欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2024年1月 の記事

カテゴリー: ジャパンレザー トピック&イベント まとめ

月1回のスペシャルコンテンツ、村木るいさんの「人に話したくなる革の話」。
2024年第一弾は、大阪で開催した「本日は革日和♪」レポートと職人の待遇改善を考えた、という話。

ビジネスパーソンからクリエイター、レザークラフトファンまで幅広く来場し盛り上がった人気イベント、「本日は革日和♪」(大阪・大国町周辺エリア)レポートと皮革業界に従事している職人さんたちの待遇改善についての考察。
イベント、ファクトリー、それぞれの現場からリアルな声を届けてくれました。ぜひ、ご覧ください。

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通常、皮革産業のさまざまなトピック、イベントのレポートなどをお届けしていますが、人気イベント「本日は革日和♪」を主宰する村木るいさんが月1回スペシャルコンテンツをお届けしています。イベント、セミナーなど精力的に活動する村木さん。皮革に関する確かな見識を有し、幅広い情報発信に支持が寄せられています。

当ブログでは、レザーに関心をもちはじめた若い世代のかたや女性ユーザーにお伝えすべく、わかりやすい解説とともに西日本の皮革産業の現状をご紹介しています。独自の視点・レポートが大好評です。

今後のスケジュールなどは下のリンク先をチェックしてください。


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毎度です!「最近3Dプリンタ買い直しました」ムラキです。

昨年話題になった爆速の3Dプリンター、Creality K1を購入していたのですが、仕事とイベントで忙しくて封印状態。イベント終了で「人に会いたくない」「モノヅクリだけしていたい」モードに入ったので開封。そらもういじりまくりです。開封5時間後にはトラブルに会いましたが、ほんとに今の時代はトラブル解決が楽です。動画なりの解説見つつ無事に解決です。

今回のブログの内容は以下の通りです。

・「本日は革日和♪」(大阪)無事終了
・久々に行う テクテク徒歩ツアー大人の社会見学
・どれだけ機械があっても、それを使う人間がいないと意味がない
・会社、事業成長には新しいものに貪欲な人間がいないと成長しない


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「本日は革日和♪ in 大阪」無事終了


1月19日(金)・20日(土)に開催した「本日は革日和♪」(大阪)は無事終了しました。

新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したので、7社が集まって展示会を行ったり、大阪の革屋さん3社に協力をお願いして、金曜に感謝祭、土曜に営業してもらいました。革会社さんによっては展示会も重なっていたのですが、ご協力ありがとうございました。

展示会

今回大阪府立体育館・エディオンアリーナ大阪、の会議室をお借りして開催しました。
次の7社が集まりました。このイベントでは入場料1,500円を徴収しています。かつ、事前予約で3時間制限があります。

参加社のリンクは以下の通りです。










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5類移行後の事前予約や入場料の必要性

それも考えましたが、展示会参加出展者に聞くと「圧倒的に有料のほうがいい」とのことでした。無料のお客さんは無料に価値を見出し、こちらの時間を延々と使ってきます。ですが、時間制限があると他のブースを見たいからこそ、自分の時間を大切にします。無料ではなく、有料だからこそ、価値ある情報なりものを得ようと考えます。

「本日は革日和♪」の展示会では、出展者に厳密にお願いしているのは「イベント出るから安売りして儲け出そう!と考えないで」「アウトレット品出すなら全体の2割。それ以外はきちんと定番品や、後日買えるものを持ってきて」と言っています。もっと言うなら、「出展料以上稼げると思わないで」と言っています。稼ごう!と思うと接客が雑になりますので。

今回のイベントでは2日間3枠で合計70人ほどしか参加できていません(土曜日は1枠にしたら、公開1週間で満席に・・・)。 「たった70人?」ではなく、「事前予約して、1,500円のお金を払ってくださった来場者が70人」です。それは無料だから来たお客さまよりも何倍も意欲があるお客さまです。だからこそ、わたしたちも丁寧な接客もできます。会場でも事前にもらった質問などに答えていますが、何度も私が言ったのは「ムラキさんはお金払ったら優しいよ」ということです。

