欧米ブランドに「負けていないぞ!」

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株式会社サックスバー ホールディングスのグループ会社である株式会社東京デリカのプライベートブランド合同展示会が、東京・秋葉原 秋葉原UDXギャラリーで開催されています。

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バッグ小売チェーンとして国内で600店舗以上を展開する同社が、オリジナルブランドの新作を発表。そのなかでも、日本製革製品を中心にご紹介します。

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会場に入ってすぐのブースで新プロジェクト<SMART PEOPLE(スマートピープル)>をお披露目。スマートフォン、カード決済が普及し、フリーアドレス、ノマドワーカーなど働き方の変化も顕著な時代、スマートフォンから派生するニーズに対応。まずは、オンラインショップからスタートする予定だそう。

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カバー、ケースは家電量販店、デザイン系ショップでも取扱いがありますが、上質な革製ケースを探すユーザーがじっくりと選ぶことができるショップが多くないため、バッグ専門店ならではのノウハウを生かしたアプローチで、革製品を中心に提案しています。このところ、バッグ専門店では、財布、革小物に付随し、時計を扱い、売り上げ好調。さらには、イヤホン、デジタルガジェットと周辺の領域を拡大しています。

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関連して、コンパクトなスマートウォレットも豊富(写真は<エフィー>)。

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ICカード乗車券、カード決済をメインにしたニーズに応えたアイテムです。なかでも、リブランディング後、快進撃を続ける<ゴールデンバンブー>の新作が目をひきます。

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実用新案申請中の機能的なつくり。内側の札ばさみは、二つ折りでの収納を想定しています。ファスナーはYKKの最高級モデル、エクセラを贅沢に使用。デザイン性に優れた引き手もいいですね。素材には、姫路でつくられたレザーを用いたタイプもラインナップ。バイヤーからの発注が相次いでいました。


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ジャパンメイドのバッグ、革小物をリリースする<エフィー>では、バッグのコーディネート提案が続々。注目のチェンジショルダーが登場しました。ショルダーストラップのみを販売しており、手持ちのバッグにつけることで新しい表情に。

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素材には東京レザー ピッグスキンを採用。高い技術力による加工により、パイソン調のプリントを施しています。

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ファー小物もいっぱい。アイスクリーム型のバッグチャームが女子に大人気でした。


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<キソラ>では初のエキナカ新業態<エキソラ>が話題。この春、JR東京駅構内(改札外)の商業施設<グランスタ>に出店。

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上質なレザーの限定アイテムほか、バッグ、革小物を豊富に取り揃えています。忙しいビジネスパーソンが、仕事や出張の行き帰りに立ち寄り、滑り出し好調です。

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この秋には、長野・松本に新店舗をオープン予定。店内に工房とワークショップスペースを常設。製品販売だけでなく、レザークラフトスクール機能を付加。<コト消費>だけでなく、滞在型の<トキ消費>のムーブメントをとらえた新業態となる予定です。

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現在、店長兼職人を募集中。われこそは、というかたは下のリンク先にお問合せください。

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バッグ小売を取り巻く環境が急速に変化していますが、従来の成功体験にとらわれない攻めの姿勢で、新たな可能性を開拓。今後の動向に期待が寄せられます。


■ 参考URL ■

 東京デリカ プライベートブランド合同展示会
 <https://www.facebook.com/events/1521394014537584/>


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上質でクリエイティビティあふれるファッション・雑貨・ライフスタイルの合同展示会「プラグイン」(主催:繊研新聞社)が3月15日(水)から3日間、東京・渋谷 渋谷ヒカリエにて行われました。


上質なウェアとファッショングッズ、ライフスタイルブランドなど147社が出展。エントランス付近では<stopover tokyo(ストップオーバー・トウキョウ)>がフードエリアをコーディネート。「カフェがコーディネートするブース」という切り口で、高感度なインポートフードブランドを集積。フードカルチャーがファッションを感じさせる時代にマッチした空間演出で盛り上げました。そんな最新トピックを発信する会場から日本製革製品を中心にピックアップしてご紹介します。


旅をコンセプトにしたハイカジュアルバッグブランド<TRAVER(トレヴァー)>がデビュー。

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豊岡をはじめ、すべての工程を国内で行うことにより、高い品質を実現。「旅の出会いは人生に新しい価値をもたらして より上質で豊かな人生へと導いていく」、「日本の職人たちによって丁寧につくられたバッグに尽きることのない美しさと堅牢さを追求する」という理念が込められています。

