2022年11月 2日 の記事
November 2, 2022
ジャパンレザー NEWS【まとめ】<11月第1週>
カテゴリー: ジャパンレザー トピック&イベント まとめ
11月に入り、ファッション業界やバッグ業界の展示会が行われる時季の到来ですね。皮革業界では恒例イベント、見本市なども開催。その様子を一部お届けいたします。参考にしていただけますように。
【展示会情報】「JFW JAPAN CREATION 2023」
日本最大のマテリアル総合見本市「JFW JAPAN CREATION 2023」が11月1日(火)からスタート。東京・有楽町 東京国際フォーラム ホールEで開催されています。
同展では、国内産地からブース出展。
「東京都(東京皮革製品展示会実行委員会)」
「東京都(東京製革業産地振興協議会)」
「姫路レザープロモーション」
「和歌山県製革事業協同組合」
「東京都(東京皮革製品展示会実行委員会)」では老舗メーカー 野村製作所が新ブランド「crocco」をお披露目。
大人世代の女性に向け、国内最高峰を目指した上質な革小物を提示します。
コロナ禍で開催された前回展の来場者は11,387人。日本のトップブランドアパレル、デザイナーの他、拡大する通販市場や日本の繊維流通の重要な担い手である、商社・問屋のキーパーソンが訪れ熱気溢れる商談が交わされたそうです。日本国内産地とアジアのトップ企業が集結し、シーズントレンドに沿った「高品質・高付加価値」のテキスタイルとファッションマテリアルを提案。初日から台湾など海外からも来場し盛況でした。
会期は本日11月2日(水)まで。新進クリエイターとのコラボレーションによる恒例のピッグスキンファッションショーも必見です。
【コンペ情報】「ジャパンレザーアワード2022」
11月3日(木・祝)、国内最大のレザープロダクトコンペティション「ジャパンレザーアワード2022」グランプリ作品がいよいよ発表されます。
各部門の「ベストプロダクト賞」と「フューチャーデザイン賞」、学生部門「最優秀賞」、「審査員長特別賞」が同アワード公式サイトで発表されましたが、このなかのどの作品が栄冠に輝くでしょうか? どうぞお楽しみに!
【イベント情報】東京都立職業能力開発センター「技能祭」
東京都立職業能力開発センターが、地域との交流を深め、ものづくり体験などを通じて技術や技能の魅力を広く都民の皆さまに伝える「技能祭」を、11月3日(木・祝)に行います。
3年ぶりの開催となる今回、台東分校製くつ科は東京都立城東職業能力開発センターとの合同開催となり、城東職業能力開発センター(足立区綾瀬)で行われます。一日限定のイベントですのでご注意を。
【イベント情報】「草加商工会議所まつり」
11月3日(木・祝)、「草加商工会議所まつり」が開催されます。創立30周年を記念して行われる今年度のテーマは「復活の象徴」。
地場地産製品の展示・PR販売に「モノづくりダイレクトセール」も。草加市内事業所で製造された優れた製品を特別に定価の20%オフで販売されます。レザータウン草加の秀逸な革製品にもご注目を!
【イベント情報】「姫路城皮革フェスティバル」
姫路皮革製品推進協議会主催イベント「姫路城皮革フェスティバル」が11月2日(水)~6日(日)、兵庫・姫路 大手前公園(中央西部エリア)で行われます。
姫路を拠点とするタンナー、皮革関連の事業者の皆さまが出展し、つくり手、クリエイターの皆さまが手がけた革製品をはじめ、ファクトリー直送のレザー、皮革産地ならではの高品質のジャパンレザーを展示販売。「全国陶器市」と「姫路菓子まつり」も同時開催されます。
【記念日情報】11月7日は「にかわの日」
1963年11月7日、日本にかわ・ゼラチン工業組合の創立総会が開催され、新たな一歩を踏みだしたことを記念し、日本ゼラチン・コラーゲン工業組合により「にかわの日」が制定されました。
ニカワ(膠)とは天然物を原料とする接着剤のこと。化学接着剤が発明されるまで様々な分野で利用されていました。エジプトのピラミッドから出土した調度品や美術工芸品からもニカワが検出されており、古代エジプト文明でも使われていたことが分かっています。また、ニカワの製造風景を描いた壁画も見つかっており、ニカワが当時の文化に深くかかわっていた様子が伺い知れます。
日本でも紙や墨の製造の一部としてもたらされた後に接着剤として寺社の建造に利用されたとする記録が残っています。ニカワが存在していなかったとしたら私たちは壮大な寺社や古代日本文学、歴史書等に触れることができなかったかもしれません。ニカワは現代まで人類の発展を陰ながら支えてきた縁の下の力持ちのような材料なのです。
そして現代、シックハウス症候群や化学物質過敏症が問題となる中、天然素材であるニカワへの注目が再び高まっています。ニカワは私達の暮らしに欠かせない天然素材として、これからも時代を超え幅広い分野で活躍していくことでしょう。(以上 日本ゼラチン・コラーゲン工業組合 公式サイトより)
サステナブルな にかわは注目したいですね。
【メディア情報】「JLIAtv」
当連合会公式YouTubeチャンネル「JLIAtv」で「ジャパンレザーVOICE」の新着動画が公開されました。
今回は番組内の第一特集「キーパーソンインタビュー」四回めのゲスト 株式会社丸喜 代表取締役社長 藤田晃成さんインタビューの見逃し配信です。
皮革卸 株式会社丸喜 代表取締役社長に就任され、業界紙やメディアなどの取材対応も多く、皮革業界のトレンドリーダーのおひとりとして知られています。
ファッションリーダーとしてもお馴染み。取材当日コーディネートを披露していただくと・・・足もとは、なんとパンプス!