嫌な言い方ですが、有料にもかかわらず来てくださるお客さまに時間を使うのはとても「効率がいい」わけです。

夜は懇親会


今回参加は26名でした。

この懇親会ですが、革でお金儲けしている人限定、と言っていますが、それがネットだろうが、イベントで販売だろうが、職人仕事していようが、メーカー仕事していようが、革屋だろうが一切問いません。

また、お金儲けしていないけど出たい、という人には「じゃぁこれなら喋れます!という専門知識や趣味を教えて」とお願いしています。整体師や企業で経理仕事している人、AKB48や地方で畳屋についてなら喋れる! という人も参加しています。自分から情報を出す気がない、という人をお断りするのがこの「お金儲けしている人限定+α」という飲み会です。

幹事の仕事は大変ですが、参加者の満足度は非常に高くなります。


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革屋3社の感謝市

感謝市の3社はもちろん参加無料です。こちらは事前予約なしでお店にいって大丈夫です。普段は事前予約が必要だったり、一般にお店に行くことができなかったりします。

ニシカワレザー



土曜日は定休日(毎月第一週のみ営業)でしたが、今回のイベントに合わせて営業してくださいました。


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寿屋



寿屋さんも土曜日は定休日ですが、営業してくださいました。また、イベント会期中のみ定番革の1/2切り売りも解禁となり、好評でした。

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ミヤツグ



ミヤツグさんは自社ショールームがちょうど展示会に向けた準備もあったので、倉庫スペースで感謝市をしてくださいました。こちらも土曜日に営業してくださいました。


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「本日は革日和♪」(大阪)漉き屋とカバンメーカーを見学するてくてくツアー

募集要項


革業界になくてはならない仕事、「割り漉き屋」さんを実際に訪ねて作業風景を見学。その後、鞄メーカーさんを見学します。当日、大国町の「西川商店」に集合してからてくてくと徒歩で向かいます。


割り漉き屋さん

ツアーはニシカワレザーに集合。参加者が18名ほどとなっており・・・「しまった、関係者とか呼びすぎたな」と焦りました。

漉き割り屋さんまでテクテクと。高速回転する機械、というのはものすごく怖い機械でして。ツアー参加者が機械に巻き込まれないように常時気を張っていました。「そんな機械のそばで油断しないよ!」と思っても、回転する機械というのはカバンの紐1本、スカートの裾を少しでも巻き込まれると大惨事になります。そのためこのツアー見学のときは非常に気を張っています。

革日和in大阪 漉き屋とカバンメーカーを見学するてくてくツアー

そんなわけで、こちらでは写真撮影を控えておりまして、すみません。上の写真は以前撮影したものです。

漉き割り屋さんは大忙しでしたので、「今どういう作業をしているのか」「なぜこういう動作をするのか」「なぜ革を薄くするのか」などを適宜解説していきました。

バッグメーカーの西川商店

ニシカワレザーさんの母体である西川商店はバッグメーカーです。バッグのメーカー仕事が主要なお仕事ですね。


下の写真中央が社長の西川さんです。

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こちらでも写真撮影をあまりしていません。
先程の会社ほど回転機械などはないのですが、クリッカーなどの重厚な機械や、OEM仕事のため撮影禁止ゾーンなどが存在するため気を張っていました。

西川社長も各部門各場所の説明をしていただき、場合によって働いている職人さんのコメントなどもいただけました。とても貴重な機会、ありがとうございました。

割り漉き屋でも西川商店でも機械があるが機械があるからって儲かるわけじゃない


今回探訪した割り漉き屋にはバンドマシンという機械があります。
西川商店では自動裁断機、という自動で裁断する機械や、コンピューターミシンン、というプログラム通りに縫製してくれる、ハイスペックなミシンも導入しています。自動裁断機に至っては置く場所として6畳スペースが必要ですし、設備投資はなかなか大変です。

機械は操る人間が必要

当たり前の話ですが、機械は操る人間・使いこなす人間がいないと全く役にたちません。以前のエントリでも紹介した野球グローブメーカーでも自動裁断機は存在します。

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この機械を操作しているスタッフさんにお話しを聞きました。「以前はクリッカーで刃型で裁断していました。ですが、この機械が来るということで、会社に言われてコンピューターの使い方などを学びました」「この機械導入でサンプルなどが格段に作りやすくなり、速度も上がりました」とのことでしたね。

