欧米ブランドに「負けていないぞ!」

May 8, 2024

ジャパンレザー NEWS【まとめ】2024年5月(2)

カテゴリー: ジャパンレザー トピック&イベント まとめ

大型連休が終わると、鞄・バッグ業界の展示会。今年は来週行われます。この時期に合わせ若い世代の事業者が新しい取り組みを発表。つくり手、ビジネスパーソンのつながりがほしい方におすすめです。最後のトピックでご紹介いたします。
このほか、今週もレポート、最新トピックやイベントなどをお伝えいたします。参考にしていただけますように。


【卒展レポート】台東分校 製くつ科
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東京都立城東職業能力開発センター 台東分校 製くつ科が、3月21日(木)に令和5年度 製くつ科 52期生 卒業制作展を開催しました。
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同校は、人気漫画作品「靴の向くまま」で紹介され話題となっています。

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熱気にあふれた会場。こうして通常に戻って展示を拝見できてうれしいです。

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エントランスには、すべての出品作品の写真を展示。
来場者のアンケートにより、投票項目ごとに最も得票数の多かった作品は・・・

〇販売していたら購入したい靴:「スパッツ」(写真・奥)
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〇見た目が良い靴:「ガウディの逆さ吊り実験」
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〇発想が斬新な靴:「とりよせバックツ」(写真・右)
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1位獲得、おめでとうございます!

このほか、今年度もお一人おひとりの個性を生かした作品がいっぱい!
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トレンドのカウボーイ・コアファッションもいち早くキャッチ。
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チノパンツ、ジーンズなどボトムスとのコーディネートによるディスプレイも新しい提案でした。
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東武鉄道の新型特急列車「スペーシアX」をモチーフにした作品が目をひきます。
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東武浅草駅から出発してすぐ鉄橋を走行する姿を目にする機会が多いですよね。新しいアプローチの「浅草らしい靴」といえるかもしれません。

家族の絆を感じる作品も。
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ご両親のためにつくった靴を作品として展示している方がいらっしゃいました。理想的な男性像・女性像ではなく、大切なひとのために・・・という ものづくりが素敵です。
   
退場時には、開運おみくじのプレゼントに感激しました!
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「牛吉」があたるとラッキー。パズルにもなっていて楽しいサプライズでした。
   


【卒展レポート】専門学校ヒコ・みづのジュエリーカレッジ
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専門学校ヒコ・みづのジュエリーカレッジの卒業制作展と学園祭が融合したイベント、「卒祭 2024」が3月8日(金)~10日(日)に行われました。
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シューズ・バッグコースの展示にお邪魔してビックリ。今年度は、とにかく突き抜けている作品が多く、度肝を抜かれました。
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残念ながらレザー以外のマテリアルの使用が多めでしたが、般若心経をモチーフにした作品や手で履く靴など、着想を作品として成立させたパワーが素晴らしい! パーツが多くて大変そうな作品にもかかわらず、縫製のよさがアイディア、デザインを引き立てて、完成度を高めています。茶目っ気のあるヴィジュアルもいいですね。

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レザーを使用した作品では、ボトムスと一体化した靴や、左右で色が異なる作品・・・。
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シャーリングのような技法で連続性のある美しさなど、アート的なアプローチの作品は、同校らしさがありますね。

また、AIの活用も進んでいて、手仕事、デジタル、AIを融合させた次世代型ビスポークの提案も秀逸!
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開発者の大澤さん。すでにさまざまなオファーがあり、クリエイターとして活躍中です。
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シューズデザインのAI自動画像生成のプレゼンテーションは、希望するキーワードを音声入力します。「ジャパンレザーの魅力を表現するシューズ」と伝えて数秒で・・・。
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卒展24ヒコ自動生成02.jpgのサムネイル画像
オリジナルシューズの画像が表示されます。シューズデザインが大きく変わる時代の到来を感じました。



【メディア】「Bagazine bit」

鞄・バッグの専門誌のウェブ版、「Bagazine bit」の恒例企画<バッグ・鞄業界2024年5月展示会場マップ>が公開されました。

バッグメーカー各社の展示会場をグーグルマップ上で紹介。それぞれのピン(マーカー)をクリックすると、社名、場所、日程、コメント(テーマ、コンセプト、商品ラインナップなど。内容は各社によって異なり、記述がない場合も)が閲覧できます。移動ルート確認にとても便利な仕様です。どうぞ、ご活用ください。