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今季注目の小さめボディバッグもいち早く発表。外ポケットのファスナーが描くカーブが特徴的。シンプルななかにも、ほどよい個性があり、バランスがいいですね。


実力派クリエイターが手がける<NAOTO SATOH(ナオトサトウ)>では、ブランドアイコンとなっているネオプレンレザーのバリエーションを拡充。

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ウエットスーツなどに用いられるネオプレンとレザーをドッキング。裏地と縫い代のない縫製技術を応用し、軽量感、立体感が生かされたバッグをリリースしています。

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新作としてはサークルフォルム、蕾が開くようなフラワーモチーフのタイプ、メタリックレザーが登場。スポーティなシンプルシックなテイストに華やぎと煌めきが加わることでパーティや旅行など、活用シーンが広がりました。


「足にやさしい」「身体にやさしい」「心にやさしい」をコンセプトに展開する<DOUBLETREE(ダブルツリー)>。<暮らし系女子>をターゲットに新マーケットを開拓し、話題の雑誌「リンネル」に掲載され、同誌ECサイトでも人気を集めています。

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脚をきれいに見せる深めのカッティング、 履く足に馴染むソフトな上質レザー、 疲れを軽減してくれる低反発インソール 、クッションの効いた最高品質のアウトソールなどにより、美しく快適な履き心地のフットウエアを提案しています。

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防水レザーを用いた新作も好評です。


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シューズのほかにも、財布などの革小物もラインナップ。フクロウの型押しがかわいい。フクロウは<不苦労>という文字が当てられることもあり、ラッキーなモチーフとしても人気。縁起ものとしての要素が強い財布にはぴったりですね。


イースト東京・北千住を拠点とする靴メーカー パイオニアのオリジナルブランド<Pionero(ピオネロ)>は、確かな技術とアート感覚のクリエイティビティが織りなすシューズを発表。

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ハンドペイントによるオリジナルレザー、ナチュラルテイストのコレクションに人気が集まっています。レディスに加え、メンズも出品。ムラ感が味わい深いですね。

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日本橋三越本店のポップアップイベントではペイントシューズを限定販売。ユーザー自身がカラーペインティングにトライするカスタムメイドが好評でした(写真:<Pionero factory>フェイスブックページより)。


靴の街、神戸・長田を拠点とするメーカーによるファクトリーブランドとして2015AWより始動した<flower's by siete(フラワーズ バイ シエテ)>。辛口テイストを好む大人の女性に向け、リアルシューズを展開しています。

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木型の開発からパターン、デザイン、素材・パーツのセレクト・・・それらを集結させ、ファクトリーの丁寧なものづくりを表現。すべてのプロセスをスタッフでつくる、つくり手発信型のブランドです。ポインテッドトゥのフラットシューズをはじめ、脱シンプル時代に相応しいデザインコンシャスなシューズを提示。ビビッドなカラーやメタリックレザーなど色合いにもパンチがあり、ユーザーが選びやすく、着こなしに取り入れやすいコレクションでした。


レザー関連ではないのですが、とても興味深く、ご紹介したいのが<three for free(スリーフォーフリー)>。天然素材のコスメとともにバッグ、トラベルケース、ポーチ、ケース、ミラー、チャームなどのスモールアイテムを展開しています。

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テーマは、トラベル、ワーク、アウトドア・・・「3つのキャリー(持ち運び)」。多様なシーンで、コスメと持ち運ぶことができるアイテムを開発。「3(three)」をキーに、三角形をモチーフにした統一感のあるデザインがスタイリッシュ。コスメとバッグ、ファッション雑貨の一体的な提案がいまの時代をとらえていて、キャッチ―ですね。ポップアップイベントなど、次々とオファーがあるそうです。


近年、ライフスタイル系ショップだけでなく、百貨店でも、商品カテゴリーの垣根を超えた売り場、フロアが増えてきました。バッグ、革小物とコスメは、流通チャネル、売り場も異なっていましたが、化粧品に用いられる成分、コラーゲン、石鹸に用いる精製油脂の製造などは皮革業界にも関連した事業でもあります。こうした取り組みにより、食肉の副産物としての皮革をユーザーのかたがたにより深く知っていただくきっかけになりそう。今後の推移に注目したいですね。