これらの機械ですが、社長自らが扱うわけにはいきません。社長は機械を扱う、という楽しい仕事ではなくて、「仕事をとって会社を大きくする」「社員の人件費をどうやって賄うか」「さらに人件費をアップするにはどうするか」「会社にとって何が必要で何が不必要かを判断する」という誰もやりたくない仕事をやらなきゃいけません。

「高額機械を導入するのに、それの勉強をしたり、操作するのは社員に任せなきゃいけない」という、"他人を信頼"する必要があるわけです。

もちろん、その社員が学ぶ費用や学ぶ時間に対しても給与が必要。さらに、学んだ社員が会社を辞めることまで考えて、サブの人間を育てておかないと大変なことになります。機械を扱う人間が辞めて数か月機械が止まったり、その人間が辞められると困るからその人間のワガママを放置し、他の人間が辞めたり、もありえます(あくまでも仮定の事例です)。

職人が収入を増やすには・・・

職人仕事で収入を増やすのは大変です。
会社勤めの場合、「こういう機械があるそうです」「会社に入れたらこういう利益出せます」「その操作を私が勉強します」といった提案が必要となります。

新しい技術を学ぶ、というのは選択肢の幅が増える、ということです。自社にせよ、転職時にせよ強いスキルになりえます。



というような話を踏まえると、3Dプリンタとか、CAD制作技術ってのはこれからの時代、革の職人でもそうじゃなくても選択肢の幅が格段に増えますよ。

3Dプリンタ、面白いよ

3年前に3万円で買ったものに対して、今回のはセール時で8万円弱くらいします。ですが、速度や調整作業が3倍は効率よくなっています。

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ムラキの今後予定


2月1日(木) 「レザーソムリエ」タンナー見学・懇親会参加予定
2月13日(火) 「大阪府皮革業界総合研修」登壇


3月22日(金)・23日(土) 「本日は革日和♪ in 名古屋」
5月23日(金)・24日(土) 「本日は革日和♪ in 東京」
7月19日(金)・20日(土) 「本日は革日和♪ in 福岡」

カテゴリー: ジャパンレザー トピック&イベント まとめ

先週、皮革卸企業の個展にお邪魔し、最新コレクションを拝見しました(レポートは2月14日更新分に掲載予定です)。時代に対応しながら、ジャパンレザーの新しい可能性を提案する皮革素材が多く発表され、つくり手の皆さまのポジティブな想いにうれしくなりました。

一方、NTTdocomoが2030年ごろのサービス提供開始を目指す第6世代移動通信システム(6G)に向けた新技術を「docomo Open House'24」で発表。「人間拡張基盤」のひとつ、触覚共有技術がメディアで紹介されました。皮革産業の未来を明るく照らすきっかけに!? 二つ目のトピックでお知らせいたします。

今週も最新トピックやイベントをお伝えいたします。参考にしていただけますように。


【メディア情報】「TLA」

皮革・革製品などのサステナビリティを発信していくプロジェクト、Thinking Leather Action(シンキングレザーアクション/TLA)事業の新聞1ページ広告2回目の出稿がスタート。本日、1月24日(水)には、日本経済新聞(以下 日経)および日経産業新聞に広告が掲載されています。

<日経本紙>
■1月24日(水) 全国朝刊本紙 
掲載面:6面(全広面)

<日経産業>
■1月24日(水) 日経産業新聞
掲載面:6面(全広面)

<日経電子版>
同じく1月24日(水)より、日経電子版にてタイアップ広告『革製品って、実はサステナブル 干場義雅氏と語り合う「確かな魅力」』が公開予定です。
人気ウェブメディア「FORZA STYLE」(講談社)編集長 干場義雅さんとTLA 川北芳弘座長が革製品の魅力や革のサステナビリティについて、それぞれの視点で語り合っています。ぜひ、ご一読ください。


Thinking Leather Action(シンキングレザーアクション/TLA)公式ウェブサイトがオープンしました。併せてご覧ください。
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【メディア情報】「人間拡張基盤技術」

1月17日(水)・18日(木)、東京・丸の内 東京国際フォーラムで、NTTdocomoの最新テクノロジーを紹介するイベント「docomo Open House'24」が開催されました。

docomoは、人間の五感を相手に合わせた形に変換し共有する「人間拡張基盤技術」を用いて「フィールテック™」を開発。味を分析数値化することで、誰かと同じ味を感じられる味覚が共有できる技術は、俳優 綾瀬はるかさんとタレント 彦摩呂さんが共演するテレビCM、YouTube動画などでもお馴染みですね。