【イベント】「豊岡鞄展」

国内有数の鞄産地、兵庫・豊岡の地域ブランド、「豊岡鞄」の展示会が5月16日(木)~19日(日)、東京・丸の内 KITTE B1 東京シティアイ パフォーマンスゾーンで行われます。各日10:00~19:00開場。入場無料・予約不要です。
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鞄の本質に向き合い続ける豊岡鞄のものづくりを、もっと身近に体験していただきたい。そんな思いの詰まった展示会です。
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豊岡鞄・豊岡財布の展示販売を中心に、鞄職人が日々使い込む愛着ある道具たちをはじめ、豊岡鞄を形作る一つひとつの大切なパーツの展示。豊岡鞄の始まりや地域について紹介されます。熟練職人の実演も毎回好評です。
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豊岡鞄展では、新しい人材を募集。
雇用とつくり手の育成を産地で取り組むアルチザンスクール、鞄縫製者トレーニングセンターが好評です。鞄づくりを地域の産業として発展させていくために、鞄職人の育成に注力。豊岡市と鞄工業組合が協力して作った"アルチザンスクール" は、鞄づくりに必要な知識と技術、経営学などを学べる鞄の専門学校。" 鞄縫製者トレーニングセンター" は現場で活かせる技術を短期で習得できる場として、鞄縫製者の人材育成に取り組んでいます。
鞄が好きな方やものづくりに興味のある方、ファッションや流行の物に触れてみたい方は是非この機会にお越しいただきスタッフまでお気軽に。移住についてのご質問や住まいについても豊岡市、市役所職員と一緒に相談にのってくれます。

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また、職人の道具で作る、簡単・本格的なワークショップ(500円~)を開催。ミニチュアバッグなどのものづくり体験にトライできます。写真は前回開催時に撮影させていただきました。



【イベント】waji主催フットサル大会

鞄・革小物の製造を手がける株式会社wajiが、鞄業界へ向けた、ビジネスの枠を超えた経験の大切さを皆で分かち合いたいという想いから、フットサル大会開催を発表。5月14日(火) 19:00~22:00、浅草RO・3G 5F フットサル場 スーパーマルチコートで行われます。

今回の企画は同社 菅野社長がはじめたフットサルがきっかけ。「自分自身がサッカーを続けてきていたこともあり、つながりのある職人や材料メーカーの方たちと、日ごろの運動不足解消で始めたのがきっかけです。皆久々の体験で、経験者は当時を思い出してエキサイトし、未経験者も運動を通じた何とも言えない解放感や達成感を感じていました」(菅野社長)。

フットサルで関係ができた方々と、新たな提案やビジネスの展開に発展することが多くなるそうで、「絆というか、つながりと言いますか、仕事の枠を超えたもの。うまくは言えませんが、関係性が深くなり、新たなビジネスが生まれやすくなりました。そんなことから、もっとこの輪を広げたいと考えるようになりました。スポーツや体験を共有することで、仕事としてのつながりを超えたものが生まれます。フットサルに拘らず、私たちがコミュニティを提供することで、きっかけ作りの一助になり、鞄業界を盛り上げていければと思っております。皆様のご参加、お待ちしております!!」(菅野社長)。

同社では、2024年 1月1日に松本光平(まつもとこうへい)選手(現 ソロモン諸島 ソロモン・ウォリアーズ所属)と、個人スポンサー契約を締結。松本選手は失明の危機に陥るも現役復帰を果たした、プロとして挑戦し続けるフットボーラー。夢を追いかける松本選手をサポートしています。

過去3度のフットサル大会を開催し、先述した松本選手との出会いやプロジェクトも発足。このように、体験を通じて生まれる絆やつながりを、生業とする鞄業界にも広めていきたいそうです。

参加費は無料(レクレーション傷害保険加入料込み)。経験者、未経験者でチーム分けとなりますので、未経験者の方でも安心。雨天決行(屋根あり)。参加賞あり。レンタル品に関しては自費です。申し込みは5月10日(金)まで。下のリンク先の参加フォームでエントリーできます。


プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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