ライフスタイル、コーディネートに馴染みながら、そのひとの個性を引き出し、華やぎを添えるジャパンレザー。付加価値と存在感に高感度ユーザーの共感が寄せられ、日本製への信頼がさらに広がっていきますように。



■ 参考URL ■

 プラグイン
 <http://www.senken-ex.com/plugin/index.html>


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合同展示会、商談会「ててて見本市2017」が、2月8日(水)から3日間、東京・青山 スパイラルホールで行われました。

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古今の素材や技術と向き合いながら、創意工夫を加え、今の時代にしかるべきかたちで中量生産される手工業品。そんな手工業品を軸足にして、これからのつくり手、伝え手、使い手の在り方を一緒に考え、三つの手をつなぐ、<ててて協働組合>が主催するイベントです。

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地域や素材や技術など背景を大切にし、つくり続けるための仕組みづくりを目指す、つくり手が全国各地から出展。個性あふれるプロダクトがそろいました。そのなかから、革製品をピックアップしてご紹介します。


イースト東京・松が谷を拠点とする<SHOJIFUJITA(ショウジフジタ)>。道具街として知られる合羽橋にほど近い、このエリアに若いつくり手たちの工房、アトリエ&ショップが増え、街がにぎやかになっています。

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昨年、大手文具メーカー<コクヨ>とコラボレーションが実現。「スマートワークスタイル」をコンセプトにビジネスアイテムを展開する<trystrams>から、革素材のケースシリーズ<SHOJIFUJITA>が好評です。

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六角形のフォルムが特徴的。イエローなどの新色も増えました(<SHOJIFUJITA>オフィシャルサイトより)。


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バッグ、小物の新作も登場。ポーチにはサイズバリエーションもあり、ライフスタイルに合わせたマルチユースに対応。色合い、素材感も絶妙ですね。

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商談も活発に行われていました。


<ANCHOR BRIDGE(アンカーブリッジ)>は、「Meaning of making by hand "手でつくることの意義"」をコンセプトに展開。つくり手の視点から道具(アイテム)の特性を考え、厳選した革を使用しハンドメイドで製作。

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革製品の持つ奥深い魅力を追求し、緻密で躍動的なデザインを提案。ヴィンテージのような味わいのあるレザーとシンプルななかにも個性が光ります。

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Tストラップシューズにひきつけられました。熱狂的なファンが多い定番。ガーリーでありながら、ちょっぴり無骨な佇まい。履き込みの深さ、トゥとのバランスが絶妙ですね。トレンドの<ギーク(オタクっぽい)>な着こなしにぴったり。スニーカーに見慣れた女性には新鮮なのではないでしょうか。


東京・浅草から兵庫・神戸 灘高架下へと移転。近年、灘高架下はクリエイターのアトリエ&ショップが次々とオープン。イベントが開催されるなど、活気にあふれています。少し足をのばせば、靴のファクトリーが集積する、長田、国内有数の皮革産地、姫路が。そんな好立地で、新たなものづくりが盛り上がっています。


「深く 深く 誰の心にもある大切な想いや考えを井戸水を汲み上げるように丁寧に グラフィック プロダクト インテリア 建築まで一貫した視点で澄んだデザイン」が息づくレザープロダクトブランド<ke shi ki>。

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そのひとつ、<Round bottom bag>は使っているときもちろん、それ以外の置かれているときの景色にも留意しつくれらているそうです。安定感があり、しっかりと自立し、内側も見やすい仕様。円筒形と丸底、マグネットの留め具や持ち手のステッチも丸く仕上げ、統一感があり、スタイリングにも馴染むのがうれしい。


インキュベーション施設<台東デザイナーズビレッジ>卒業生としてもおなじみの<.URUKUST(ウルクスト)>が、新作としてシンプルなケースを発表。書類ケース、ノートPC、タブレットを入れたり、クラッチバッグとしても活用できそう。

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注目したいのは素材。イースト東京・すみだエリアのタンナーでつくられたピッグスキンを使用しています。製品向けの選別ではじかれてしまったものをフィーチャー。通常、キズなどは避けられますが、表面感をあえて特長として生かして。