このほか、2030年ごろのサービス提供開始を目指し、2018年から5Gの高度化(5G evolution)ならびに第6世代移動通信システム(6G)に向けた検討と研究開発が推進され、最新技術が続々と登場しています。そのひとつ、触覚共有について、「ワイドナショー」(フジテレビ系/日曜10:00~)で紹介されました。

「(フィールテック™ は)円滑なコミュニケーションを実現するための言葉とか文字とか、映像ではきちんと伝えることができない人の動作とコツ、感覚、感情を相手に合わせたかたち、相手が理解できるかたちに変換して共有できる技術です」(NTTdocomo 慶応義塾大学大学院 特任教授 石川博規 博士)。


遠く離れた場所にいる人同士で触覚を共有することができる「触覚共有技術」。指輪型の機械(センシングデバイス)を身につけた人がものに触れると振動を感知し、その振動がマウスのようなボール型のデバイスを通じて伝えたり、離れた場所にいる人も同じ触り心地を感じることができる、という世界初の技術だそうです。

今後は、ネット通販で製品の素材が確認できたり、ものづくり技術の伝承や手づくり体験ワークショップなどでの利活用も想定されます。
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ECサイトで、レザーの質感や、バッグや靴の重さもわかるようになるのはおそらく数年後になるでしょうか。これは皮革業界にとって革新的なトピック。ワクワクしますね!
(写真:吉比産業 23-24秋冬コレクション個展より)


日本初のジャパンレザー総合プラットフォームとして人気を集める「teema(テーーマ)」でも、触覚共有技術を利活用することで、ジャパンレザーの優れた風合い、秀逸なタッチ感を世界中のレザーファンにお伝えできるようになったら素敵ですね!

「ワイドナショー」は「TVer」で見逃し配信中。目安タイムは、45:45~。配信期間は1月28日(日)朝まで。



なお、「docomo Open House'24」は、オンラインサイトで2月29日(木)まで展示を掲載しています。



【イベント】上吉川祐一 写真展「いのち」

レザーファン注目の写真展がフジフイルムスクエアでスタート。2月1日(木)まで開催中です。写真家 上吉川祐一さんが、畜産農家からタンナーまでを丁寧に取材し、牛革製品が完成するまでの過程を撮影した作品を展示しています。

「皮革産業の盛んな兵庫県たつの市で生まれ育ちました。初めて牛革財布の撮影依頼を受けたのは15年前。その後も依頼をいただく中で、どのような過程を経て牛革製品となっていくのかに興味が湧き、取材を続けてきました。食肉加工をするための屠畜場では目を背けたくなるようなシーンもありましたが、大切な命をいただいて生活をしているという事実にあらためて気付かされました。私たち消費者が目にするのは製品となった後ですが、その過程には多くの人たちが関わっています。写真展を通じてその人たちの思いとともに私たち人間は動物や生き物たちに生かされているということが少しでも伝わればうれしく思います」(上吉川祐一さん/フジフイルムスクエア公式ウェブサイトより)。

食肉の副産物として産出される皮を利活用してつくる牛革製品を通じ、「いのちの大切さ」について考えるきっかけとなりそうですね。

巡回展は、富士フイルムフォトサロン 札幌で3月15日(金)~3月20日(水・祝)、富士フイルムフォトサロン 大阪で5月17日(金)~5月30日(木)に行われます。どうぞお楽しみに。



【メディア情報】「ジャパンレザーVOICEダイアリー」

2023年12月20日(水)に配信された「TIME&EFFORT ジャパンレザーVOICE」。その放送後記「ジャパンレザーVOICEダイアリー」第18回が公開されました。
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第一特集「キーパーソンインタビュー」のゲストとして、国内最大の革製品コンテスト「ジャパンレザーアワード2023」グランプリ受賞者 石橋善彦さんをお迎えしました。
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レザークリエイターを目指すきっかけやグランプリ受賞作品についてなどをお話しいただきました。



