欧米ブランドに「負けていないぞ!」

October 14, 2020

「Japan Leather Award 2020」審査会&一般公開 レポート

カテゴリー: 国内革事情

国内最大規模のレザープロダクトコンペティション「Japan Leather Award 2020」応募作品一般公開が10月3日(土)、東京・二子玉川 iTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズにて行われました。

アワード202003.jpg

フットウェア、バッグ、ウェア&グッズ、フリー、学生の5部門、各部門、ベストプロダクト、フューチャーデザインに分けて(学生部門を除く)応募作品205点すべてを展示。

新型コロナウィルス感染予防対策を徹底。入場の際は、検温、手指のアルコール消毒、マスクの着用を確認(未着用のかたには、未使用のマスクを進呈)し、会場内においても、ソーシャルディスタンスの確保、密を避けるため入場制限、常時、入り口を締め切らず、換気を行い、十分な配慮のもと開催されました。

アワード202002.jpg

オープンと同時に来場があり、クローズまで、ジャパンレザーファン、応募者の皆さんが来場。秋風が通り抜ける会場は、作品への熱視線が交錯する独特の空気感と心地よい緊張感が。

アワード202005u.jpg

展示された全応募作品からお気に入りの作品にメッセージをお寄せくださったかたに「レザーコード」をプレゼント。ブレスレット、ネックレス、髪留めなどとして使用できると女性やお子さんに大好評。準備数がたちまち終了となりました。

lass02.jpg

会場内では、併催イベントとして、レザーセミナー(「本日は革日和♪」村木るいさん)、レザーケアセミナー(LC inst.いちかわたかおさん)を各3回、計6回実施。

lass03r.jpg

司会を兼任する村木さんが開始時刻を知らせると着席するかたが続々。各回レクチャーする内容が異なり、複数回受講するかたもいらっしゃったようです。


なお、人気イベント「本日は革日和♪」が10月16日~17日の2日間、ホームグラウンド、大阪・奥なんばエリア周辺で行われます。参加企業によっては、上質レザーのアウトレットセールなども開催されます。クリエイター、DIY派ユーザーの皆さま、ぜひ、チェックしてください。


「本日は革日和♪」
http://ccrui.sakura.ne.jp/kawabiyori/archives/7093


アワード202001.jpg

一般公開の前日には、審査会を非公開で実施。長濱 雅彦審査員長(東京藝術大学美術学部教授)をはじめ、デザイン界、ファッション界でご活躍中の審査員の先生方によって、厳正に審査されました。

「Japan Leather Award 2020」審査会をレポートした動画を公開中です。各審査員の皆さまのコメント(動画)もありますので、ぜひ、ご覧ください。

https://youtu.be/xouz73uEZwQ

今年度、気になった傾向は・・・

20傾向2.jpg

ワークショップ、DIYキットなどの提案が増加。受け継がれた技術でつくる靴に工夫を施し、ビギナーでも一定にクオリティで仕上げられる、という発想の作品が集まりました。


20傾向1.jpg

20傾向3.jpg

ものづくり産地、老舗タンナー&ファクトリーのチャレンジングが目をひきます。有害魚の利活用、クロコダイルレザーのタンニン鞣しなど、つくり手の情熱がこめられた作品の存在感が際立ちます。


20傾向4.jpg

ウィズコロナ時代に欠かせない、「抗菌」作用を新しい付加価値の提示も2020年らしいですね。


20傾向6.jpg
ステイホームのおうち時間、リモートワークから、家事・育児へ・・・といった部屋間移動とともにスマートフォンの収納・持ち運びに便利にする作品にも、時代性を感じました。


20傾向5.jpg
サスティナブルへの意識も関心が高く、残革・端革の利活用や環境に配慮した ものづくりの広がりを感じます。


20傾向07.jpg
オンラインミーティングやSNS投稿用の自撮りなどの「顔まわり消費」に向けた作品も。今回はアクセサリー、つけ衿がエントリー。今後もさらなる拡充に期待したいですね。

また、革製品の在り方、必要性を見直し、細分化するターゲットにより深く寄り添う。SNSのハッシュタグなどでつながり、クラウドファンディングで応援購買されることも多い、いまの時代にフィットする、コアなプロダクトにも注目したいですね。


外出する機会が減り、特別感のある嗜好品としての個性、ボーダレス化するホームファッション&インテリアにフォーカスし、暮らしを豊かにする作品も増えています。


そして、10月9日(金)、ついに、受賞作品が発表されました。

フットウェア部門

J20A-6056_a.jpg

ベストプロダクト賞 
宮内 崇さん
株式会社スピングルカンパニー

J20A-6101_a.jpg
フューチャーデザイン賞
細川 悠眞さん
個人

バッグ部門

J20A-6037_a.jpg

ベストプロダクト賞 
松村 美咲さん
有限会社清川商店

J20A-5955_a.jpg
フューチャーデザイン賞
鈴木 磨さん
株式会社由利


ウェア&グッズ部門

J20A-5968_a.jpg

ベストプロダクト賞
小林 仁太さん
CONCUSSION


フューチャーデザイン賞
該当なし

フリー部門

J20A-5828_a.jpg

ベストプロダクト賞 
サクライ ミサさん
個人

J20A-6032_a.jpg

フューチャーデザイン賞 
中山 智介さん
銀職庵水主

学生 部門

J20A-6070_a.jpg

最優秀賞
福島 拓真さん
武蔵野美術大学


J20A-5857_a.jpg

審査員賞 (長濱 雅彦 選)

フットウェア/ベストプロダクト
益子 実佳さん
宮城興業株式会社


J20A-5957_a.jpg
審査員賞 (天津 憂 選)

ウェア&グッズ/ベストプロダクト
石村 誠さん
合同会社ROHMAN


J20A-6081_a.jpg

審査員賞 (有働 幸司 選)

フットウェア/ベストプロダクト
冨田 貴昭さん
個人


J20A-5875_a.jpg

審査員賞 (坪井 浩尚 選)

バッグ/フューチャーデザイン
三木 直人さん
Naoto+m


J20A-6146_a.jpg

審査員賞 (中山 路子 選)
フリー/フューチャーデザイン
菅野 龍雄さん
個人


J20A-5933_a.jpg

審査員賞 (廣田 尚子 選)

ウェア&グッズ/ベストプロダクト
矢内 徹さん
株式会社吉田


J20A-5996_a.jpg
審査員賞 (若杉 浩一 選)

バッグ/ベストプロダクト
佐藤 真世さん
個人


★各審査員賞の審査員名は敬称略とさせていただきました。


受賞なさった皆さま、おめでとうございます!
グランプリは、表彰式(11月28日(土)/東京・二子玉川 二子玉川ライズ ガレリア)で発表されます。

2020アワード10.jpg
「Japan Leather Award」の歴史に新たな1ページを刻み、このトロフィーを手にするのは、果たして? どうぞ、お楽しみに! このほか、くわしくは、下記リンク先をご覧ください。


「Japan Leather Award 2020」
https://award.jlia.or.jp/2020/


プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

最近のブログ記事

カテゴリー

月間アーカイブ

rss
facebook witter

このページの一番上へ