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これまでは製品に用いられることなく、産業廃棄物となってしまったものもあるそうですが、こうした試みにより、生命の証が無駄になることなく、また、大切に扱っている革のものづくりについて、ユーザーに再認識していただける きっかけになりますね。



航空機部品などの金属加工を行う町工場によるプロダクトブランド<NEIGHBOR & CRAFTSMAN(ネイバー&クラフトマン)>でも、素材を生かし切る製品をお披露目。

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<omamori pouche(オマモリポーチェ)>は、お守りをモチーフにした小さな革袋。餞別や手紙、小さな思い出の品を入れたり、リングやアクセサリーを入れて、ギフトにしてもいいですね。革の端材でつくられているため、色・質感はひとつひとつ異なるそう。エシカルであり、一点もの感覚でもあるという特性もいいですね。


創業40余年を経て数え切れないほどの受託加工を通じて、加工技術を蓄積。「図面通りのものづくりだけでは、ものづくり本来の目的を忘れてしまう」「人のためのものづくりを忘れないように」との想いを込め、立ち上げたそうです。人生をともに過ごす心地よい隣人のような存在を目指し、さり気ない心地よさを大切にデザインしています。


ユーザーに寄り添う発想が支持を集めるつくり手たち。その真摯な取り組みが国内のものづくりを活性化。革という素材と対峙し、切り拓く、ジャパンレザーの新たな可能性に、今後も注目したいですね。



■ 参考URL ■

 ててて協働組合
 <http://tetete.jp/>


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一般社団法人 日本ハンドバッグ協会による、3月12日「サイフの日」キャンペーンが昨年に続き、実施されています。

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一般社団法人 日本記念日協会に登録されている3月12日「サイフの日」に向け、2月15日(水)からオープン懸賞がスタート。全国の百貨店、専門店の各売り場にPOPを設置。掲載されたキーワード「ハンドバッグ協会」からアクセスし、かんたんなアンケートに答えたかたに、抽選で旅行券またはオリジナル ガマグチが当たります。3月20日(月)まで。


このキャンペーン期間は、<春財布>、ホワイトデーギフト、新生活を前にし、買い替えのニーズが高まるため、各ショップではさまざまな財布を提案しています。当ブログでも、店頭や展示会取材で出会った財布をピックアップ。まとめてご紹介します。


ファッショントレンドと連動した色柄

近年では、風水カラーで財布を選ぶかたが増えていますが、ファッションのトレンドを意識した財布も継続して人気です。老舗メーカー<高屋>のオリジナルブランドではパステルカラーのバリエーションを発表(「東京ギフトショー」より)。

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2017年秋冬シーズンの注目カラーとなっていますが、ウェアとのコーディネートが必要なく、サイズも小さいので華やかなカラーを取り入れやすいのもいいですね。なお、同社 本社に隣接した実店舗<トートクラマエ>のオンラインショップもローンチしました。


革バッグ・革財布を展開する<エフィー>では、パイソン柄のピッグスキンを配した新作をリリース。フォークロアテイストが浮上するなか、パイソンもトレンド柄のひとつに。

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東京特産のピッグスキンをベースにした艶やかなプリントは、地場ファクトリーの技術力が秀逸な技術を反映。ヘビは金運をつかさどる弁財天の化身とされ、縁起がいい生物といわれます。そんなスピリチュアルな要素もあるため、財布に最適ですね。


この春、人気のストライプ柄が登場した<クレイサス>(写真:サックスバー公式通販サイトより)。グリッターエナメル牛革の素材感がフェミニン。

商品詳細

ブランドのシグネチャー、フラワーモチーフのモノグラムをエンボス加工を施して。柄×柄の組合せで個性あふれる一品に。


使いやすいサイズと機能

コンパクト財布ブームの先駆け、<エムピウ>。色、素材、スペックのバリエーションが豊富です。

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こちらの<zonzo(ゾンゾ)>は、機能をぎゅっと凝縮。紙幣10枚、クレジットカード5枚、コインは100円玉だと15枚まで入ります。ほぼコインケースのサイズでありながら、札ばさみがあり、紙幣を折らずに収納できるのが特長。

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別シリーズでは、ギリギリまで無駄をそぎ落としたシンプルなデザインも。ラフに見えて機能的にも優れている、そんなギミックに満足度が高まります。


「革とオトナのいい関係」を提案する通販サイト<KAWANOWA(カワノワ)>では、東日本ハンドバッグ工業組合・組合員有志メーカーが参加。伝統を受け継ぐ腕利き職人たちをサポートしています。