第二特集はジャパンレザーに関するさまざまなトピックを厳選してお届けする「最新トピック紹介」。今回は11月03日の「いいレザーの日」にちなんで、秋のイベントレポートをご紹介。
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「浅草エーラウンド」「O-ROUND(オーラウンド)」「SOKA革市」「獨協大学 SOKA LEATHER SAVOR」「豊岡鞄展」についてご紹介しました。
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ぜひ、ご覧ください。


なお、「豊岡鞄展」でご紹介した兵庫県豊岡市は人気の温泉地、城崎にも近く、ショッピングツーリズムにもぴったり。アクセスは、地元のコウノトリ但馬空港がおすすめです。羽田空港から最短で2時間(大阪国際空港・伊丹空港で乗り換えあり)。JAL国内線運賃全面リニューアルや但馬各市町の運賃助成制度によるキャッシュバッグなどもあり、とても注目されています。お出かけの際、利用してみてはいかがでしょうか?



【展示会情報】「富田興業」神戸展

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皮革卸「富田興業」2024年-25年秋冬コレクション個展 神戸展が2月1日(木)~2日(金)の二日間、兵庫県神戸市長田区 神戸レザークロスで行われます。神戸展のご来場については、インスタグラム公式アカウントのDMなどでご確認ください。


東京展では「革の解放」をテーマに展開。
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革という素材の新しい可能性を探求し、伝統的な使用方法や規範から解き放たれた新しい表現を試みています。
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ゲストブランド的に神戸レザークロスのブースも展示されました。


【業界トピック】革製品メーカーがサッカー選手と個人スポンサー契約を締結

鞄・革小物の製造を手がける株式会社wajiが、2024年1月1日に松本光平(まつもとこうへい)選手(ニュージーランド Hamilton Wanderers所属)と個人スポンサー契約を締結。失明危機に陥るも現役復帰を果たし、プロとして挑戦し続けるフットボーラーをサポートしていきます。

同社代表取締役 菅野裕樹さんと松本選手はフットサルのプレーを通じ親睦を深め、自身の置かれた状況をハンデと思わず挑戦を続ける松本選手に心を鷲掴みにされたことがスポンサー契約のきっかけに。同社の挑戦へのモチベーションをさらに高めるものと考え、ともに挑み続ける姿勢でサポートしていくとのことです。

契約にあたり、松本選手に視力障害を持つ方でも使い勝手の良い財布と白杖ケース(共に本革製)を特注製作しプレゼントしました。こうしたプロダクトを、障害を持つ方と健常者の双方にとって使い勝手がよく魅力的なブランドとして展開することでファッションの壁をなくし、松本選手の「視⼒障害の⼦どもたちがスポーツをする環境づくりをしたい」という思いを実現するべく、商品代金の10%(予定)を活用できるプロジェクトを実行予定です。

松本光平選手は、セレッソ大阪U-15、ガンバ大阪ユースを経て、単身海外に渡りチェルシーの下部組織に所属し、ニュージーランドをはじめ多くのチームで活躍。2019年12月にカタールで開催されたクラブワールドカップには大会唯一の日本人選手として出場を果たしました。2020年にトレーニング中のアクシデントにより失明の危機に陥るも、過酷なリハビリによりわずか4か月でプレー再開。右目の視界はほぼ真っ白、左目は視力0.01以下という状況ながらも、細やかなプレーやフィジカルを補うためにフットサルチーム(デウソン神戸)にてプレー。ロービジョンフットサルでは2022年に日本代表強化指定選手に選出されました。2023年3月にフットサルチームを退団し、再びクラブワールドカップ出場を目指しニュージーランド Hamilton Wanderersに移籍。

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株式会社wajiは、2016年創業。プロのものづくり集団として本革にガラスを埋め込んだ革小物「glart(グラート)」や、ものづくりで保護猫を支援するプロジェクト「aoneco(アオネコ)」(写真・上)などのブランドを手がけています。2023年には大阪府堺市とSDGs実現に向けた「jidai(ジダイ)プロジェクト」を開始。堺市やタカラベルモント株式会社などのパートナーとともに、役目を終えた資材を用いた商品開発を行い、新たな価値の創造に挑戦しています。


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同社代表取締役 菅野裕樹さんは、配信番組「TIME&EFFORT ジャパンレザーVOICE」の人気コーナー「キーパーソンインタビュー」に登場し大好評。現在、「JLIAtv」で見逃し配信中。こちらも併せてご覧ください。



