欧米ブランドに「負けていないぞ!」

August 26, 2020

村木るいさんの「人に話したくなる革の話」/皮革大学やイベントを見て、コロナとの付き合い方を考える、という話

カテゴリー: 村木るいさんの「人に話したくなる革の話」

月1回のスペシャルコンテンツ、村木るいさんの「人に話したくなる革の話」。
今月は、皮革大学やイベントを見て、コロナとの付き合い方を考える、という話。専門的なレザーの講義を聞き、いまではすっかり貴重になりつつあるリアルイベントに出向き、取材した内容をまとめてくださいました。ぜひ、ご一読ください。
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通常、皮革産業のさまざまなトピック、イベントのレポートなどをお届けしておりますが、人気イベント「本日は革日和♪」を主宰する村木るいさんが月1回スペシャルコンテンツをお届けしています。イベント、セミナーなど精力的に活動する村木さん。皮革に関する確かな見識を有し、幅広い情報発信に支持が寄せられています。
当ブログでは、レザーに関心をもちはじめた若い世代のかたや女性ユーザーにお伝えすべく、わかりやすい解説とともに西日本の皮革産業の現状をご紹介しています。独自の視点・レポートが大好評です。
人気イベント「本日は革日和♪」。今後の予定、スケジュールなどは下記のリンク先をチェックしてください。
  「本日は革日和♪」

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毎度です!「もうさっさとwithコロナの覚悟決めて行動したほうがいいよね」と割り切れてきた村木です。

そろそろコロナと付き合う覚悟を持つべきだな、と思っていますが、周りでもそういう覚悟を決めた会社なり個人さんが増えてきました。

今回の流れは下記のとおりです。

・皮革大学、という講座に行ってきた話

・各種イベントはコロナとどう付き合っていっているか、という事例を紹介したり、イベント主催者との雑談

・コロナ状況下でも新しいことを学んだり、売り上げを伸ばしているような人の話

目次 [hide]

皮革大学に行ってきた

こういう講習をなぜ東京でやってくれないの?

皮革大学は座学のみなの?

皮革大学もコロナ影響下で開催した

コロナ禍でイベントはどうなるか?

大阪で行われた大規模な販売イベントなど

とある販売イベント主催者との雑談

販売イベントの規模はこれくらい

結果

雑談

twitterで見た、とある同人誌即売会イベントの対応

イベントなんてやるだけ赤字やで、と呟いた人との雑談

イベント主催者のやることは多いけど、COCOAは入れてもらおう

コロナ禍で革の講習をやって、と依頼してきた会社

コロナ禍で売り上げが伸びた人の話

withコロナでやっていくしかねぇな、と。

皮革工業技術支援センター|兵庫県立工業技術センター

こちらで開催されている皮革大学は座学で全7回。毎年夏ごろに行われ、今年は2時間講習×7日間の濃い内容です。

「皮革概論1、2」「準備工程」「各種鞣製と鞣製法」「脱灰浸酸鞣工程」「再鞣・染色・加脂・乾燥工程」「仕上げ工程」という内容。これでも講師曰く「2時間で足りない!」「乾燥工程だけで2時間欲しいなぁ」とのこと。

 

こういう講習をなぜ東京でやってくれないの?

革を作る工場である「タンナー」さんは、兵庫県たつの市と姫路市の登録数で100社以上はあります。

この皮革大学はタンナーさん向けの内容となっているため、出席者の殆どがタンナーさんで働いている人ばかりです。東京や埼玉にもタンナーはあるのですが、各地域10社以下なため、これだけのセミナー開催は難しいかと思います。

内容も「アニオンカチオンが、、」「酸性値が7で、、」「硫化ソーダと水流化ソーダの比率が」などの用語がバンバンと飛んできます。革屋さんでもきつい内容ですが、タンナーと付き合うにはこれだけの土台があったほうがいいのも事実です。

私が関わっている革屋「レザークラフトフェニックス」では毎年1名は出席するようにしています。かばんを作っているメーカーです!靴職人です!という方が習うと途中できついだろうな、とは思います。

ちなみに4年前の際には静岡や北九州から通っていた方もおられました。4年前の皮革大学は10の講座で、彼らは10日間、毎回姫路まで通ってきてくれていました。遠隔からでも来る価値のある内容なのは間違いないです。

皮革大学は座学のみなの?

