欧米ブランドに「負けていないぞ!」

カテゴリー: 国内革事情

前回に続き、日本最大級のハンドメイドマーケットプレイス<Creema(クリーマ)>が主催する「HandMade In Japan Fes 2018(HMJ/ハンドメイドインジャパンフェス)」から注目ブースをピックアップしてご紹介します。


地元の伝統技術を活用し、社会問題を解決
<DIYA(ディヤ)>
里山の現実をより多くの人に伝えていくことを目指し、始動。徳島県の祖谷(いや)地方で、有害駆除された野生の鹿を製品にすべく、ブランド化したそう。
「年間約1,500頭を超えるシカが駆除されますが、そのほとんどが山に放置されているのです。DIYA は、この里山の現実をより多くの人に伝えていくことを目指し、立ち上げた鹿革プロジェクトです。
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駆除した個体の価値を高めていくことは、問題解決につなげるための大切な視点であると考えています。柔らかな鹿革素材の魅力を最大限にいかし、丁寧に作りあげたDIYAの製品。手に取ってくださった皆様が、鳥獣被害と里山の暮らしのいまを知る、貴重な一歩となりますように」と、"シカけニン(仕掛け人)"蔦 哲一朗さん。
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2013年に地元・徳島の祖谷地方を舞台にした映画「祖谷物語-おくのひと-」を発表。東京国際映画祭をはじめ、トロムソ国際映画祭で日本人初となるグランプリを受賞するなど多くの映画祭に出品され話題となり、2014年、個人として徳島県庁より『阿波文化創造賞』を受賞しました。
異なるジャンルから飛び込み、プロデュース。新たな風を吹き込んでいます。


ステイショナリー感覚の革小物がアイキャッチに
<KUGIRI(クギリ)>
デザイナーの藤本さんがブランドを立ち上げ、シンプルかつ機能的なバッグ、革小物をリリース。特にステイショナリーの評価が高く、専門紙・誌の編集者から高く評価されています。
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現在、カードケースがブレイク中。フラップに小さなパーツを配することでカードスタンド替わりに。名刺交換時、有効に活用でき、ビジネスシーンのコミュニケーションが円滑になりそう。
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バッグクラフトマン養成スクール<アトリエフォルマーレ>卒業生で活動するユニット「JAPAN レザークリエイターズ」では、藤本さんがリーダーシップを発揮。百貨店に催事出店し人気です。


「革らしさ」を生かした「革らしくない」プロダクト
<革作家 ayato(アヤト)>
ナチュラルマーク(個体の特性、キズなど)をそのままに使用するなど「革らしさ」を生かしながらも、ドット柄や蟻の刺しゅうなど、相反するポップなテイストのものづくりがユニーク。
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作家自身が裁断、染色、縫製・・・とすべてのプロセスを手がけ、ぬくもりのあるニュアンスが漂う作風がオリジナリティにあふれています。
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革小物から野球用グローブまでと、幅広いコレクションを展開。好みの型と柄の組み合わせでセミオーダーも可能だそうです。
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フォトジェニックなルックスと、熱いトークで女性ユーザーから注目を集めています。


ショップのような空間と接客で差別化
<chi.wata(チ.ワタ)>
ショップのようなしつらえの大きなブースで、ひと際、存在感を放っていた<chi.wata(チ.ワタ)>。東京・高円寺に構えるアトリエ兼ショップの世界観を移設したような、スタイリッシュな雰囲気です。
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姿見を設置、全身のバランスを見ながら、丁寧に接客し「素材感、サイズ感を確認してから買いたい」というリピーターのニーズにしっかりと応えて。
デザイナーの千綿さんをはじめ、応対するスタッフも多く配置し、マンツーマン、ハンドトゥーハンドで次々と売れていくようす、拝見していてホッとしました。
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スタイリングに合わせやすく、使うひとの魅力を引き出すバッグたち。すれ違うひとが思わず目を留めてしまうような、さり気ない個性が光ります。


人気のおにぎりケースをシンプルに表現
<Natural Intelligence(ナチュラルインテリジェンス)>
「持つことで特別感を感じられるような製品をつくりたい」との思いを込め、活動するブランド。
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イヤホンクリップやキーケースなど、革小物に加え、なかには、超個性派アイテム、おにぎりケースも。
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会場では、おにぎりケースをほかにも見かけましたが、シンプルなデザインで革の持ち味を引き出しています。パーツが少なく女性も使いやすそうですね。


ブランドの核となるスモッキングでさらなる進化
<kaunis sormus(カウニスソロムス)>
スモッキングの技法を生かしたコレクションが目をひく同ブランド。昨年もピックアップさせていただきましたが、今年は進化した表現に感激。
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スモッキングというと、70年代テイスト、ペザント(農夫)ルックなどに代表されるナチュラルなニュアンスが特徴ですが、技法を生かしながらも、素材を艶感のあるレザーにチェンジし、ゴールドをあしらったパール調のパーツをプラス。フェミニンかつエレガントなアクセサリーに昇華しました。
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厚手の素材が多いので、指ぬきをしていても、作業はなかなかハードだと思われますが、クラフト感だけにとらわれない自由な発想がいいですね。今後の活動が楽しみです。


ハンドメイドマーケットプレイスやリアルイベントがあることで、若いクリエイターたちが伸び伸びと自由な活動をしているのがうれしいです。ユーザーと向き合い、直接つながることでいままでになかったマーケットが醸成されています。
ジャパンレザーが身近になり、「革製品を使いたい」「革製品を贈りたい」といったニーズが広がっていきますように。


■ 参考URL ■
 HandMade In Japan Fes <https://hmj-fes.jp/>

カテゴリー: 国内革事情

日本最大級のハンドメイドマーケットプレイス<Creema(クリーマ)>が主催する「HandMade In Japan Fes 2018(HMJ/ハンドメイドインジャパンフェス)」が、7月7日(土)~8日(日)の2日間、東京・有明 東京ビッグサイトで行われました。
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HandMade In Japan Fes 」は日本各地で活動する多くのハンドメイドクリエイターが集結する人気フェス。アート、雑貨、ファッション、アクセサリーほか多彩なプロダクトがそろいます。

クリエイターエリアでは、伝統工芸職人・人気クリエイターたちの作品に触れ、ものづくり体験ワークショップも。このイベントでしか出会えないつくり手たちとコミュニケーションも楽しい。
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新進気鋭のアーティストや人気フェスバンドによるライブステージをはじめとしたミュージック&プレイエリア、フードコーナーなど、ファッション以外のプログラムも充実しています。

開催時期の七夕に合わせ「織姫と彦星」をテーマに展開。天の川をイメージしたトンネルの中にクリエイターによる「織姫と彦星」をモチーフにした100作品の展示、フリーワークショップも実施。クリエイティビティあふれるサマーバレンタインとなりました。
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「HMJの思い(=初心)に返る」との方針のもと、あえて規模を縮小したものの、昨年より10%多い国内外から5万人を超える来場者を記録。顧客満足度も大きく高まったようです。

駆け足でお邪魔してきましたので、注目ブースをピックアップしてご紹介します。


日本最大のレザープロダクトコンペティション「Japan Leather Award(ジャパン・レザー・アワード)」が昨年に続き出展。
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6月1日にオフィシャルサイトがオープン。事前エントリーの受付がスタートしました。
「ファッション産業である皮革産業に、その時々の消費者ニーズなどに即応できる新たな"発想・表現"のできる人材を発掘・育成したい」。このような目的のもと、一般社団法人 日本皮革産業連合会(JLIA)が毎年開催する同アワード。誰もが無料で応募できるのが魅力です。今年は東京・二子玉川ライズで審査会・表彰式・受賞作品展示が行われます。

応募部門はフットウェア部門/バッグ部門/ウェア部門/フリー部門の4部門。フューチャーデザイン賞(新奇性、新たな市場形成の可能性を評価/賞金10万円)、ベストデザイン賞(優れた商業的な価値を評価/賞金10万円)の各2賞が。さらに学生部門(最優秀賞/新奇性、発展性を評価/賞金10万円)があり、グランプリは上記9賞の中で最も優れた作品から選ばれ、賞金30万円と3つの中から選べる副賞も用意されます。