【イベント情報】「たいとう再発見スタンプラリー」

「ものづくりのまちで活躍するクリエイター・デザイナーと出会う」イベントが1月30日(土)、東京都台東区で行われます。
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昔から地場産業が盛んで、職人が多く住む台東区南部地域。ファッションや雑貨、デザイン関連の創業支援施設「デザイナーズビレッジ」の卒業生の工房や経営店舗をめぐり、まちの魅力を再発見できる企画です。対象は16歳以上の方。定員15名。参加費 500円。くわしくは下のリンクをご参照ください。


カテゴリー: ジャパンレザー トピック&イベント まとめ

松の内が終わって、正月気分もそろそろ終わり。今週は、皮革業界の展示会が行われます。能登半島地震後にもかかわらず、東京株式市場で日経平均株価の上昇傾向が続いていますが、ジャパンレザーにいまできることを考えていきたいですね。

今週も最新トピックやイベントをお伝えいたします。参考にしていただけますように。


【ライブ配信情報】「ジャパンレザーVOICE」

インターネットラジオ×YouTubeハイブリッド型動画コンテンツ配信「ジャパンレザーVOICE」(#レザボイ)第19回が、1月17日(水) 16:00からアズーリFM公式サイトよりライブ配信(生放送)されます。


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「ジャパンレザー旬暦」革製品紹介
<春財布>特集

毎日使うお財布はメイドインジャパンから選びたい、というユーザーの皆さまに向け、買い替えたい・ラッキー財布、買い足したい・便利なサブ財布をご紹介。
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東京と大阪の有力ファクトリーのオリジナルブランドと、エキゾチックレザーをフィーチャーした「LEON」11月号タイアップ企画の掲載アイテム(「ジュンヤワラシナ」コインケース)も登場!
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カラーバリエーションも豊富で鮮やかな色合いもそろいます。

リザードは干支レザーとしても注目です。2024年は「辰年」。干支の辰・竜に見立てて、トカゲ革、リザードが注目です。とかげは漢字で「石竜子」と書くこともあり、見た目も小さな恐竜のようですね。2023-24年秋冬コレクションでは、ビッグメゾンがシューズやバッグにリザードやクロコダイルなどのエキゾチックレザーを採用。さり気なく贅沢を楽しむ「クワイエットラグジュアリー」という新潮流ともマッチしています。

次の最強開運日は3月15日(金)といわれていますので、春財布をお探しの際に参考になさってください。


「ジャパンレザー最新トピック紹介」

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ジャパンレザーに関するさまざまなトピックを厳選してご紹介します。「日本皮革製品マイスター認定証授与式」のレポート、東日本バッグ工業組合のブランドプロジェクト「BAG MAKERS TOKYO」によるBtoBの合同展示会「START EXHIBITION」<1月25日(木)・26日(金)、東京・浅草 雷門前 LION BUILDING STUDIO>のお知らせです。ぜひ、ご視聴ください。


【展示会情報】BAG MAKERS TOKYO「START EXHIBITION」

東日本バッグ工業組合のブランドプロジェクト「BAG MAKERS TOKYO」がBtoBの合同展示会「START EXHIBITION」が1月25日(木)~26日(金)の二日間、東京・浅草 雷門前 LION BUILDING STUDIOで行われます。
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江戸末期の嚢物の伝統を守りながら革新に挑む、東日本バッグ工業組合のブランドプロジェクト「BAG MAKERS TOKYO」。東日本バッグ工業組合公式ウェブサイトが2023年年頭にリニューアルオープン。団体名の改称に続き、イベント開催、オンラインミュージアムの公開などを含め、ブランディングの推進、情報発信を強化することで、より一層、ユーザーの皆様に寄り添う ものづくりをアピールしています。

革を中心としたバッグ・小物の可能性を切り拓く企業に対して、認証制度をスタート。現在、23社が加盟しています。「START EXHIBITION」参加社はそのなかの10社の予定です。

㈱きくひろ、㈲清川商店、㈱グローアンドグロー、㈱三和袋物、㈲塩野、㈱ステージ、 ㈱タイコウ、㈱フルグレイン、㈲野村製作所、㈱ラモーダヨシダ
以上50音順で10社ご紹介いたしました。

