。結果的に出来上がった革は頑強な革となり、ベルトや靴底に最適な革となります。



当日の模様

原皮倉庫から石灰漬け、ピット槽、乾燥などを見させてもらいました。ツアー参加者からは「ここまでこだわって作っている、というのがよくわかりました」と好評でした。

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姫路市高木のオールマイティーに



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こちらのblogでもちょくちょくと登場しているオールマイティーさん。今回のツアーでは鞣し工程や、自社で作った変わった革を紹介してもらえました。

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熊やらイノシシやら。。って、このイノシシ、やけに固くて強いな。もしかして冬原皮?

「せやな。冬にイノシシは脂肪を蓄えて体の前面が鎧のように固くなる。で、それがわかっていながら鞣してみたけど、到底これでカバンなどは作れないくらい固く仕上がっている。もしこれを使う、となると一度水戻しして裏からシェービング(裏面の肉取り作業)するしかないなぁ」

シェービングって、あぁた、これはもう機械にかけられないでしょ?

「だから手作業でやるねん」

うんざりだな、それは

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オールマイティーさんのところでは革、とそれで作った革製品も見させてもらいました。もちろん革製品は違う業者さんが作っています。

過去のJLIAblogでも書いていますが、オールマイティーさんは全国のジビエ消費された害獣などの革を積極的に請け負っています。先程の昭南皮革とはある意味真逆のタンナーさんといえます。

過去に紹介したこともあるアルファレザーさんが残念ながら来年頭に廃業される、とのことです。現在在庫として持っていた革のアウトレットセールをしています。

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で、今回のツアーでは最後に倉庫に伺って革を購入できるようにしてもらいました。

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ちょっと想定以上の枚数があり頭が痛くなるレベルでもあります。
このタンナーさんは仕上げがほんとにとんでもないレベルで、前述のニューレザーコンテストでも常連入賞者でした。


この後、30分ほどで17:30に姫路駅で解散しました。

今回行った3社のタンナーは真逆。だからタンナーは面白い


今回伺った昭南皮革、オールマイティー、アルファレザーの3社はそれぞれが得意分野が違います。

昭南皮革は原皮と鞣しにこだわり、オールマイティーは鞣しと変わった原皮や仕上げにこだわり、アルファレザーは仕上げにこだわっている。

兵庫県の姫路市とたつの市には100以上のタンナーが登録されていますが、それぞれに得意ジャンルが異なるわけです。設備や技術、仕入れルート、知識が各々で異なります。

このJLIAblogのタイトル、欧米ブランドに「負けていないぞ !」というのはたしかにそうだと思います。

ある面では欧米のタンナーのほうが優れていますが、違う面では日本の特定のタンナーのほうがはるかに得意、という面は数多いです。

色々な場所で革の説明を行いますが、「某タンナーだから良い革です!」なり「ある国で作られているから良い革です!」、なんてことはありえません。カバンなのか、靴なのか。それに対してハリや腰、硬さや色、なにを重要視するのか。それらを見極めた上で自分や製品にとって最適な革を見極めるわけです


模型のイベントに出展して革の話をしてきた

GARAGE WORKS COMMUNICATION



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11月の最終木曜・金曜・土曜の3日間行われた素材博覧会。その翌日、日曜には模型イベントに出ていました。で、そこでも革の話のセミナーをやりました。


イベント主催者「ムラキさん、セミナーやるにしても何て宣伝する?」

んー、それじゃ「模型に役立つ革の知識」という題名にしておいてください。


食肉産業の副産物の皮と革・革の鞣しの違い・価格の見方・レザークラフト工具の値段・縫い方やカシメによる革の固定方法

革の特徴・模型における革利用の提案(工具入れ・工具かけ・ディオラマの土台)


などを解説。会場では、「模型でただでさえ時間と気力とお金使っているのにこれ以上趣味増やせられるか!」という声もちらほら。

「革は極めようと思わなくていいですよ。ちょっと工具固定するポケットほしいな、と思ったときに、布や3Dプリンタよりも遥かに手軽に自分の思ったものが作れる。それは技術的にはレベル1か2までで十分。初期費用も5,000円あれば足りるし、床革使えば1,000円未満ですみますよ」と紹介しておきましたわ。