プロ審査員としてウェブメディア「Fragments」編集長 伊藤瞳さんが加わりました。審査員長は東京藝術大学美術学部教授 長濱雅彦さん。特別審査員としてドン小西さん。
阿部浩さん(レガーレ)、天津憂(エーディグリーファーレンハイト)、有働幸司さん(ファクトタム)、鎌倉泰子さん(フリーランスバイヤー/ライター)、佐藤直人さん(NAOTOSATOH)、中山路子さん(ミュベール)、橋本太一郎さん(ノーノーイエス)、矢口真弓さん(PR・アドバイザー)と活躍中のデザイナー、ビジネスパーソンが審査員を担当予定。厳正に審査されます。
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皮革業界関係者だけでなく、幅広いジャンルのクリエイター、海外のかたも立ち寄り、日本製革製品の魅力を知っていただく、きっかけに。ブースでは今年度の特長や応募部門などの説明とともに、それらの内容をまとめた印刷物を設置・配布。事務局スタッフがおひとりおひとりに丁寧に応対、説明しました。
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また「Japan Leather Award 2017」グランプリ受賞作品を展示。雨や水に濡れることで、グラフィックが鮮明に浮かび上がる特性を伝えるべく、その場で水をスプレー! その変化がとても好評。
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グランプリ受賞作品だけでなく、トロフィーを展示することで、受賞のイメージがわき、モチベーションが上がったかたも多いようです。
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なお、ご応募には事前エントリーが必須となっています。現在、事前エントリーの申し込みを受付中です。くわしくは下記リンク先公式サイトをご参照ください。

「HandMade In Japan Fes 2018」レポートは次回に続きます。


■ 参考URL ■
 HandMade In Japan Fes <https://hmj-fes.jp/>
 Japan Leather Award <http://award.jlia.or.jp/2018/>

カテゴリー: トレンド

キャッシュレス化が進行し続ける時代ですが、財布は縁起もの。一粒万倍日、天赦日などといった幸運日に買い替える習慣も浸透するなど、エモーショナルな要素が重視されます。

近年では「春財布」「秋の実り財布」に続き、「七夕財布」に注目! 風水の第一人者として知られる、Dr.コパさんが提唱しています。「ご先祖様に守られる」「ご先祖様が使いきれていない金運を引き寄せる」といった意味合いがあるそう。

七夕は地域によって7~8月に行われるため、対象とする期間が比較的長いのもうれしい。そんな時季におすすめしたい夏財布をまとめました。


雨の時季に咲く紫陽花を愛でるように
ハンドバッグ、革製品の企画・製造・卸<ヤマニ>の自社ブランド<ぺラム>。さまざまなものがあふれるなかで、原点に立ち戻り、シンプルで機能的な袋を追求。味わいのあるナチュラルなテイストに女性らしいスパイスを加えてフレッシュさのあるレザーグッズを提案しています。
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紫陽花をモチーフにしたオリジナルパターンをエンボス加工でグラフィカルに表現。オイルバケッタ革にさり気なく散りばめられています。立体的な花のチャームにウッドビーズもプラス。経年変化で色合いが変わるのも紫陽花と共通していて素敵ですね。

裏地にはコットンリネン混紡の生地を使用し、ナチュラルなテイストを盛り上げます。紫陽花は今が見ごろですね。花言葉のなかに「家族団らん」「家族の結びつき」といった意味もあるのでギフトにしてもよろこばれそう。


メタリックレザーがひんやり涼やか
インキュベーション施設<台東デザイナーズビレッジ>に入居する<フィオライア>。「私の手もとで咲く魔法」をコンセプトに展開。花を持ち歩くように使うことができるアイテムを提案しています。
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メタロシリーズは、牛革の上に箔を貼り、その上からボタニカル柄を型押し。メタリックカラーがひんやりとして涼やか。カッパー、ガンメタル、ライトゴールドの3色展開です。エレガントな華やかさが大人っぽく、クラッチバッグ感覚で楽しめます。

 <フィオライアhttp://www.fioraia.net/


ミントチョコのようなスイート革財布
ワッフルなどのスイーツをモチーフの革雑貨を手がける<ティールームス>。なかでも人気なのはチョコレートモチーフのシリーズ。上質な牛革に型押し、箔加工を施しています。繊細な仕上がりに目を奪われます。
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ブラウン系に加え、パステルカラーが続々ラインナップ。ミントブルーは、まさしくチョコミント! 板チョコのラッピングの銀紙のニュアンスもしっかり再現され、甘く爽やかな味わいそのままの雰囲気に。大人にも愛されるセミスイートな財布です。

 <ティールームス> http://trooms.jp/


浴衣に似合う 藍染牛革 虫よけ効果に期待
インキュベーション施設<浅草ものづくり工房>に入居する<ラ・ジョイア>は、埼玉県指定無形文化財技術保守者が在籍する老舗<中島紺屋>が手がけた伝統の武州正藍染を生かし、コレクションを展開。藍染牛革を用いた革財布、革小物は構想から完成まで3年かけた力作です。
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「藍染牛革バイアスメッシュ革小物が仕上がりました。手染めで染め上げた革は一つ一つの表情が異なる作品です。内側には栃木レザーの牛ヌメを使用しています。使い込むほどに風合い豊かな色味があらわれ、愛着が増していきます」とラジョイア 和田義治さん。がまぐち(コインケース)は刷毛塗りした藍染牛革を7mm幅に裁断し、バイアス編みしたシートを使用しているそう。

藍には防虫効果があり、かつては農作業で虫除けのために藍染めの作業着を着ていたのだとか。ワークウェアとして重宝されたインディゴ染めのジーンズも同様です。花火大会やフェスなどアウトドアへのお出かけのパートナーとして効果を期待したいですね。

 <中島紺屋> http://www.izome.jp/


キャッシュレス時代のオールインワン革小物
明治32年に創業した老舗メーカー<山藤>。現在の代表 山本浩司さんが五代目当主に就任し、オリジナルブランドを始動。著名なセレクトショップや百貨店で取り扱われるほか、メディアでも数多く取り上げられ話題です。

こちらはラウンドファスナー型のキーケース。乗用車やマンションなどの大きめサイズのスマートキーがすっぽり収納できます。カードポケットが2枚分あり、ETCカード、カードキー、ICカード乗車券などを収納。
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コインスペースがないものの最低限の財布機能は有したオールインワンアイテムキーフックの裏にもカード1枚分のポケットがあり、折りたたんだ紙幣を入れることも可能です。電子マネー決済を少額利用するかたにとってはマルチユースできて便利ですね。
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リングが配され、ベルトに引っかけられるのもポイント。「ヒップポケットに入れると蒸れたり、汗によるダメージが心配」というかたも快適に使えそう。

レザーは山藤オリジナル<カモフラージュ・ツリー>。街路樹のプラタナスに着目し、樹皮をそのままプレスし、美しい模様を革で表現。街路樹の木陰のような涼感が漂います。トレンドとして注目のカモフラージュ柄、というのもいいですよね。


カテゴリー: 村木るいさんの「人に話したくなる革の話」

お待たせしました! 月1回恒例となったスペシャルコンテンツ、村木るいさんの「人に話したくなる革の話」第3弾です。


今回は革を薄くする仕事「漉き割り」とは? 皮革業界の「縁の下の力持ち」に敬意を込めて、写真、動画、イラストを加えて徹底解説してくれました。


通常、皮革産業のさまざまなトピック、イベントのレポートなどをお届けしておりますが、この春から人気イベント「本日は革日和♪」を主宰する村木るいさんが加わりました。

イベント、セミナーなど精力的に活動する村木さん。皮革に関する確かな見識を有し、幅広い情報発信に支持が寄せられています。

当ブログでは、レザーに関心をもちはじめた若い世代のかたや女性ユーザーにお伝えすべく、わかりやすい解説とともに西日本の皮革産業の現状をご紹介しています。

なお、「本日は革日和♪」の次回以降のスケジュールにつきましては、次のリンク先をチェックしてください。

 「本日は革日和♪


***


普通に電話かけたら「毎度です!大阪のムラキです!」と挨拶をしています。


毎度です!って大阪の商売人ってほんとに使うの?と思われがちですが、私はほんとに使っています。儲かりまっか?は気心がしれたら使っていますね。


さて、人に話したくなる革の話。


革業界には「この職種がないと製品が作れない」「この人たちがいないと革業界はまわらない!」という専門職種の方々がおられます。

靴の職人50年やっている!という人やカバンの先生をやっています!という人でも会うことが少ない職種を紹介してみましょう。


今回は「漉き割り屋」という職種です。


同じ革でも製品のパーツによって厚みが違います

例えば、財布などでしたら外側部分は1.2mm、内側は0.8mmで作ることがあります。

「表も裏も同じ厚さでいいんちゃう?」

いえいえ、鞄や財布などは表は厚く、裏は薄く作ったほうが全体的に軽く、メリハリがあり美しく作ることができます。

「たかだか0.4mm程度、たいした違いじゃないだろ!」と思いがちですが、革の業界では大きな違いです。

ですが皆さんもご家庭でこれらの厚みがどれだけ違うのかすぐわかる方法があります。

 

厚み0.2mmの大違いを実感してみる

女性の髪の毛と男性の髪の毛、触ってみたらわかりますが男性のほうが明らかに太いとわかります。
では、その太さの違いは、というとわずか0.1から0.2mm程度しかありません。

ほかにもお札1枚で0.1mm、新聞紙を2枚重ねると0.1mm、分厚いカレンダーで0.3mm。

こう考えると0.4mmって結構分厚いものです。

人間の手ってのは優秀ですね。革も1mmと1.2mmを触ってみると明らかに違うことがわかります。


漉き、という作業が革業界ではものすごく重要


じゃあ、革を販売している革屋さんはそれらの厚みをそれぞれで在庫を持っているのか、というとそんなことはありません。

注文を受けて「革1枚を1.3mm、革1枚を2mmに薄くします」「革の半分を0.6mm、残りをそのままで納品」などそれぞれに対して薄くしていきます。

革を薄くする工程を「漉き」と言います。

全体を薄くすることを「割り漉き」や「漉き割り」と呼びますが、「漉き」という一言で終わることも多いです。

「割り漉き」「漉き割り」の違いは東西の違いです。西が漉き割り、という言葉を使います。

この革1枚を薄くしてくれる加工屋=「漉き割り屋」さんですが、日本全国で東京・大阪で数軒、姫路に1軒程度しか存在しません。

おそらく日本全国足しても10軒ないと思います。多分5か6軒。それくらいレアな職種です。

以前撮影してYOUTUBEで紹介した割り漉き屋さんの動画があります。

ぜひ、見てみてください。そのうえでもうちょい詳しく解説していきましょう。


漉きって結局革を削っているの?