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参加ブランドのひとつ、<のむら>では、長財布をコンパクトに。通常の札入より小さめにつくった同社のオリジナルは、紙幣を折らずに収納できる最小サイズ。長さだけでなく、高さも抑えているので手にしっくりと馴染みます。手が小さい女性に好評です。


一方、大きめサイズにも安定したニーズが。革バッグ 革財布の<エフィー>のロングセラー(写真:<エフィー>フェイスブックページより)は預金通帳、母子手帳(自治体によって異なります)が収納できる長財布。

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使用する時期が限られるため、専用ケースより、兼用できる長財布が好まれるようです。L字ファスナーで開閉しやすくストレスフリー。ソフトなピッグスキン素材を使用し、女性に多い、縦につかむような持ち方に対応しています。


この春、インキュベーション施設<台東デザイナーズビレッジ>を卒業する<エムリップル>では、メンズライクなアイテムを数多く展開していますが、こちらの長財布は購入者の80%が女性だそう。

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その理由は差し込みベロ。開閉時にネイルへの影響が少ないのも好評です。内側に配したファスナーの引き手にはレザーのタッセルをプラス。デザインポイントとしてだけでなく、開閉しやすくなるのもうれしい。

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3月25日(土)には、東京・上野にアトリエを移転。場所は、古い雑居ビルをリノベーションした建物。ボタニカル&ブックカフェもオープンし話題です。ショップ機能も有し、ユーザーとコミュニケーションできる拠点となります。


個性的なデザイン、オンリーワン感覚

2016年度「minne ハンドメイド大賞」グランプリを受賞した<440>の財布。セクシーだけれど、女性にも受け入れられやすいポップなテイスト。

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表裏でデザインがちがうのもいいですね。見た目だけでなく、ディテールや縫製もしっかりしていて財布としての完成度が高いんです。

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アニマルモチーフはパンダだけでなく、トラやゴリラも。

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動物園のように見えるディスプレイで。

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このほか、イチゴやトマトなどの赤い食べものシリーズもユニーク。

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カゴとのコーディネートもおもしろいですね。できたて、つくり立てのような印象になるから不思議です。


インキュベーション施設<台東デザイナーズビレッジ>入居ブランド<フィオライア>は、誕生花をテーマにした財布が人気。

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アップリケで立体的に表現。オーダーイベントも不定期で開催しています。モチーフやカラーを好みで選び、コーディネート可能。オンリーワン感覚であつらえることができるのがうれしいですね。


日本製レザー、和テイスト

人気ブランド<キソラ>では、ブランドレザーとしておなじみの<栃木レザー>を使用したシリーズがヒット。

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ベジタブルタンニンなめしによる、ナチュラルな質感、使うほどに味わいが深まる経年変化が革好きユーザーのハートをとらえています。

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東京・すみだエリアのタンナー<カナメ>が手がける革を用いた<セラゾール>シリーズも人気。女性らしい曲線づかいとクラシカルながまぐちは幅広い世代から支持を集めています(写真:ともに<キソラ>オフィシャルサイトより)。


イースト東京の<2k540 AKI-OKA ARTISAN(ニーケーゴーヨンマル アキ・オカ アルチザン)>の人気ショップ<アグリトーキョー>の<紋影-mon-A- (モンエイ)>シリーズは、和テイストの逸品。特別になめし、シボの型押しをした牛革に彫刻を施して。深く彫られた革と、その陰影が美しく、見る角度によって異なる表情をたたえます。

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日本古来の吉祥文様の組亀甲柄。その下側に英国の伝統柄のロンドンストライプ生地をプラス。和洋折衷な独自のたたずまいは、スタイルを確立した大人にぴったり(写真:<アグリトーキョー>オンラインショップより)。


バッグのように、ウェアとのコーディネートや全体のバランスなどを気にしなくていい財布は素材、デザイン、機能、使いやすさ・・・と、自分らしさを投影できるアイテム。3月12日「サイフの日」という、年に一度のタイミングにお気に入りと出会ってください。