会場のLION BUILDING STUDIOは、かつて銀行として使用されていたレトロな建築としてお馴染み。撮影スタジオやイベントなど、多彩な用途で使用されています。2023年には、人気芸人 シソンヌ じろうさん主演ドラマ「心霊内科医 稲生知性」ファーストシーズン、セカンドシーズンの撮影も行われたようです。「TVer」では深夜単発ドラマとして異例の再生回数を記録し、話題となりましたね。

そんな注目のスペースで、受け継がれた技術力と進化しつづけるものづくりをプレゼンテーション。時を超えて動き出す、新たな発見の場となります。




【イベント情報】「本日は革日和♪」

当ブログ月イチ連載でお馴染みの村木るいさんが主催する人気イベント「本日は革日和♪」、2024年の第一弾が1月18日(金)・19日(土)、大阪・奥なんばエリアで行われます。

「本日は革日和♪」は「革がもうちょっと楽しくなる」をコンセプトに開催。全国各地で展示会や革屋さんの感謝市、バスツアーなどを企画・運営されています。
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写真は2023年東京開催時に撮影させていただきました。

「今回は、革屋・工具・刃型屋など各種革職種による合同展示会(有料/事前予約制予定)、割り漉き屋やバッグメーカー見学の徒歩ツアー、大国町の革屋さんによる感謝市を金曜・土曜で開催! と目玉企画がいっぱいです。展示会では革に関する工具や革の紹介・販売・技術ワークショップなどをしています。限定品!や特価セール!などはありませんのでどの回にご参加していただいても大丈夫です」(村木さん)。

ビジネスパーソン、クリエイター、レザークラフトファンのビギナーも楽しめる内容となっていますので、ぜひ、お出かけください。



【イベント情報】「芦原橋はみだし市」

同じく大阪の人気イベント「芦原橋はみだし市」が毎月第3日曜に行われています。

同イベントの前身「芦原橋 upmarket」での人気コンテンツだった「革の端材」販売を継続。靴づくりが盛んな周辺エリアのメーカーで出る革の端材を格安で販売し、つくり手のファンに愛されています。革だけでなく、生地、紙、金属、木材などなど、こういう端材のような「はみだし物」を集め、つくり手たちが新しく、おもしろいものをつくり出すきっかけに。サステナブルな取り組みとしても注目が集まります。金曜・土曜は都合が合わず、「本日は革日和♪」に出かけられない方はこちらもチェックしてみてください。



【ラーニング情報】「大阪府皮革業界総合研修」

恒例企画「大阪府皮革業界総合研修」がスタートしています。1月23日(火)は、「これだけは知っておきたい革の特性 クレーム事例から学ぶ」。

一般財団法人日本皮革研究所 技術顧問・評議員、特定非営利活動法人日本皮革技術協会 副理事長の稲次俊敬さんがご登壇。

「これだけは知っておきたい革の特性」について、クレーム事例から学びます。
長年に亘る革・革製品の試験・研究に携わる傍ら、苦情相談に対応してきた経験から、クレームを防ぐためには、不良品の製造や革製品の取り扱いを誤らないように革の特性、特に、革の弱点について理解しておく必要性を強く感じています。革の染色堅ろう性、耐熱性、耐薬品性、水分特性、仕上げ(塗装)膜の剥離強度等について取り上げます。

日本エコレザー基準(JES)認定制度がスタートして15年が経過。この制度の概要説明と成功事例、今後の取組みについてお話してくださいます。くわしくは下のリンクをご覧ください。



【ラーニング情報】「皮革関連セミナー」

東京都立皮革技術センター台東支所の恒例企画「皮革関連セミナー」が今月も行われます。令和5年度第7回「皮革関連セミナー」は「紳士靴の基礎知識」を株式会社リーガルコーポレーション 製造部部長の石原邦生さんがレクチャー。

良い靴は、素材と構造が大切です。紳士靴について、グッドイヤー・ウェルト製法等をはじめとした基礎的な知識にとどまらず、靴底の素材やつくりなどについて、わかりやすく解説し、紳士靴の魅力についてお話しくださいます。くわしくは下のリンクをご覧ください。