違います。

輪っか状の刃物が高速回転しており、その上を滑らせることで革を上と下に分割して薄くしていきます。上の面を銀、下の面を床革と呼びます。

革の世界的にはこの銀の部分がとても価値があります。

銀の部分を均一に、穴をあけることなく、仕上げる漉き工程はとても重要なわけです。

下記の写真で説明するならば上と下部分にベロリと分割されているわけですね。


動画見てみたけど、単に厚み調整して革を送り込んでいるだけじゃないの?

彼らのすごさを解説すると平気で1時間かかります。

それくらい奥が深く、技術を有する仕事です。

簡潔に説明するならば・・・

革、というのは馬や牛、豚による動物種の違いや、ギュッとしまっているタンニン革、ふんわり柔らかいシワありのクロム革など、様々な種類が莫大に存在します。

お願いしている漉割り屋さんは厚み調整のゲージがありません。

大きな大きなハンドルがあるだけです。

ゲージがあったほうが便利じゃないの?


「ゲージはあかん。信用できない。革は安定性に欠ける。表面の張りやなめし方、仕上げにより変わってしまうからゲージは信用できないんや」


この言葉を解説しますと・・・


ギュッと締まっている革の2mmとふんわりとしたシワありの2mmでは同じ革でも密度が異なります。
割り漉き屋さんはそれらの表面の硬さや締まっているかどうか、などを指先の感触で確かめて微調整を行っていきます。

その上で「こっちの革は1枚だけ0.6mm、その次はふんわりとした革を1.2mm」など1枚1枚を瞬時に判断して機械をいじるわけです。

結局は指先の感覚が一番信用できます。


また、革は1枚1枚が形状が異なり、大きさが異なります。

大きい革は1人では到底作業できません。

送る人として最低でも1人、受け取る人として1人が必要となります。

機械があれば誰でもできる、という商売でもないですし、1人では到底できません。

ミスをしたら1枚数万円が消し飛ぶ経済的な危険性。もちろん高速回転する機械ですから物理的な危険もある商売です。


さぞかし工賃お高いんでしょ?

例えば私が働いている会社 フェニックスでは自社の革は400円、他社持ち込みの革でしたら600円となります。

革の基本的な大きさ1枚だろうが、その1/5の大きさだろうが一律です。あれだけの作業をたったの400円で行ってくれるんです、この仕事は。

割り漉き屋さんってのは本来は一定の厚みで大量に作業をしてなんぼ、の商売です。

1日あたり数百枚は作業しないとお給料が出せません。

彼らは本来「この20枚の革を全部一律1.0mmにしてね!」と言われて利益を出す商売です。

「この締まっているタンニン革1枚は1.2mm、このふんわりしたクロム革2枚は0.8mm、ほかにも・・・」という1枚1枚がバラバラな指定を1日20枚以上持ち込むフェニックスみたいな会社は本来割り漉き屋さん的には美味しいお客さんではありません。

ほんとに迷惑をかけているなと頭が下がる思いです


こういうことをすると割り漉き屋さんは怒ります。

私が何回かやってしまった失敗として、ホッチキスを革についたままにしてしまったことがあります。

高速回転している刃物の先端にホッチキスがあたってしまうとカツンっと欠けてしまいます。

ほんとうにわずかな欠けです。1mmあるかないかの世界です。

ですがこれを放置すると「薄くすけているゾーン」と「欠けているためその部分だけ分厚いゾーン」が交互に存在してしまいます。

これは虎模様のように見えるため「トラが出ている」と言われてしまいます。

これは手持ちの革を手持ちの機械で漉いたものですが、裏面に縞模様が出ています。

これがトラ模様ですね。「トラが出ている」といいます。

厚みが均一ではなく、場所により革の厚みが分厚い・薄いが交互に出てしまうわけです。

で、このような事態になると、欠けを治すために割漉き屋さんは欠けていない部分を全部研いで均一の厚みにしてしまいます。

それだけの刃物を浪費してしまい、研ぐ作業で時間がなくなってしまいます。

ほかにもクリップやタグをつけている細い針金なども刃を欠けさせる一因となります。


刃物ってどれくらいで交換するの?

動画の最後付近で刃物交換風景が見られます。

これらはだいたい7日~10日に1回程度交換するそうです。

彼らは常時研ぎながら仕事をしています。動画の中で火花が飛んでいますが、あれは漉きの作業をしながら砥石を当てていることで研ぎ作業も一緒に行っているからです。

もちろん研ぎをケチればその分刃物を買うお金を減らせます。その分儲かりますが、きれいに漉けないと信頼を失ってしまいますし、訂正作業などで時間を浪費してしまいます。

信頼と時間を考えると刃物はガンガンと研いで消費していったほうがいいわけです。


行ってみたい!どこにあるか教えて!

基本的に業者さん向けの専門職種となり、気軽に見学などができる場所でもありません。そのためどこにあるのか、取引できるのか、などのお問い合わせはご遠慮ください。


漉き割り屋さんは皮革業界を支える縁の下の力持ち的な商売です。

以前バスツアーで見学をしましたが、参加者は「これを見たら厚みが0.2mm程度狂っても文句言えませんね」と驚かれていました。

皮革業界はこのような仕事がまだまだたくさんあります。

折を見て紹介していきたいと思いますのでよろしくお願いします。

 

過去の関連blog:



カテゴリー: 国内革事情

ファッションデザイナー 山本寛斎さんの総合プロデュースによる「日本元気プロジェクト」が6月9日(土)、東京・六本木 六本木ヒルズアリーナで開催されました。世界各国で国際交流イベントを手がけてきた山本寛斎さんが、「人間讃歌」をテーマに総合プロデュースする「日本元気プロジェクト」はファッション×人間力で日本の元気を呼び覚ます、1日限定の「寛斎祭り」です!

「『元氣の衣』を着こなすのは、ファッションか、アクションか、パッションか。元氣は氣から。ほら、とっておきの自分を仕立なくちゃ。国籍も、人種も、性別も、年齢も超えて、ファッションから伝統芸能、スポーツまで、あらゆる文化が刺激しあい、共鳴しあう。隅から隅までずずずい?っと、前代未聞のスーパーエネルギーを、お届けしますッ!!」(「日本元気プロジェクト」公式サイトより)。熱い熱いメッセージが込められて。
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座席スペースに入りきれないひとたちが会場を取り囲み、ものすごい熱量のエネルギーを交換しているかのよう。このとき、この場所にしかない時間を共有した貴重な体験でした。

ワークショップをはじめ、幅広い世代が楽しめる参加型プログラムも盛りだくさん。日本全国823名のキルト作家と制作した巨大キルトのタペストリー、いけばな草月流のインスタレーション、熊本県山鹿市の山鹿灯籠、福島県双葉町の双葉提灯を使用した会場装飾などなど、圧倒的な華やかさ! CANDLE JUNEさんが代表を務め、災害時における緊急支援とその後の継続的な支援を続ける「LOVE FOR NIPPON」とのコラボレーションを通し、東日本大震災・熊本地震被災者のかたがたへ会場からエールが届けられました。
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実際に結婚するご夫婦をキャスト、来場者が一体となって祝うシーンも最高!

