欧米ブランドに「負けていないぞ!」

October 27, 2021

村木るいさんの「人に話したくなる革の話」/イベント出展&来場で見た感じたコロナ禍での戦い方

カテゴリー: 村木るいさんの「人に話したくなる革の話」

月1回のスペシャルコンテンツ、村木るいさんの「人に話したくなる革の話」。
今回は、この1か月で見てきたイベントや、出展したイベントでみたコロナ禍での戦い方、という話。
出展する立場、来場客としての立場をどちらも経験し、つくり手視点でリアルにレポートしました。ぜひ、ご覧ください。

*   *   *

通常、皮革産業のさまざまなトピック、イベントのレポートなどをお届けしておりますが、人気イベント「本日は革日和♪」を主宰する村木るいさんが月1回スペシャルコンテンツをお届けしています。イベント、セミナーなど精力的に活動する村木さん。皮革に関する確かな見識を有し、幅広い情報発信に支持が寄せられています。
当ブログでは、レザーに関心をもちはじめた若い世代のかたや女性ユーザーにお伝えすべく、わかりやすい解説とともに西日本の皮革産業の現状をご紹介しています。独自の視点・レポートが大好評です。
人気イベント「本日は革日和♪」。今後の予定、スケジュールなどは下記のリンク先をチェックしてください。
  「本日は革日和♪」

*   *   *

毎度です!
「いきなり予定がガンガンと埋まってきた」ムラキです。

今回紹介するイベントでセミナーをいくつかやってきたのですが、1年以上まともにセミナーなどをしてこなかったからか、如実にセミナー体力・気力が減っていました。1時間喋るだけで気力集中力が如実に消耗していましたね。YouTubeで喋る、なども行ったのですが、違う体力使うものですな。

さて、出てきたイベントや見てきたイベントでのコロナ対策や、これからの話等をつらつらと。

2110jlia051.jpg

2110jlia072.JPG


目次 [hide]

ジャパンレザーアワード審査会はコロナだけど開催したし、一般審査も行った

関西ものづくりワールドで見たコロナ対策

国立科学博物館で見た企画展とYouTube利用

素材博覧会 横浜

コロナでもイベントをやるべきかどうか

イベントで少しでも手ごたえを感じたいならば

2021年10月30日~2021年11月03日 姫路城皮革フェスティバル

ムラキの今後予定

ジャパンレザーアワード審査会はコロナだけど開催したし、一般審査も行った



2110jlia004.jpg

2110jlia002.jpg

例年開催されている「ジャパンレザーアワード」審査会/応募作品展が10月2日(土)、3日(日)に行われました。従来は2日間とも応募作品展が行われ、一般の人も入場して審査が可能だったのですが、今回はコロナ、ということで3日(日)だけ一般入場可。2日(土)は審査員のみ、という短い日程で行われました。

2日(金)の設営日のお手伝いをさせてもらいつつ、作品を見させてもらいつつ、動画で感想などを述べたりしたけど、事細かな解説はまたの機会に、ということで。


主催者サイド(事務局含む)に「ねぇ、コロナだけど一般入場してもらうの? そもそもアワード自体やるの?」と再三訊いてみたのですが、「こういうイベントはね、一度止めると再開が難しいんですよ。主催も運営も是非やろう、という声は一致していましたね」とのことでした。


「RX Japan」は展示会を東京、大阪を問わず開催している会社さん。コロナ禍で展示会が開催できず大変そうだな、と常々思っていました。

この1~2か月ほど展示会が徐々に開催されており、3週連続で大阪の展示会に行っていました。

で、10月5日(火)、3Dプリンタや機械系を見るために展示会に行ってきたのですが、驚いたのが入場方法。

以前の入場方法は「入り口で名刺2枚と手書きなりプリントアウトした入場申し込み証を書く」というもの。下記写真にあるように机があり、ボールペンも置いてあり、書き終わったら受付担当スタッフに手渡しします。

2110jlia005.jpg

が、今回は机が一切ありません。えっ、どうしたん? 昼過ぎにいったからもう入場させてくれないん?