まぁ、ハマると時間とお金と気力はガンガンと吸い取られますが、それはどんな趣味も同じです。

知ってもらう努力を怠ってはいけないなぁ、と


こちらはひょうご皮革総合フェア2022の会場でみかけた掲示物です。

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さまざまなセミナーなどでもバスツアーの最中でも口酸っぱく言っているのですが、革は食肉産業の副産物、、というか、余り物を使っている産業です。

動物から肉をもらい、その上で皮を使わせてもらっているのが皮革業界です。皮革業界にいると当たり前の考え方なのですが、こういうことをきちんと伝える努力をしておかないと、何年何十年先にしっぺ返しを食らいます、確実に。


誰が見ても最高で最適な革やタンナーは存在できないし、革は食肉の副産物。
こういうことを今後も発信して消費者に理解してもらわないことには、現在のように革が普通に買える経済は維持できません。

これを見ている方が業界のためではなく、自分のために、「革って面白いんだ!」と発信してもらえれば幸いです。

ムラキの今後予定


とりあえずは年内予定(イベントなど)は終わり。イベントでパートさんにぶん投げていた仕事を早く片付けないと。

カテゴリー: ジャパンレザー トピック&イベント まとめ

新型コロナウイルスの感染者が増加傾向にあるなか、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が第8波の対応策を打ち出していると報道されました。気を緩めず、皮革業界では感染対策を万全にし、経済を止めることなく活動しております。今回は動画配信やイベントのほか、さまざまなトピックをまとめました。参考にしていただけますように。

なお、来週水曜日の更新は祝日のため休止とさせていただきます。ご了承ください。


【メディア情報】「ジャパンレザーVOICE」第6回配信
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インターネットラジオ×YouTubeハイブリッド型動画コンテンツ配信「ジャパンレザーVOICE」(#レザボイ)第6回は、本日11月16日(水) 16:00からアズーリFM公式サイトよりライブ配信(生放送)予定です。今回は3つのコーナーでジャパンレザーと革のものづくりの魅力が発信されます。
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■キーパーソンインタビュー
富田興業株式会社 代表取締役社長 富田常一さんが熱く語ります。

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■「ジャパンレザー 旬暦」製品紹介
「とっておきのクリスマスギフト」をテーマに、ギフトシーズンに大切な方に贈りたい日本製革製品をご紹介。

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■ジャパンレザー「最新トピック紹介」
日本最大の革製品コンテスト「ジャパンレザーアワード2022」の受賞作品展示イベントほか、「年末年始のジャパンレザー関連イベント」のお知らせ。

くわしくは下記リンク先をご覧ください。
 
同じくフェイスブックライブ配信では、番組のオープニングコーナー終了後、第一特集「キーパーソンインタビュー」配信中の20分ほど休止となります。今回のフェイスブックライブでは「キーパーソンインタビュー」(富田興業株式会社 代表取締役社長 富田 常一さん)はご視聴できません。

第二特集「ジャパンレザー 旬暦」から再開となりますので、ご注意ください。「鳥越アズーリFM」で配信されるインターネットラジオ番組につきましては、フルバージョンでご視聴可能です!


【メディア情報】「JLIAtv」

「ジャパンレザーVOICE(ジャパンレザーボイス)」を編集した動画を「JLIAtv」で公開! 「姫路城皮革フェスティバル」に続き、11月19日(土)~20日(日)に開催される「ひょうご皮革総合フェア&たつの市皮革まつり」をご紹介。
目安タイムは1:59~。概要欄の目次に表記された時間「1:59」をクリックしてご視聴ください。


【イベント情報】村木るいさん主催 見学バスツアー

当ブログの連載でお馴染みの村木るいさんが恒例企画の復活を発表しました。3年ぶりに開催される「ひょうご皮革総合フェア」「たつの市皮革まつり」に合わせ、同イベントの見学、タンナー見学会をまとめて楽しめるバスツアーが11月19日(土)に行われます。