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世界的ギタリスト Marty Friedmanさん、大河ドラマ「西郷どん」のオープニングテーマ曲に抜擢された奄美の歌姫 里アンナさん、若きディーバ 鈴木瑛美子さん、 カーネギーホールをはじめ世界中で活躍する、はなわちえさんの津軽三味線、熊本市立 必由館高等学校 和太鼓部による演奏が融合するライブパフォーマンスで盛り上げました。

このほか、世界を舞台に活躍するスペシャリストたちがメインイベントのキャストに。
秋元 梢さん(モデル)、Amanda Brownさん(モデル・英語教師)、安藤美姫さん(プロフィギュアスケーター)、アン ミカさん(モデル・タレント)、荻田泰永さん(北極探検家)、CANDLE JUNEさん(アーティスト)、高橋靖子さん(スタイリスト)、土屋アンナさん(モデル・アーティスト)、テリー伊藤さん(演出家・テレビプロデューサー)、三浦雄一郎さん(プロスキーヤー・冒険家・クラーク記念国際高等学校 校長)、ラモス瑠偉さん(元サッカー日本代表)・・・とさまざまなジャンルから選出された一流のかたがたが<KANSAI YAMAMOTO>の新作をお披露目しました。
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日本のものづくりを結集させたコレクションは、最高の素材、技術の魅力が際立って。御幸毛織の服地やエプソンの最先端プリント技術、オニツカタイガーの<NIPPON MADE>に加え、ニッポンが世界に誇る姫路のレザー<姫革>も協力しています!
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<姫革プロジェクト>とは
「兵庫県姫路市内皮革2組合が革製品製作会社と連携し、姫路ブランド<姫革>の認知向上と新しい革づくりの開発を促進するプロジェクト。タンナーが開発・製造した半裁革を製作会社へ無償提供、製作会社はその半裁革から長財布と小銭入れを製作、ネット販売します。販売実績から読み取れる購買者の嗜好を販売側からタンナーへフィードバックすることで、タンナーは売れ筋革の開発が効率よく行えることが期待されます」(姫路市 公式サイトより)。

姫高皮革事業協同組合、御着四郷皮革協同組合、西姫路にかわ皮革産業協同組合で構成する 「姫路皮革製品推進協議会」が全面協力を行い無償提供。当日配布のパンフレットにも<姫革>について記載され、姫路の皮革産業の起源が弥生時代後期ともいわれているほど歴史があること、近年、その歴史に裏付けされた技術力(なめし技術・加工技術)が海外からも高く評価されていることもアナウンス。

今回のイベントに採用されたのは、テレビ番組で姫路の皮革が紹介されたのがきっかけ。放送を見て姫革に興味をもった寛斎さんが自ら姫路市の担当者に電話でご連絡。その後、「放送で紹介されていた現場を直接見たい」と、姫路に訪れ、(株)三昌レザーパビリオン、(有)新喜皮革などを視察。「姫路皮革製品推進協議会」の全面協力のもと (株)三昌レザーパビリオンにて、ファッションショーに使用する姫革について、山本寛斎事務所のクリエイティブディレクター、制作スタッフが選定し、作品がつくられました。
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そんな<姫革>を着こなす、アン ミカさん。洒脱なトークのコメンテーター、通販女王としてもお馴染み。やっぱり、パリコレでご活躍した経歴をもつモデルさんですよね。ほんとうに素晴らしかった。このコーナーのMCを兼務しながらも、ウォーキング、パフォーマンス。大人のエレガンスとハッピーなエナジーがあふれて。姫革を使用した作品に生命を吹き込んでくださって、感激です!!

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同じくパリコレでご活躍になられた秀香さん(ファッションプレゼンター、モデル)、高橋靖子さん(スタイリスト)、とレジェンドのパフォーマンスもうれしかった。エンタテイメントであり、総合的なパフォーミングアートですね。「ファッションって、楽しい」と再確認するとともに、日本の革、姫路の革のものづくりと、無限の可能性を感じました。


■ 参考URL ■
 日本元気プロジェクト
 <http://www.kansai-inc.co.jp/ngp2018/>
 姫路市
 姫路皮革製品推進協議会
 <https://www.facebook.com/himekakuproject/>

カテゴリー: トレンド

「第98回 東京レザーフェア」レポート第3弾は、会場で見かけた新しい取り組みをピックアップしてみました。


「どういう人が使う革か」という視点の新しい革づくり
実験的なプロダクトがユーザーを笑顔に
創業107年を迎える株式会社 山陽が、100種類のヌメ革を一枚から購入できる「100 BASIC」に続き、クリエイティブエージェンシー POOL inc,とともに革のものづくりを再構築するプロジェクト「WHOSE LEATHER」をキックオフ。
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第1弾として、大手文具メーカー コクヨ直営ライフスタイルショップ & カフェ<THINK OF THINGS>とコラボレートしました。東京・原宿の同店で期間限定ショップインショップ(5月10日~22日)をオープンし話題に。<THINK OF THINGS>のデザイナーが「Thinker(考える人)」をテーマにデザイン協力。7種のレザープロダクトをリリースしています。
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「WHOSE LEATHER(誰の革?)」は、つくり手からの視点ではなく、「どういう人が使う革か」という視点から新しい革づくりを実験する、というビジョンを表現。
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「THINKER'S HAMMOCK(革のハンモック)」、「THINKING ABOUT YOU(革のブローチ)」、「EUREKA!(革のペーパーウェイト)」、「NO THINK DAY(革の時計型ブレスレット)」、「IDEAMAN(革の小さなペン)」、「MILLIONAIRE THINKING(革の100万円封筒)」と、幅広い世代のユーザーを笑顔にするものばかり。
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加工方法にも着目したプレゼンテーションも。こちらのレザーは木目調のプリントではなく、型押しされたもの。
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本物の切り株を使い、とてもリアルな仕上がり。受け継いだ技術を生かした、歴史ある企業のチャレンジングが、皮革産業に新たなムーブメントを起こしています。


国内皮革の3大産地をつくられたレザーとともに紹介
それぞれの歴史、素材の個性が際立つ
日本タンナーズ協会では、国内皮革の3大産地ともいえる「姫路・たつの」「東京」「和歌山」を紹介。
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産地ごとの歴史・強みに加え、つくられたレザーを展示し、それぞれの個性を発信していました。全国各地の有力百貨店とのコラボレーションによるPRイベント「日本革市」でも同様に行われ、人気を集めています。

「姫路・たつの」
生産量が日本で一番多い兵庫県姫路・たつのエリア。革好きユーザーにはお馴染みですね。大規模の工場から小さな工場まで、扱う種類も実に多様。現在でも200以上の工場が集積しています。
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牛革をはじめ、馬革も盛ん。革のダイヤモンドといわれるコードバンを手がけるタンナーの存在が広く知られています。姫路のレザーのクオリティは国内外で高く評価され、東京・六本木 六本木ヒルズで行われた山本寛斎さん監督・総指揮のイベント「日本元気プロジェクト2018スーパーエネルギー!!」にも姫路皮革製品推進協議会が協力。

「ニッポンが世界に誇る姫路のレザー「姫革」をはじめ、御幸毛織の服地やエプソンの最先端プリント技術、オニツカタイガーのNIPPONMADE・・・など、日本のモノづくりを結集させた<KANSAI YAMAMOTO>の新作コレクション」がお披露目されました。当ブログの次回更新分でレポートをお届けする予定ですので、どうぞ、お楽しみに。

「和歌山」
明治維新による近代化にともなう軍靴製造に合わせて成長し、和歌山の地場産業として受け継がれています。床革、ヌメ革、セーム革、エナメル革など、それぞれの分野で優れた専門性を有するスペシャリストで構成されているのが特徴です。
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ヌメ、床、シープ、そして和歌山を代表する仕上げであるエナメル。地域ブランド<きのくにレザー>も好評。展示会、ワークショップを開くなど、 さまざまな活動を展開しています。

「東京」
東京は日本全国でつくられる革と革製品のおよそ30%を製品出荷。特徴は豚革の取り扱いの多さ。関西など、そのほかの産地では牛革が中心ですが、東京のように豚革のタンナーが集積しているエリアは世界的に見ても珍しいのです。
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ピッグスキンは現在利用されている皮革のなかで唯一全量を自給できる国内素材です。加工がしやすく、染色、仕上げ、型押し、インクジェットプリント、箔押し、転写フイルムほか多彩な表現が可能。メスカッター、塩縮加工、ウォッシャブル加工、撥水加工と新たなチャレンジングが続々。通気性、放熱性、摩擦に強い特性を生かしたスマートフォン、デジタルデバイス関連アイテムにも期待が寄せられています。


靴の街・浅草にオープンした新ショップが話題 
レザーファッションの地産地消により、地域と皮革産業が活性化
日本の靴づくりのポテンシャルを伝える<Nippon Value>が今回もブース出展。優れた技術力をアピールしています。
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パイロットシューズは、同社本社がある東京・東浅草に直営ショップ<Wisteria Fujiwara>をオープン。
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「<ウィステリア>は花の〝藤〟で、<フジワラ>は海外では神秘的に映る〝富士山〟を連想する言葉でもあります。日本の靴産業が輸出産業となることを目標とし、そのときにも通用するブラント名にしたいと考えました。商品はベーシックなデザインパンプスですが、これらは全日本革靴工業協同組合連合会が7年前から進めている<i/288>の革靴認証事業の靴型を使用してつくられています。まずは組合事業でプレーンな靴だけを展開して、自分の足のサイズを知っていただき、次にメーカー各社がデザインを提供してバリエーションを増やすことを計画しています。当ショップには、現在140サイズの靴をそろえています。この靴でフィッティングをし、そこからヒール高やデザイン、素材、カラーを選んでいただきます。効率よく短時間で自分だけの靴を商品化できる、マスカスタマイズシステムを目指しています」とパイロットシューズ 藤原仁社長(「フットウエアプレス」4月号 インタビューより)。

