欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2010年7月 の記事

カテゴリー: 国内革事情

 

 
引き続き、国内の有力産地、
兵庫県たつの市 中嶋皮革工業所のレポートです。


きれいに染め上がった革を乾燥しています。
心地いい風が通り抜ける広い場所に整然と・・・圧巻。

ヒキ 1.JPG 

ヨリ 2.JPG

 

こうしてみると、牛の面影がわかりますね。
生命があった証としての「皮」が、自然のチカラと、つくり手の情熱によって
じっくりと時間をかけ、「革」に仕上げられていきます。


 

3.JPG

 

微妙な色合いがうつくしい。こうして上質なレザーが生まれます。

 

 

 

こちらは、これまで手がけたアーカイブがそろう資料室。
歴史とともに、ジャパンレザーの現在進行形が息づいていました。
 

 

4.JPG

 


近年では、加工が複雑になり、革味の表現も複雑になってきているので
クライアントからのオーダーを具体的にイメージし、
確認するためにしつらえたそうです。

 

「皮は正直だから、無理をさせたらダメ。原皮を知り、
よさを最大限に引き出すように心がけています。
ありったけの想像力をふりしぼって、ルールにとらわれず、
革と夢中で遊んでいるような感覚でしょうか。
世界的にも認められているジャパンレザーをもっと幅広いユーザーに
知っていただけるよう発信していきたい」と中嶋代表。

クリエイティビティは もちろん、品質がとても高いんですよ。
ニーズにきめ細やかに対応するなかで培った
優れた技術力、価格競争力は“ものづくりニッポン”の誇りです。
 

 

 

5.JPG

6.JPG

 

 

手仕事を重ねたヴィンテージ調加工、通常よりも贅沢につくられたシュリンク。
「いままでにない、いいものをつくりたい!」
スタッフのかたがたの想いがこめられた逸品がぎっしり。
パッと見た瞬間に惹きつけられて、近づいて思わず触りたくなる。
そんな革がいっぱいあって、時間を忘れてしまいました。

 

 

中嶋皮革工業所 ホームページ

http://www.hyota.com/nakashima/

 

 

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー: 国内革事情

           


ブログ連載20回を記念?して
ジャパンレザーがうまれる場所をレポート。
国内の有力産地、兵庫県。
その南西に位置する たつの市は、
個性的なタンナーが切磋琢磨していると話題になっています。
なかでも、世界最大といわれる皮革展示会
「リニアペッレ」にも出展し、
国内外での評価が高まる中嶋皮革工業所へ
おじゃましてきました。

 

 


先日行われた
「第82回東京レザーフェア(2011春夏コレクション)」で
出会い、そのクオリティに感激。
つくっている現場をどうしても見たくなってしまいました。

 

たつのの風景.JPG

 

たつの市は、自然が残るすばらしい環境。

 


美しい水を豊かにたたえる川(ちらっと見えますか?)、
「赤穂の天塩」で おなじみの自然塩、
そして、但馬牛で知られるように兵庫県は畜産もさかん。
(皮革の原料は食肉の副産物です)
ジャパンレザーの生産にはベストなんですね。

 

 

ちなみに、水と塩を使ったものとして
そうめん(「揖保の糸」)や
醤油(「ヒガシマル醤油」)があると聞き、

納得しました。

なんだか親近感が湧いてしまい

東京に帰ってから「揖保の糸」と ヒガシマル醤油を

買ってしまいました(苦笑)。

 

 

 

 

ファクトリーに到着。
広大な敷地にたくさんの施設と機械に圧倒されました。

 

1階.JPG

タイコ.JPG

 

 

洗いやその他の加工に用いられる“タイコ”と
呼ばれる大きなドラム!
生皮を加工した、ウェットブルー、ウェットホワイトと
呼ばれる状態のレザーも積まれていました。

 

 

 

染色用の機械がある広々としたスペース。まるで体育館のようです。

 

染色 2階.JPG

調合.JPG

 

 

染色用の調合をしているようす。経験が生かされた繊細なプロセス。

 

 

5.JPG

 

いろいろな作業を積み重ね、丁寧にレザーを染めていきます。

 

 

 

驚いたのは、若い職人さんたちが多かったこと。
ベテランスタッフのかたがたと連携、
伝統技術が着実に受け継がれていて、うれしくなりました。

 

 


次回に続きます。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー: 国内革事情

         

 

 


続きまして
「第82回東京レザーフェア(2011春夏コレクション)」の
レポートです。

 
ものづくりを発信する皮革産地が参加していて
パワーにあふれていましたよ。
気になったブースをピックアップし、ご紹介します。

 