村木さんのくわしくわかりやすい解説とともに、革のイベント&タンナーをスムーズにまわることができる人気企画です。

「ひょうご皮革総合フェア」「たつの市皮革まつり」では、地元の企業・事業者による皮革および革製品展示販売、ものづくり体験ワークショップ、学生によるファッションショー、「ひょうごニューレザーコンテスト」の受賞作品展示などを見学。

皮革産地、たつの市のタンナー見学は、国内で希少なピット槽をもつタンナー昭南皮革とオールマイティーに加え、アルファレザーの倉庫にお邪魔し、革の購入が可能となっています。くわしくは下記リンク先をご覧ください。
 

【イベント情報】「TLGFC」
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東日本バッグ工業組合 組合員有志による「#TLGFC/TOKYO LEATHER GOODS  FACTORY COLLECTION」のポップアップイベントが11月7日(月)~13日(日)、池袋駅構内 南改札外イベントスペース(東武百貨店 B1F 6番地入り口前)で開催されました。
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腕利きファクトリーがバッグ、財布、革製品をバリエーション豊富に直販。
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駅ナカという便利な立地でキャッシュレス決済にも対応。スピーディにショッピングできるのがうれしいですね。

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バッグは冬らしい季節感のあるシープスキンやアニマル柄のレザーを使用したアイテムが目をひきました。

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財布はトレンドカラー グリーンが人気。風水では金運アップの効果が期待できるカラーとして注目を集めています。
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新作としては縫い返しで仕立てた長財布が登場。ふっくらとした丸みのあるフォルムは秀逸な職人技によって仕上げられています。
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内側にはスエードを配し高級感が漂います。ギミックのようなポケットも便利です。
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次回は12月5日(月)~9日(金)に開催予定。どうぞお楽しみに。


【イベント情報】「大江戸はんどばっぐ市」

東日本バッグ工業組合が主催する冬の恒例イベント「大江戸はんどばっぐ市」が12月3日(土)、東京・両国 KFCホール(東京都墨田区横網1-6-1 国際ファッションセンタービル 3F/最寄駅:都営地下鉄大江戸線 両国駅(A1出口)直結/JR総武線 両国駅 徒歩約7分)で開催予定です。詳細は下記の公式ウェブサイトで発表されます。会場はアクセス便利な場所ですので、ギフトをお探しのかたにもおすすめです。


【記念日情報】「手袋の日」
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11月23日は国民の祝日「勤労感謝の日」。そして、「手袋の日」であることをご存じですか? 日本手袋工業組合によって制定された記念日です。「手袋=Glove」には"LOVE"が詰まっているので、11月22日の「いい夫婦の日」のギフトにもぴったり。パーツが多く縫製が難しい手袋づくりで培われた技術を生かし、東かがわ市では、さまざまな革製品づくりも盛んですよね。
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そんなエリアを代表するブランド、「クロダ」、「平田商店」、「hmny(エイチエムエヌワイ)」、「BrEAknoT(ブレイクノット)」の特選アイテムをインターネットラジオ×YouTubeハイブリッド型動画コンテンツ配信「ジャパンレザーVOICE」でピックアップ。現在、放送後記で紹介しています。
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近々、見逃し配信もスタート予定ですので、どうぞお楽しみに。


【試験情報】「レザーソムリエ」

2022年度の「レザーソムリエ」資格試験が11月6日(日)に行われました。初級の合格者の発表は12月6日(火)の予定です。
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講座は、2023年も実施予定です。初級合格者は、中級講座を受けることができますので、ぜひ、お申込みください。
12月上旬、「レザーソムリエ」公式ウェブサイトにて、日程公開および受付開始予定です。どうぞお楽しみに。


【イベント情報】「和歌山レザーフェスティバル」

和歌山県製革事業協同組合による「和歌山レザーフェスティバル」が11月26日(土)・27日(日)の2日間、中央コミュニティーセンターで開催されます。時間は各日10:00~17:00まで。革製品の展示即売会が毎年好評で、高品質の革製品が販売されます。


