欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2017年5月 の記事

カテゴリー: トレンド

皮革及び皮革関連資材のトレードショーとしては日本最大級を誇る「第96回 東京レザーフェア 2018S/S Collection」が、5月25日(木)~26日(金)の2日間、東京・浅草 都立産業貿易センター 台東館 4~8Fで開催され、6,000人弱もの来場者を記録したそうです。

レザーフェア1705 00.jpg

次世代を代表する日本のデザイナーとして評価が高い坂部三樹郎さんにオファーし話題となった新プロジェクト、デザイナーとのコラボレーション。2017年度は、注目ブランド<ジェニー ファックス>のシュエ・ジェンファンさんが起用されました。

シュエ・ジェンファンさんは、ジャパニーズポップカルチャー最先端アイドルユニット でんぱ組.incや少女絵画家の高橋真琴さんとのコラボレーションをはじめ、「普通の女の子のための洋服」を展開し、人気を集めています。

ms161201.jpg
コラボレーションプロジェクトでは、「WITH」をテーマに皮革関連企業が提供した最高の素材を用いて作品をつくり、次回「第97回 東京レザーフェア」<12月6日(木)~7日(金)開催>のオリジナルレザーファッションショー(写真は昨年のようすです)で発表されます。


今年は、松本企画事務所、久保柳商店、墨田革漉工業の3社がコラボ企業に決定しました。平成6年に設立された新しい事業者、松本企画事務所。三重県名張市を拠点とし手染め、手描き、色づけなどの加工が得意です。創業75年目を迎える久保柳商店は、デザイン性が高い素材を展開。バリエーション豊富な商品が多く、半裁革(1頭を背中で分けた半身部分)1枚から販売し支持を集めています。

レザーフェア1705 01.jpg

前回の「極めのいち素材」でも1位を獲得。各社の素材づくりに対する情熱でつくりあげられた、渾身の一点を展示し、来場者が人気投票した結果です。受賞作品は「SHIBORI AI(絞り藍)」と名づけたジャパンブルーレザーの決定版。江戸時代から徳島は藍の生産を担い、その藍は<阿波藍>と呼ばれます。染色は天然灰汁発酵建てという100%天然素材を使って染める技法で、一枚一枚職人の手で染められたもの。革の質感と天然染色が調和し、美しい自然の色を表現。美しいですね。


昨年に続き、コラボ企業に選出された、墨田革漉工業。各種加工のエキスパートとして知られ、社名の革を漉く(厚さを調整する)加工では日本における元祖です。デジタルパンチング、プリーツ、スペシャルドット、デジタルカッティング・・・と、さまざまな加工に対応する最新鋭の3D加工機も導入。革に模様を施し、独自の立体感が秀逸です。豚革で取り組んでいるのは同社だけなのだそう。新しい革づくり・ものづくりへのチャレンジは、多くのクリエイターたちから信頼されています。

レザーフェア1705 02.jpg
今回も東京都/東京製革業産地振興協議会ブースに出展。社長自ら、若いつくり手たちと積極的にコミュニケーションし、ものづくりを次世代へとつなぐ架け橋となっています。


最終日にはトークショーを実施。シュエ・ジェンファンさんに加え、ゲストもスペシャル!

_S7A5807.JPG

でんぱ組.incほか、さまざまなアーティストを手がける音楽プロデューサー 福嶋麻衣子(通称:もふくちゃん)さん、人気メディア「WEB アクロス」編集長 高野公三子さんが登壇。「レザーの可能性」をテーマに若者のファッション市場、意識変化などについて語り合いました。

_MG_3095.JPG

コラボレーションについては、「普段は"死"とかの暗いテーマを選ぶことが多いけど、今回はポジティブなイメージにする。若いデザイナーにとってレザー使いのヒントになるようなクリエーションにしたい。ロリータ系のワンピースやウエスタンブーツなどを制作する予定」とシュエ・ジェンファンさん(「WWDジャパン」5月26日更新分より)。ファッションショーでの作品発表が楽しみですね。レポートは次回に続きます。



■ 参考URL ■

 東京レザーフェア <http://tlf.jp>


カテゴリー: 国内革事情

革のものづくり、ファッション雑貨の産地として知られるイースト東京。なかでも注目を集める蔵前を中心とした徒蔵エリア(カチクラ/御徒町~蔵前~浅草橋/台東区南部一帯)で、ビッグイベント「第9回モノマチ/モノマチナイン」が5月26日(金)からスタートします。


自治体ではなく、台東モノマチ協会(正式名称:台東モノづくりのマチづくり協会)という民間団体が主催。古くからものづくりが盛んで、製造・卸の集積地として歴史を有する地域の企業、事業者、計168社が参加します。ファクトリー、工房を一般公開し、会期中に特別なプログラムを実施。街歩きとともにものづくりに触れることができるイベントです。