2110jlia012.jpg

受付担当スタッフが「事前に送った案内状か、ネットからプリントアウトした紙にQRコードがあると思います。それを読み込んでください。その後はタブレットで入力してください」

2110jlia013.jpg

「従来2枚用意していただいた名刺は1枚で結構です。この1枚をそこのスキャナーに設置してください。そうすると自動でイベント入館証に貴社名刺と一緒にプリントアウトされます」

えっ、私は未来に来たなぁ!!!と感心。

2110jlia015.jpg

2110jlia014.jpg

2110jlia016.jpg

コロナによりイベントに入る際の人と人との接触を絶とう、ということなんだろうが、それだけの人間の雇用がなくなったんだなぁ、と唖然としました。

国立科学博物館で見た企画展とYouTube利用


国立科学博物館 National Museum of Nature and Science,Tokyo


イベントの前日設営のために前日入り。ついでに国立科学博物館に行ってきました。好きなのよ、上野の美術館や博物館。久々にくると上野駅がきれいになっていましたな。私が小学生の頃から変わってなかったのになぁ。

2110jlia017.jpg

コロナによる緊急事態宣言が明けましたが、国立科学博物館は未だにオンラインによる事前予約制となっています。20分ごとに入場可能ですし、平日でしたので悠々と入れました。

お目当ては木工の木組みに関する企画展。


2110jlia019.jpg

上記案内のHPを見てもYouTubeの動画が多いな、とは思っていました。主催が国立科学博物館と竹中工務店道具館だったのでYouTube動画も色々と作られていたんですな。


会場でも木組み実物の上ではCG動画による解説が行われています。

2110jlia024.jpg

さらに会場を見ていると作品解説に頻繁にYouTubeのQRコードが書かれている。

2110jlia022.jpg

2110jlia023.jpg

ほぅ、どれどれ、と見てみると下記動画。

YouTube動画だと声による解説があるので、会場では一切流されず。

会場の作品をより詳しく知りたい方はYouTubeで音と動画で詳しく見てね、という方式。

従来はこういう場合は音声解説の機械を有料で貸してくれたものですが、コロナのためか、竹中工務店道具館が頑張ったのか、YouTubeを活用するんだな、と感心しました。

音のみならず画像があるため、「あぁ、今説明されているのはこの箇所か」と非常にわかりやすい。山口県の錦帯橋は会場で作り方を見て、YouTubeを見て、実際に見てみたくなりました。

2110jlia056.jpg

2110jlia049.jpg

さて、10月21日(木)~23日(土)に開催されたこのイベント。コロナにより3回中止され、2年ぶりの開催でした。

2110jlia048.jpg

2110jlia046.jpg

2110jlia043.jpg

感想を箇条書きで列記すると・・・

・出展者は3割減少

・地方出展者や企業出展社が減少した印象

・来場者はリピート率が3割減って、新規入場者が2割増えた感じ。「こんなイベントあったんですね!」とちょこちょこ言われる

・新規出展社もちょこちょこおられる

・「安いですよ!」的な出展者はこのイベントでは徐々にいなくなりますな

・会場の雰囲気などは下記SNSをご参照ください



で、このイベントのコロナ対策。

事前に、もしくは当日会場でメールで来場登録をしてもらい、必ず確認していました。

素材博覧会のコロナ対策については、昨年度の下記blogにて紹介しています。基本的にはこれと同じです。


2110jlia035.jpg

2110jlia070.jpg

コロナでもイベントをやるべきかどうか


上記のイベント出展者や主催者、さらには違うイベントの主催者とも話をしています。

全く方向性が違うイベントの人でも訊いていて面白いのは、「オンラインイベントが実際のイベントの代用になるのは難しい」「イベントで実際に空気に触れて、見て、触るのはすごく意味がある」という点では皆さん似た意見を述べていました。

革は特に「手触り」「匂い」という、どれだけネットが発達しても伝えられない情報を持っている素材です(私が死ぬ時でも多分手触り・匂いはネットでは伝えきれないと思うなぁ。頭に電極埋め込まないと無理でしょ)。そういう意味では革素材はネットよりも格段に現実世界と親和性が高いと言えます。

イベントで少しでも手ごたえを感じたいならば


どれだけ大きなイベントだろうが、東京でやっていようが、「出たら売れる」「出たら反響がある」なんてことはそうそうありません。

事前に各種SNSや普段からの情報発信を行い、「今度このイベントに出るから来てね」という流れを作らなければ、反応は得られません。イベントでも場所でもなく、自分で、お客を呼んで、反応を得るしかないわけです。

お客は会いたい出展者なり、見たいものがあるからイベントに行く。出展者は会いたいお客を誘っておく。そしてイベントで会う。

だから、イベントは面白いわけで。
2110jlia076.jpg

プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

最近のブログ記事

カテゴリー

月間アーカイブ

rss
facebook witter

このページの一番上へ