【イベント情報】小倉井筒屋「日本革市」

11月12日からスタートした人気イベント「日本革市」(小倉井筒屋)の会場写真が投稿されました。週ごとに異なる出展社で2週間開催。18日からの後半はメンバーをチェンジ。鞄、バッグ、シューズ、財布、小物など幅広いラインナップで国産天然皮革の魅力を紹介します。


【記念日情報】「コラーゲンペプチドの日」

2009年11月12日に日本ゼラチン・コラーゲン工業組合が「第一回 コラーゲンペプチドシンポジウム 」を開催したことを記念して、「コラーゲンペプチドの日」が制定されました。

私たち人間のカラダの多くを占めるコラーゲン。コラーゲンが不足すると「美容」「健康」に深刻な影響があらわれます。そこで注目を集めているのがコラーゲンペプチド。ゼラチンを分解し低分子化した高純度のたんぱく質をコラーゲンペプチドと呼びます。体内に吸収されやすいので効率よく沢山のコラーゲンを摂取することができます。(日本ゼラチン・コラーゲン工業組合 公式サイトより)
食肉の副産物として、皮革および革製品をはじめ、さまざまなかたちで利活用。生命に感謝し、生命の証を無駄にすることなく、私たちの暮らしに生かす活動で、「サステナブル」につなげています。

カテゴリー: ジャパンレザー トピック&イベント まとめ

各地でイルミネーションが点灯され、クリスマスに向け街が華やいでいます。今週はバッグ業界の展示会が行われ、2023年春夏の新作を発表しました。このほか、恒例の革製品コンテスト「ジャパンレザーアワード」のグランプリ発表、注目サイトのオープンなど、さまざまなトピックをまとめました。参考にしていただけますように。


【イベント情報】「豊岡鞄コレクションフェア」
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国内有数の鞄産地、兵庫県豊岡市の地域ブランド「豊岡鞄」が2022年秋冬コレクションを発表する「豊岡鞄コレクションフェア」を11月8日(火)から3日間(各日10:00~19:00)、東京・丸の内 KITTE B1F 東京シティアイ パフォーマンスゾーンで行っています。
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展示会場では、多数の新作や先行予約品をはじめ、豊岡でつくられた秀逸な鞄、バッグ、財布ほか革製品がラインナップ。
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つくり手自身が応対、製品説明をする貴重な機会です。
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ビジネスパーソンはもちろん、ユーザーも無料で入場可能、ガチャや人気投票などの参加型プログラムも充実しています。
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製品は同じく KITTE 1F「豊岡鞄 KITTE 丸の内店」で購入可能となっています。


【WEB情報】「Bagazine bit」

鞄・バッグの専門誌のウェブ版「Bagazine bit」の恒例企画<バッグ・鞄業界2022年11月展示会場マップ>が公開されました。

鞄・バッグメーカー各社の展示会場をグーグルマップ上で紹介。それぞれのピン(マーカー)をクリックすると、社名/場所/日程/コメント(テーマ、コンセプト、商品ラインナップなど、内容は各社によって異なり、記述がない場合も)が閲覧できます。移動ルート確認にとても便利な仕様です。どうぞ、ご活用ください。


【コンテスト情報】「ジャパンレザーアワード2022」 グランプリ発表
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日本最大の革製品コンテスト「ジャパンレザーアワード」 が、11月03日"いいレザーの日"に今年度のグランプリ作品を公式サイトで発表しました。
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今年度は、野沢浩道さん(個人/作品名「チイサナフデバコ」/フリー部門・ベストプロダクト賞)が受賞。ステイショナリーがグランプリを受賞したのは、同アワードで初となる快挙です。野沢さんはじめ、関係者の皆さま、おめでとうございます!
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グランプリおよび全受賞作品について長濱審査員長の総評が公開されました。くわしくは下記リンク先をご覧ください。


【WEB情報】「teema」

レザーのスペシャリティウェブサイト「teema」がローンチしました。 カジュアル、コンサバ、個性派ほか多彩なスタイリングテーマを軸に、シンプルでありながら、こだわりのあるレザーファッションコーデとレザークラフトをミックス。ジェンダーレス、エイジレスで楽しめます。
さらに革製品、皮革素材、副資材、工具など、あらゆるアイテムがラインナップ。「自分らしさをレザーで表現したい」すべてのひとに発見とヒントをマッチング。新しいジャパンレザー体験をぜひ!