夏手前くらいに座学を行い、秋口には製造実習も行われます。あくまで兵庫県の中小企業支援事業の一環であり、来年も行われる、という保証が全くないため、聞けるうちに貪欲に吸収しておきたいものです。今年も製造実習が行われますので興味ある方は下記にお問い合わせください。

皮革工業技術支援センター|兵庫県立工業技術センター

2016年に受講して、今年4年ぶりに受講しましたが「前回わかったと思っていたことが実際には知識として身についていない」「前回理解できなかったことがおぼろげにわかるようになってきている、と勘違いしているのかも」とは考えられるようにはなりました。人生死ぬまで勉強ですねぇ。

4年前の様子は下記Blogにて。

平成29年度の皮革大学申し込み始まりました。昨年はすごかった。。 | phoenix blog

 

皮革大学もコロナ影響下で開催した

今回はコロナの影響もあり、従来は全10回の講習が、タンナー向けの鞣しに関する講習のみ全7回と短い講習となっています。

今現在いろいろなイベント会場で言われているのは、「定員50名の部屋ならばその半分だけ入場可」という縛りですね。このイベントも従来は30人定員なのですが、15名になっていました。

さて、今回の主題。皮革大学に限らず、コロナ禍のイベントはどうなるのでしょうか?

コロナ禍でイベントはどうなるか?

ここしばらくの動きを見ていると、日本に限らず世界は「コロナと付き合って経済まわしていくしかないだろ」という考え方をするようになってきました。

例えば先月に紹介したJLIAによる「ジャパンレザーアワード」にしても、JLIAは「コロナ怖いから辞めとこう」という意思は関係者の間にはなかったそうです(ほんとにすげぇなぁ、感心しましたわ)。

村木るいさんの「人に話したくなる革の話」/「ジャパンレザーアワード」はコロナでもやる、という覚悟を聞いた話

ここしばらく色々見聞きしたり、ネットで見た各種イベントのコロナ対応をまとめてみましょう

百貨店や美術館など

7月あたりから随分と「検温をする」というのが一般的になってきました。美術展などでは当たり前に行われています。関西の百貨店やユニクロ、GUなどでも普通に行われるようになってきましたね。

大阪で行われた大規模な販売イベントなど

7月に行ってきた、とある販売イベントを見てみましょう。

イベント規模

・関西では結構有名な販売イベント。年2回。
・出展者は海外からも来る
・入場料無料

対策

・1日を2回にわけて、事前にオンラインで参加申請
・入場時に検温必須。その後パスケースを貰える
・1部屋ではなく4部屋ほどでイベントをやっているので、このパスケースがないと他の部屋に入れない
・各部屋では「最大収納人数」の半分までしか入れない。各部屋入り口で人員を配置。マグネットにより部屋の内部人数を常時カウント。人が多い場合は入場お断り

出展者との雑談

・いつもより来場者はもちろん少ない
・それでもイベントに出ることで自社サイトなりの宣伝になったり、熱心なファンであるお客さんと会えるので無意味ではない

とある販売イベント主催者との雑談

販売イベントの規模はこれくらい

・中規模~大規模の間くらい。関東関西両方で開催
・販売イベント
・入場無料

結果

・開催3週間前に今回は中止、の決定
これ以上食い込むとホテルや交通機関の問題があるので、主催者としてはギリギリまで粘った判断だったと思います。

雑談

中止決定1週間前の雑談

主催者「ムラキさんはどう思う?」

イベント? やらないとあかんでしょ。小さくても細くても、イベントは続けておかないとお客さんがその業界に対する興味を維持できなくなるからねぇ。

「そうなんですよねぇ~~。でも万が一にもクラスター発生するとなぁ、と思っちゃうんですよ」

私は関西の人間だから、関東の人がどう思っているかイマイチわからんのだが、関東はイベントやっても人がこないの?

「考え方が逆です、村木さん。
地方ですよ。地方の出展者さんや入場者さんが恐れているんですよ。
万が一にも関東でコロナを拾ってきて、自分の地域に持って帰る。これをやっちゃうと、もうそこで暮らしていけない。だから万が一にもコロナに罹患する可能性があるならばもう関東に行かない、です。」

あぁ! なるほどなぁ。

「関東の人間は関東内で行動移動するならば問題ない。でも、関東から他府県に出ていってそこで迷惑をかけるのはヤバいから、出ていかない、と考えています。結果的に関東でイベントやったらお客さんは来るんですよ。ただし、出展者も来場者も関東の人ばかりです」

なるほど、ガッテンだな。関西や他の地域でも「自分の県内ならば問題ないだろう」と考えているように感じますね。

twitterで見た、とある同人誌即売会イベントの対応

下記のtwitterまとめで見られますが、2つのイベントが紹介されています。それぞれで対応が異なっており、結果も異なっています。

同人イベントのコロナ対策はどうなってる?同日開催された同人誌即売会「サンクリ」「TOKYO FES」の比較 - Togetter

・参加方法
・事前周知
・ソーシャルディスタンスの維持に対して何をしているか

など学ぶべき点は多いかと思います。

上記の素晴らしい点は「主催者サイドはどう公式に告知していたか」「実際のイベントに対して参加者はどう思っていたか」が見られる、ということです。悲喜こもごもだな、と思いますので、イベント主催者や参加者はぜひご覧ください。

イベントなんてやるだけ赤字やで、と呟いた人との雑談

とあるイベント主催者との会話

「ムラキくんよ~、今の時代、イベントなんてやらなきゃ金銭的負荷は0で済むんやで。イベントをやったら赤字確定やがな。でもな、それでもイベントはやらないかんよ」

なんでですか?