モノマチナイン ロゴ.png

「今回のテーマは<発見>。イベントロゴも虫眼鏡を彷彿とさせるデザインです。本や工房、専門店、資材・部材メーカー、職人、クリエイターなどなど他業種多品種な専門店をめぐって、ものづくりのおもしろさや楽しさ、素晴らしさはもちろん、ものづくりだけではないこの街の魅力を発見していただけたらうれしいです」と実行委員長 坂東宏美さん。

モノマチナイン 限定グッズ.jpg

「モノマチナイン」のロゴマークをモチーフにしたコラボグッズには、バッグ、革小物もリリース。記念になりますね。

モノマチナインリリース 公式イベント.jpg

公式イベントは、クリエイターが出展する「モノマチクリエイターズマーケット」、インキュベーション施設<台東デザイナーズビレッジ>一般公開、「ものづくりマーケット」に加え、子ども向けワークショップを多数行う「子どモノマチ」(佐竹商店街)が今回新たに始動。キーケースなど、革小物づくり体験もありますよ。

official-06.jpg写真共有アプリ、インスタグラムを利活用し、投稿した写真をプリントできるサービスも注目です。

居皮屋.jpg

プロ仕様のファクトリー公開は、浅原皮漉所(「革小物つくりワークショップ 居皮屋」、「くるみボタン雑貨製作体験」ほか)、田中箔押所(人気ブランド<カーマイン>とのコラボレーション企画ほか)。

DAMAuaLUMAI1ly0.jpg

カーマインさん田中箔押所さんコラボ.jpg

熟練職人の実演の見学はもちろん、革漉きや箔押しを実際に体験できるワークショップも人気ですよ。

トッピングラリー.jpg

毎回人気を集める<トッピングラリー>は、ショップをめぐりながら、好みのパーツをプラスし、ユーザーがバッグをカスタム。すでにリピーターが多く、ベースとなるバッグが完売してしまうのが早いので、2日目までの参加をおすすめします。

チクタクトントン.jpg

「チクタクトントン ~レザーの時計を作ろう~」(IKETEI VILLAほか)、レザー関連企画も多様なラインナップ。

モノマチナイン 大河さんws.jpg

レザー関連ワークショップも充実。「Japan Leather Award」歴代のグランプリ受賞ブランド<tokyo toff.>アトリエでは、「レザーカードケースづくりワークショップ」を開催。

浅草橋工房ws 栃木レザー.jpg

ブランドレザーとして知られる、栃木レザーを使用し、ノートや小物がつくれるのは<浅草橋工房>。要予約ですのでお早めに。

夜マチ工房.jpg

<NOLA torigoe>では、ナイトイベント「夜マチ工房」もあるので、仕事帰りにも間に合いますよ。

モノマチナイン YKKさん.jpg

このほか、世界的ファスニングメーカー YKKのものづくり拠点<ものづくり館 by YKK>では、「ものづくりフェスタ in モノマチナイン」を開催。「手芸女子のためのよくばり散歩」、「蝋引きワークショップ」など、DIY派が楽しめるプログラムが豊富にそろいます。


P1020285 P1020325

また、近隣では大阪の人気イベント「本日は革日和♪」<5月26日(金)~28日(日)>が出張。さまざまなジャンルの出展社による展示会、いますぐ役立つセミナー、スキルアップができる講座など、プログラム盛りだくさんです。どうぞお見逃しなく。



■ 参考URL ■

 モノマチナイン <http://monomachi.com/>

 本日は革日和♪ <http://ccrui.sakura.ne.jp/kawabiyori/archives/2897>


カテゴリー: トレンド

株式会社サックスバー ホールディングスのグループ会社である株式会社東京デリカのプライベートブランド合同展示会が、東京・秋葉原 秋葉原UDXギャラリーで開催されています。

デリカ展示会170501.jpg

バッグ小売チェーンとして国内で600店舗以上を展開する同社が、オリジナルブランドの新作を発表。そのなかでも、日本製革製品を中心にご紹介します。

スマートピープル.jpg

スマートピープル02.jpg

会場に入ってすぐのブースで新プロジェクト<SMART PEOPLE(スマートピープル)>をお披露目。スマートフォン、カード決済が普及し、フリーアドレス、ノマドワーカーなど働き方の変化も顕著な時代、スマートフォンから派生するニーズに対応。まずは、オンラインショップからスタートする予定だそう。

dgw01.jpg

dgw02.jpg

dgw03.jpg

カバー、ケースは家電量販店、デザイン系ショップでも取扱いがありますが、上質な革製ケースを探すユーザーがじっくりと選ぶことができるショップが多くないため、バッグ専門店ならではのノウハウを生かしたアプローチで、革製品を中心に提案しています。このところ、バッグ専門店では、財布、革小物に付随し、時計を扱い、売り上げ好調。さらには、イヤホン、デジタルガジェットと周辺の領域を拡大しています。