【WEB情報】「ジャパンレザーVOICE」第5回 放送後記 公開
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インターネットラジオ×YouTubeハイブリッド型動画コンテンツ配信、「ジャパンレザーVOICE」第5回 放送後記が「TIME&EFFORT」公式サイトで公開。「ジャパンレザーVOICE」3つのコーナーを振り返っています。

「注目コンテンツDIG」
人気コンテンツ「JAPAN LEATHER JOURNAL(ジャパンレザージャーナル)」のオンラインツアー 姫路編・浅草編をライブコメンタリーでご紹介。

「ジャパンレザー 旬暦」
11月23日は「手袋の日」 手袋産地・香川県東かがわ市のものづくりをフィーチャー。
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「クロダ」、「平田商店」、「hmny(エイチエムエヌワイ)」、「BrEAknoT(ブレイクノット)」から製品をご紹介!
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「最新トピック紹介」
皮革産地である姫路市とたつの市の恒例イベント「姫路城皮革フェスティバル」と、11月19日(土)~20日(日)開催予定の「ひょうご皮革総合フェア&たつの市皮革まつり」をご紹介。ぜひご覧ください。


【イベント情報】「TLGFC」

東日本バッグ工業組合 組合員有志による「TLGFC/TOKYO LEATHER GOODS  FACTORY COLLECTION」のポップアップイベントが11月8日(火)からスタート。
池袋駅構内 南改札外イベントスペース(東武百貨店 B1F 6番地入り口前)で開催されています。日本製革製品との出会い、魅力発見のきっかけになりますように。


【イベント情報】小倉井筒屋「日本革市」

国産天然皮革の魅力を発信する人気イベント「日本革市」が、11月12日(土)〜23日(水・祝)まで小倉井筒屋 本館 8F 催場 お歳暮ギフトセンター横で行われます。1週間毎に出展社がメンバーチェンジし、2週にわたって開催。鞄、バッグ、シューズ、財布、小物など幅広くラインナップされます。


【ライブ配信情報】「教えるフェスタ2022」

日本最大の革製品コンテスト「ジャパンレザーアワード」歴代の部門賞受賞者、中村保義さん主宰「サンプル師が教えるバッグ教室」によるライブ配信イベント「教えるフェスタ2022」が11月20日(日)に行われます。
今回は《プロのミシンと職業用ミシン》。ミシンを使ってお仕事をしているプロを集めて、10:00~22:00の12時間ものライブ配信(休憩時間あり)です。使い方が異なる6種類の工業用ミシンで同じ形の鞄をつくりながら、それぞれの使い方や特徴を解説、そのほか、プログラム充実の内容で見逃し配信つき。エントリーは11月13日(日)まで。

カテゴリー: ジャパンレザー トピック&イベント まとめ

11月に入り、ファッション業界やバッグ業界の展示会が行われる時季の到来ですね。皮革業界では恒例イベント、見本市なども開催。その様子を一部お届けいたします。参考にしていただけますように。


【展示会情報】「JFW JAPAN CREATION 2023」
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日本最大のマテリアル総合見本市「JFW JAPAN CREATION 2023」が11月1日(火)からスタート。東京・有楽町 東京国際フォーラム ホールEで開催されています。
同展では、国内産地からブース出展。

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「東京都(東京皮革製品展示会実行委員会)」

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「東京都(東京製革業産地振興協議会)」

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「姫路レザープロモーション」

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「和歌山県製革事業協同組合」

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「東京都(東京皮革製品展示会実行委員会)」では老舗メーカー 野村製作所が新ブランド「crocco」をお披露目。
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大人世代の女性に向け、国内最高峰を目指した上質な革小物を提示します。