■ 参考URL ■

 一般社団法人 日本ハンドバッグ協会
 <http://www.handbag.or.jp/campaign/saifunohi/>


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国内最大級を誇るファッションとデザインの合同展示会「rooms(ルームス) 34」が2月15日(水)から3日間行われました。2020年開催の「東京オリンピック」を控え、主会場としてきた国立代々木競技場第一体育館が使用できなくなるため、従来のスタイルでの開催は今回で終了。

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「代々木の会場に合わせて完成形となった今の形は、今回で最後。展示会という名前もやめると思います。
(中略)
ルームスがインキュベーションの役割を担う、という点は変えません。今まで見えなかったものを発信し、さなぎから蝶となるときに、いちばんいい姿で飛ばせたい。そうして、<ルームスに出たほうがいいよ>とクチコミが広がることがいちばんのブランディングになるし、形は変えても、そのブランド価値を継続させていきたいと思っています」とアッシュ・ペー・フランス ルームス エグゼクティブプロデューサーの佐藤美加さん(「繊研新聞」1月30日2面/<インタビュー>より)。

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時代に先駆け、変革を遂げる「rooms」で、進化し続ける日本製革製品に出会いました。その一部をご紹介します。


日本の革と革のものづくりの魅力を発信する<TIME & EFFORT(タイムアンドエフォート)>がブース出展。

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2017-18年秋冬コレクションは、ブラックとホワイトを中心に展開。ファッショントレンドとして華やかなカラーリングが復活するなか、そのコーディネートに相応しく、多様な着こなしに馴染みながらも存在感のある革製品を出品。バイヤーの秀逸な編集力も光ります。モノトーンだからこそ、デザイン、素材、縫製といった基本的な要素が際立ち、クオリティの高さをしっかりと訴求。


国産スニーカーの代表格<スピングルムーヴ>で知られる<スピングルカンパニー>が始動した新ブランド<33(サーティースリー)>も登場。<スピングルカンパニー>の工場が創業した1933年(昭和8年)からネーミングされたそう。伝統的なバルカナイズ(加硫)製法によるレザースニーカーが国内外で高く評価された同社。さらに高みを目指すチャレンジは、新感覚のドレススニーカー。

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アッパーの奥深い艶めきに目を奪われます。レザーケア製品のトップメーカー<コロンブス>の最高級クリーム<ブートブラック>を使用し、熟練の技術者が磨き上げているそうです。さらにハイテクスニーカーのようなソールをプラス。どこまでも歩いて行けそうなポジティブな気分が満ちる、大人のための至福の一足ですね。展示品を触れるとディスプレイの動画も変わるというサプライズな演出も。インスタレーション的なアプローチが楽しい展示でした。


東京都台東区を中心にイースト東京を拠点とした地場メーカーがそろう<TAITO FASHION ZAKKA(台東ファッションザッカ)>のブースでは、イラストレーションと実演でお出迎え。

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伊勢丹新宿店ほか、百貨店でブレーク中の人気シューズブランド<U.(ユードット)>を展開する<ヴァ―ブクリエーション>代表取締役社長の中川宏明さんが実演を披露。業界の常識を変える若いパワーと熱気が伝わります。

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同社は、経済ジャーナリスト 内田裕子さんが上梓した話題の書籍「三越伊勢丹モノづくりの哲学」でも紹介されたそうです。

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3月11日(土)、神奈川・横浜で行われる出版記念トークショーに著者とともに中川さんが登壇。日本のものづくりの現在と未来を語ります。お見逃しなく。


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同じく、イースト東京・北千住を拠点とするファクトリーブランド<ビアベリー>。

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バッグ、財布、小物が並ぶなか、気になったのがこちらのケースです。

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メガネやペン、コ―ムといったアイテムを収納できるのはもちろん、留め具をつけるとトレーにチェンジ。

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外出先、室内で形と使い方を変えられるのがいいですね。旅行にも重宝しそう。


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東京周辺の中小企業を広く支援する<国際ファッションセンター(KFC)>と、クリエイティブチーム<SELF>の協業によるプロジェクト<東東京モノヅクリ商店街>にも常にたくさんの来場者が。

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富裕層のリピート買い殺到、ウォッシャブル加工を施したピッグスキンのエコバッグ(ティグレ<レザリア>)、メンズのがまぐち(写真/<紗蔵>)といった、特徴的な商品開発が奏功。メイドイントーキョーのプロダクトとしてファッションの地産地消に取り組んでいます。