エフィー スマート.jpg
関連して、コンパクトなスマートウォレットも豊富(写真は<エフィー>)。

ゴールデンバンブー.jpg

ICカード乗車券、カード決済をメインにしたニーズに応えたアイテムです。なかでも、リブランディング後、快進撃を続ける<ゴールデンバンブー>の新作が目をひきます。

gb 財布2.jpg

gb 財布1.jpg
実用新案申請中の機能的なつくり。内側の札ばさみは、二つ折りでの収納を想定しています。ファスナーはYKKの最高級モデル、エクセラを贅沢に使用。デザイン性に優れた引き手もいいですね。素材には、姫路でつくられたレザーを用いたタイプもラインナップ。バイヤーからの発注が相次いでいました。


エフィーb.jpg

ジャパンメイドのバッグ、革小物をリリースする<エフィー>では、バッグのコーディネート提案が続々。注目のチェンジショルダーが登場しました。ショルダーストラップのみを販売しており、手持ちのバッグにつけることで新しい表情に。

エフィー cs.jpg
素材には東京レザー ピッグスキンを採用。高い技術力による加工により、パイソン調のプリントを施しています。

エフィー ファー.jpg

ファー小物もいっぱい。アイスクリーム型のバッグチャームが女子に大人気でした。


キソラ.jpg

<キソラ>では初のエキナカ新業態<エキソラ>が話題。この春、JR東京駅構内(改札外)の商業施設<グランスタ>に出店。

エキソラ 外観.jpg

上質なレザーの限定アイテムほか、バッグ、革小物を豊富に取り揃えています。忙しいビジネスパーソンが、仕事や出張の行き帰りに立ち寄り、滑り出し好調です。

エキソラ.jpg

この秋には、長野・松本に新店舗をオープン予定。店内に工房とワークショップスペースを常設。製品販売だけでなく、レザークラフトスクール機能を付加。<コト消費>だけでなく、滞在型の<トキ消費>のムーブメントをとらえた新業態となる予定です。

キソラ 松本.jpg

現在、店長兼職人を募集中。われこそは、というかたは下のリンク先にお問合せください。

dgw.jpg
バッグ小売を取り巻く環境が急速に変化していますが、従来の成功体験にとらわれない攻めの姿勢で、新たな可能性を開拓。今後の動向に期待が寄せられます。


■ 参考URL ■

 東京デリカ プライベートブランド合同展示会
 <https://www.facebook.com/events/1521394014537584/>


カテゴリー: 国内革事情

「第96回 東京レザーフェア  2018S/S Collection」が、5月25日(木)~26日(金)、東京・浅草 都立産業貿易センター 台東館 4-7Fで開催されます。

top_banner_96th

皮革の需要の拡大及び業界の発展を目的に、革製品素材である皮革・関連副資材が秘める可能性や魅力を紹介。皮革と皮革関連資材のトレードショーとしては日本最大のスケールです。毎年150社以上の企業が参加し、年2回行われています。

tlf_96th-1-246x349.jpg

昨年に続き、コラボレーションデザイナーを選出。人気ブランド<ジェニー ファックス>のデザイナー、シュエ・ジェンファンさんに決定しました。ジャパニーズポップカルチャー最先端アイドルユニット でんぱ組.incや少女絵画家の高橋真琴さんとのコラボレーションをはじめ、「普通の女の子のための洋服」を展開しています。

2017年度のテーマは「WITH」。皮革関連企業が提供した最高の革素材を用いて作品をつくり、次回「第97回 東京レザーフェア」<12月6日(木)~7日(金)開催>のオリジナルレザーファッションショーで発表されます。初日に、コラボ希望の企業が出展するポップアップブースより、企業選定を行い、2日目にコラボ企業の発表、トークショーを実施。シュエ・ジェンファンさん本人に加え、日本の最先端のファッションを扱うPARCOよりゲストを迎え、若者のファッション市場の変化や、今後の革ファッションなどについて語ります。


16998759_1906718572894260_402535631905940241_n.jpg

こうした取り組みは国内だけでなく、海外でもプレゼンテーションを実施。

16997967_1906718562894261_3388452102979903516_n.jpg

世界最大のマテリアル見本市「リネアペッレ」<2月21日(水)~23日(木)/イタリア・ミラノ>に出展し、日伊両国の最新マテリアルの提案やイベントでさまざまなトピックを発信。

17022005_1906718719560912_7855003926819505431_n.jpg

海外44か国1,198もの出展社のなか、ジャパンレザーの確かな魅力をアピールしました。

DSC_2038-747x457.jpg

2016年度の<ミキオサカベ>コラボレーションアイテムを発表。ファッションショーのコラボレーションアイテムの展示は初の試み。日本の和牛レザーを使ったライダースや、細かいパンチング、プリーツなど加工を多用したアイテムを披露し、注目されました。今年度の展開も楽しみですね!



■ 参考URL ■

 東京レザーフェア <http://tlf.jp>


1

プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

最近のブログ記事

カテゴリー

月間アーカイブ

rss
facebook witter

このページの一番上へ