革の街・靴の街 浅草にまたひとつ名所が誕生! レザーファッションの地産地消により、皮革産業の活性化につながりそうです。


靴の底縫いの工程を請け負う、若きつくり手が独立
底縫いミシンによる製品開発&サポート、ミシン調整の出張サービスも
インキュベーション施設<浅草ものづくり工房>も恒例のブース出展。
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日本のシューズジャーナリストの第一人者、城一生さんがインキュベーションマネジャーをご担当。
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入居者たちの活動とインフォメーションを掲げ、新鮮なクリエーション、ビジネスモデルなどが注目されました。
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この春、新入居者 高野洋二さんが加入。紳士靴メーカー、登山靴メーカー勤務を経て独立、<セカンドオーシャン>を起業しました。
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靴の底縫いの工程を請け負うことをメインに活動。底縫いミシンを使った製品開発、製品づくりのサポートから、ミシン調整の出張サービスなども予定しています。
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また、ヴィンテージ機械の収集が趣味という高野さんはその知識を生かし、ヴィンテージ機械の調整・使い方相談にものってくれます。「もう使わないから譲るよ」ともらった機械・・・オブジェ、インテリア的に愛でるだけでなく、まだ現役で活用できる、うれしい新事業です。若い世代のビジネスパーソンや学生は興味津々。その場で熱いトークが続いていましたよ。


時代の変化、ニーズをキャッチした新たな取り組み、情熱を体感でき、感激しました。次回の「東京レザーフェア」も楽しみですね。


■ 参考URL ■
 第98回 東京レザーフェア <http://tlf.jp>
 株式会社山陽 <http://sanyotan.co.jp/>
 日本タンナーズ協会 <http://www.tcj.jibasan.or.jp/>
 Wisteria Fujiwara <https://wisteriafujiwara.jp/>
 浅草ものづくり工房 <http://monokobo9.com/about>

カテゴリー: トレンド

「第98回 東京レザーフェア」レポート第2弾は、<TLF Trend Laboratory>で展示された「極めのいち素材」をご紹介します。

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イマジネーションと技術が織りなす、素材(皮革と布帛)・副資材(機能性素材)など各社渾身の一点を展示し人気投票を行いました。

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こちらは、前回「第97回 東京レザーフェア」の上位入賞作品です。早速、今回「第98回 東京レザーフェア」の上位入賞作品が公式サイトで発表されました。


1位:フジトウ商事(株)/オルフェ

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(画像:「第97回 東京レザーフェア」公式サイトより)


「染料オイル仕上げなので非常に革らしくしっとりしています。折り曲げた部分の色が変わるプ-ルアップレザ-です」(フジトウ商事公式サイトより)。革本来の独特な風合いと、コードバンを思わせるような透明感が上品。シンプルかつ高級感がありますね。グリーンは財布や革小物で底堅いニーズがある色ですが、2019年春夏のトレンドカラーとして浮上しているということや、サンプルとして、書類ケース、手帳カバーといったステイショナリーを展示していたのもアイキャッチになりました。


2位:富田興業(株)/とろけるピッグスキン

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(画像:「第97回 東京レザーフェア」公式サイトより)


国内産の豚原皮を使ったナッパレザー。極薄に鞣した豚革をトロトロになるまで繊維をほぐすことで、ソフトな風合いと軽さを表現しています。「とろける」という形容が絶妙ですね。柔らかで吸いつくような質感と通気性のよいピッグスキンの特性を生かし、サンプルのブーツを添えてわかりやすく提案。ストレスなく素足で履けそう。このところ、ボディバッグ的な短いストラップで身体に沿わせたタイプやウエストポーチが復活しているので、柔らかく馴染みやすい素材感に支持が寄せられたようです。


3位:(株)協進エル/アスコット

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(画像:「第97回 東京レザーフェア」公式サイトより)


染料仕上げで2度の加脂をしていて、新品でも革の感触を楽しめるクロムフリー革。製品化した後は長期使用で魅力が伝わりますね。ナチュラルな色合い・風合いはもちろん環境に配慮したプロセスが幅広いユーザーへの訴求力を有しています。アニマルフリー志向が高まるなか、食肉の副産物である皮を産業廃棄物にすることなく、生命の証をしっかりと利活用した皮革の「エコロジー」な要素も重ね合わせて。エシカルなものづくりが今のニーズにマッチしています。


このほか、気になったレザーをピックアップ。


(株)山上商店/チャリゴート

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茶利八方を復刻。昔の製法を可能な限り再現し、手間と時間をかけているそう。

茶利革とは、
「チャールス・ヘンニクル氏の指導を受けて製造した革。明治初期において、日本の皮革製造技術を向上させるために海外から技術者を招へいし、指導を受けた。技術者の名前から<ちゃり革>と呼んだのが始まり。薄いぬめ革を柔らかくもんだ革で、鞄の素材として利用されていた。また、クロム鞣剤とのコンビネーション鞣しを行って軍靴の甲革として使用していた。明治時代、茶利革はお歯黒と同様に、鉄漿≪かね≫とよばれる鉄の酢酸溶液で黒色に染色されていたことがあった。現在では牛皮やインド産ゴートクラストを植物タンニンで鞣し又は再鞣しした後、種々の化学染料で染色し、手もみでしぼを立たせて製造されている」(JLIA公式サイト「皮革用語辞典」より)


大人世代のレザー好きユーザーに人気を集めそうですね。


墨田革漉工業(株)<東京製革業産地振興協議会>/フォログラフィク138-3D

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レザーにレースを重ねたようなトロンプルイユ(だまし絵)感覚の仕上がりが秀逸。「初夏向きで弊社の技術を見せられるものをピッグスキンで、と思い、フィルムを3D加工で立体感を、トップを光らせて初夏のイメージを演出しました。小さめのバッグ、手提げ、小物など小ぶりのものがおすすめ」(会長 佐藤元治さん)。豚革の可塑性の高さはもちろん、磨き上げた技術力を生かしたチャレンジングですね。


(株)久保柳商店/ジェイコブ

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ヌメ床を再利用したジェイコブ。ヌメ床をベースに丘染めした後、手塗りワックスをアイロンで浸透。フラットなタイプながらも、揉むことによりクラッキングタイプとしても。デザインに左右されないシンプルさを追求し、さまざまな製品に取り入れやすい汎用性の高さを実現しています。原皮が不足する傾向のなか、皮革を有効に活用する取り組みはますます広がっていくのではないでしょうか。


カドヤ商店<兵庫県皮革産業協同組合連合会>/馬革なめし革

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タンニン鞣しの馬革をツートン(茶芯×チョコ表面)に染色し、裁断後、切り口が強調されるのがポイント。ファッションでも、裾をカットオフ(切りっぱなし)したボトムがトレンドということもあり、ラフなニュアンスは来春も継続しそう。ホースレザーならではのワイルドさを秘めつつ、ジェントルに昇華した奥深い印象がクリエイターの創作意欲を刺激しています。


吉比産業(株) 東京支店/コルトレーン

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ピットで鞣し、2度脂入れすることで、革の柔らかさ、銀面のやさしさ、艶感を引き出しています。「革らしさのなかに光り輝くエレガントな景色」というテーマが素敵です。カジュアルになりがちな大きめサイズのトートバッグなどでも、上品な雰囲気に。雑誌の部数を公査・認定する第三者機構、ABC協会の調査で、月刊女性ファッション誌販売部数1位(2017年下半期/7月~12月)となった「リンネル」(宝島社)の影響でナチュラルテイストが再評価される今、大人の女性へ向けた商品開発に最適なレザーとなりそうです。


エントリー作品(レザー)はまだまだ・・・


(株)神戸ヤマヨシ<KSMA神戸靴資材総合協会>/紙わざ!和紙レザー

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「日本の伝統工芸×レザーの新しい融合。より極めるため、箔加工を施したレザーに和紙を合わせて、より現代風にアレンジを加えました。さらに仕上げで、あなた色に染めることも可能です。 まさに紙わざ!」(「第98回 東京レザーフェア」公式サイトより)


相川商事(株)/Pure

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「白は人間の目に見える光のすべてを反射する物体から感じる色。純白には、清らかさという意味が込められている。心が自然なままで清いこと、汚れないさま<清廉潔白>、純白のヌメからの表現へ。洗練された色出し」(「第98回 東京レザーフェア」公式サイトより)


(株)ニッピ・フジタ/極厚ホースヌメラティーゴ

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「フルタンニンの馬革。厚い生地を厳選し、牛脂で仕上げました。茶芯による経年変化が味わい深い一枚です」(「第98回 東京レザーフェア」公式サイトより)