「コロナでの自粛によってな、気づき始めた人がいるんや。別に好きだった~~が見れなくても生きていけるな、と。それがスポーツ観戦の人もいる。アイドルの人もいる。映画の人もいる。何かものづくりの人もそりゃいるだろう。目が覚めちゃったとか、呪いが解けた、と言えるのかもしれない。

今の時代ってスマホ経由でいくらでも誘惑が存在するんや。そうなるとイベントなりできちんと情報や刺激を与えたり、同好の士がこれだけいるんやで、と知らせないと簡単にスマホ経由で他のモノに流れてしまう。仕事じゃなくて、生活必需品じゃないものはなおさら辞めてしまう」

ネットで情報発信していたらそれでええんちゃうの?

「やっぱりイベントの空気ってあるやん。例えばサッカーや野球を見に行く。応援しているチームが勝つ。それなら記念に何か買おう、となるやろ?テレビで応援しているチームが勝ったからって『よし!応援しているチームのサイトに行ってグッズ買おう!』ってならないやん。イベントってのはネットで味わえない空気を味わえるんだよ」

なるほど、重いなぁ、と感心しました。

イベント主催者のやることは多いけど、COCOAは入れてもらおう

色々見聞きしていても、従来以上の事前告知や、検温係・消毒・換気係などの人員必要度アップなど、イベント主催者サイドによる従来以上の金銭的労働的負荷が高まっています。

とりあえず参加者には下記アプリを入れてもらいましょう。

新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) COVID-19 Contact-Confirming Application|厚生労働省

政府ではなくて、各都道府県が用意しているコロナ追跡アプリなりも存在します。コロナにかかることは特別じゃない、と言われる時がいつか来ると思います。それまでに問題なのは「どこで罹患したのか」の追跡ができないことです。

イベント参加者には上記アプリを入れてもらうことを周知していくべきかと思います。

最後にこのコロナ禍でも色々と新しいことをやっている会社や人を紹介してみましょう。

コロナ禍で革の講習をやって、と依頼してきた会社

大阪のカバンメーカーさん曽我部さん。

「ムラキさん、革の講習をしてもらえませんかね?」

そりゃ、依頼とお金いただけたらいくらでもしますが、、、よくまぁ、このご時世に講習会依頼しはりますねぇ。

「コロナ禍だからですよ(-_-;) やはり仕事の量は減っていますが、これからの時代に備えてお働いている社員さん達の勉強になってほしいですから」

OKOK。前向きでいいですな。

それじゃ、会社で働いている人の男女比率と平均年齢、何人くるか、など教えてもらえます?革の話だけで2時間でも構いませんが、カバンメーカーさん向けの話にしておいて。。。あと、12個ほどカバンメーカー向きの話を提案しますので、その中から2、3つほど聞きたい話選んでくださいな。レジュメ作りますので

「それじゃ、、日本のカバンの歴史、ランドセルの話、コロナでも売り上げを伸ばしている会社の話をお願いします」

あ~、それじゃ明治時代からの革の歴史から、学習院のランドセルや現代のランドセル会社の戦略戦術。そこからコロナでも売り上げ伸ばしている事例を話してみましょう。

 

当日は15名様に聞いていただきました。ありがとうございました。

コロナ禍で売り上げが伸びた人の話

曽我部さんのところで話した「コロナでも売り上げが上がっている事例」をちょっとだけ紹介してみましょう。

売り上げが上がっている会社や人はネットを効率的に使っている、ってのは確かです。

それはやみくもに「インスタグラムをやっていたから売り上げあがっているんですよ!」「~~の販売サイトを使っている!」「SEO対策をしっかりした!」「インフルエンサーが!」「ユーチューバーが!」という話ではありません。

今回話をした会社さんは自社の持っている「他社にない強み」を計算し、顧客の顔を一人一人思い浮かべて、重点顧客をリストアップしました。そのうえで自分の持っている強みを重点顧客を狙い撃ちしてアピールしていきました。

「ムラキさん、今の時代だからこそ、自分の持っている戦力を集中して行動できたんですよ。おかげで売り上げは伸びましたよ!」

この人に限らず、今の時代は「意思決定を早くし、失敗成功の見極めを早くし、Try&Errorが高速化されている」ように感じますね。

withコロナでやっていくしかねぇな、と。


ここ2週間ほどでコロナに罹患したor罹患したんじゃないかな、という話が身近になりました。

・入っているビルの2Fの端っこの会社の社長さんがコロナにかかった(顔も覚えていない人です)
・盆明けに知り合いが風邪っぽく、PCR検査を受けた

徐々に近づいては来ているのを感じます。
コロナに絶対近づかない!ではなく、コロナを正しく恐れ、付き合っていかなきゃな、とは思いますね。


プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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