コロナ禍で開催された前回展の来場者は11,387人。日本のトップブランドアパレル、デザイナーの他、拡大する通販市場や日本の繊維流通の重要な担い手である、商社・問屋のキーパーソンが訪れ熱気溢れる商談が交わされたそうです。日本国内産地とアジアのトップ企業が集結し、シーズントレンドに沿った「高品質・高付加価値」のテキスタイルとファッションマテリアルを提案。初日から台湾など海外からも来場し盛況でした。

会期は本日11月2日(水)まで。新進クリエイターとのコラボレーションによる恒例のピッグスキンファッションショーも必見です。


【コンペ情報】「ジャパンレザーアワード2022」
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11月3日(木・祝)、国内最大のレザープロダクトコンペティション「ジャパンレザーアワード2022」グランプリ作品がいよいよ発表されます。

各部門の「ベストプロダクト賞」と「フューチャーデザイン賞」、学生部門「最優秀賞」、「審査員長特別賞」が同アワード公式サイトで発表されましたが、このなかのどの作品が栄冠に輝くでしょうか? どうぞお楽しみに!


【イベント情報】東京都立職業能力開発センター「技能祭」

東京都立職業能力開発センターが、地域との交流を深め、ものづくり体験などを通じて技術や技能の魅力を広く都民の皆さまに伝える「技能祭」を、11月3日(木・祝)に行います。

3年ぶりの開催となる今回、台東分校製くつ科は東京都立城東職業能力開発センターとの合同開催となり、城東職業能力開発センター(足立区綾瀬)で行われます。一日限定のイベントですのでご注意を。


【イベント情報】「草加商工会議所まつり」

11月3日(木・祝)、「草加商工会議所まつり」が開催されます。創立30周年を記念して行われる今年度のテーマは「復活の象徴」。

地場地産製品の展示・PR販売に「モノづくりダイレクトセール」も。草加市内事業所で製造された優れた製品を特別に定価の20%オフで販売されます。レザータウン草加の秀逸な革製品にもご注目を!


【イベント情報】「姫路城皮革フェスティバル」

姫路皮革製品推進協議会主催イベント「姫路城皮革フェスティバル」が11月2日(水)~6日(日)、兵庫・姫路 大手前公園(中央西部エリア)で行われます。

姫路を拠点とするタンナー、皮革関連の事業者の皆さまが出展し、つくり手、クリエイターの皆さまが手がけた革製品をはじめ、ファクトリー直送のレザー、皮革産地ならではの高品質のジャパンレザーを展示販売。「全国陶器市」と「姫路菓子まつり」も同時開催されます。


【記念日情報】11月7日は「にかわの日」


1963年11月7日、日本にかわ・ゼラチン工業組合の創立総会が開催され、新たな一歩を踏みだしたことを記念し、日本ゼラチン・コラーゲン工業組合により「にかわの日」が制定されました。

ニカワ(膠)とは天然物を原料とする接着剤のこと。化学接着剤が発明されるまで様々な分野で利用されていました。エジプトのピラミッドから出土した調度品や美術工芸品からもニカワが検出されており、古代エジプト文明でも使われていたことが分かっています。また、ニカワの製造風景を描いた壁画も見つかっており、ニカワが当時の文化に深くかかわっていた様子が伺い知れます。
日本でも紙や墨の製造の一部としてもたらされた後に接着剤として寺社の建造に利用されたとする記録が残っています。ニカワが存在していなかったとしたら私たちは壮大な寺社や古代日本文学、歴史書等に触れることができなかったかもしれません。ニカワは現代まで人類の発展を陰ながら支えてきた縁の下の力持ちのような材料なのです。
そして現代、シックハウス症候群や化学物質過敏症が問題となる中、天然素材であるニカワへの注目が再び高まっています。ニカワは私達の暮らしに欠かせない天然素材として、これからも時代を超え幅広い分野で活躍していくことでしょう。(以上 日本ゼラチン・コラーゲン工業組合 公式サイトより)
サステナブルな にかわは注目したいですね。


【メディア情報】「JLIAtv」
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当連合会公式YouTubeチャンネル「JLIAtv」で「ジャパンレザーVOICE」の新着動画が公開されました。

今回は番組内の第一特集「キーパーソンインタビュー」四回めのゲスト 株式会社丸喜 代表取締役社長 藤田晃成さんインタビューの見逃し配信です。

皮革卸 株式会社丸喜 代表取締役社長に就任され、業界紙やメディアなどの取材対応も多く、皮革業界のトレンドリーダーのおひとりとして知られています。
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ファッションリーダーとしてもお馴染み。取材当日コーディネートを披露していただくと・・・足もとは、なんとパンプス!