カテゴリー: ジャパンレザー トピック&イベント まとめ

新年のご挨拶を申し上げます。元日に能登半島地震が発生し心を痛めております。被害に遭われた方々に対しまして、心よりお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興を心からお祈りいたします。
今週もレポートを含め、イベントや最新トピックをお伝えいたします。参考にしていただけますように。


【レポート】「極めのいち素材」

12月7日(木)~8日(金)の二日間開催された「第106回 東京レザーフェア」にて、参加各社による自信作・意欲作がそろう「極めのいち素材」がブース出展。
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前回の1~3位はこちら。
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そして、来場者による投票を経て、結果が発表されました。

3位 寿屋「防水ソフトシュリンク」
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革らしい吸い付くようなタッチ感。タンナー独自の鞣し技法でできたソフト感と防水性。付加価値性が高くバランスのよい一枚です。

2位 相川商事「ティアーレ」
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「唯一無二、ここでしか生まれることのない神戸革」。
血統の純潔性により守り続けられた神戸革の素材感を活かし、ボリュームのあるシボ感と、肌の柔らかさを感じるタッチを表現。神戸革の中でも下地を厳選し、トレンドのオイルタッチに仕上げています。

1位 山陽「雪舟-Sesshu-」
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雪舟の水墨画をオマージュしたムラ染めの革。
革の染色歴40年の職人が染料の投入量・色、太鼓の回転数・タイミングに試行錯誤を重ねてつくり上げたそう。ヌメ革をはじめ、革らしい革を多く手がける老舗タンナーのチャレンジング、素晴らしいですね!

近年、レザーではアートに近い表現が注目されていますが、1位の「雪舟-Sesshu-」は水墨画へのオマージュというアプローチが本格的で伝わりやすかったと思われます。

また、2位、3位とも、「タッチ感」がテーマとなっているのが見逃せません。コロナ禍を経て、通常出社の増加など日常生活が戻りつつあるなか、ステイホーム時代から醸成されてきた、「ストレスフリー=心地よさ」や「自分らしさ」への追求が、レザーへのニーズとして浮上しているのかもしれません。なお、1~3位のレザーは次回の「東京レザーフェア」で展示されます。楽しみですね。



【イベント情報】「ジャパンレザーアワード」

ジャパンレザーアワード2023 受賞作品一般公開(「b8ta Osaka - Hankyu Umeda」特設ブース)の全日程が無事終了。お出かけくださった皆さま、ありがとうございました。
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ジャパンレザーアワード2023 受賞作品および、受賞者のインタビューを公式ウェブサイトで公開しております。ぜひ、ご覧ください。



【展示会情報】皮革卸個展

皮革卸企業各社が2024年-25年秋冬コレクション個展を東京・浅草周辺エリアで開催します。画像は、前回開催時に撮影させていただきました。

「富田興業」
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日程:1月17日(水)~19日(金)
場所:富田興業株式会社 本社 2F ショールーム(台東区今戸1-3-12)


「吉比産業」
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日程:1月17日(水)~19日(金)
場所:吉比産業株式会社 東京支社 ショールーム(台東区東浅草1-2-2)


「丸喜」
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日程:1月17日(水)~19日(金)
場所:株式会社丸喜 本社 4F ショールーム(台東区今戸2-33-5)


このほか、皮革卸企業・個展プレ情報は鞄・バッグの専門誌「Bagazine」最新号(1月1日号)、「皮革卸企業・個展プレ情報」特集(26面~)で掲載されています。併せてチェックしてみてください。お手もとの誌面をご参照ください。


【メディア情報】「バガジン」

皮革・革製品などのサステナビリティを発信していくプロジェクト、Thinking Leather Action(シンキングレザーアクション/#TLA)の川北芳弘座長インタビューが「バガジン」(1月1日号)、6~7面に掲載されました。オンライン版の記事も公開されていますので、ぜひ、ご一読ください。



【メディア情報】「おしゃれクリップ」

国内外で高く評価された「THE LEATHER SCRAP KIMONO」が話題となった篠原ともえさんが、人気トーク番組「おしゃれクリップ」(日本テレビ系/毎週日曜22:00~)、1月14日(日)放送分に出演されることが発表されました。

「THE LEATHER SCRAP KIMONO」の取り組み、皮革産地 埼玉県草加市のつくり手たちとのコラボレーションなどについても紹介されるとうれしいですね。


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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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