ほかにも革らしさをストレートに勝負する匠がズラリ。つくり手たちが込めた想いと、それぞれの個性が際立ち、ブラウンだけでも多彩で素晴らしい。新しい表情を打ち出す創造力、革の本質を突き詰める探求心・・・日本の革と革のものづくりへの情熱にあふれて。クラフトマンシップと活気が充満していました。


レポートは次回に続きます。


■ 参考URL ■

 第98回 東京レザーフェア <http://tlf.jp>


カテゴリー: トレンド

日本最大級の革と皮革関連資材のトレードショー「第98回 東京レザーフェア」が5月24日(木)~25日(金)、東京・浅草 都立産業貿易センター 台東館で開催されました。

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皮革の需要の拡大及び業界の発展を目的に、「皮革製品素材である革および関連副資材」が秘める可能性や魅力を発信しています。


「挑戦と進化」を掲げた<TLF 19SS カラートレンド>では、ピンクやブルー、グリーンなどに注目

恒例ブース<TLF Trend Laboratory>では、出展企業の意欲作・自信作をピックアップし、最新トレンド提案として編集。2019年春夏シーズンに向けた素材と副資材を紹介しました。

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伝統と未来の両極を見据えながら、日本の鋭敏な感受性に支えられた色彩と素材、商品づくりに不可欠なインスピレーションを披露。<TLF 19SS カラートレンド>は、「エアリーなピンク」「鎮静と休息」「スパイシーな革色」「質感を堪能するニュートラル」の4カテゴリーです。

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「皮革の質感と色との整合性。そこに新たな視点をもち込むことでフレッシュな革の色彩感を打ち出しています。ポイントは、鮮やかさと透明感を特徴とした軽やかなカラーミックス。色が響きあうようなグラデーション、階調や、ホワイティーなニュアンスな表現も重要です」とジャルフィック 池田正晴さん。会場では「革を進化させる色彩」をテーマに3タイプのパレットで展開されました。


パレット:1 「BALANCED/過去と未来をつなぐ」

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シンプルで繊細な「ナチュラル」。革らしさのなかに洗練された美しさが息づいて。今季の注目は、ウォームカラー(ピンク、レッド)。やさしい素材感を表現しています。ホワイティーな透明感、風が通り抜けるような さわやかさがポイント。グレーとのコンビネーションでメリハリをこのほか、ブラウン×グリーン、レッドを中心としたスパイシーカラー、ブラックとホワイトのバリエーション(深みのある色合い・風合い)も要マークです。

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「美しい肌目が生きるナチュラルな革色」


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「肉厚感による存在感」


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「艶でピンクをモダナイズ」


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「グラマラスな赤みのピンク」


andmore・・・

「スパイシーなレッドのバラエティ」「黄味のブラウンとコントラストするグリーン群」「マット感がポイントのカラードブラック」「革の質感を生かしたホワイトの展開」「「ブルーとグレージュの洗練感」


パレット:2 「VISUALIST/やわらかな自然の色彩」

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ロマンティックなテイストとともに新しい装飾性が浮上しています。みずみずしい自然の色彩はグリーンとブルーで。さらにブラウンのアソートで色彩感を強調する傾向です。「フラワー」「ボタニカル」など日常的で自然なモチーフをモダンに昇華。北欧を想起させるカラーリングはイエローで際立たせて。ナチュラル×メタリックによる対比も気になります。

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「グラフィカルな効果をもつ色彩」


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「アイシーなターコイズで見せるパターン」


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「ブラウンの役割を果たすカーキ」


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「造形力と抑制感。新しい装飾性」


andmore・・・

「柔和なボタニカル柄」「ナチュラル×メタリックの成熟感」「アクセントカラーは太陽の光」「ハイブリッドによるフレッシュな未来感」


パレット:3 「ADVANCE/華やかにアクティブ」

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ライフスタイルを更新していくような、スポーティーな要素の進化が止まりません。アクセントはホワイトと濃厚なスパイシーカラー。ミニマルかつ華やかさやリッチ感の訴求、視覚効果、立体感でのチャレンジングな表現も増えています。

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「ブルー、オレンジ、レッド。ミニマルかつ鮮やかに」


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「マット感で見せるスポーティーカラー」


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「青の潜在力」


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「立体感でニュアンスを加えたホワイティ」


andmore・・・

「立体感に向けての実験」「視覚効果で表現するモダニズム」「スポーティー素材を黒でモード化」「未来館×濃密な装飾による新ラグジュアリー」


リラックスカラー(ブルー×グリーン)、スパイシーカラーなどがラインナップ。「プルミエールヴィジョン」でもフィーチャーされた多彩なグリーン、目立っていましたよ。いよいよ本格的なトレンドとなるのか、期待したいですね。



台東区内在住、在勤、在学のかたへ「ファッション・マーケティング講座」のお知らせ

台東区立産業研修センター恒例企画「ファッション・マーケティング講座」<6月14日(木)>の開催が発表されました。2019年春夏シーズンのカラートレンド、マーケットをイタリア、日本の素材展から予測します。新たな講師として、ジャルフィック代表 池田正晴さんが登壇。前述の「東京レザーフェア」<トレンドラボラトリー>ほか、さまざまなプロジェクトを手がけ、国内のレザートレンドの分析・提案における第一人者として知られています。


今回からEメール(kensyuusenta@jcom.home.ne.jp)での申し込みが可能となり、さらに便利に。参加者の住所、氏名、電話番号(日中)<在学・在勤のかたは、勤務先(団体/学校)名、所在地、電話番号>を明記してください。受講料1,000円。定員30名(先着順)。エントリーの締め切りは6月7日(木)まで。


なお、対象は台東区内在住、在勤、在学のかたとなっています。ご注意ください。


 「ファッション・マーケティング講座」

  日程/6月14日(木)18:30~20:00
  場所/東京都台東区橋場1-36-2 
  WEB /https://www.taito-sangyo.jp/05-kensyu/center_now.htm



レポートは次回に続きます。


■ 参考URL ■

 第98回 東京レザーフェア <http://tlf.jp>


カテゴリー: 村木るいさんの「人に話したくなる革の話」

4月からスタートし、大好評! 村木るいさんの「人に話したくなる革の話」第2弾は、革の鞣しを大阪で学びます。大阪・貝塚の精肉店を描くドキュメンタリー映画、レザーショップ&博物館取材を通して、皮を革にするプロセスとその歴史、海外での状況を皮革のエキスパート 村木さんが徹底解説!


通常、皮革産業のさまざまなトピック、イベントのレポートなどをお届けしておりますが、この春から人気イベント「本日は革日和♪」を主宰する村木るいさんが加わりました。イベント、セミナーなど精力的に活動する村木さん。皮革に関する確かな見識を有し、幅広い情報発信に支持が寄せられています。当ブログでは、レザーに関心をもちはじめた若い世代のかたや女性ユーザーにお伝えすべく、わかりやすい解説とともに西日本の皮革産業の現状をご紹介。月1回(担当週は不定期です)の更新をお楽しみに。


次回の「本日は革日和♪」は東京へ出張。「東京レザーフェア」「モノマチ」などの時期に合わせ開催されます。展示販売会、セミナー、ワークショップなど盛りだくさんのプログラムが超充実! くわしくは下記リンク先をチェックしてください。


 「本日は革日和♪


***


「ある精肉店のはなし」という映画がありまして


 - ある精肉店のはなしHP


関西人らしく「毎度です!」の挨拶を定番化しようとしている村木です。月イチ連載「人に話したくなる革の話」をお届けします。東京・浅草の恒例イベント「A-ROUND」で先日、ムラキ主宰「本日は革日和♪」が主催するプログラムとして上記映画の上映会を行いました。

大阪・貝塚のこのお肉屋はちょっと変わっていまして。


子牛を買ってきて育てる「肥育」、大きくなってお肉にする「屠畜」、それを直接販売する「お肉屋」を全部1軒で行っていました。この映画のなかで屠畜からお肉屋店頭に並べるまでをドキュメンタリーで描いています。この作品はDVD化されておらず上映会でしか見られません。


人が来るか不安でしたが、4回上映で80人弱ご参加くださいました。来られたかた、ありがとうございます! 上映の開始前と終了後に「食肉と革の歴史」という内容を短く15分程度お話ししました(普段は「人に話したくなる革の話 ~皮?革?どう違う」など、2時間セミナーも行っています)。今回のエントリでは、セミナーなどでお話する内容をちょろりと書いてみましょう。


革の歴史は食肉の歴史

基本的に革の歴史は、食肉産業との歴史です。


欧州などでは肉が食生活の中心だったため、原材料となる「皮」が出てきました。となると、この皮を「革」にして靴から衣料などに使わないともったいないですね。


例えば、1991年にアルプス氷河で発見された通称アイスマンは、5300年前に生存していたとされています。彼が身にまとっていたのはヤギと羊のコート、ヤギ革のレギンス、クマの毛皮の帽子。羊革の腰布。靴紐は牛革。矢筒は鹿の革。上から下まで全部革でした。当たり前ですがこれらは全部食べたもの、と思われます。食べた以上は使わないともったいないわけですね。