 

 

 

 


 
東京都・東京製革業産地振興協議会

 

 


気鋭の若手デザイナーを起用し、

ピッグスキン(豚革)を用いたコレクション ピギーズスペシャル。

 

ピギーズスペシャル.JPG

 

 

坂部三樹郎さん、AKIRA NAKAさんによる作品を展示。
ぬくもりがあるレザーがモダナイズされたリアルクローズに。
また、エコレザーも充実していました。

 

 

 

 

 

 

日本ソフトレザー事業協同組合

 

 

「やさしい、品質。」をモットーに
最高水準の技術で人に優しいソフトレザーを製造。

 

小笠原染革.JPG

 

 

こちらがとても美しかった! ゴート、バッファロー、カーフ・・・
異なるマテリアルを同じトーンで染め、
それぞれの革味を最大限に引き出しています。

小笠原染革

http://ogasawara-leather.jp/


 

 

 

 

兵庫県 兵庫県皮革産業協同組合連合会

 

 

国産成牛革の70%を産出する、世界的にも

高品質な皮革の産地です。
たくさんの参加ブースのなかから下記の2社をご紹介。


http://www.hyohiren.or.jp/

 

 

 


寺越産業

 

 

世界初となる 革半裁プリントアートを発表。

 

寺越産業.JPG

 

 

アーティスト 村上貴則さんとのコラボレーションにより
最新技術の「レザーグラフィックス」という特殊技法で表現。
かなりの迫力ですね。

http://takart.web.fc2.com/

 

 

 

 


中嶋皮革工業所

 


イタリアなど、ヨーロッパへ輸出され、高く評価されるタンナー。

 

中嶋皮革工業.JPG

 


本来の皮のよさを追求。自然皮に近いシリーズのほか、さまざまな加工を施した
良質のコレクションが目をひきました。

http://www.hyota.com/nakashima/

 

 

 

日本のものづくりは、力強い!

特に兵庫県は 多くの企業が切磋琢磨していて
クリエーティブ!!
ますますレザーの魅力に引き込まれました。

 

次回は、産地からレポートします。

どうぞお楽しみに。
 

 

 

 

 

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続きまして
「第82回東京レザーフェア(2011春夏コレクション)」の
レポートです。

 

 

 

「2010 TLF 学生創作展コンテスト」受賞作品が決定。

 

学生創作展.JPG

 

学生展示.JPG

 


第82回並びに第81回への応募作品
約500点(コンテスト参加校21校)のなかから
下記のかたがたが選出されました。おめでとうございます!

 

 

 


フットウェア部門


リネアペッレ賞(1位)  山下 舞子さん (文化服装学院)
優秀賞(2位)      谷中 真由子さん(文化服装学院)
準優秀賞(3位)     山口 周さん   (東京都立
                                  城東職業能力開発センター
                                                                     台東分校)

 


レザーグッズ部門


リネアペッレ賞(1位)  龍 晋太郎さん  (文化服装学院)
優秀賞(2位)      久保 あすみさん  (文化服装学院)
準優秀賞(3位)     安 芝慧さん     (文化服装学院)

 

 

学生らしいユニークな作品が多く、来場者にも注目されていましたよ。

 

 

 

 

 


台東区立産業研修センター内にオープンし
注目されるインキュベーション施設
浅草ものづくり工房のブースも人気でした。

 

モノコボ 1.JPG

 

個性的な靴、バッグなど、入居ブランドの意欲作が展示。

 

モノコボ 2.JPG

熱心に説明をするクリエーターたち。

 

 


浅草ものづくり工房は、
靴、鞄、バッグ、ベルト、帽子、ジュエリー、アクセサリーなど、
地元の産業とのネットワークづくり、
コラボレーション活動が積極的に行われています。

ユーザーのかたも見学できるそうですよ。
(事前にご予約ください)

 

 

 

 

今月末には、交流セミナーが開催されます!
くわしくは
改めてお知らせしますね。

 

 


■浅草ものづくり工房 

東京都台東区橋場1-36-2
台東区立産業研修センター
03-3876-3720 


ホームページ
www.monokobo.jp


入居者の事業内容、施設などのお問い合わせ、取材のご依頼などは、
インキュベーションマネージャー 浅香弘次さん までご連絡下さい。

 

 

 

まだまだ、ご紹介したいレザーがいっぱい。
次回に続きます。お楽しみに。

 

 

 


 

 

 

 

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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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