藤田さんが参画する浅草発ジェンダーレスパンプス「TUTTI(トゥッティ)」をご紹介。「パンプスオヤジ」として、ウォーキング動画もプラス。洗練されたコーディネートと美しいウォーキングに目を奪われます。
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靴の街 浅草を盛り上げるべく、積極的に着こなし提案、情報発信なさっています。スーツ×ハイヒール、新しいマッチングが鮮烈です! ぜひ、ご視聴ください。

東京・奥渋谷 渋谷区立松濤美術館で開催された「装いの力 -異性装の日本史」(2022年9月3日~10月30日)が話題となりました。

「男性か女性か--人間を2つの性別によって区分する考え方は、私たちの中に深く根付いています。しかしながら、人々はこの性の境界を、身にまとう衣服によって越える試みをしばしば行ってきました。社会的・文化的な性別を区分するための記号である衣服をもって、生物学的に与えられた性とは異なる性となるのです。もちろん、異性装を実践した人物の性自認や性的指向は非常に多様なものであり、それらが異性装とともに必ずしも変化するということはありません。

日本には、ヤマトタケルをはじめとした異性装をしたエピソードの伝わる神話・歴史上の人物たちが存在するほか、異性装の人物が登場する物語や、能・歌舞伎といった異性装の風俗・ 嗜好を反映した芸能も古くから数多くあります。

古代から近世を経て、西洋文化・思想の大きな影響下にあった近代日本社会では、一時期、異性装者を罰則の対象とする条例ができるなど変化がおとずれますが、それでも現代まで異性装が消えることはありませんでした。(中略)

近年では、人間に固定の性別はなく、従って<男性/女性>という二者択一の規定を取り払い、多様な性のあり方について理解し、認め合うという動きがでてきたものの、実際には性別における二項対立の構図は いまだに様々な場面で目にするものでしょう。男らしさ、女らしさとは何なのか。日本における異性装の系譜の一端を辿ることで、それらがどのように表現されてきたのかということを探り、<異性装>という営みの<これまで>と<これから>について考えます」(「装いの力 -異性装の日本史」プレスリリースより)

同展プレスリリースにあるように歴史的な観点からも日本の文化に根差している、異性装。同展でピックアップされている森村泰昌氏のアート作品やドラァグ・クイーンによるエンターテインメントのコスチュームのような、現代アートやパフォーマンス、非日常の表現だけてなく、ジェンダーにとらわれない装いが「ビッグシルエット」ブームとともに拡張し一般化しています。

一方、近年のトレンド「Y2K(2000年前後)ファッション」では、クロップド丈のトップスが新鮮なアイテムとしてリバイバル。フェミニンかつセクシーなスタイルが懐かしく新鮮なルックとしてとらえられています。セレブリティへの憧れとして、日本国内における「ギャル文化」との融合により拡散していった当時の時代背景とは乖離しているようです。「ミレニアムブーム」、「ITバブル」により、「リーマンショック」まで続く短期的な景気浮揚や広がりつつあったグローバル感覚など、コロナ禍の閉塞的で混沌とした現在にはないハッピーでポジティブなニュアンスが憧れの対象となっているのでしょう。そんなトレンドの「ヘルシーな肌見せ」「女性らしい」着こなしが人気を獲得しているからこそ、相対するジェンダーレス(性差のない)なスタイリングも存在感を放ちます。

旧態依然とした日本的な共有意識、ドレスコードや表層的な記号に振りまわされることなく、「美しいものを身に着けたい」という想いそのまま、日々のコーディネートに取り入れることはプリミティブな願望の発露であり、それらを受け入れる空気感が醸成されつつあります。もっと身近に感じたいジェンダーレスファッションの提案、ぜひ、配信動画でもご注目ください。

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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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