 アイスマンの衣類に使われた動物を特定 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

 アイスマン - Wikipedia


革の鞣しはどんなものがあったのか

食べた後の皮はほっておくと乾燥して固くなります。カッチンカッチンになります。わかりやすいものとして身近にあります。犬のガムと呼ばれているものです。これは皮を乾燥させたものですね。

じゃぁ、ほっておいたらこんなにカチカチになる皮を鞣しによってどう柔らかく、腐らないような「革」にするのか。これは世界の地域によって、さまざまに存在します。


古代エジプトの鞣し

鞣しの初期によく使われていたのはタンニン鞣しです。


渋柿や濃いお茶を飲むと口がキュッーーーーーとなりますね? これらは渋柿やお茶に含まれるタンニン成分の作用です。タンニンにはこのように肉を収縮させる作用=収れん作用があります。この作用のおかげで皮は腐らない革に変化します。エジプトの壁画を見る限りこのタンニンなめしが行われていたんじゃないか、と言われています。


例えばエジプトでは、紀元前に作られた遺跡からは鞣しの風景が書かれた石画が見つかっています。

 エジプトの古代の鞣製技術(テーベン壁画) 澤山 智「鞣製学」より引用

 日本皮革技術協会 皮革の知識 皮のなめし


昔の日本の鞣し

日本ではタンニンなめしがあった、という説となかったという説で分かれています。


確実に行われていた鞣しとしては燻煙鞣し=燻しがあります。木を焼いた煙を当てることで虫を除き腐りづらくします。ただ、これだけだと硬さが残りますので更に脳みそを刷り込む脳漿鞣しという技法も発達しました。今でも甲州印伝などは燻しが使われています。


正倉院の中には今でも聖武天皇が履いていた履物が存在します。こちらは燻しと脳漿鞣しを行った鹿の革が使われていたと言われています。


 衲御礼履(のうのごらいり)

 宝物詳細画面 - 正倉院 - 宮内庁


北海道の地に住んでいたアイヌ民族は鹿や鮭を採って生活していました。で、鹿がある以上革を使います。彼らが行っていたのは煙を使う燻しが行われていました。大阪・吹田 千里万博公園の国立民族学博物館では、鮭革のコートが展示されています。これなども鮭を食べた後の皮を煙で燻して革にしていたと言われています。

 民族学博物館で革の勉強をしてみようpart2 アイヌが使っていた鮭の革: レザークラフト・フェニックス


奈良時代などでは、日本でも革の鎧が存在しました。ここらの話は下記ブログで解説しています。

 革の話をしてみよう:革の鎧の歴史や作り方をダラダラっと紹介: レザークラフト・フェニックス


極寒のアラスカの鞣し

極寒の地のアラスカではどうやって革を鞣していたんでしょうか? アラスカは樹木が少ないため、樹皮もとれずタンニンも取れません。樹木が少ない、ということは火を起こすこともできません。火 が使えないと日本のように燻しも行えません。


アラスカの地域は極寒で農業も牧畜もできませんが、海から魚やアザラシなどが採れます。アザラシからは肉や油が採れます。骨も有効活用し、血液も飲むことで栄養を補給していました。


さて、皮はどうしていたかというと、口鞣し、という珍しい技法で鞣しをしていました。これは固まりそうな皮を口で延々と噛んでいく、という作業です。


 エスキモーと鞣製(澤山 智「鞣製学」より引用)
 日本皮革技術協会 皮革の知識 皮のなめし


このように鞣した革で衣料や舟=カヤックを作ったりしていました。


 シーカヤックの歴史


誰かが食べてくれないと皮は出てこないし、革も作れない。

前述のように革、というのはあくまで食肉産業の副産物でしかありません。肉を食べないと発生しない、という不安定な素材です。


「いや、肉を食べないなんてことないでしょう。安定的な素材じゃないの?」


それがこの日本においてはそうでもなかったんです。


肉食禁止の国、日本の革文化

飛鳥時代の675年。仏教が伝来した際に天武天皇は肉食禁止の令を出しました。「牛羊鶏豚犬」とも「牛羊鶏豚犬」「牛馬犬猿鶏」とも諸説言われています。実際はこっそりと山の民は食べていたり、「ウサギは飛ぶように走るからあれ、鳥だよね? だから食べていいよね」などとこじつけて食べていました。ウサギを今でも「1羽、2羽」と数えるのはその名残と言われています。


肉食の禁止は皮が出てこず、革の供給が少ない、ということです。肉食禁止=革が使えない、というわけでもありません。労働・病死・寿命でなくなった牛や馬などは皮をとり革として使われていました。特に戦国時代などは武具甲冑を作る際に革は重要な素材だったため、革を作る職人は重宝されました。やはり革素材のしなやかさがありつつも頑丈という特性は魅力的です。


戦国時代から下って江戸時代。長崎の出島には、おもしろい資料が残っています。長崎には「出島 dejima」という体験施設があります。ハウステンボスなどに行かれた際には是非行ってみてください。歴史好きにオススメです!

 

 nagasakidejima.jp


こちらなどに行くと出島での主要な貿易品目の一つとして鹿革や鮫革(実際はエイの革)などがあったと記録が残っています。鹿革は羽織や足袋手袋、鎧のパーツなどに使われ、鮫革は刀の柄などに使われていました。


この出島から横浜に居留地ができ、そこから肉を食う文化が広まり始めました。江戸時代の末期にはすき焼きが始まりました。明治維新以降は革の鞣しが始まり、靴工場が作られ、日本における革の産業が本格的に始まったと言えます。


明治維新以降は肉食も普通に行われ、国は肉食を推進し、体をより頑丈かつ健康に、と働きかけました。その際には牛や豚の肉が食され、皮が供給され、革に鞣され、靴や軍人さん用の背嚢(はいのう。リュックサック)やベルト、地図鞄などが作られるようになりました。この時代の鞄などは東京のエース世界の鞄博物館でも見ることができます。


 世界のカバン博物館|エース株式会社 - Ace

 久々に行ったら写真撮影可になっていた世界のカバン博物館&近辺で見ることの出来る革資料やら | phoenix blog


こんな狭い国なのに西と東でも違う

JLIA担当さん

「ムラキさん! 西の人らしく西の情報も書かなきゃだめですよ!」


ん~っと、、、それじゃ更に長くなるけど、食文化の違いが革にも如実に関わる実例あげてみましょうか。うちの実家って父が東京、母が大阪の人間なんですよね。そうすると肉じゃがに豚を入れるか牛を入れるか、すき焼きにはどっちを入れるか、で喧嘩になっていたわけですわ。

「どういうことですか?」

関西人は肉、っていうと「牛!」なんですよ。関東人は肉っていうと「豚!」の文化なんですよね。

で、これは革屋さんにも影響します。


関西の鞄や財布のメーカーさんは豚革っていうと「なんや、豚なんて肉としてはイマイチや!だから革も内側に使うようなものだろ! メインに使うものじゃないだろ」というところが多いです。そうなると豚の革で財布や鞄なんて作りません。結果的に関西の革屋さんってのは豚革の選択肢が少ないです。


東京の鞄や財布のメーカーさんは「豚革? 普段から食べているよ。別にこれで財布や鞄作ってもいいじゃん」と考えます。だから豚の革で財布や鞄を作ります。で、結果的に東京の革屋さんってのは豚革の種類が多いですね。


下記は私が働いている革屋さん「レザークラフトフェニックス」での風景ですが、牛や馬の革はこれくらい選択肢があります。


他方豚の革は選択肢が棚1段分くらいしかないですね。それも裏用の革ばかりです。

「そんなに違いあるものなんですねぇ」

あるんですよ。
まぁ、革屋さんもそれぞれに得意分野が異なりますね。


革を鞣してくれるタンナーさんも兵庫県の姫路市やたつの市には200以上あると言われていますが、豚の鞣しをメインとしているタンナーさんって1割以下だと思います。そのかわり牛や馬の鞣しをするタンナーさんが多いです。それに対して東京のタンナーさんは豚革を得意としているところが多いですね。


結果的に西のタンナーさんは使っている設備が巨大だったりします。


「なんでですか?」


豚よりも牛や馬のほうが大きいからですね。その分大量の水も使いますし、人手もかかっちゃいますね。

さすがに全部のタンナーさんを把握しているわけではないんですが、このように西と東で違いがあります。


突き詰めると、「その地域の人たちが何をよく食べているか」

その後に

「牛をよく食べるならば、牛の皮が出る」>

「だから牛の鞣しを得意とするタンナーさんが増える」>

「だから西の革屋さんは牛や馬が得意で豚は苦手」

となります。

あるいは「西の鞄や財布メーカーは豚革使わない」>

「じゃぁ革屋さんとしても豚革あまり置かないな」となります。


どちらが正しいかは断言できないのですが、食文化の違いが革の扱いにも影響が出ていると言えます。


何度も書くけど革の歴史は食肉の歴史

最初にも書いていましたように革の歴史は食肉の歴史です。みなさんが食べる肉は栄養となり、皮は革になり靴や鞄などに使われています。革の鞣しに興味もたれましたら、過去に書いたアーカイブ(下記リンク)をまた読んでみてくださいな。