新たな使い方の提案により、市場を開拓するアイテムはほかにも続々。


デザイナー 喜多理恵さんが手がける<kitakikaku(キタキカク)>では、東京特産のピッグスキンを使用した東京から発信するコレクションを発表。

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特にこのマスク! インパクト抜群です。ハロウィンにもぴったり。ハロウィンの市場規模はバレンタインを超えたともいわれます。これまで革製品では対応できていませんでしたが、非日常的な時間と体験を楽しめるアイテムとしてニーズも掘り起こせそう。


大手手袋メーカー<ヨークス>からは、アームカフを提案。手袋とアクセサリーの中間領域が新鮮です。

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アクセサリークリエイターとのコラボレーションなどにより、これまでになかったレザーファッションの楽しさを開拓。ブレスレット、バングルとの重ねづけも素敵ですね。


革素材では、付加価値性をアピール。


エシカル&エフォートレスシックをキーワードに仕上げた地球にやさしいレザー<ポルティラ>。皮革産地、兵庫・たつのを拠点とし、なめしや染色のプロセスにおいてクロム、ホルマリンといった人体に対して有害な物質を不使用。工場排水にいたるまで安全性も重視しています。

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鹿革のシリーズでは野生の鹿を使用。農林業への被害が深刻となっていることから相談を受けることが増え、取り組みをスタート。日本の野山で育んだ生命を無駄にせず、資源化し有効に利活用。


過度な表面塗装や加工をせず、原皮の段階であった傷跡もそのまま表面に残したナチュラルな仕上げ。革がもつ本来の柔らかさ、軽さ、自然の風合いを大切にし 従来、製品に用いられてこなかったキズをデザインの一部ととらえるなど、それぞれの動物、個体が有していた個性を生かしています。

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2017年春夏のシーズンカラーはヤマモモ、クチナシ。天然由来の草木染料を主原料として丁寧に染め上げたそう。ぬくもりあふれる色合いも魅力的。スモールアイテムも豊富にラインナップ。レザーを身近に感じることができますね。


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特殊加工を施した<アクサレザー>は、水洗いが可能に。革本来のしなやかさを保ちながら、水洗いによる色落ち・硬化というデメリットも解消。

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特にシューズがヒット中。大手通販サイトで2016年下半期で売り上げランキングトップとなったそう。発色のよさもいいですね。


クリエイターの繊細な表現も目をひきました。


<logsee>は京都を拠点に活動。自然に囲まれた森の京都、京丹波町にアトリエがあるそうです。

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クラシカルな手法を大事にし、自然から学んだ配色や形状をもとにつくられたバッグ。サークルのフォルムやショルダーストラップなど見慣れたバランス感をアレンジ。心地いい変化と律動、そして、上品なエレガンスを。伝統と革新が調和する古都のDNAが息づいているかのよう。


<ガールズプロダクト>エリアに出展した<yoshiko>。

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独創的なバスケタリーワークが支持されています。レザーを使用したバッグ、花器も発表。

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異なる質感の対比により、奥行きが生まれて。ふんわりとした甘さと、女性らしいしなやかな力強さが融合した作品世界に引き込まれます。DIYワークショップは告知とともにすぐ満席になってしまうなど大人気。「ファッションテック」(ファッションとテクノロジーを掛け合わせた造語)が注目されるときだからこそ、やさしさとぬくもりを実感できるクリエーションに心が動かされますね。ファンのかたとの関係性、ネットワークも強固。共感力と熱量の高さがうかがえます。


今回をふりかえり、「コミュニティー感が今の時代をあらわしている」とルームス エグゼクティブプロデューサーの佐藤美加さん(「繊研新聞」2月27日11面/<第34回ルームス つながり、コト提案増える>より)。


画像共有アプリ、インスタグラムやフェイスブックをはじめとしたSNSが急速に普及。知りたいこと、ほしいものを媒介とした共感により、ネット上の新しいコミュニティーが形成され、そのなかで飛び交うリアルな意見、情報が重視されています。


クラウドファンディングによる、ものづくりのサポート体験が消費行動の変化を後押し。時間と対価に見合う満足感・価値と共鳴する想い。専門性が高いコアなものにこそ、つくり手とつかい手との絆もより強く。今後、日本製革製品の可能性もさらに広がっていきそうです。



■ 参考URL ■

 ルームス 34
 <http://www.roomsroom.com/>


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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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