藤田さんが参画する浅草発ジェンダーレスパンプス「TUTTI(トゥッティ)」をご紹介。「パンプスオヤジ」として、ウォーキング動画もプラス。洗練されたコーディネートと美しいウォーキングに目を奪われます。
靴の街 浅草を盛り上げるべく、積極的に着こなし提案、情報発信なさっています。スーツ×ハイヒール、新しいマッチングが鮮烈です! ぜひ、ご視聴ください。
東京・奥渋谷 渋谷区立松濤美術館で開催された「装いの力 -異性装の日本史」(2022年9月3日~10月30日)が話題となりました。
「男性か女性か--人間を2つの性別によって区分する考え方は、私たちの中に深く根付いています。しかしながら、人々はこの性の境界を、身にまとう衣服によって越える試みをしばしば行ってきました。社会的・文化的な性別を区分するための記号である衣服をもって、生物学的に与えられた性とは異なる性となるのです。もちろん、異性装を実践した人物の性自認や性的指向は非常に多様なものであり、それらが異性装とともに必ずしも変化するということはありません。
日本には、ヤマトタケルをはじめとした異性装をしたエピソードの伝わる神話・歴史上の人物たちが存在するほか、異性装の人物が登場する物語や、能・歌舞伎といった異性装の風俗・ 嗜好を反映した芸能も古くから数多くあります。
古代から近世を経て、西洋文化・思想の大きな影響下にあった近代日本社会では、一時期、異性装者を罰則の対象とする条例ができるなど変化がおとずれますが、それでも現代まで異性装が消えることはありませんでした。(中略)
近年では、人間に固定の性別はなく、従って<男性/女性>という二者択一の規定を取り払い、多様な性のあり方について理解し、認め合うという動きがでてきたものの、実際には性別における二項対立の構図は いまだに様々な場面で目にするものでしょう。男らしさ、女らしさとは何なのか。日本における異性装の系譜の一端を辿ることで、それらがどのように表現されてきたのかということを探り、<異性装>という営みの<これまで>と<これから>について考えます」(「装いの力 -異性装の日本史」プレスリリースより)
同展プレスリリースにあるように歴史的な観点からも日本の文化に根差している、異性装。同展でピックアップされている森村泰昌氏のアート作品やドラァグ・クイーンによるエンターテインメントのコスチュームのような、現代アートやパフォーマンス、非日常の表現だけてなく、ジェンダーにとらわれない装いが「ビッグシルエット」ブームとともに拡張し一般化しています。
一方、近年のトレンド「Y2K(2000年前後)ファッション」では、クロップド丈のトップスが新鮮なアイテムとしてリバイバル。フェミニンかつセクシーなスタイルが懐かしく新鮮なルックとしてとらえられています。セレブリティへの憧れとして、日本国内における「ギャル文化」との融合により拡散していった当時の時代背景とは乖離しているようです。「ミレニアムブーム」、「ITバブル」により、「リーマンショック」まで続く短期的な景気浮揚や広がりつつあったグローバル感覚など、コロナ禍の閉塞的で混沌とした現在にはないハッピーでポジティブなニュアンスが憧れの対象となっているのでしょう。そんなトレンドの「ヘルシーな肌見せ」「女性らしい」着こなしが人気を獲得しているからこそ、相対するジェンダーレス(性差のない)なスタイリングも存在感を放ちます。
旧態依然とした日本的な共有意識、ドレスコードや表層的な記号に振りまわされることなく、「美しいものを身に着けたい」という想いそのまま、日々のコーディネートに取り入れることはプリミティブな願望の発露であり、それらを受け入れる空気感が醸成されつつあります。もっと身近に感じたいジェンダーレスファッションの提案、ぜひ、配信動画でもご注目ください。
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プロフィール
鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター
東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。
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