関連ブログ:


革の話をしてみよう:なめしって個人でできるの?: レザークラフト・フェニックス

民族学博物館で革の勉強をしてみようpart1 動画資料で皮なめしやらを見る: レザークラフト・フェニックス

革の話をしよう!:マッドマックスの世界で革はどのような意味合いがあるか? | phoenix blog


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今週、バッグ・鞄業界では一斉に2018年-19年秋冬シーズンの展示会を行っています。早速お邪魔してきました。ごく一部ではありますがレポートをお届けします。



ヤマニ」(~5月17日)東京・両国

ハンドバッグ、紳士革製雑貨類の企画・製造・卸を手がける<ヤマニ>の自社ブランドがそろう展示会。主力の百貨店向けライセンスブランドだけでなく、オリジナルブランドを開発。売れ筋をおさえつつ、独自性を打ち出しています。


<Dubeige(ドゥベージュ)>

「まだ何色にも染まっていない馬革の原皮の美しき色」「高貴で上品な雰囲気を纏う色」=「ベージュ」をブランド名に。「ベージュ色から出発し、持ち主の個性に合わせて美しく変化し、長く寄り添っていく」革製品の理想を託して。

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フリマアプリ<メルカリ>ユーザーに向けた対策のひとつとして、「メンテナンスフリー」をアピール。爪で引っ掻いても大丈夫」と、ダメージに強い特性をバイヤーや関係者が体験できるよう、革サンプルを設置していました。

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経年変化しない革を使用。人気を集めるタンニン鞣しレザーと比較して「革の味わいが深まらない」というデメリットを「革の状態が変わらない、買ったときと同じ状態をキープできる」というメリットに転換。上質な革製品を購入し、その魅力を堪能した後にも良好なコンディションで個人間売買できる、「バイ&リリース」を新しい付加価値に。時代が求める「リセールバリュー」への、解答のひとつですね。

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額装に見立てた展示では、お手製のマグネットカードを内側に配してディスプレイ。いつもと異なる視点で見ることができるので、とても新鮮でした。


<Peram(ぺラム)>

<ぺラム>はラテン語で「袋」。「身のまわりのものを収納する」「まとめる」「持ち運ぶ」、バッグ本来のかたち、その究極は袋。さまざまなものがあふれるなかで、原点に立ち戻り、シンプルで機能的な袋を追求。味わいのあるナチュラルなテイストに女性らしいスパイスを加えてフレッシュさのあるレザーグッズを提案しています。

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タンニン鞣しのレザーを使用したシリーズのディスプレイに、染料として使われるミモザを添えて。皮が革となるまでのプロセス、つくり手たちによる数々の手仕事・・・その象徴のひとつ、ミモザの花が ものづくりのストーリーをそっとやさしく伝えてくれますね。

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雑誌の部数を公査・認定する第三者機構、ABC協会の調査で、月刊女性ファッション誌販売部数1位(2017年下半期/7月~12月)となった「リンネル」(宝島社)との取り組みが奏功。想定読者=「暮らし系女子」と名づけた幅広いユーザー(10代~70代)にリーチし、販売好調だそうです。



豊岡鞄」(~5月17日)東京・浅草橋

日本有数の鞄産地、兵庫・豊岡の地域ブランド<豊岡鞄>の2018年秋冬シーズン展示会では、参加メーカー各社の新作、自信作のバッグ、小物がラインナップ。同じく産地ブランド<井原デニム>とのコラボレーション第2弾を発表。日本の伝統産業を掛け合わせた ものづくりは完成度がさらに高まっています。

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カラーの訴求がアイキャッチに。「イエローコレクション」として各社からピックアップしたアイテムを会場の中央に集積しました。

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レザーを使用したシリーズはこちら。シンプルでスポーティなデザインがいいですね。


<CREEZAN(クリーザン)>

ファクトリーブランド<CREEZAN>からはディープホワイトシリーズを出品。

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上質なシュリンクレザーは皮革産地、兵庫・姫路のタンナーが手がけ、ソフトな風合い。強撥水加工を施し、雨や汚れに強いのもうれしい。



アートフィアー」(~5月17日)東京・浅草橋

<豊岡鞄>参加ブランドのひとつ、<アートフィアー>は近隣のギャラリーでも個展を開催。「Japan Leather Award」歴代の特別賞受賞社としても知られています。


<フレームワークス>

クラシカルな鞄に採用される口枠(フレーム)を現代的なものづくりに取り入れたレーベル。アート作品を思わせるオンリーワンのデザイン、存在感、機能美は職人技と最新技術とのハイブリッドにより生まれました。

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イタリア・ミラノで行われる国際的な見本市「ミペル」(2017年2月展)ではトラベルラゲッジ部門最高賞を受賞。海外でも高く評価されました。

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サイズ、カラー、素材のバリエーションも圧巻ですね。

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2本、3本とそろえるリピーターも少なくないそう。リクエストに応えて、オーダー会も開催しています。



「藤和商会」(~5月17日)東京・浅草橋

創業30周年を迎え、次なるステージを目指す<藤和商会>。付加価値性が高い製品づくりに取り組み、国内生産ラインにも注力しています。

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<APPLAUSE(アプローズ)>

「進化形ナチュラル」をテーマにした同社のメインブランド。「軽さ」を重視し、500グラム以下のバッグがズラリ。ビジネスパーソン、ワーキングマザー、アクティブシニア・・・といった属性のユーザーのライフスタイルにマッチする多彩な切り口が秀逸。

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なかでも復活傾向のA4サイズのトートバッグが好評。「上質なバッグをひとつ買うなら、いろいろなシーンで使いたい」という女性たちの「コスパ意識」、断捨離ブーム後の「マルチユース志向」を反映しています。

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「お時間がないなか、ご来場くださった皆さまにご覧いただきやすくなるよう、すっきりコンパクトな展示を心がけました。特に意識したのは、写真撮影です。<インスタ映え>という流行語もすっかり定着していますので、バイヤーさん、ショップスタッフの皆さんがスマートフォンで撮影していただきやすいディスプレイにしております。撮影した写真を、社内会議・検討用に、顧客さま向けの入荷案内などSNSの投稿にもご活用いただければ」(細江典子ディレクター)。展示会の役割の変化を素早くとらえていますね。



「THE EXHIBITION」(~5月17日)東京・原宿

バッグメーカー<スパンギャルド>が中心となり、スタートした合同展示会「THE EXHIBITION」。バッグ、革小物、シューズなど、企業・事業者のつながりを生かし自主的に運営されています。回を重ねるごとに認知度が上がり、来場者も続々。夜20:00まで、という時間設定が慌ただしいバイヤー、プレス関係者からの支持を広げています。約10社のなかから革小物ブランドをピックアップ。


<minca(ミンカ)>

革好きユーザーにお馴染みの<栃木レザー>販売代理店<和宏>のオリジナルブランドが出展。ステーショナリー、バッグ、小物などといった、毎日の生活に寄り添うもの・・・これらを、厳選した素材を使用し、ひとつひとつていねいに仕上げています。

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経年変化したサンプルをまとめてコーディネート。色合い風合いに優れた多脂革の魅力全開です。

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革小物の新作が多数登場。コバ磨きを生かしたシリーズが最高です。この美しさ、ほんとうに素晴らしい! ペーパーウエイト、ペン立てなど、置くだけでデスクまわりの雰囲気がガラリと変わりそうです。終わりのない作業を黙々とこなす職人さんの情熱・心意気が息づいています。疲れたときも眺めているだけでポジティブなパワーをもらえそうですよね。独立開業、ショップオープンのお祝いにもおすすめです。


先日、公式サイト(http://www.minca-handmade.com)がリニューアルオープン! サイトではものづくりのストーリーや製品のディテールまで、しっかりチェックできますよ。スマートフォンでも閲覧しやすくなったと好評です。



今回ご紹介した展示会は、鞄・バッグの専門誌のウェブ版「Bagazine bit」の恒例企画「バッグ・鞄業界2018年5月展示会場マップ」(下記リンク先)に掲載されています。会期は明日5月17日までとなっています。このほか、バッグメーカー各社の展示会場がマップ上にまとまっていて、とても便利です。マップ上のピン(マーカー)をクリックすると、社名、場所、日程、コメント(テーマ、コンセプト、商品ラインナップなど。内容は各社によって異なる)が閲覧可能。各社とも最終日の終了時刻が異なるので併せてご確認ください。


■ 参考URL ■

 「Bagazine bit」

 <http://www.bagzn.com/bag-kaban-2018-5gatsu-tenjikai-map/>


プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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