サイズ合わせは、子どもの靴ほど大変に
成長期の子どもの靴選びは、なかなか難しいものです。
「子どもはすぐに靴が小さくなるから、大きめのサイズを買う」という方も多いのではないでしょうか。
図. 靴の足長サイズ(No.5)の男女別出現人数(全被験者)
上は、子どもたちが足の計測当日に履いてきた靴の足長サイズをグラフにしたものです。
男女共に、22.5cm以下では「21.5cm」、「20.5cm」といった、細かいサイズの靴を履いている子どもがほとんどいないことがわかりました。 この結果の背景には、以下の様な事情があると考えられます。
まず、「21.5cm」、「20.5cm」といったサイズの靴の製造・流通が少ないことです。インターネットのショッピングサイトなどでも、このような細かいサイズの靴はあまり見られません。製造・流通が少なければ購入することもできないので、昔からこうしたサイズの靴を履く子どもが少ないと言えるでしょう。
また、今回の調査によって、成長期の子どもの足長が年間で1cm前後伸長していることがわかりました。このことから、成長期の子どもが自分の足長にあった靴を履くためには、少なくとも、半年ごとに靴のサイズを変える必要があると考えられます。
しかし、上履きやスポーツ用の靴、お出かけ用の靴など、様々な靴のサイズをすべて変えるのは、とても大変なことです。だからこそ、冒頭に述べたような、「子どもの靴は大きめで」という考えを持つ方が多いのだと思われます。
足にジャストフィットとした、“ちょうどいい”大きさの靴を履くことは、健やかな足の発育や足のトラブルの予防ばかりでなく、全身の姿勢や歩容にも変化を及ぼします。
靴選びは難しいものですが、子どもの足の成長を観察する習慣をつくることができると良いのではないでしょうか。